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1980年にフジテレビで放送された日本のテレビ人形劇 ウィキペディアから
『Xボンバー』(エックスボンバー)は、永井豪原作によるテレビ番組、漫画および劇中に登場する宇宙船の名称。
本作は1980年10月4日から1981年3月28日まで、フジテレビの土曜日18:00-18:30枠で放送された、じんプロダクション・コスモプロダクション制作のスーパーマリオラマ(SF特撮人形劇)である[1][2][3]。
放映第一回目の「超宇宙マシーンXボンバー・発進準備完了」は、VTR撮影の特別番組で、本編は全25話。現在、フィルム撮影の全25話のみが、エノキフィルムの管理によって映像ソフト化されている。
本編のほかに30分のパイロットフィルムが存在し、当時のSF大会で上映されたこともある。パイロットフィルムの映像ソフト化はダイジェスト版という形ではあるがXボンバー REMASTER DVD-BOXに収録されている[4]。
参考:宇宙船140 2013, p. 119
企画は、じんプロダクションのプロデューサー池田公雄が永井豪に持ち込み、1979年秋にチャンネル16の山田を通してコスモプロダクションの三上へ制作を依頼し開始された[2]。三上はスタジオや美術予算の縮小のためにマリオネットでの作品制作を模索しており、池田の提案と合致し人形劇での制作となった。原作とキャラクターデザインは池田の意向により永井豪が起用され、永井の推薦により藤川桂介がメインライターとなった[2]。
『竹取物語』を基にしたものに、バトルものを組み合わせた形で企画は進行し、初期に出されたものは、地球防衛組織・超撃隊バイレンサーが宇宙盗賊集団・宇宙魔賊ゲルマと戦う侵略ものであった[2]。
日本国外での展開を念頭に置いたパイロットフィルムは制作費4千万円と1年余りの期間をかけて制作され、テレビシリーズの制作へと至る。
本作品の実質的な製作は、三上陸男が社長を務めていた造形会社「コスモプロダクション」に任されていた。エキスプロダクションの社員時代に『サンダーマスク』の撮影などを担当していた安倍安正(安部安正)や土田政雄は、コスモプロに移籍後、本作品へも起用されることになった。合成を担当した山田孝は、16mm合成を専門に設立したチャンネル16の社長を務めており、裏番組の『電子戦隊デンジマン』でもチャンネル16名義で合成を担当していた。
コスモプロダクションは本作品のために新たなスタジオを用意して制作にあたった[5]。一方で制作当初はスタッフはアルバイトの5・6人しかおらず、コスモプロは三上以外現場には参加していなかった[6]。
前述のように予算縮小のために人形劇になったものの、アニメのテイストを活かしつつリアルに作られた5~60万円の人形や、最大数メートルもあるミニチュア、細部まで精密に作られたセットなど、当初の見積もりよりもはるかに予算がかかったという[2]。
現場はマリオネットを用いた撮影に不慣れであったため撮影は遅滞し、一か月に3本を完成させるのが限度であった[5]。そのためスケジュール調整として第1話は特番となり、その後も総集編を3本挿入することとなった[5]。
裏番組に『電子戦隊デンジマン』や『料理天国』などが存在していたことから視聴率は低迷し[5][7]、当初の予定の通り2クールで終了した[5][2]。
