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『カラダ探し』(カラダさがし)は、ウェルザードによる日本のホラー小説。時間のループに取り込まれ、毎晩のように真夜中の校舎で血まみれの少女の霊に追われて殺され、時間を前日の朝まで戻されて蘇生するという毎日を繰り返しながら、バラバラに分割された人体のパーツを探索して集めていくというデスゲームに巻き込まれてしまった高校生たちの恐怖と奮闘を描く。
カラダ探し | |||
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ジャンル | サバイバルホラー | ||
小説 | |||
著者 | ウェルザード | ||
イラスト | 嘉村朗(ケータイ小説文庫版) 村瀬克俊(スターツ出版文庫版) wogura(双葉社ジュニア文庫版) | ||
出版社 | スターツ出版 (ケータイ小説文庫、スターツ出版文庫) | ||
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掲載サイト | E★エブリスタほか | ||
レーベル | ケータイ小説文庫 スターツ出版文庫 双葉社ジュニア文庫 | ||
連載期間 | 2011年12月1日 - 2014年5月7日 | ||
刊行期間 | 2013年8月24日 - 2015年1月24日 | ||
巻数 | 全8冊(ケータイ小説文庫版) 全2冊(スターツ出版文庫版) 全12冊(双葉社ジュニア文庫版) | ||
話数 | 全43話[注釈 1] | ||
小説:カラダ探し 前夜 | |||
著者 | ウェルザード | ||
イラスト | 村瀬克俊 | ||
出版社 | 集英社 | ||
掲載サイト | エブリスタ | ||
レーベル | ジャンプ ジェイ ブックス | ||
刊行期間 | 2016年8月4日発売 | ||
巻数 | 全1冊 | ||
話数 | 全5話 | ||
漫画:カラダ探し | |||
原作・原案など | ウェルザード | ||
作画 | 村瀬克俊 | ||
出版社 | 集英社 | ||
掲載サイト | 少年ジャンプ+ | ||
レーベル | ジャンプ・コミックス | ||
発表期間 | 2014年9月26日 - 2017年12月8日 | ||
巻数 | 全17巻 | ||
話数 | 全151話[注釈 2] | ||
漫画:カラダ探し 解 | |||
原作・原案など | ウェルザード | ||
作画 | 村瀬克俊 | ||
出版社 | 集英社 | ||
掲載サイト | 少年ジャンプ+ | ||
レーベル | ジャンプ・コミックス | ||
発表期間 | 2017年12月29日 - 2019年1月25日 | ||
巻数 | 全5巻 | ||
話数 | 全44話 | ||
漫画:カラダ探し 異 | |||
原作・原案など | ウェルザード(原作小説) 土城温美(映画脚本) | ||
作画 | 村瀬克俊 | ||
出版社 | 集英社 | ||
掲載サイト | 少年ジャンプ+ | ||
レーベル | ジャンプ・コミックス | ||
発表期間 | 2022年9月24日[1] - 2023年3月11日 | ||
巻数 | 全3巻 | ||
話数 | 全23話 | ||
アニメ | |||
原作 | ウェルザード、村瀬克俊 | ||
監督 | 布施木一喜 | ||
アニメーション制作 | STUDIO KHRONOS | ||
製作 | タテアニメ | ||
配信サイト | タテアニメ | ||
配信期間 | 2017年7月31日 - 8月31日 | ||
話数 | 全10話 | ||
映画 | |||
原作 | ウェルザード | ||
監督 | 羽住英一郎 | ||
脚本 | 土城温美 | ||
音楽 | 菅野祐悟 | ||
制作 | ROBOT | ||
製作 | 「カラダ探し」製作委員会 | ||
配給 | ワーナー・ブラザース映画 | ||
封切日 | 2022年10月14日 | ||
上映時間 | 102分 | ||
テンプレート - ノート | |||
プロジェクト | ライトノベル・漫画・アニメ・映画 | ||
ポータル | 文学・漫画・アニメ・映画 |
