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2014年のアメリカ映画 ウィキペディアから
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』(原題: Guardians of the Galaxy)は、2014年のアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画。マーベル・スタジオ製作、ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ配給。略称表記は『GotG』。
ガーディアンズ・ オブ・ギャラクシー | |
---|---|
Guardians of the Galaxy | |
監督 | ジェームズ・ガン |
脚本 |
ジェームズ・ガン ニコール・パールマン |
原作 |
ダン・アブネット アンディ・ランニング 『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』 |
製作 | ケヴィン・ファイギ |
製作総指揮 |
ルイス・デスポジート アラン・ファイン ヴィクトリア・アロンソ ジェレミー・レイチャム ニック・コルダ スタン・リー |
出演者 |
クリス・プラット ゾーイ・サルダナ デイヴ・バウティスタ ヴィン・ディーゼル ブラッドリー・クーパー リー・ペイス マイケル・ルーカー カレン・ギラン ジャイモン・フンスー ジョン・C・ライリー グレン・クローズ ベニチオ・デル・トロ |
音楽 | タイラー・ベイツ |
撮影 | ベン・デイヴィス[1] |
編集 |
クレイグ・ウッド フレッド・ラスキン ヒューズ・ウィンボーン |
製作会社 | マーベル・スタジオ |
配給 | ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ |
公開 |
2014年7月21日 (ドルビー・シアター) 2014年8月1日 2014年9月13日 |
上映時間 | 122分[2] |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $170,000,000[3] |
興行収入 |
$333,176,600 [4] 10.7億円 [5] $773,328,629 [4] |
前作 |
MCU キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー |
次作 |
MCU アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン GotG ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス |
「マーベル・コミック」のアメリカン・コミック『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』の実写映画化作品。また、様々な「マーベル・コミック」の実写映画を、同一の世界観のクロスオーバー作品として扱う『マーベル・シネマティック・ユニバース』(MCU)としては第10作品目の映画である。
監督はジェームズ・ガンが務め、脚本はガン、ニコール・パールマン、クリス・マッコイらが執筆する。出演はクリス・プラット、デビッド・バウティスタ、ゾーイ・サルダナ、マイケル・ルーカー、リー・ペイス、オフィリア・ラヴィボンド、グレン・クローズ、カレン・ギラン、ベニチオ・デル・トロ、ブラッドリー・クーパー、ヴィン・ディーゼルらである。
プロデューサーのケヴィン・ファイギは2010年に『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』の映画化の可能性があることを初めて明かし、2012年7月にコミコン・インターナショナルで企画が進行中であることがマーベル・スタジオにより正式に発表された。同年9月にはガンが監督に決まった。2013年2月にプラットが主人公のスター・ロード役に決定し、翌月からは他の役も続々と決定した。撮影は2013年7月にロンドンのシェパートン・スタジオで始まり、同年10月に完了した。ポストプロダクションは2014年7月7日に完了した。
2014年7月21日にハリウッドでプレミア上映された後、8月1日より3D及びIMAX 3Dを含む劇場で封切られた。映画は批評家に高評価され、また興行収入は全世界で7億ドルを超えた。2017年5月5日には続編の公開が予定されている。日本では9月13日と約二か月遅れでの公開となり、キャッチコピーは「宇宙よ。これがヒーローか。」となっている。
エンドロール中の追加シーンでは、1986年に実写映画化もされた、同じくマーベル・コミックのアメリカン・コミック『ハワード・ザ・ダック』の主人公であるハワードがカメオ出演している。
