Remove ads
ウィキペディアから
長門 美保(ながと みほ、1911年(明治44年)6月23日[1] - 1994年(平成6年)11月11日[1])は、日本の声楽家(ソプラノ)、歌手、オペラ歌手、翻訳家(訳詞家)、歌劇団主宰者・総監督、オペラ演出家。本名は鈴木 美保[1]。
福岡県若松市[2][脚注 1](現: 北九州市若松区)出身。3歳の時、家族とともにドイツに渡り[3]、幼時をドイツで過ごす[1]。小学校1年のとき帰国し、日本女子大学附属豊明小学校に半年遅れで編入[4]。日本女子大学校附属高等女学校を経て[5]、東京音楽学校に入学。在学中に東京音楽学校春期演奏会[5]におけるマーラーの交響曲第2番(指揮: クラウス・プリングスハイム[5])のソリストとなる[1]。1933年(昭和8年)同校を卒業し研究科に進む[6]。船橋榮吉、ヘルマン・ヴーハープフェニッヒ[5]、ネトケ=レーヴェ[7]、クラウス・プリングスハイム[8]、研究科でマリア・トル[5]に師事。1934年(昭和9年)の第3回日本音楽コンクールで第1位に入賞[1][5]。
1935年(昭和10年)6月有楽座開場記念のオペレッタ『シューベルトの戀』に出演[5][脚注 2]。
1936年(昭和11年)5月7日、日比谷公会堂において第1回独唱会(ピアノ: 高木東六、ヴァイオリン: 疋田小枝子[9])を開催[5][9]。盛況で聴衆があふれ始末書を書かされたという[10]。
1937年(昭和12年)6月8日[9]日比谷公会堂[9]において第2回独唱会[5](伴奏: 橋本國彦、ピアノ伴奏: 竹村参郎、合唱: 門下生[9])。
1937年(昭和12年)11月及び1938年(昭和13年)4月の2回にわたって、新交響楽団、ローゼンシュトック指揮によるヴェルディ『レクイエム』ソロを務める[5]。
1939年(昭和14年)3月当時すでに「長門美保音楽研究所」が存在[5]し、多くの弟子を養成し、またM・Nサークル女声コーラスを主宰した。PCL(東宝の前身)の社長の娘の依頼により[11]、原節子、清川虹子、細川ちか子、山根寿子、堤真佐子、高峰秀子など、映画俳優の声楽指導にも当った[5][11]。
圧倒的な声量とスタミナを誇るドラマチック・ソプラノとして、藤原歌劇団の『ローエングリン』『フィデリオ』などにフリーで主演[1]し声楽家としてオペラで活躍。
また、キングレコード専属の歌手として、1939年(昭和14年)には、永田絃次郎と『愛馬進軍歌』を吹き込み大ヒットする。同年、永田絃次郎と『出征兵士を送る歌』も吹き込み、こちらも大ヒットする。
昭和18年以降はオペラの仕事はなくなり、軍の慰問の活動が中心となる。それがきっかけで鈴木雄詞と結婚した[12]。
戦後は1945年(昭和20年)に夫の鈴木雄詞と長門美保歌劇団(当初の名称は『長門美保歌劇研究所』)を結成[1]、1946年(昭和21年)11月プッチーニ『蝶々夫人』で旗上げを行った。また、1948年(昭和23年)にアーサー・サリヴァン『ミカド』を日本人による日本語ではじめて上演[13]し、この2作品が同歌劇団のレパートリーの柱となる。
また、大衆に親しみやすいオペレッタ[1]や、ドヴォルザーク、スメタナ、ヤナーチェク、モニューシュコ、カールマンなど、東欧圏のオペラの紹介などオペラ運動に邁進。ヨーロッパ各国から数々の勲章を受章する。
日本語によるわかりやすいオペラの普及につとめ、自ら訳詞も行ない、手掛けたオペラはほとんど日本語である。また、演出も数多く手掛けた。
1954年(昭和29年)の第5回と1955年(昭和30年)の第6回のNHK紅白歌合戦に出場し、第6回紅白は長門の歌のラジオ中継の音声が現存する。
1962年(昭和37年)映画『充たされた生活』に出演[14]。
1980年(昭和55年)夫の鈴木雄詞が死去[15]。
1982年(昭和57年)11月6日 - 1982年12月3日には、長門美保歌劇団会長として日本経済新聞『私の履歴書』が掲載された。その中では、東京音楽学校で唯一の男性同期であった藤山一郎、譜面が読めず何でも聞き覚えしてしまう藤原義江、長門を「グンカン」と名付けた山田耕筰、杉村春子、岡田嘉子、安達瞳子などとの交流が記されている。
1994年(平成6年)11月11日死去。83歳没。
2000年9月2日 - 11月26日に、千葉県銚子市の新国立劇場舞台美術センター資料館において、長門美保と砂原美智子に視点をあてた企画展「二人のプリマドンナ」が開催された[16]。
2019年9月14日 - 12月5日、ロームシアター京都において、長門美保が実際に着用した衣裳の展示が行われた[17]。
1950年以前の音源は国立国会図書館歴史的音源による[117]。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.