BATTLE TALK RADIO アクセス(バトルトークラジオ アクセス)は、1998年10月5日 - 2010年4月2日までTBSラジオをキーステーションとして放送していたラジオ番組。
その日発生した注目のニュースを紹介したり、旬の話題や社会現象などから日替わりのテーマを決めて、ナビゲーター(司会者)、トークパーソナリティ(レギュラーコメンテーター)、リスナー、時にはゲストを交えて討論(番組では「バトル」という)したりする生放送番組[1][2]。ただし年末年始の数日間は録音放送になり、過去の放送のハイライトや「インターネット対談「蔵出しスペシャル」と題して、ポッドキャスト配信した対談の中から数本ずつ放送したり、宮崎哲弥と宮台真司による「M2(MIYAZAKI・MIYADAI)のテレビじゃ聞けないJ-POP批評」を行ったこともある。録音放送の場合はリスナーが参加するバトルトークなどの一部コーナーが、パーソナリティやスタッフが選んだ曲が合間に流れる構成になっている。
最初の半年間はTBSラジオのみの放送だったが、好評だったのか、半年後のHBCラジオを皮切りに各地でネットされるようになった。HBCの放送開始までは「TBSラジオ・アクセス」というタイトルで放送していたが、HBCのネット開始以降は「BATTLE TALK RADIO アクセス」となり、それに伴って男声タイトルコールも変更されている。
2010年2月のマスコミ各紙の世論調査で「民主党の小沢一郎幹事長(当時)は辞職するべきか?」という質問に70%以上の回答が「辞めるべき」というものだったにもかかわらず、当番組内のアンケートでは「続投すべき」という回答が70%に達し、マスコミの世論調査の信憑性に一石を投じる結果となった。
関西圏でのネットがなかった理由
JRNに属する報道番組の側面があるため、テレビがJNN系列の兼営局ではJNN協定による拘束がラジオも対象になるという解釈により近畿広域圏の局においては事実上毎日放送(MBSラジオ、以下「MBS」)しかネットを受けることができないとされた。これは後継番組の『ニュース探究ラジオ Dig』でも同様であった。
結局MBSはネット受けせず、関西圏でのネットはなかった。2020年10月にこの枠が『アシタノカレッジ』となり、報道色の薄い枠に転換されて以降も、MBSを含めた関西圏各局へのネットはされていない。
番組の終了
JRN系全国ネットだったとはいえ、TBSラジオはネットワークセールスをせず任意ネットとしたため、NRNとクロスネットしている多くの局は『オールナイトニッポン』以来の協賛社[3] によるネットワークセールス収入が見込めるニッポン放送制作番組を選択するか自社制作のローカル夜ワイドを継続、JRN単独局以外へのネットは広がらなかった。このためTBSR&Cは番組公式サイトでストリーミング配信を行い、全国での聴取を可能にした。当初はスペシャルウィーク(聴取率調査週間)限定だったが、後に常時、行われるようになった。ただし、著作権の関係からCM・BGMなどは流れない。
番組はリスナーの支持こそ得たものの、企業的には採算を確保できるほどのスポンサーを獲得できなかった[4]。この結果、リーマン・ショック後の企業の広告費削減やスポンサー離れの影響を受け、2010年4月2日の放送をもって、11年半の放送に幕を閉じる旨が発表された[5]。
- 1998年10月5日初回から1999年3月まで:月曜 - 金曜 22:00 - 23:30
- 1999年4月より2009年3月まで:月曜 - 金曜 22:00 - 23:40
- 2009年4月より2009年9月まで:月曜 - 金曜 22:00 - 24:00
- 2009年10月より最終回2010年4月2日まで:月曜 - 金曜 22:00 - 23:55
TBSラジオ以外のネット局は、23時27分30秒までの放送(「バトルトーク」の途中でネット終了(2009年4月より))。その後、ナビゲーターによる宛先の案内(録音)が流される。TBSラジオではこのあと「交通情報」が放送され、バトルトークが続く。
2007年8月27日から8月31日までは、TBSラジオで『熱戦!!世界陸上ダイジェスト』を放送したため、ネット局と同様に23:30までの放送となった。