2016年10月、イギリスの保険比較サイトGo Compareにより発表された、1940年代以降の映画で描かれる殺人集計数によると、本作での画面上で登場した死者の数は8万3871人であり、歴代1位であるという(クライマックスの空中戦で約8万人のパイロットが死亡)[6]。この結果に対して監督のジェームズ・ガンもTwitterで驚きのコメントをしている[6]。
1988年、母親を亡くしたばかりの幼いピーター・クイルはヨンドゥ・ウドンタ率いる宇宙海賊ラヴェジャーズによって地球から拉致される。それから26年後の2014年、惑星モラグで成長したクイルがオーブを盗み出そうとしたところ、同じくそれを狙うクリー人のテロリストロナンの部下のハンターコラスと遭遇する。クイルはオーブを持って逃亡するが、横取りを知ったヨンドゥは彼を捕らえるために懸賞金を掛け、一方でロナンはオーブ強奪のために最強の暗殺者ガモーラを派遣した。
クイルがノバ帝国の首都惑星のザンダーでオーブを売り払おうとしたところ、ガモーラは彼に襲いかかる。揉み合いになる2人に遺伝子改造されたアライグマのロケットとその相棒の樹木型ヒューマノイドのグルートの賞金稼ぎペアが加わるが、4人はノバ軍警察によって逮捕され、キルン刑務所に投獄される。そこでロナンに家族を殺されたドラックスは彼と協力関係にあったガモーラを殺そうとする。クイルはガモーラを生かしておけばロナンがいずれやって来ると言って思いとどまらせ、そして彼女からロナンを裏切り、ザンダーのような惑星を破壊するオーブの力を使わせたくないという話を聞く。ガモーラにオーブの買い手が居ることを知ると、彼女とクイル、ロケット、グルート、ドラックスは協力してキルンから脱走する。
ロナンはタイタン人のサノスと会い、彼女の裏切りとオーブについて議論する。クイルたちは彼の宇宙船ミラノ号でキルンを脱出し、宇宙の果てのノーウェアへ到着する。そこで酔ったドラックスがロナンを呼び寄せてしまう間、他の4人はコレクターのタニリーア・ティヴァンと会う。ティヴァンはオーブを開け、それがそれを使う強者以外の全てを破壊するパワーを持つインフィニティ・ストーンであることを明かす。だがその直後、ティヴァンに苦しめられていた使用人カリーナがストーンに触れてしまい、ティヴァンのアーカイブを飲み込む大爆発を引き起こす。
ロナンはノーウェアに到着するとドラックスをすぐに倒し、船で逃げる者たちをロナンの部下とガモーラの妹ネビュラが追跡する。ネビュラがガモーラの船を破壊すると彼女は生身で宇宙空間に放り出され、ロナン軍はオーブを持ち去ってしまう。クイルは自分を追ってきたヨンドゥと通信した後に宇宙空間に出て自分のヘルメットを外してガモーラに装着して生き延びさせ、そして2人はヨンドゥの船に回収される。ロケット、ドラックス、グルートは2人を救出するために船を破壊すると脅迫するが、クイルがオーブを取り戻すと言ってヨンドゥを説得することで停戦に持ち込む。グループはロナンと戦えば確実に死ぬと考えるが、同時に彼らはインフィニティ・ストーンで銀河を破壊する彼を止める必要があると理解する。ロナンの旗艦ダーク・アスター号では、ロナンはストーンの力を自分で使うことに決め、自身のコズミックハンマーにそれを埋め込む。ロナンはサノスに連絡し、ザンダーを滅ぼした後は彼を殺すと宣告し、そして内心でサノスを恨んでいたというネビュラと手を組む。
ザンダー星上空、ダーク・アスター号はラヴェジャーズ、ノバ軍警察、クイルのグループと交戦となり、クイルたちは艦内へと侵入する。ロナンがパワーを含んだコズミックハンマーでノバ軍警察の戦闘機を破壊しようとする間、コラスはドラックスにより殺される。ネビュラはガモーラと対決するが敗れ、ラヴェジャーズの飛行機を奪って逃亡する。クイルたちはロナンの部屋に到着して戦うが圧倒的なパワーには敵わず、危機に陥っていたところ、ロケットが操縦するウォーバード号がロナンに特攻したことによって事なきを得る。大損壊を受けたダーク・アスター号はザンダーに墜落するが、クイルたちはグルートが命懸けで保護壁となったことにより生存する。壊れたダーク・アスター号から生きていたロナンが現れてザンダー星を破壊しようとするが、クイルはダンスで彼の気を逸らし、その隙を突いたドラックスとロケットによりコズミックハンマーは破壊される。クイルはハンマーから出てきたストーンを掴み、そしてその重負荷をガモーラ、ドラックス、ロケットと共有し、エネルギーをロナンに向けて倒し、ロナンはストーンの力によって消滅し、死亡する。
