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2001年に発売されたコンピュータゲーム ウィキペディアから
『メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ』(メタルギアソリッドツー サンズ・オブ・リバティ、METAL GEAR SOLID 2: SONS OF LIBERTY、略称: MGS2)は、コナミコンピュータエンタテインメントジャパンが開発したステルスゲームである。世界で700万本を達成するシリーズ最高の売り上げとなっている。
ジャンル | タクティカル・エスピオナージ・アクション |
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対応機種 |
PlayStation 2 Xbox、Microsoft Windows(サブスタンスのみ) PlayStation 3、Xbox 360、 PlayStation Vita (HDエディション) PlayStation 4、PlayStation 5、Xbox Series X/S、Nintendo Switch、Steam(MASTER COLLECTION版) |
開発元 |
コナミコンピュータエンタテインメントジャパン(PS2, Xbox) サクセス(Microsoft Windows) HDエディション 小島プロダクション、Bluepoint Games (PS3・Xbox 360・PS Vita版) ARMATURE STUDIO(PS Vita版のみ) |
発売元 | コナミ |
プロデューサー | 小島秀夫 |
ディレクター | 小島秀夫 |
デザイナー | 小島秀夫 |
シナリオ | 小島秀夫、福島智和 |
音楽 | 日比野則彦、ハリー・グレッグソン=ウィリアムズ |
美術 | 新川洋司 |
シリーズ | メタルギアシリーズ |
人数 | 1人 |
メディア | DVD-ROM |
発売日 |
サンズ・オブ・リバティ: 2001年11月14日 2001年11月29日 2002年3月8日 サブスタンス: 2002年12月19日 2003年3月3日 2003年3月28日 Xbox: 2002年11月5日 2003年3月7日 Microsoft Windows: 2003年3月27日 2003年3月28日 HDエディション: 2011年11月23日 MASTER COLLECTION版: 2023年10月24日 |
対象年齢 |
CERO:C(15才以上対象) CERO:D(17才以上対象)(MASTER COLLECTION版) ESRB:M(17歳以上) BBFC:15 |
コンテンツアイコン | CERO:セクシャル、暴力(MASTER COLLECTION版) |
売上本数 |
約87万本[1] 約700万本[2] |
その他 |
サンズ・オブ・リバティ: 限定版あり HDエディション: 『メタルギアソリッド3』と共に収録(ディスク版のみ。ダウンロード版は個別で購入可能) |
メタルギアシリーズ第4作目にあたる。また、メタルギアソリッドシリーズとしては第2作目である。
物語のテーマは「ミーム(文化的遺伝子)」。PlayStation 2の最初期に当たる2001年の作品でありながら、インターネット社会におけるポスト真実、監視社会、情報統制、インフォデミックの問題を予見したような物語となっている。前作までのように単に任務が与えられて遂行するだけではなく、本作では情報錯綜[注 1]の渦中で次々と明らかになる事実により任務の目的が揺らぐため、プレイヤーも疑心暗鬼になりながらゲームを進める事になる。この作品で提示された謎は『メタルギアソリッド4』で解決することになる。本作に登場するサイファーは現実の2007年や2009年では実戦投入されず、その後は急速に陳腐化してしまったが、ドローンなどの無人兵器の氾濫による問題もいち早く描かれていた。
悲劇的なだけでなく、それまでのどのゲームとも異なっており、何百万人ものプレイヤーに衝撃を与えた。最初のポストモダンのゲームと言われ、錯綜するストーリーと不条理なキャラクターによる個人の忠義と真実というテーマは「メタルギアソリッド3」に引き継がれたが、「killer7」のディレクター須田剛一など他のクリエイターにも影響がみられる[3][4]。ポスト真実の未来を予見したとも言われ、当時Facebookは存在していなかったが、そのニュースフィードのアルゴリズムがもたらすものが描かれていた[5]。明らかになった敵は物理的なロボットなどではなく、デジタル化の進行によるミームの飽和と劣化から人類を守るため世界の情報を検閲・操作するAIである[5]。ビデオゲームの芸術表現の一例としてもよく言及される[6]。
今作からプラットフォームをPlayStation 2に移行し、記憶媒体としてDVD-ROMを採用したことで、グラフィックやシステム面での性能が向上した。下記が前作からの大きな改善点である。
基本的に前作を踏襲するが、主観視点で武器を扱える、倒れた相手を抱きかかえて引きずる、敵をホールドアップさせるといった新要素が盛り込まれた。
武器及び装備品の選択画面も変更され、前作のL字型メニューから種類を縦に配置し、それぞれが横に展開する階層型を採用した。
麻酔銃(狙撃ライフル含む)と日本刀の「みね打ち」(突きを除く)が導入され、これを活用することで敵をボスも含め、スコア上は一人も殺さずにゲームを進めることができる。敵の殺害数はゲームクリア後の評価の一つとして表示されるため、いかに少ない殺害数でクリアできるかに挑むこともできる。
