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茨城県の道路 ウィキペディアから
茨城県道36号日立山方線(いばらきけんどう36ごう ひたちやまがたせん)は、茨城県日立市から常陸大宮市山方に至る県道(主要地方道)である。
茨城県日立市宮田町の国道6号より分岐し、西の阿武隈高地を越えて常陸大宮市山方まで東西に結ぶ延長約36kmの主要地方道である。そのほとんどが阿武隈高地の山中の道で、3箇所の山越えがある。
日立市内の区間は、日立鉱山と、大動脈である国道6号を結ぶ産業道路として開通した。戦時中は軍需物資を宇都宮方面へ運ぶ路線として整備が進んだ。当初は鉱山電車と並走していたが、1960年(昭和35年)に電車が廃止されるとこの土地を統合し、現在の広さの道路となった。その後、路線の統廃合を経て、1982年(昭和57年)に現在の日立山方線となっている。1989年(平成元年)には本山トンネルが開通、1993年(平成5年)には常磐自動車道の日立中央インターチェンジと接続し、日立市内と茨城県北西部を結ぶ主要道路として機能している。
1982年(昭和57年)11月1日、前身にあたる県道日立大子線(整理番号11、日立市宮田 - 久慈郡大子町)、県道山方十王線(整理番号104、久慈郡山方町 - 多賀郡十王町)を廃止し[3]、それぞれの一部を統合した新たな主要地方道として日立市を起点とし、那珂郡山方町大字山方を終点とする区間を本路線として茨城県が県道路線認定した。1995年(平成7年)の整理番号の再編成により、整理番号36となり現在に至る。
常陸太田市の国道349号や茨城県道33号常陸太田大子線から海沿いに出るルートの中では、道路の険しさと道幅などの道路改良状況がよいことと、なおかつ日立駅からの至近距離に位置し、常磐自動車道日立中央ICと接続する利便性の良さで、全般に交通量は多い。 日立市中里地区は、国道349号の中里バイパスが1991年(平成3年)に開通したときに、新国道349号に接続し中里地区の当県道の旧道から国道349号旧道までの区間は整備されなかった。国道349号旧道との交差点は押しボタン式信号になっており、当県道の旧道側は点滅信号になっている。 常陸太田市里美地区から水府地区の区間は、里美大橋や竜黒磯トンネル開通によって国道349号から竜神峡へのアクセス道路として整備されている。 水府地区から金砂郷地区の区間は整備されていない狭隘道路で、崖から落石等の危険があるため連続雨量200ミリでの通行止め規制がかけられている。
道路法の規定に基づき、日立市宮田町(桐木田交差点) - 同市下深荻町(国道349号交差)間と、常陸太田市上深荻町(里美大橋入口交差点) - 同市中染町(中染交差点)間および、常陸太田市中染町(主要地方道常陸太田大子線交差) - 同市赤土町(主要地方道常陸太田那須烏山線)間は、緊急輸送道路として機能を維持するため、災害発生時の被害拡大防止を目的に道路用地内に電柱を建てることが制限されている[17]。
沿線地域は阿武隈高地を久慈川支流の里川と山田川が作る谷間で刻まれており、大きく日立市街 - 奥日立・中里、里美地区 - 水府地区、水府地区 - 金砂郷地区の3つの区域で区分できる。 日立市街 - 奥日立・中里区間では、本山トンネルを境とする標高差の大きな地形で、特に日立市街側は標高360m付近からつづら折りの道筋で海側の平地まで一気に下り、反対の奥日立・中里側のほうが海側よりは傾斜が緩い。 里美地区 - 水府地区では、里川の谷を里美大橋で渡り、山を竜黒磯トンネルでくぐれば、主要な区間は標高150m~90m付近で変化する比較的緩やかな山間の人里が続く。 水府地区 - 金砂郷地区は本路線の難所で、険しい山と深い谷間の斜面を削って造られた、山林の緑濃い山道の区間である。道路も等高線に沿って曲がりながらの標高80m~200m付近での上り下りで、削った斜面は崖となっている。
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