西暦2999年、第三次星間戦争が終結し、平和を迎えた太陽系に、謎のゲルマ帝国の艦隊が襲来、その圧倒的戦力でカスター大尉の守る冥王星の前線基地を落とし、一気に地球へと侵攻する。ゲルマ軍のブラディ・マリーは、F-01の引き渡しを求めて最後通牒をつきつけてくるが、地球防衛総合司令本部のジェネラル黒田にもそれが何かわからない。ジェネラルは、宇宙戦士訓練学校の銀河シロー、ボンゴ・ヘラクレス、ビッグマン・リーの三人をムーン・ベースへ向かわせ、ドクトル・ベンが建造していた戦闘母艦Xボンバーの乗組員とし、ゲルマ艦隊を撃退することに成功した[9](第1話)。 一方、火星で拾われ月で育てられたベンの秘書ラミアは、自分がF-01ではないかと疑い、突然現れた謎の宇宙帆船ドクロ号と接触を試みるが、ドクロ号はゲルマ艦隊に追われて何処ともなく去ってしまう(第5話)。ドクトルは、Xボンバーにラミアを乗せ、ドクロ号を追って銀河漂流(スペースオデッセイ)へと旅立つ(第6話~13話)。ラミアは、ドクロ号艦長ハレーとの接触に成功しテレパシーに目覚めるも(第14話)、罠にはまってゲルマに捕まってしまう(第15~第19話)。 ハレーにラミアの秘密を聞かされるXボンバーの一行は(第16話)、ラミアをゲルマから奪還するが(第19話)、ラミアの暗殺をはかるブラディ・マリーの魔の手にドクトルがたおれる(第20話)。ハレーの待つM-13にたどり着いたシローとラミアは、そこで父・三郎博士と再会する(第21話)。 F-01とドクロ号の接触を許してしまったブラディ・マリーらは、M-13に総攻撃を開始するも、銀河三郎の開発した宇宙砲に撃退されてしまった。これを重く見たゲルマ魔王は、マリーの艦隊を見捨て、ゲルマ本星を地球に近づけて攻撃をしかけてくる(第22~24話)。Xボンバーは、急ぎ地球を目指し、追撃するマリーらを粉砕するも、本星ゲルマ城の攻撃に圧倒され、なすすべもない。地球防衛軍、ドクロ号、Xボンバー、ビッグ・ダイエックスのすべてがゲルマ帝国の攻撃に沈黙したその時、惑星直列の中、銀河新世紀・西暦3000の夜明けがラミアを照らす。 ラミアはハレーを融合して女神になると、ゲルマ魔王を諭すも、いうことを聞かない魔王に神罰が下り、魔王を乗せたゲルマ本星が大爆発して四散する。ラミアは、大宇宙の平和を守る使命のためにと、テレパシーでXボンバーの一行に別れを告げ、いずこともなく去ってしまう。Xボンバーは、その使命を終え、平和の訪れた新世紀を祝うため、地球への帰路に就くのであった。「しかし、地球に、宇宙に、本当に平和が訪れたのだろうか」と余韻を残すナレーションで幕を閉じる(第25話)。
原作では等身大だったが、作品の初期はスキャニメイトによるホログラムで登場、第9話では、ゲルマ城の処刑場の地平の果てに顔が浮かび、大きな手がコズロをつかんで握りつぶそうとするなど、大巨人として描かれたが、23話以降は美術スタッフがスーツアクターを務めている。
外宇宙からの侵略に対抗するための、"X計画"によりムーン・ベース地下で極秘裏に建造された、全長259mにも及ぶ巨大宇宙戦艦[1][15]。特徴的なX型の左右上下各対照な主翼を装備し、また水鳥のように下垂した艦首を持つ。優れた高速性を持ち、地球時間換算で一年以上の長期の宇宙での生活や作戦行動を想定した生命維持機能を有し、そのための生活資材や食料の長期保管も可能。主な武器は、機首部分を上方に展開して短時間で発射する中規模エネルギー砲・ブレスト速射砲と、翼端にある4機の砲門より同時発射される最強のレーザーエネルギー兵器・X字型の破壊光波「Xインパルス」で、後者はゲルマ母艦に甚大な被害を与えることが可能だが、発射後は全駆動エネルギーの90%を消費する弱点を持つ[16][1][15]。他にもX機関砲やX電磁砲、電磁ナパーム、ブレスト速射砲[1][15]、艦首ブリッジ側面に左右それぞれ二連装の回転式銃座や爆雷を装備している[16]。また、スペクトル探査性能や航路追跡装置も装備している[15]。左右両舷と艦底の計3箇所にトリプル・アタッカーと呼ばれる3機の艦載機各機を格納搭載しており、各機に専用シューターで移動する[15]。