その後、クイルは約束に従ってヨンドゥにストーンを渡すことになったが、トロールとすり替えることで彼を騙し、本物はノバ軍警察に預ける。ラヴェジャーズがザンダー星を去る祭、ヨンドゥは契約を無視してクイルを父親に渡さなかったのは正解だったとつぶやく。ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーと呼ばれるようになったクイルのグループは前科歴を消去され、そしてクイルは自分が半分人間で、父親が古代の未知の種族であること知る。クイルは最後に死ぬ前に母からプレゼントされた箱を開け、その中身の彼女のお気に入りの曲が入ったカセットテープを再生する。ガーディアンズは再建されたミラノ号に乗り、挿し木になって復活したグルートと共にザンダー星を出発する。
エンドクレジット後の場面では破壊されたアーカイブ内でコレクションである犬の宇宙飛行士と喋るアヒルと共に座り込むティヴァンが描かれる。
ミカエラ・フーバーはノバ・プライムのアシスタント[76]、マラマ・コーレットはブート[77]、エメット・J・スキャンランはノバの警備員[78][79]、スティーヴン・ブラックハートとスペンサー・ワイルディングは端役を務めた[67][80]。ナオミ・ライアンもまた端役で出演していたが、最終バージョンではカットされてしまった[77]。他にジェームズ・ガンがサカール人役[65]、ロイド・カウフマンが囚人役[81][82]、ネイサン・フィリオンが囚人の声[65][83]、ロブ・ゾンビがラヴェジャーズ・ナビゲーターの声[65]、作曲家のタイラー・ベイツがラヴェジャーズのパイロット[63]、セス・グリーン(伊丸岡篤)がハワード・ザ・ダックの声でそれぞれカメオ出演している[84]。
本項では、本作に複数の個体が登場した種族をメインに記述する[注釈 4]。
マーベル・スタジオ社長のケヴィン・ファイギは2010年のコミコン・インターナショナルで「まだ『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』のような確定していないタイトルがいくらかある。私は彼らが最近コミックで楽しく再創造されたと考えている」と述べた[98]。『エンターテインメント・ウィークリー』2011年11月号のインタビューでファイギは「『マイティ・ソー』でも仄めかされたが、(マーベル・)ユニバースのコズミック・サイドで大きな叙事詩をやる機会がある」と述べた。また彼は『X-メン』や『アベンジャーズ』と同様のキャラクターの群像劇を備えた映画であるべきであると付け加えた[99]。
2012年のコミコン・インターナショナルのマーベル・スタジオのパネルでファイギは企画が進行中であり、2014年8月1日公開予定であることを正式に発表した。彼はドラックス、グルート、スター・ロード、ロケット、ガモーラが描かれたコンセプトアートが公開し[100]、完全なチームものであることを明かした[101]。8月、マーベル・スタジオは脚本書き直しのためにクリス・マッコイを雇った[102]。同月末、ペイトン・リード、ライアン・フレックとアンナ・ボーデンといったほかの候補たちを破ってジェームズ・ガンが監督する交渉に入った[103]。『アベンジャーズ』の監督であるジョス・ウェドンは『アベンジャーズ』の続編に繋がる全ての映画でクリエイヴリー・コンサルタントを務める契約を交わしており[104]、『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』ではガンを監督に選ぶのに熱心であった[105]。
2009年にマーベルの脚本執筆プログラムに登録されていたニコール・パールマン[106] は脚本の原作にあまり知られていないものを提供された。SFに関心を持っていたためにパールマンはこのうちダン・アブネットとアンディ・ランニングの『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』を選んだ[107]。パールマンは草案の執筆に2年を費やし、『ガーディアンズ』の世界に身を浸した。2011年後半にパールマンは別の草案の執筆を依頼され、2012年初頭にはジェームズ・ガンが脚本協力のために雇われた[108][109]。ガンは脚本を書き直し、マーベルに自分のアイデアを伝えるために映画『特攻大作戦』を使った[110]。ガンは後にパールマンの草案が撮影で使った脚本とは、ストーリー、キャラクターの設定が全く異なり、ウォークマンも存在しなかったことを明かした。彼は「ニコールの脚本は全てがかなり異なっている。(中略)それは同じものではない。だがそれがWGAが働くきっかけだ。彼らは最初の脚本家が好きだから」と述べた[111]。2012年8月、マーベル・スタジオはパールマンの脚本の書き直しのためにクリス・マッコイが雇われたが[102]、製作クレジットはされておらず、最終的な脚本への貢献度は不明である[1]。
