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日本の漫画、メディアミックス作品 ウィキペディアから
『終末のハーレム』(しゅうまつのハーレム、world's end harem)は、LINK(原作)、宵野コタロー(作画)による日本の漫画作品。ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』(集英社 / 以降、『J+』と表記)にて、2016年5月8日から2023年5月7日まで、隔週日曜日に連載された。
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終末のハーレム(第1部) 終末のハーレム After World(第2部) | |||
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ジャンル | 近未来エロティックサスペンス[1] ディストピアSF[2] | ||
漫画:終末のハーレム | |||
原作・原案など | LINK | ||
作画 | 宵野コタロー | ||
出版社 | 集英社 | ||
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掲載サイト | 少年ジャンプ+ | ||
レーベル | ジャンプ・コミックス+ | ||
発表期間 | 2016年5月8日 - 2023年5月7日 (2020年7月 - 2021年4月は休載) | ||
巻数 | 全18巻 | ||
話数 | 全132話 | ||
ボイスドラマ | |||
原作 | LINK(原作) 宵野コタロー(作画) | ||
制作 | ネットコンプレックス株式会社 | ||
脚本 | 南出祐司 | ||
発表期間 | 2017年5月28日 - 6月5日 | ||
話数 | 全9話 | ||
OVA:終末のハーレムVR | |||
原作 | LINK(原作) 宵野コタロー(作画) | ||
監督 | HIDE ITO (Vol.1) 金子ひらく (Vol.2) タロウ・タナカ (Vol.3) | ||
アニメーション制作 | 株式会社スパーチュアス | ||
製作 | 終末のハーレムVR製作委員会 | ||
発売日 | 2019年6月28日 | ||
発表期間 | 2019年3月4日 - 6月28日 | ||
収録時間 | Vol.1 - 3:各5分 完全版:15分 | ||
話数 | 全3話 | ||
その他 | 厳密にはVR映像 | ||
シリーズ作品(漫画) | |||
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テンプレート - ノート | |||
プロジェクト | 漫画 | ||
ポータル | 漫画 |
難病を治療するためのコールドスリープから目覚めた主人公が、ウイルスによって男性が99.9%死滅した世界に直面し、出会ったばかりの女性たちとのセックスによる子作りを懇願されて困惑する一方、残りわずかな男性たちを救うために必要な特効薬の開発を目指す姿を描く[3]。ウイルスは男性優位の社会を憎み女性だけの理想郷を実現しようとするミサンドリストたちの陰謀によるものという設定で[出 1]、男性の絶滅を目論む女性たちの組織と、主人公に寄り添いながら陰謀の公表を目指す女性たちの攻防も描かれる。
2017年にボイスドラマ化[8]、2019年にVRアニメ化[9]を経て、2021年にはテレビアニメ化[10]されている。
第1部は2020年6月21日配信の第85話をもって完結し、第2部『終末のハーレム After World』(しゅうまつのハーレム アフターワールド)は2021年5月9日から2023年5月7日まで全47話が配信され、完結した[11][12][注 1]。
本作とは異なる世界観で、剣と魔法の異世界を舞台にした新シリーズ『終末のハーレム ファンタジア』が、『J+』にて2018年5月から連載されている。また、本作や『ファンタジア』とはさらに異なる世界観に一新した新シリーズ『終末のハーレム ブリタニア リュミエール』が、『J+』にて2020年6月から2021年8月まで連載された[3]。
『J+』の2016年新連載春の陣第5弾として、連載が開始された[15]。成人向け漫画作品を中心として知られる宵野の、一般誌連載作品である[16]。キャッチコピーは「男性消滅。5対50億の超ハーレム!」(第1部)、「めくるめく欲望の新世界、開幕。」(第2部)[17]。
後述のAppleほど表現規制が厳しくないパソコンでも、午前0時に無修正版で公開した後、午前8時に修正を被せた修正版へ差し替える措置が取られている[18]。