Xボンバーを母艦とし、Xボンバーの護衛や航路の偵察・斥候、襲撃する敵の迎撃などのために用いられる。迎撃機・爆撃機・駆逐艦の三種の目的を持つ各々の中小の艦載機の総称であり、それぞれ偵察・斥候、強襲、護衛が主任務である。なお、護衛を主とするレッグスターにも他の2機と同じ程度の火力を与えられている。各機とも合体機能を有しており、3機が合体することで後述のビッグ・ダイエックスとなる。
トリプルアタッカー3機がダイエックス・ジャンクションして、レッグスター・アセプティング、ジャンボディー・セクション、ブレインダー・コンタクトの過程を経て完成する巨大戦闘ロボット[16][1][15]。敵機の迎撃、要塞の攻撃などでその戦力を発揮しブラディ・マリーやゲドラからは「化け物」と呼ばれた。
アンチバリヤー機能を内蔵し、パンチやキックのみでゲルマ基地を壊滅する[16]。最大の武器は顔面のX字装甲より発射される破壊光線・Xレイ、さらに右手首のスーパー・カノン、左手首のアーム・ミサイル二基、胸部から発射されるブレスト・ミサイルが主な武器で[1][15]、前面に展開される敵の攻撃を防ぐXバリヤーも装備されている[16]。
人形制作はコスモプロダクションによる。朝日ソノラマ刊『宇宙船』4号の永井豪のインタビューに竹田人形座と発言があるが、同誌5号に訂正文が記載された。
放送日 | 話数 | サブタイトル | 脚本 | 監督 | 特殊技術 |
---|---|---|---|---|---|
1980年 10月11日 | 1 | スクランブル・Xボンバー | 藤川桂介 | 三上陸男 | - |
10月18日 | 2 | 奇襲ゲルマ艦隊! | |||
10月25日 | 3 | F-01を探し出せ! | |||
11月1日 | 4 | 輸送船団消滅す! | 高橋章 | 松本清孝 | |
11月8日 | 5 | 謎の帆船ドクロ号! | |||
11月15日 | 6 | 旅立つXボンバー! | 三上陸男 | ||
11月22日 | 7 | 重力墓場の死闘! | |||
11月29日 | 8 | 涙を越えて銃撃せよ! | |||
12月6日 | 9 | 追いつめられた司令官! | |||
12月13日 | 10 | 銀河漂流 | |||
12月20日 | 11 | サヨナラ永遠の戦場! | 高橋章 | ||
12月27日 | 12 | 宿敵はカスター大尉 | |||
1981年 1月3日 | 13 | 激闘! Xボンバー対ゲルマ軍団 | 三上陸男 | ||
1月10日 | 14 | 宿命の少女ラミア | 高橋章 | ||
1月17日 | 15 | XボンバーM星に死す! | 三上陸男 | 安部安正 | |
1月24日 | 16 | 連れ去られたラミア | |||
1月31日 | 17 | 氷の牢獄で眠れ! | 大上典保 | ||
2月7日 | 18 | ブラディマリー昇進! | |||
2月14日 | 19 | 牢獄惑星を爆破せよ! | |||
2月21日 | 20 | F-01暗殺作戦 | 松本清孝 | ||
2月28日 | 21 | M13総攻撃開始! | |||
3月7日 | 22 | M13明日なき戦い! | |||
3月14日 | 23 | ゲルマ母艦へ突入せよ! | 大上典保 | ||
3月21日 | 24 | 地球絶体絶命! | 三上陸男 大上典保 | ||
3月28日 | 25 | 銀河新世紀元年 |
この節の加筆が望まれています。 |
『てれびくん』で連載された漫画版は『漫画十番勝負! vol.1 豪!go!!テレビコミック傑作選』(双葉社1999年)に収録されている。
この節に雑多な内容が羅列されています。 |
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