2012年9月18日、ガンは自身の公式Facebookページで監督及び脚本書き直しの契約を結んだことを明かした[112]。11月、ジョエル・エドガートン、ジャック・ヒューストン、ジム・スタージェス、リー・ペイス、エディ・レッドメインらがスター・ロード役のテストを受けることが報じられた[113]。1週間後、ペイスがオーディションを受けていることが明らかとなった[53]。その他には『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』にも出演するザッカリー・リーヴァイ[114]、ジョセフ・ゴードン=レヴィット[115]、マイケル・ローゼンバウムが同役の候補となっていることが報じられた[116]。2013年2月、クリス・プラットが同役に決まった[117]。
2013年1月、撮影はイングランド・ロンドンのシェパートン・スタジオで行われる予定であることが報じられ[118]、またマーベル・スタジオは3Dで公開する予定であることを発表した[119]。製作総指揮を務めるヴィクトリア・アロンソは6月に撮影が開始されると述べた[120]。『SFX』2013年3月号のインタビューでケヴィン・ファイギは『Guardians of the Galaxy』とマーベル・シネマティック・ユニバースの関連について語った。ファイギは「これは最も独立した映画になる」と述べた上で、「これは同じ宇宙を舞台としている。そして我々が他の映画で宇宙の反対側にいるとき、あなたはガーディアンズのキャラクターを目撃するが、アベンジャーズは現時点ではその出来事に関与しない」と続けた。さらにファイギは映画の95%は宇宙が舞台になると述べている[121]。3月半ば、デビッド・バウティスタがドラックス役での出演契約を交わした[122]。同役には他にイザイア・ムスタファ、ブライアン・パトリック・ウェイド、ジェイソン・モモアが候補に挙がっていた[122]。1週間後、『スター・ウォーズ』でダース・ベイダーのマスクを設計した彫刻家のブライアン・ミュアーが参加することが報じられた[123]。
2013年4月、ガモーラ役としてゾーイ・サルダナへの出演交渉に入った[124]。数週後、マイケル・ルーカーがヨンドゥ・ウドンタ役でキャストに加わった[45]。同月末、『ハリウッド・リポーター』はサルタナの出演が決まり、またオフィリア・ラヴィボンドもキャスティングされたことを報じた[70]。翌日、リー・ペイスが悪役として最終交渉中であることが報じられた[125]。5月、『HitFix』はマーベルがジョン・C・ライリーをガーディアンズとS.H.I.E.L.D.を繋げるエージェントであるローマン・デイ役でオファーしていることを報じた。同サイトはまた、他の役の候補にヒュー・ローリー、アラン・リックマン、渡辺謙らが挙がっており、またクリストファー・マルクスとスティーヴン・マクフィーリーが脚本を書き直していることを報じた[126]。数日後、グレン・クローズがノバ軍警察のリーダー役にキャスティングされ[47]、さらに続けてカレン・ギランが女性悪役に決まった[127]。6月、ベニチオ・デル・トロが新たにキャストに加わった。デル・トロは本作を含む複数の作品に出演する契約をマーベル・スタジオと交わしている。同月末、ライリーがローマン・デイ役にキャスティングされた[49]。
撮影は2013年7月6日に始まった[57]。2013年7月20日、コミコン・インターナショナルにて、リー・ペイスがロナン・ジ・アキューザー、カレン・ギランがネビュラ、ベニチオ・デル・トロがコレクターを演じ、さらにジャイモン・フンスーがコラスにキャスティングされたことが明かされた[1][57]。また後にグレン・クローズがノバ・プライムを演じることが明かされた[1]。またコミコンでケヴィン・ファイギはサノスが「マスターマインド」として映画の一部を担うと述べた[128]。2013年8月11日からはロンドンのミレニアム・ブリッジでの撮影が始まった[129]。2013年8月30日、マーベルはブラッドリー・クーパーがロケットの声を務めることを公式に発表した[39]。2013年9月3日、ガンは撮影の半分以上が完了していることを明かした[130]。9月5日、ヴィン・ディーゼルはグルートの声を務めることを明かした[31]。しかしながらマーベルはこの時点ではディーゼルの関与を認めなかった[43][44][131]。2013年10月12日、ガンは撮影の完了をソーシャルメディア上で明かした[132]。