単行本第1巻発売当時の担当編集によれば、本作の設定や描写ゆえに連載開始当初から物議を醸しており[19]、販売サイトや販売国によっては年齢指定が入っている。また、2017年4月からは以下のように集英社から正規ライセンスを取得した各国語翻訳版の発売も開始されている。
iOSアプリではAppleによる表現規制が厳しい[29]という理由からたびたび公開停止となっており、第1部第3話の公開時点では全話が公開されていたが、第4話の公開直前に全話が一時公開停止となったことを経て、第21話の公開直前には全話が公開停止となった[30]うえ、2017年4月14日にはAndroidアプリでも全話が公開停止となった[31]。この事態に際し、iOSアプリとAndroidアプリではそれぞれ作中の台詞をもじったお詫び漫画が第21話のパソコン用公開に合わせて公開され[32]、2017年4月26日には公開停止前以上に修正を被せたうえでの復旧作業を進めていることが発表された[33]が、同年5月28日現在のiOSアプリでは公開停止となっている[34]。
なお、2017年9月20日にナイルのアプリ情報マガジン「Appliv」のインタビューに答えた『J+』編集長(当時)の細野修平によれば、iOSアプリでの公開停止は想定内だったという[35]。
こういった経緯について、漫画評論家・稀見理都は自身の公式Twitterに、半分は「外圧」で日本にはなかった修正基準との戦いでもある旨を述べている[36]。また、宵野は『J+』の2018年新年会に出席した際、漫画家・天望良一によるインタビューにて本作を「『週刊少年ジャンプ』(以降、『WJ』と表記)では題材の時点でアウト」と断言している[37]。
その後、長らく目立った動きはなかったが、2022年9月21日には単行本第14巻が青森県にて青少年健全育成条例第12条第1項の規定[38]に基づき、青少年健全育成審議会による意見を経て同条例の第1号に該当すると判断され、有害図書指定を受けている[39]。
単行本第12巻までが第1部とされており[40]、作中では同部の終了から第2部の開始までに4年(実際は3年半)間が経過している[41]。
声優は特記のない限りボイスドラマ版 / テレビアニメ版の順に記載。1人の場合はテレビアニメ版を示す。
作中世界における西暦2040年の社会は、科学技術の発展と新エネルギーによってあらゆるものの機械化が進み、人々は労働の義務から解放されるほど、AIに生活基盤のほぼすべてを依存して安定した生活を送っていた[出 14]。歴史上最も平和な時代として戦争も起こらず[100]、食料生産はおろか自動車の運転すら不要となっており、労働は一部の物好きや使命感に駆られた者のみが人生の充足感を得るために従事するものとして形骸化した[出 15]。
しかし、MKウイルスのパンデミックによって世界人口100億人の人々が翻弄されて社会は大混乱に陥り、男性の99.9%が死滅した[出 16]。そのため、UWが世界を統治するようになって久しい2045年時点での活動可能な人類の男女比は、細胞硬化症の特効薬によって偶然MKウイルスへの免疫を得た男性5人に対して女性50億人という、極端な比率になっていた[3][101]。そういった理由からも科学力は衰退し始めており、技術者や科学者が半数以下に減ったことによって多くの科学技術がロストテクノロジーと化したうえ、食糧生産システムなどの科学技術の維持や研究施設の増加も難しくなっていた[出 17]。
上記の状況のもと、UW日本支部の職員たちやコールドスリープ中の男性の家族たちが限りある資源を優先的に回されて整備された環境で悠々とした生活を送る一方、一般市民たちは配給制に頼る貧しい環境で難民として淡々とした生活を送るといった、格差社会が浸透している[出 18]。その結果、世界各地ではUWへの不満が高じてさまざまな反抗勢力が活動している[105][94]。
2049年現在、日本は翔太と花蓮による支配下で共和国となっており、ワクチンによって復帰した男性約5千人に対して女性約5千万人にまで男女比が縮まっているが、クロエがワクチンに仕込ませていたNOSEXによって男性たちは性欲と生殖能力を失っており、政府のもとで貴重な存在とされてハウスメイトによる世話を受けて暮らしながら、彼らを治療するための研究が進められている[出 19]。また、最大の輸出資源は翔太との生殖権となっており、世界各国が彼の精子を求めて集まるという状況に立たされている[108]。一方、日本国外では翔太と花蓮による印象操作の結果、男性たちの解凍が中止されている[出 20]。
