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日本の東京都千代田区にある製薬会社、および同社が製造販売するのど薬の商品名 ウィキペディアから
龍角散(りゅうかくさん)は、日本の製薬会社の株式会社龍角散であり、また同社が製造・販売する薬のブランド名であり登録商標である。
龍角散本社(龍角散ビル) | |
種類 | 株式会社 |
---|---|
市場情報 | 非上場 |
本社所在地 |
日本 〒101-0031 東京都千代田区東神田 2-5-12 龍角散ビル |
設立 | 1928年(創業は1871年) |
業種 | 医薬品 |
法人番号 | 2010001031982 |
事業内容 | 医薬品などの製造販売 |
代表者 | 代表取締役社長 藤井隆太 |
資本金 | 6,000万円 |
売上高 |
241億円 (2024年3月期) |
純利益 |
9億6,567万4,000円 (2024年3月期)[1] |
純資産 |
120億6,738万8,000円 (2024年3月期)[1] |
総資産 |
212億7,680万2,000円 (2024年3月期)[1] |
従業員数 | 141名(2024年3月末現在) |
外部リンク | https://www.ryukakusan.co.jp/ |
株式会社龍角散は東京都千代田区にある製薬会社であり、「龍角散」は同社が製造・販売するのど薬(鎮咳去痰薬)のブランド名であり、「龍角散」は同社の登録商標である(登録商標第795587号ほか)。
千葉県香取郡多古町に千葉工場があり「龍角散」というブランド名で、粉末状のものだけでなく、のど飴、トローチ、タブレット、ゼリーなど、鎮咳去痰薬を中心に製造している。
社長は、初代藤井得三郎、2代目得三郎(米次郎)、3代目得三郎(勝之助)、4代目康男と続き、現社長の隆太は株式会社の5代目である[2](秋田の玄淵から数えると8代目[3])。
龍角散の創業家である藤井家は、秋田に転封された佐竹義宣に従い水戸から大曲に移り、代々久保田藩(秋田藩)の御典医を務めた。
龍角散の原型は秋田初代の藤井玄淵が考案した[4]。秋田二代目の玄信は、蘭学を学び西洋の生薬を取り入れ改良した。三代目正亭治は幕末の藩主・佐竹義堯に仕え、御典医となり[5]、義堯の持病である喘息を治すために長崎で蘭学を修めて帰藩。家伝薬をぜん息の処方に改良して「龍角散」の基礎を確立した[6]。「龍角散」の名は龍骨・龍脳・鹿角霜といった生薬に由来するが、これらの生薬は後の処方見直しの際に外された。
明治維新によって藩薬であった龍角散は藤井家に下賜された。1871年、正亭治は秋田藩の江戸屋敷に近い神田豊島町で藤井薬種店[7] を営み始め、龍角散は一般に発売されることとなった[2][注釈 1]
1893年、得三郎が龍角散の微粉末状の処方を完成させ、藤井得三郎商店を開業[4]。8月に正亭治が死去し、10月には得三郎が家督を継ぎ[5]、「龍角散」の名前で一般向け薬として売り出した[9]。関東大震災後に大阪へ工場を移し、事業を復興するにあたり、遠縁の森垣亀一郎が船会社との交渉などで協力して、製品や救援物資の輸送が可能になったという[10]。
株式会社としては1928年に設立。第二次世界大戦後の1964年には社名を主力商品名の「龍角散」と改称し[4]、錠剤や散剤、トローチなど龍角散を冠した数多くの商品を開発した。
医療用分野では1990年からジェネリック医薬品分野にも進出している。1990年代には、売上高に匹敵する40億円の負債を抱え経営危機に陥るも、知名度のある「龍角散」ブランドを生かしたのど飴や水なしで飲める新製品を軸とした市場展開(マーケティング)が奏功し、立て直しに成功した。その後に服薬補助ゼリーがヒットした。
株式会社龍角散が製造販売する鎮咳去痰薬(パッケージ上の表記は鎮咳去痰剤)。痰(たん)を切って、咳を抑えるための薬である。散剤だけでなくトローチや錠剤、のど飴なども販売され、「ゴホン!といえば龍角散」のキャッチコピーが使われている。
大気汚染が深刻な中華人民共和国では「神薬」と呼ばれる[4][11]。
2017年に他人の楽天ポイントを不正使用し、購入した中国人の男が逮捕された[12]。中国国内では模造品が密造されており、商品名が「龍の散のどすっきり飴」となっていたり、家紋が「下がり藤」以外のものが使用されていたりしており[11]、龍角散の公式ホームページで注意喚起がなされている[13]。
昭和20年代から台湾や大韓民国への輸出を開始した[14]。2019年現在は台湾、大韓民国、香港、アメリカ合衆国、タイで展開している[14]。
また、2017年から越境ECを開始し、中華人民共和国向けに自社サイトでネット通販を行っている[14]。2019年には華潤三九と提携し、今後中華人民共和国にて「龍角散ダイレクトスティック」「龍角散ののどすっきりタブレット」「龍角散ののどすっきり飴」を華潤三九が販売することを発表した[14][15]。
医薬品
食品
おくすり飲めたねとは、主に幼児を対象とした薬の服薬補助ゼリーであり、薬をゼリー状のオブラートに包み込み、服用できるようにしたもので、特許取得商品である[20]。「おくすり飲めたね」は登録商標(第4537663号)である。味はピーチ味とイチゴ味、ぶどう味があり、また粉薬に対応したチョコレート味も開発された。元々は嚥下が困難な病人のために開発した商品で、1998年から「龍角散嚥下補助ゼリー」として市販化されている。
2013年5月に「らくらく服薬ゼリー」をリニューアル。翌月には新たにスティックタイプを追加発売。商品のCMでは、キャッチコピーが「ゴクン!といえば龍角散」に変更されている。服薬補助ゼリーの開発は、営業から服薬補助水の依頼を受けた現執行役員の福居篤子の発案で、社内の反対の中、藤井現社長の決断で進められた[21]。福居はこの一連の服薬補助ゼリー開発で、日本薬剤学会主催の「旭化成製剤学奨励賞(現・旭化成創剤研究奨励賞)」など計6つの賞を受賞した[21]。
藤井家創業の地である秋田県で飴の原料となるハーブの栽培をし、テレビCMで[22] でアピールを行っており、朝日広告社とのプロジェクト[23][24] を組んでいる。2015年3~5月には、秋田県立図書館で「ゴ本(ホン)!といえばくすり展~秋田のミニくすり博物館~」が開催された[8]。2019年には大仙市、秋田市、美郷町で、龍角散の紙袋やポスターなどの家庭薬展が開催された[25][26][27]。
同社の社長らが行ったセクハラ行為について調査したところ解雇された、とする法務担当の社員が、解雇の取り消しを求めて提訴し、裁判となり、2021年12月に6000万円の解決金で和解が成立していたことがわかった[28]。
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