2013年11月、ガンはCGとモーションキャプチャの使用において撮影で補助する際、可能な限り現物効果を使い、「我々のセットは巨大である。我々は350,000ポンドの鋼の刑務所を持っている。僕を知人の全てが、僕が現物効果およびCGを混ぜることが好きであることを知っている。(中略)それは驚くほど美しいので、僕は人々がそれを見るのを待つことができないんだ」と述べた[134]。『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』の公開後、ファイギがインフィニティ・ストーンが本作の焦点になるだけでなく、フェイズ3へも繋がることを明かした[135]。11月の『ダーク・ワールド』のインタビューでファイギは未知のインフィニティ・ストーンが映画に登場することを付け加え[136]、のちにそれはコレクターによって「パワーストーン」と呼ばれることが明らかになった[137][138]。『ダーク・ワールド』のクレジット途中で登場したラヴィボンド演じるコレクターの側近は、後に名前がカリーナであることが明らかとなった[71]。2013年12月、マーベルはディーゼルがグルートの声を務めることを発表した[139]。
数週間に及ぶ追加撮影は主要キャストやスタッフと共に2014年3月にカリフォルニア州バーバンクのウォルト・ディズニー・スタジオで行われた[140][141][142]。2014年4月、ガンはサノスを映画での「蛇の頭」であると説明し、パフォーマンスキャプチャ経由で登場することを明かした[13]。2014年5月、ガンは映画がこれまで公開されたどのマーベル・スタジオ映画よりも多くのキャラクターを持ち、「莫大な」数のマイナーなマーベル・ユニバースのキャラクターが登場することを明かした[143]。衣裳監修のダン・グリーンはこれに「我々は本当に、本当に銀河の規模と範囲の感覚を得ている。我々は5つの惑星を訪れ、100の異種族を目撃する」と付け加えた。ロナンの傭兵であるサカーはバドゥーンの権利を20世紀フォックスが所有していたために代わりに登場することとなった[58]。
5月末にジョシュ・ブローリンがサノスを声を担当することが発表され[73][74]、さらに7月にファイギは彼がキャラクターのパフォーマンスキャプチャも務めることを明かした[75]。サノスはロナンとネビュラの場面でホログラム通信としての登場が多くを占めた[137]。ブローリンのキャスティングについてファイギは「我々は彼に接触しようとし、そしてそれが実現しなかったのも当然であったが、それが非常に素晴らしかった時に彼は興味を持った。彼は我々がやったことのファンであり、彼はロンドンのホテルでジェレミー・レイチャムと会ってキャラクターについて少し学んだ。私は何回か電話で彼と話した。我々はそれを、それが好きだったジェームズに通し、それをサノスが『アベンジャーズ』のためにこの世界に存在するので、それが好きだったジョスに通した。それから、我々は彼を撮って録音した」と述べた[75]。2014年6月、ファイギはサノスのその手下たちが将来の『アベンジャーズ』の映画で繋がることを明かした[144]。2014年7月7日、ガンは全作業の完了をソーシャルメディアで発表した[145]。
映画の視覚効果はグルート、モラグ星、ザンダー星、ダーク・アスター号、ザンダー星での最終決戦を担当したムービング・ピクチャー・カンパニー[133]、ロケットを担当したフレームストア[146]、サノスをルマ・ピクチャーズ[133]、オーブのパワー開放とノバ軍警察のコマンドセンターのホロディスプレイを担当したMethod Studios[133]、Lola VFX、Cantina Creative、ハワード・ザ・ダックとダーク・アスター号を担当したソニー・ピクチャーズ・イメージワークス[133][147]、CoSA VFX、Secret Lab、Rise Visual Effects Studios、Technicolor VFXにより構成された[148][149]。プリビズとポストビズはProofとThe Third Floorが行った[133]。
2013年8月、プロデューサーのジェームズ・ガンは自身のFacebookページでタイラー・ベイツが映画音楽を作曲することを発表した。ガンはベイツが音楽に合わせて撮影できるように最初に一部を作曲すると述べた[150]。2014年2月、ガンは映画の中でクイルのウォークマンのミックステープで「Hooked on a Feeling」のような1970年代と1980年代の楽曲が使われているが、それが彼が失った故郷で家族である地球とをつなげる役割を果たすことを明かした[151]。
ワールド・プレミアでは2014年7月21日にハリウッドのドルビー・シアターで行われた[152][153]。イギリスでは2014年7月31日[143]、アメリカ合衆国では8月1日[100] に3D及びIMAX 3Dを含む一般劇場で公開された[119][154]。アメリカ合衆国では8月公開作品としては『G.I.ジョー』(4007劇場)を上回る4080劇場で封切られた。スクリーンの内訳はIMAXが354スクリーン、3Dが3200スクリーン、大型フォーマットが 350スクリーン、D-BOXが240スクリーンであった[155]。