上記の状況のもと、貧しさこそ減ったものの格差社会は解消されていないため、一般市民たちには政府への不満が溜まり続けている[3][79]。
執筆はフリーライター兼ライトノベル作家の志田用太朗[129]、挿絵は宵野がそれぞれ担当しているが、本編の原作を担当しているLINKはクレジットされていない。
2022年には、公式ガイドブックに収録された[130]。
企画当時の担当編集と原作者のLINKは「男性が消えて女性だけになった世界で主人公がモテまくる話にしよう」と最初から決めており、その後に魅力的な女性を描く宵野へ企画を提案した[18]。近未来SFでシリアスも入ったハーレムは珍しいので面白味を感じた宵野は、SFを描いた経験が無かったために不安も感じたが、今までの作品を最大限に活かせる内容でもあったため、引き受けたという[18][134]。また、ハーレムものといえば一般ではラブコメディであるが、本作はサスペンス要素が強いところが面白く、挑戦したいと思った[135]。一番最初の打ち合わせでLINKから膨大な量の資料や設定をもらい、主要人物の設定画を上げたという[135]。
タイトルについては、宵野と企画当時の担当編集、LINKの3人で打ち合わせ中にいくつか候補が挙がった結果、宵野の鶴の一声で決まった[注 3][18]。また、発想については、LINKが某動物ドキュメンタリー番組で見たインパラのハーレム生態を人間に置き換えたら面白い話ができるのではと考えたことが、その1つになっているという[136][137]。そのほか、「何もしなくてもモテる」という中学生の妄想のような着想から、主人公がモテまくるに際して努力を必要としない状況を作りたかったうえ、男性を5人としたのは1人だけによる物語の行き詰まりを防ぎ、ドラマを増やすためであるという[138]。
LINKは近未来における食料生産、人の移動、人口半減による科学力低下などの設定をなるべく細かく決めており、宵野は「今の科学と風景を残しつつ近未来を入れていくのがどこまで嘘臭くならないかという匙加減がとても難しい」と語っている[18]。なお、LINKは連載を続けていくうちに当初から変更した設定も存在することを、テレビアニメ版のシナリオ会議中に明かしている[139]。また、サスペンスの比重は企画段階から意図していたものであり、『J+』編集部には「明るくおバカでHに」とのアドバイスももらったが、世に山ほど存在するその要素ではいずれ埋もれてしまうことから、自分の意図を通したおかげで独自性を出せたという[135]。なお、その要素は後に明るい兆しも出てきて「おねショタ」路線も描く第2部で活用されている[41]。
物語の根幹に関わるメインヒロインたちはLINKが設定を宵野に渡してデザインを描いてもらうが、モブヒロインなどは彼女が自由に描く場合もあるという[140]。その結果、モブヒロインの1人だった玲奈が読者人気が高かったことから出番を増やされたように、宵野の生み出したキャラクターの魅力が物語に大きく影響を与えることもあるという[140]。また、宵野は1つの場面でヒロインの髪型や服装などが似通うと読者が混乱するので、なるべく似たようなものにならないよう注意したり[140]、作中世界にまだまだ現れていない魅力的な内面を持った女性を登場させられることから、作画も負けないようにタッチを変えてみたり、瞳の描き方を変えたりと試行錯誤を重ねているという[50]。
キャラクターの色指定については、第1部ではモノクロでキャラクターデザインを上げていたため、単行本へ収録する際やカラーページを着色する段階になってから決めていたが、第2部では最初からおおむね決めているという[141]。
モザイク処理については、女性の乳首が見える絵は配信では少し難しいと言われたために隠すこととなったが、一味変えたかったので『J+』編集部やデザイナーと相談しながら、デジタルノイズ風にしてもらった[135]。なお、連載開始当初はアプリで読む漫画が後年ほど定着していなかったため、当時の『J+』編集部の方針から過激な表現も許容されていたという[135][109]。
連載時の第1部第82話の柱コメントで同部がクライマックスであることが説明されていたことについて、LINKは今の物語が一旦終了することや第2部を予定していることを明かしており、「世界観を変えるようなことはせずに海外ドラマにおけるシーズン1からシーズン2のように続きを描いていく」と語っている[50]。その後、休止期間を経て開始された第2部では、ドラマやアニメの脚本のようなシナリオ形式の原作だった第1部から一転し、脚本では表現できなかった面白さを入れようと、途中からネーム形式の原作へ移行している[142][143]。