本作は「タンカー編」と「プラント編」の2部構成になっており、それぞれ年表では「マンハッタン沖タンカー沈没事件」、「ビッグ・シェル占拠事件」と呼ばれる。
『インテグラル』に引き続き、今作でも難易度が設定できる。難易度によって、装備品・弾薬の最大所持数・敵兵やボスの耐久力・巡回ルート・血の量・達成しなければならない目標が変化する。
本作では初めてゲームをプレイする際に、「アクションゲームが得意か」や「前作を知っているか」といった質問が行われ、選択した内容によっては高難易度が選べない場合がある。サブスタンスの場合、全ての難易度共通で、日本版と比べて監視カメラの台数が多くなっている。難易度ごとの強弱・大小の比較は、NORMAL(日本版HARD)を基準として表記。
どの難易度でもレーダーをオフにすることが可能。この設定だと、ノードにアクセスしてもソリトンレーダーが表示されなくなる。また、HARD以上の難易度では敵兵に見つかるとゲームオーバーになる設定が選択可能になる。
2002年12月19日に発売された拡張版。日本語音声から日本語字幕付きの英語音声に変わり、新たな難易度とモードが追加されている。このほか、赤外線ゴーグルの画像が温度変化に合わせたサーモグラフ状になる、出血表現が増えるなどの変更点がある。
ステージクリア型のモード。仮想訓練を模したVR MISSIONS(全350種類)と、本編のステージを利用したALTERNATIVE MISSIONS(全150種類)がある。
開始時にプレイヤーはいずれかのキャラクターを選択し、キャラクターによってVR訓練の内容が変化する。条件を達成すると使用できるキャラクターが増える。
また、ミッションの多くは制限時間があり、これが過ぎるとゲームオーバーになる。
スネークが主人公の外伝で、ステージはタンカーやビッグシェルなど本編のものだが、パラレルワールドの設定になっていて物語につながりは無い。デモシーンは用いられず、ストーリーの合間合間に文章パートが入る。キャラクターの言動がコミカルなものに変更されるなど、登場人物の性格設定も一部変更されている。エピソードは5種類あり、それぞれの頭文字を並べると、A,B,C,D,Eのアルファベット順になる。プレイヤーの行動によってシナリオが分岐するポイントがある。難易度は本編のNORMAL準拠だが、一部を除いてソリトンレーダーが常時OFF、初期装備に麻酔銃がないなど、やや高難易度になっている。
ミニゲーム。ビッグシェルを舞台にスケートボードに乗って得点を競い、指定されたミッションをクリアしていく。
2011年11月23日発売のPlayStation 3版およびXbox 360版、2012年6月28日発売のPlayStation Vita版。『メタルギアソリッド2』および『メタルギアソリッド3』の移植版を収録。PS3版にはゲームアーカイブス版メタルギアソリッドの無料ダウンロードコードを同梱[8]。
サブスタンスと同等の仕様で、サブスタンスの追加要素も含め全編が日本語音声となっている。このため、数は少ないが、新録された音声もある。サブスタンスに収録されていた「VR MISSIONS」「ALTERNATIVE MISSIONS」「SNAKE TALES」も収録されている(「SKATEBOARDING」は削除)。
本作においてもスネークが主人公であると思われており、予告ムービー等でもスネークが主人公であるような描写がなされていたが、発売一週間前に雷電の存在が発表された[9]。シリーズの主人公であるソリッド・スネークを操作できるのは、序章に当たる「タンカー編」のみで、本作のメインとなっている「プラント編」での操作キャラクターは雷電のみであるため、彼が実質的な主人公となった。
小島が雷電を主人公に据えた理由として「若い女性を新たにファン層に取り込みたかった」「女性モニターに『おじさんばかりが出てくるゲーム』と言われたから」と語ったインタビューの映像が入った特典DVDが出されたのち、「MGSはそんな軟派なゲームじゃない」とする意見も出たが、小島本人はインタビュー向けの冗談であり、真意は「新兵の目線で、客観的に老兵であるスネークを見せたかった」「歴戦の勇士(=スネーク)が毎回1からやり直すシチュエーションになるのはおかしいと思ったから、新しい主役を立てようという発想が出てきた」との趣旨を語っている。他にも「サービスを提供してなんぼ」「お客さんにびっくりしてもらおうと思ったから」などの理由も挙げている。
これに絡めて『サブスタンス』では、スネークが主人公のサブストーリーの「SNAKE TALES」が用意され、その中で雷電に対する自虐的な内容がある。続編の『メタルギアソリッド3』では、容姿が雷電そっくりの「ライコフ少佐」というキャラクターや彼に変装するためのマスクを登場させ、スネークがライコフ少佐に変装した後に通信を行うと、雷電への批判に関したやりとりが行われたりする。また2005年の東京ゲームショウにて『メタルギアソリッド4』の前座として、4の主役になるために、雷電が過去へビッグ・ボスを倒しに行くが災難に見舞われるというストーリーの特別映像METAL GEAR RAIDEN -SNAKE ERASER-(『サブシスタンス』にて閲覧可能)が上映され、映像中の音声として、雷電へのブーイングが起きる仕掛けになっている。
しかし、新川洋司は『メタルギアソリッド4』の特典映像において「(主役を雷電にしたことに対する批判は)分からなくもないが、MGS4を観れば分かるように、雷電を登場させたことを失敗だったとは全く思っていない」という旨の発言をしている[10]。
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