2012年6月、マーベルはテレビゲームから化粧品まで様々な製品をカバーするために、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー関連の11の商標を申請した[156]。ディズニー・コンシュマー・プロダクツは、Mad Engine、C-Life、ニューエラ、ハズブロ、Disguise、Rubies、サイドショウ・コレクティブルズ、レゴ、KIDdesigns、iHome、Funko、Freeze、Fast Forward、Innovative Designsとマーチャンダイズ契約を交わした[157][158][159][160]。
ファイギは2013年7月のコミコン・インターナショナルと8月のD23エキスポでフッテージを公開した[161]。最初の予告編は2014年2月18日の『ジミー・キンメル・ライブ!』でクリス・プラットの紹介により初公開された[12]。『トータル・フィルム』は予告編の冒頭部分から『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の影響を受けていることを指摘した[162]。『トータル・フィルム』はまた、予告編はコミコンとD23で上映された映像にネビュラやコレクターなどの新しいカットを加えたものであることを指摘した[163][164]。ソーシャルメディアは強い反応を示し、12時間のうちにTwitter、Facebookなどで8万8000件の言及があった。この数値は『マン・オブ・スティール』や『アメイジング・スパイダーマン2』といった他のスーパーヒーロー映画に匹敵するものであった[165]。また予告編公開後、ブルー・スウェードの「Hooked on a Feeling」の売り上げは前日比で700%に上昇した[166]。予告編でセラフィノウィッツのキャラクターが発した「What a bunch of A-holes.」という台詞は好意的な反応であったものの、映画の最終カットには含まれなかった[167]。
2014年3月、ABCは1時間の特別番組『Marvel Studios: Assembling a Universe』の中で『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のスニークピークを放送した[168]。2014年4月、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: プレリュード』(Marvel's Guardians of the Galaxy Prelude)と題された2部構成のコミックの公開が始まった。脚本はダン・アブネットとアンディ・ランニングであり、1冊目はサノスの下で働くネビュラ、2冊目は他のガーディアンズに出会う前のロケットとグルートの冒険が描かれた[169]。
2014年7月、マーベルはバイラル・マーケティング・キャンペーンとして、「ギャラクシー・ゲータウェイズ」という架空の旅行サイトを立ち上げた。このサイトでは映画に登場するザンダー、モラグ、ノーウェアといった惑星のページを観覧することができる[170]。2014年7月4日、ディズニーランド、ディズニー・ハリウッド・スタジオ、ABCサウンド・スタジオ・シアターでスニークピークの公開が始まった[171]。2014年7月7日、アメリカ合衆国のIMAX 3Dとカナダの3D及びIMAX 3D劇場で2つの予告編と共に14分の映像が上映された[172][173]。この上映は好評であり、ユーモア、3DとIMAX効果、クーパーによるロケットの描写が賞賛された[173][174][175][176]。
2014年7月12日、ガンと俳優たちはシンガポールのリド・8・シネプレックスでプロモーションを行った[177]。2014年7月17日、ディズニー・インタラクティブはアクションRPG『Guardians of the Galaxy: The Universal Weapon』をiOS、Android、Windows向けに公開した[178]。ゲームのオリジナルストーリーはダン・アブネットが執筆し、映画を補完する内容であった[179]。7月21日、プラット、サルダナ、バウティスタ、ディーゼル、クーパーはプロモーションのために『ジミー・キンメル・ライブ!』に登場した[153]。7月29日、プラットとサルダナはマーケティング戦略の一環としてニューヨーク証券取引所のオープニングベルを鳴らした[180]。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の興行収入は北アメリカで3億3317万6600ドル、北アメリカ以外で4億3960万ドル、全世界で合わせて7億7277万6600ドルを売り上げている[4]。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は木曜深夜のオープニング上映で約1120万ドルを売り上げ、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』の1020万ドルを抜いて2014年最大の成績となった[181]。