2019年7月時点で総閲覧数は1億回を突破し[144]、2023年5月時点でシリーズ累計発行部数は900万部を突破している[12]。
第1部第1話で、女性が全裸で立ち並ぶ光景をフルカラーで描いた見開きの扉ページで始まることに加え、同ページが修正版へ差し替えられたこともあり、Twitterなどでは話題となった[145]。
『WJ』副編集長(当時)兼『J+』副編集長(当時)の細野修平へのインタビューを行ったCNET Japanには、段階的な修正や差し替えを「こうした見せ方の変化は、柔軟にコンテンツを修正したり、配信方法を変えたりできるデジタルならではの利点と言えるだろう」と評されている[146]。
2017年5月にdot.が行ったインタビューで、細野は「『ファイアパンチ』と、同時期連載開始の『終末のハーレム』で、30万〜40万人ほど読者が増えた」と語っている[147]。また、2017年9月にナイルのアプリ情報マガジン「Appliv」が行ったインタビューで、細野は『J+』の歴代トップ3として『カラダ探し』や『ファイアパンチ』と並んで本作を挙げている[35]。さらに、2020年7月22日に発売された雑誌『プレジデント』同年8/14号による細野へのインタビューでも、「『ファイアパンチ』や『終末のハーレム』の連載が始まると読者が一気に増え、やはり一番大切なのは作品の力だと痛感した」と述懐されている[148]。
英語翻訳版の発売予定がドニカの海外向けメディアサイト「MANGA.TOKYO」によって報じられた[149]際には、本作に先駆けて発売予定の『Yuuna and the Haunted Hot Springs』(原題:ゆらぎ荘の幽奈さん)と並んで読者アンケートで高評価を得た作品であることを、それらの翻訳・発売を担当するセブンシーズ・エンターテインメント社の編集長のアダム・アーノルドが、自社の公式サイトで述べている[150]。
公式アプリ『マワシヨミジャンプ』の2019年で最も多くマワシヨミされた本が地域別に集計された結果、「日本は『鬼滅の刃』文化圏と『終末のハーレム』文化圏に分かれていた」ことが発表された[151]。
ライター・ドラマ評論家の成馬零一は、本作について以下のように評している。
テレビアニメ版放送終了後の2022年4月19日には、WonderSpaceのウェブマガジン「TVマガ」にて実施されたアンケート「【男性100人に聞いた】ハーレム漫画おすすめ人気ランキングベスト15!」で、第1位を記録している[153]。
『J+』のボイスドラマコーナー「聴くジャン!」の第4弾として、2017年5月28日から同年6月5日までの9日間、連続更新で配信された[8][3]。なお、本作は性的な内容を含むという理由からも、単行本第3巻に特典として封入された限定パスワードの入力を必要とする部分が用意されている[167]。
VTuberチャンネルの運用事業を展開しているBUZZCASTと集英社による共同事業として、VTuber化されている[172]。
動画シナリオはアイデアフラッドが担当しており[出 29]、同じくVTuber化される『悪魔のメムメムちゃん』と共に告知動画が2018年9月20日にYouTubeにて公開された[176][177]後、同年11月1日にはVTuber化されるキャラクターがちふゆであることが発表された[178]が、その理由についてLINKは「ちふゆはすごく元気で明るく、ちょっと使い古された言い方をすればツンデレキャラ。わかりやすくていじりがいがある」と述べている[179]。その後、同年12月7日には動画第1弾が公開された[180]。
DMM.comにて、本作の人気シーンのVR映像化作品『終末のハーレムVR』(しゅうまつのハーレム バーチャルリアリティ)が、通常画質の通常版と高画質のHQ版で制作されている[9]。全3話、各5分[9]。
担当声優は、美来と朱音はボイスドラマ版と共通。それ以外の人物は、新規にキャスティングが行われている。
DMM.comのアニメーションレーベル「DMM pictures」にて2019年3月4日からエピソード3本「Vol.1 東堂晶篇」・「Vol.2 周防美来篇」・「Vol.3 ハーレム篇」の配信が順次開始された[181]後、同年6月28日にはそれらを同時収録したパッケージ版「完全版 バンドルパック篇」が発売された[注 7]。
2019年4月12日には、DMM VR動画にて平田梨奈や奈月セナを抑えて人気No.1となっている[183]。また、同年5月25日から6月30日までの土曜日と日曜日には、ドスパラの秋葉原店・なんば店・大須店・札幌店にて体験イベントが開催されている[184]。
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