2009年4月(放送時間22:00〜24:00)頃のもの
- きょうのバトルトーク・テーマが発表され、テーマに沿ってパーソナリティーとコメンテーターのトークが行われる。
- 22:15頃 カウントダウン・トゥディ
- 22:33頃 各局ローカル枠(TBSラジオでは交通情報)
- 22:35頃 番組からのお知らせ
- 22:40頃 バトルトーク
- リスナーに電話を繋ぎ、テーマについてパーソナリティー、コメンテーターと「バトル」する。ここまでは時刻確定のコーナーが無いため、その日のトークの展開や野球中継の延長などでコーナー開始時刻が大幅に変わることがあった。
- 23:27:30 ネット局飛び降り(TBSラジオでは交通情報・CM)
- 23:40頃 アクセス特集
- 23:48頃 TBSニュース・交通情報[6]
- 23:54:00 終了
カウントダウン・トゥデイ
- 番組開始前(19時頃)に放送当日のニュースを10本ピックアップして、この番組の登録会員「アクセスピープル」(番組開始当初はFAX会員のみだったが、その後インターネットからも参加が可能になった。略称はアクピー)や番組サイトからその日気になったニュースを3つ選んで投票を募り、その結果をもとにランキングを作成し、カウントダウン形式で紹介する。バトルトークのテーマについて一定の意見が出揃うまでのつなぎとして設定されたコーナーと思われるが、つなぎとは感じさせない作りをしていた。
- 重大ニュースの場合、専門家やTBSラジオの記者、他の曜日のトークパーソナリティ(二木啓孝ら)に意見を聞くこともある。JRN発の音源を用いる場合もある。
- TBSラジオでのナイター中継が延長されたときは、短縮されることがある。
ローカル枠(22:33)各局放送状況
- 上述の「カウントダウントゥデイ」コーナー終了後、22:33頃にローカル枠が設けられていた(コーナーの進み具合により時間は多少ずれる。また夏期は野球中継延長の場合、当枠が休止となる場合あり)。
- ただし、多くのネット局ではTBSラジオからのBGMのみ放送していた。キー局TBSラジオではこの時間を道路情報に充てていた。ネット当初のHBCは当枠を道内天気枠に充てていたが、その後はBGMのみ放送に切り替えた。
- 2008年9月30日よりネット開始のTBCは、当枠を「河北新報スポットニュース」に充当していた。
バトルトーク
- 番組のメインコーナー。ナビゲーター、トークパーソナリティ、リスナー、時にはゲストを交えて討論する。
- 毎回の討論テーマは2択または3択の設問であることが多い。討論が始まる前に、通行人へのアンケート結果(スタッフが東京、山手線沿線のターミナル駅周辺で行うことが多い)、アクセスピープルからの集計結果、これまでに寄せられたリスナーからの集計結果が発表される。なお、最終的な集計結果はエンディングで発表される。ただし、ここで言うエンディングとはTBSラジオのみ流れるもので、TBSラジオ以外で聴取しているリスナーが集計結果を知る場合、公式サイトもしくは翌日(金曜日の結果に関しては月曜日)の放送、あるいは雑音の中でTBSラジオを聴取(遠距離受信)することでしか確認できない。
- リスナーの意見は電話とFAXでは当日22時から、番組サイトでは当日19時30分頃から受け付ける。電話出演するリスナーは意見を送ったアクセスピープルの中から選ばれる。なおアクセスピープルに加入していると、当日19時頃にバトルトークの内容が指定したアドレスに向けてメール配信される。
- 番組後期はリスナーからの集計に関してのみ、途中経過が発表されることもあった(番組オープニングトーク時・カウントダウントゥデイ中)。
- このコーナーでは初期はTBSラジオローカルで「時代にアクセス 正義のダウト」というコーナー名がついていた。TBSラジオではアサヒビールが筆頭提供だったほか独自オープニングまで存在し、CMを経て「ダウト」というサウンドステッカーを以て本編に入っていた。ネット局が出来てからは、このオープニングとCMは全国共通のCM枠の中でローカル放送されたため、ネット局はサウンドステッカーの「ダウト」以降のみ聴けた格好となった。
アクセス特集