またこのうちIMAX上映は17%(190万ドル)を占めたが、これは8月のプレリリースのIMAX上映では最高、ディズニー及びマーベル映画としては『アイアンマン3』に次いで2番目の成績である[155]。公開初日には2660万ドル、木曜深夜分を含めれば3780万ドルを売り上げた[182]。公開初週末3日間では9430万ドルを売り上げており、『ボーン・アルティメイタム』(6930万ドル)を抜いて8月公開作品で歴代最高のオープニング成績となった[183]。また2014年公開作品としては『トランスフォーマー/ロストエイジ』(1億ドル)、『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(9500万ドル)に次いで3位のオープニング成績であった[184]。2週目末は4150万ドルを売り上げ、『ミュータント・タートルズ』(6500万ドル)に敗れて2位となった[185]。3週目末は2470万ドルを売り上げ、引き続いて『ミュータント・タートルズ』に次いで2位となった[186]。
8月22-24日の4週目末には1760万ドルを売り上げて再び1位を獲得した。一度2位以下に下落した後に再び1位を獲得したのは2014年では本作が初めてであり[187]、また累計興行収入は『トランスフォーマー/ロストエイジ』を抜いて2014年夏期(5-8月)で最高の成績となった[188][189]。8月29日までには『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』を抜いて2014年に公開映画で最高の興行収入となった[190]。5週目末には1630万ドルを売り上げて連続1位を獲得し[191]、またレイバー・デーを含めた4日間の興行収入は2220万ドルであった[192]。さらに週末興行収入で3度1位となった作品は2014年夏期では初であった[193]。6週目末には1020万ドルを売り上げ、4度目の1位を獲得した[194]。4度目の1位獲得は『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』及び『アベンジャーズ』を抜いてマーベル映画で最多であり、またコミック原作映画としては『ダークナイト』に並んだ[195]。2014年9月12日、2014年公開作品として初となる北米興行収入3億ドル超えを達成した[196]。7週目末は800万ドルを売り上げて3位に後退した[197]。8週目末は520万ドルを売り上げて6位となった[198]。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』は42の国際市場で封切られ、初週末に6640万ドルを売り上げた[199]。このうちロシアでは1300万ドル、イギリスでは1080万ドル、メキシコでは650ドル、ブラジルでは650万ドルであった[200]。翌週末は50地域で4010万ドル[201]、さらに3週目末は66地域で3310万ドルを売り上げた[202]。4周目末には2130万ドルを売り上げ、また累計ではイギリスで3710万ドル、ロシアで3400万ドル、メキシコで1800万ドル、オーストラリアで1780万ドル、ブラジルで1550万ドルとなった[203]。5週目末には68地域に増えて1970万ドルを売り上げた。またドイツの初動成績は700万ドルであった[204]。6週目末は69地域で1150万ドルを売り上げており、またドイツでの累計興行収入は北米外で7位となった[205]。7週目末は42地域で930万ドルを売り上げ、これには公開が始まった日本の210万ドル(2億2414万5400円[206])が含まれた。日本でのこの初動成績は『ウィンター・ソルジャー』を15%、『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』を22%上回るものであった[207]。2014年10月には中国とイタリアでの公開を控えている[207]。
Rotten Tomatoesでは259件の批評家レビューで支持率は91%、平均点は7.7/10となった[208]。Metacriticでは47件のレビューで加重平均値は76/100となった[209]。
