黒羽刑務所

日本の栃木県大田原市にある刑務所 ウィキペディアから

黒羽刑務所map

黒羽刑務所(くろばねけいむしょ)は、かつて栃木県大田原市に存在した刑務所法務省矯正局東京矯正管区に属する刑事施設だったが、2022年令和4年)3月31日に閉庁した。

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黒羽刑務所跡地

所在地

収容分類級

  • I・A・F
    • 禁錮受刑者・初犯で暴力団組織に所属していない短期受刑者・外国人受刑者を収容する男子刑務所である。独居房が多いため、有名人や障害者の服役が多い。

収容定員

  • 定員は1,780名
2008年末時点で2,037名であり、定員を超す受刑者が収容されていた[1]。それゆえ部屋が足りず、3畳程度しかない独居(1人部屋)に2人ずつ収容や、定員が9人の雑居部屋に最大12人が収容など、過剰収容状態であった。
翌年2009年末(1,744人)[2]には定員を下回り、2011年2月末(1,406人)には定員の80%を下回った[3]。2018年12月時点で858人[4]。2022年3月の閉庁にむけて、受刑者は他の刑務所等へ移送され、2021年10月に収容者はゼロとなった[5]

沿革

本刑務所は、東京都葛飾区小菅にあった小菅刑務所と、栃木県宇都宮市明保野町にあった宇都宮刑務所を統合・移転の上、1971年(昭和46年)に開設されたものである。なお、旧小菅刑務所の歴史には東京拘置所の前身である巣鴨拘置所(巣鴨プリズン)の存在が極めて重要な意味を持つため、巣鴨拘置所の歴史も一部併せて記載する。

組織

所長以下、以下の組織があった。

  • 総務部(庶務課、用度課、会計課)
  • 医務部(保健課、医療課)
  • 処遇部(処遇部門、作業部門)
  • 分類教育部

なお、喜連川社会復帰促進センター開設に伴い、PFI特区が栃木県内全域に指定されていることから、同センター同様のPFI運営に移行しつつあったが、現状では民間が担当する部署は巡回警備や経理的な部門に限られており、一部にセコムの警備員が配置されている。

処遇については、警備員には警備業法に基づき強制権(刑務所内では戒護権等)が無いので、警備員のみでの連行等は当然無く、他のPFI施設同様に刑務官の支援を行っている。また、建設から30年以上も経過し老朽化した施設をそのまま使用しているが、最新鋭とされる喜連川社会復帰促進センターと一般的な部屋の間取り等が違うという事は無い。

設備

  • ガラス工芸品、木工、印刷、金属、革工工場、鹿沼ほうき製造工場など

特記事項

  • 建設機械操作の訓練施設が設置されており、全国の刑務所から受講する受刑者を募り、訓練を実施。必要な知識,技術の習得及び各種資格試験等取得を目指している。しかしながら、職業訓練を受講できるのは予算と施設の関係上毎年10-20人程度に限られている。

黒羽矯正展

  • 1984年から2019年まで11月23日勤労感謝の日)に開催しており、一部所内施設の見学(撮影不可)と所内給食の試食(有料)、全国刑務所製品と地元団体(JA・小学校PTA)によるバザーが出店される。上記の鹿沼ほうきは、ここで購入できた。2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)拡大防止のため開催中止、2021年は閉庁に向け組織縮小となるため、2019年の第36回が最後となった[9]

著名な受刑者

芸能界関係者

政治家

その他

管下施設

  • 宇都宮拘置支所(収容定数161人・宇都宮市
  • 大田原拘置支所(収容定数45人・大田原市

廃庁に伴い、いずれも喜連川社会復帰促進センターに移管された。

脚注

参考文献

外部リンク

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