日替わりコーナー。バトルトークでの白熱した議論の後に頭をクールダウンする時間と称し、その日のナビゲーターとトークパーソナリティで進行していた。TBSラジオのみの放送。しかし、一部を除いてTBSラジオの番組サイトにてポッドキャスト配信がされており、ネットされていない地域でも聴くことが可能であった。
- 月曜日「田中が言いたい!」(田中担当日)、「ガガンボン・トピックス」(えのきど担当日)
- 火曜日「誠二と真理のコレを見た!」
- 水曜日「神足 健康プロジェクト」
- 木曜日は、スポンサーが付くことがあり、内容がしばしば変更されている(番組最末期は、「NEC Wisdom ビジネスの知恵袋」)。
- 金曜日「二木啓孝の取材ノート」
ナビゲーター
代理ナビゲーター
- 山本モナ(2005年、長峰の代理)
- 久保田智子(2005年、伊藤の代理)
- 唐橋ユミ(2006年7月31日、山本の代理)
- 長岡杏子(2006年8月1日、山本の代理)
- 山内あゆ(2006年8月2日・3日、山本の代理)
- 柴山延子(2006年9月18日・19日、山本→渡辺の繋ぎ)
- 前場美保子(2006年9月20日・21日、山本→渡辺の繋ぎ)
トークパーソナリティ
備考
- 田中は2000年10月以降、えのきどと1週交代で出演。自身の選挙期間中は出演せず、その際はえのきどが出演した。二木は田中欠席時の月曜も担当したことがある。
- パーソナリティの降板の際には必ず報告が行われていたが、そのうち2004年の春改編にあたる3月に降板した蓮舫と長野智子の2人については降板の挨拶が一切行われず突然降板という異例の交代となり、トークパーソナリティなど番組側は翌週以降これに一切触れておらず、後任の長峰由紀と伊藤聡子の2人も新たな担当の挨拶にとどまるに至った(蓮舫・長野2人に関する言及なし)。これについてTBSラジオ側は降板理由を一切公表していないが、蓮舫はその後の民主党議員・政治家転身への準備のため、長野はテレビ朝日への専属契約局移籍が背景にあるとされる。
- 2006年10月からパーソナリティを担当した渡辺は就任1年半前まで、ニッポン放送の裏番組、HOT'n HOT お気に入りに追加!に出演していた。
- 2008年4月に宮崎と藤井の担当曜日が交換されたのは宮崎の都合による。宮崎に関しては、2009年4月以降の担当曜日変更後も火曜もしくは木曜に変更するケースがしばしばあった。
- 聴取率調査期間中は「ダブルトークパーソナリティスペシャル」と題して、トークパーソナリティ各1名が他の曜日に特別出演する場合があった。えのきどに関しては番組最終週の2010年4月1日にゲスト出演した。
- 宮崎は降板後、番組最終週の2010年4月1日に一度だけ乱入の形でゲスト出演している。
- 最終回放送時点のネット局
- TBS R&C TBSラジオ&コミュニケーションズ(現:TBSラジオ、キー局)
- HBC 北海道放送(1999年10月-)
- TBC 東北放送(2008年9月30日-、火〜金曜日のみネット。以前は自社制作番組を放送)
- BSN 新潟放送(2000年10月-)
- SBS 静岡放送(2008年3月31日-、以前はニッポン放送の番組を同時ネット)
- CBC 中部日本放送(2000年10月-)
- KNB 北日本放送(2005年4月-、以前はニッポン放送の番組を同時ネット)
- RNB 南海放送(2008年9月29日-、中四国地方のAMラジオ局では山陽放送でのネット打ち切り以来2年半ぶりのネットとなる。以前は自社制作番組を放送、さらにそれ以前はニッポン放送の番組を同時ネット)
- RKK 熊本放送(2009年10月5日-、以前はニッポン放送の番組を同時ネット)
- かつてのネット局
「ラジオ 「未来のラジオ」実現へ / 三条毅史」『新・調査情報passingtime』第18号、東京放送、1999年7月1日、47頁、NDLJP:3479808/25。
スポンサー。同番組ではスポンサーが企画に関与することが開始以来一貫して認められていないため「提供」ではなく「協賛」としている。
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