『バラエティ』のスコット・ファウンダスは「ジェームズ・ガンによる推定的なフランチャイズ・スターターは長すぎて、詰め込みすぎて、時折人を楽しませるのに熱心すぎるが、クリス・プラットの勝利のパフォーマンスのような人を食ったようなコミック的なトーンは明るくさせる」と述べ、また映画の外観を作り上げた撮影監督のベン・デイヴィス、プロダクションデザイナーのチャールズ・ウッド、視覚効果メイクアップデザイナーのデヴィッド・ホワイトを賞賛した[148]。『ハリウッド・リポーター』のジャスティン・ロウもまた映画の外観を賞賛し、「調和したアンサンブルは独特のスタイル、豊富なスリルと不足のないユーモアによってヒーローのオリジン映画を立ち上げるという試みを成功させている」と評した[210]。ドラックス・ザ・デストロイヤー、ガモーラ、サノスの生みの親であるジム・スターリンは「これまでのマーベルの最高の映画かもしれない」と述べた[211]。同じマーベル・シネマティック・ユニバースでアイアンマン役を演じているロバート・ダウニーJr.は本作を絶賛し、「マーベル史上最高の映画」と述べている[212]。
AP通信のジェイク・コイルは批判的であり、「詰め込みすぎで特殊効果によってジョークの多くがかき消されている」と評し、さらにクローズ、ライリー、デル・トロが活かされていないと感じた[213]。『ニューヨーク・ポスト』のカイル・スミスも否定的であり、『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀』と『グリーン・ランタン』と比較し、会話、ヴィラン、サウンドトラック、サスペンスの欠如、ロケットとドラックスのキャラクターを批判した[214]。
年 | 賞 | 部門 | 対象 | 結果 | 出典 |
---|---|---|---|---|---|
2014 | シネマコン賞 | ブレイクスルー俳優賞 | クリス・プラット | 受賞 | [216] |
ヤング・ハリウッド賞 | スーパーヒーロー賞 | ノミネート | [217] | ||
ハリウッド・フィルム・アワード | ブロックバスター賞 | 受賞 | [218] | ||
2015 | メイクアップ・アーティスト&ヘアスタイリスト組合賞 | コンテポラリー映画 メイクアップ賞 | 受賞 | [219] | |
特殊メイクアップ賞 | 受賞 | ||||
第41回サターン賞 | 最優秀コミック映画化作品賞 | 受賞 | [220] | ||
主演男優賞 | クリス・プラット | 受賞 | |||
監督賞 | ジェームズ・ガン | 受賞 | |||
第87回アカデミー賞 | 視覚効果賞 | ノミネート | |||
メイクアップ・ヘアスタリング賞 | ノミネート |
2014年5月、ウォルト・ディズニー・カンパニーCEOのボブ・アイガーは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』のフランチャイズ化のポテンシャルについて、「我々は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の新しいキャラクターの偉大なキャストと共に素晴らしいマーベルのストーリーテリングを紹介するのを楽しみにしており、我々は先週試写をして強いフランチャイズの可能性を秘めていると信じている」と述べた[221]。彼はさらに「私は我々の手の上にもうひとつの『アベンジャーズ』が得られると予想するつもりはないが、それは確かにゴールである」と付け加えた[222]。同月末、ガンは続編映画が作られる場合は続投する意思があり、またその場合契約で義務があることを明かした[25]。
2014年7月、共同脚本のニコール・パールマンは続編の脚本・監督をガンが務めることを明かした[223][224]。2014年のサンディエゴ・コミコンにて2017年7月28日公開に向けて続編の計画が進行中であることが発表された[225]。また同月、ガンは「僕は(続編で)行ってみたい場所がたくさんある。僕はたくさんのストーリーのアイデアや登場させたいキャラクターがあり、文書にまとめている」と述べた。ガンはまたクイルの父親、ヨンドゥ、ドラックス、ネビュラの詳細を探り、さらにザンダー人、クリー人、Krylorian、ラヴェジャーズの文化を広げることを望んでいることを付け加えた[111]。ガンはまたアベンジャーズとのクロスオーバーの可能性を模索し、「我々は(クロスオーバーの)あらゆる可能性について話し合い、私は基本計画がなんなのかについて少し理解している。それはいつでも変わることができた。それはアベンジャーズの数人とガーディアンズの数人、またはアベンジャーズ全員とガーディアンズ全員を含む出来ることと出来ないことがあった。しかし我々は同じ宇宙に住んでおり、彼らは同じまたは別の場所で遭遇する可能性がある非常に大きな個人だ」と述べた[226]。8月、ガンは続編には「コミックから少なくとももう1人のガーディアン」が登場すべきであると述べ[227]、彼は作業に取り組み始めたことを明かした[228]。同月末、ガンはクイルの父親がコミックのようにスパルタクスのジェイソンにはならないと述べた[229]。
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