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福井県と京都を結ぶ街道 ウィキペディアから
鯖街道(さばかいどう)は、若狭国などの小浜藩領内(おおむね現在の福井県嶺南地方に該当)と京都を結ぶ街道の総称である。
主に魚介類を京都へ運搬するための物流ルートであったが、最も割合が高かったのが鯖であったことから、鯖街道と呼ばれるようになった[1][2]。
狭義では、現在の福井県小浜市から三方上中郡若狭町三宅を経由して、京都府京都市左京区の出町商店街[3]に至る若狭街道(わかさかいどう)を指し[2][4][5][6]、おおむね国道27号や国道367号に相当する[7][8]。ただし、往時の若狭街道は現在の国道367号ではなく大見尾根を経由する山道であったほか、それぞれの国道ではバイパス道路が建設されているため旧道(指定解除)となっている区間もあるため必ずしも一致しない。広義では現在の嶺南から京都を結んだ街道すべてを鯖街道とよぶ[9][10]。
鉄道や自動車が普及する以前の時代には、若狭湾で取れたサバは行商人に担がれて徒歩で京都に運ばれた[8][11]。冷凍技術のなかった当時は、日本海で捕れた[12]生サバを塩でしめて陸送する方法が取られ[5]、京都まで輸送するのに丸1日を要した[10]。京都に着くころにはちょうど良い塩加減になり[1][8][10]、京都の庶民を中心に重宝されたといわれている[4]。現代においても、小浜や国道367号沿線などには鯖寿司の製造を生業とした店が多数存在する。
2015年(平成27年)4月24日、文化庁は日本遺産の最初の18件の一つとして「海と都をつなぐ若狭の往来文化遺産群 〜御食国若狭と鯖街道〜」を選定し[13]、同年日本遺産として認定した[11][14][15]。
鯖街道を地域活性化に利用するための取り組みとして、小浜・若狭・高島の3市町による「鯖街道交流促進会議」が2005年(平成17年)度に発足したが、2012年(平成24年)度には「鯖街道まちづくり連携協議会」として組織形態を発展させ[11]、観光や名産品の売り込みなどが広域的に取り組んだ[16]。日本遺産の認定においてはこの協議会の活動が評価対象となった[11]。鯖街道の起点とされている小浜市いずみ商店街アーケードの路面には、「さば街道起点」のプレートが埋め込まれている[5][17]。2020年(令和2年)には、このプレート前に「小浜市鯖街道ミュージアム」が開業している[11]。一方、終点の出町柳付近にある出町商店街では京都府の補助事業(地域商業チャレンジ支援事業)「鯖街道情報発信事業」における地域活性化のモチーフとして鯖街道が用いられたほか、この事業などにおいて街道沿線との交流の試みもなされている[18]。
また、小浜市から京都市(左京区出町柳)までを往時のルートで走り通す「鯖街道ウルトラマラソン大会」が毎年開催されているが、ルートの大半が未舗装路であることや高低差が大きいことから[注釈 1]、別名「ウルトラ山岳マラソン鯖街道マラニック(マラソン+ピクニック)」とも呼ばれる。マラソンについての詳細は大会公式サイト[19]参照。
小浜と京都を結ぶ経路は複数あり、それらはすべて鯖街道と呼んでいた。最もよく利用されたのが小浜から熊川宿[2]・朽木を経て[5]、京都市上京区の出町(古くは寺町今出川(大原口)、後に河原町今出川付近一帯を指す地名である。鯖街道沿いの村々(大原、八瀬、修学院等)から京の都に出る町という意味で名づけられた。なお「出町柳」は鴨川左岸の出町柳駅付近を指す。)に至る若狭街道で[4][10]、一般に言われる鯖街道はこの経路のことを指している[9]。ここでは、主な街道やルートを東側から順に挙げる。なお、小浜を起点とすることから、「小浜街道」と総括・混同されることもある。
※ 小浜街道・雲ケ畑街道・周山街道の京都府側は、2016年(平成28年)に制定された京都丹波高原国定公園における自然と人間の共生を示す文化的要素として顕彰されている。
近年の日本は、多くのサバをノルウェーから輸入している。これを指して、ノルウェーから日本への空路を「現代の鯖街道」と例える者もいる[1][注釈 5]。
福井県では1974年(昭和49年)には12697トンの水揚げがあったが、2012年(平成24年)には170トンまでに減少している。このため、小浜市などはサバの消費量の拡大を目的とした鯖復活プロジェクトを進めている[15]。
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