小説投稿サイト『E★エブリスタ』(現・エブリスタ)にて全4部作の本編が2011年12月1日[2]から2014年5月7日[3]にかけて携帯電話向けのオンライン小説(ケータイ小説)として投稿された。書籍版が2013年から2015年にかけてケータイ小説文庫(スターツ出版)より刊行され、外伝小説が2016年にジャンプ ジェイ ブックス(集英社)より刊行された。また、村瀬克俊による本作を原作とした漫画版が2014年から2019年までウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』(集英社)にて配信され、2017年には漫画版に準拠した内容のWebアニメ版が配信された。2022年には実写映画版が公開され[4]、2025年に続編が公開予定[5]。
「白い服を着た少女の霊」という恐ろしげではあるもののステレオタイプな見た目の幽霊が、犠牲者を呪ったり不幸にしたりするのではなく、ペタペタという足音を立てて追ってきて物理的な攻撃方法(素手)で惨殺していくというアイデアが、本作に登場する幽霊「赤い人」の着想の元になっている[6]。また、ゾンビのように簡単に倒せる相手では敵との対峙よりも人間同士のドラマが主軸になってしまうという考えから、「赤い人」を絶対に倒せない敵として設定し、敵を倒すことよりも理不尽な状況から逃れることを主軸とすることが意図された[6]。更に夜の校舎の探索というシチュエーションに緊張感を持たせるため、神出鬼没の幽霊に不気味な歌を歌わせ、敢えて距離感という情報を与える演出が試みられている[7]。作者のウェルザードは影響を受けた作品として、1998年の映画『リング』のようなJホラーを基本にしつつも、1980年の映画『13日の金曜日』や1984年の映画『エルム街の悪夢』のようなスプラッター映画の要素、またオンラインゲームを意識したゲーム性の要素も取り入れたと明かしている[6]。恐怖や危機感を煽りつつ、いったん安心させてから読者を脅かす手法は、お化け屋敷的な感覚を意識したという[7]。
本作が投稿された小説投稿サイト『E★エブリスタ』では、基本的に連載中の作品しか読者の注目を集めることがなく[8]、連載を開始してから完結するまでの間にどれだけ読まれるかが作品の成否を分けるため[6]、本作も書き下ろしではなく毎日の更新で連載する形式で執筆された[6]。作者のウェルザードは、物語の導入部でインパクトを与えることができ、短い中で読者の気を引くことができるジャンルとして、ホラー小説を選んだと語っている[6]。連載時にはウェブブラウザで読まれることを前提に、空白行を多用することでスクロールの長さによって恐怖感を演出する手法が用いられ[8]、若い読者向けの平易な表現が意識された[8]。また、連載当時の『E★エブリスタ』が携帯電話での閲覧を想定したWebサイト(モバイルサイト)であったため、長文を読むには向かないという配慮から、1日辺り約500文字程度の長さで、毎回インパクトがあるような構成が意図されている[6]。本編となる全4部作のシリーズはそれぞれ語り手となる女性主人公を交代しつつの一人称形式で描かれているが、作者のウェルザードは男性であるため、執筆中はチョコレートを食べながら女子高校生の感情を想像するなど、主人公になりきって文章を書くことを重視したという[7][9]。先の読めない展開が指向され、連載中に寄せられたコメントで先の展開を見透かされると、予想を裏切る形に展開を変えたという[8]。
書籍化は、本編全4部作のうちの第3部に当たる「カラダ探し(3)〜呪われた血族〜」(書籍版での「第三夜」)の連載中から準備が進められ[10][11]、2013年8月から順次刊行された。全4部作の本編がオンライン上で完結した直後の2014年9月より連載が開始された漫画版は、『週刊少年ジャンプ』での連載経験もある村瀬克俊が作画を担当し、漫画版を軸としたボイスドラマ、Webアニメ版などの展開が行われている。
E★エブリスタ掲載時 | 野いちご掲載時 | 文庫版 | 漫画版 | |
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第1部 | カラダ探し(1) | カラダ探し | カラダ探し | |
第2部 | カラダ探し(2)〜第二夜〜 | カラダ探し 第二夜 | カラダ探し 第弐章 | |
第3部 | カラダ探し(3)〜呪われた血族〜 | カラダ探し 第三夜 | カラダ探し 解 | |
第4部 | カラダ探し(4)〜第三夜〜 | カラダ探し 最終夜 | カラダ探し 最終章 | |
外伝 | カラダ探し〜The peaceful days〜 | × | カラダ探し 前夜 | × |
県立逢魔高校で学校の怪談として語られる、50年前の強姦・バラバラ殺人の犠牲者である血まみれの少女の幽霊「赤い人」。怪談によれば、学校で「赤い人」に遭遇してしまった生徒は身体を8つのパーツに分割されて校舎に隠され、皆に自分のカラダを探すように頼むことになるという。カラダ探しを「頼まれた側」の生徒は頼みを拒否することはできず、8つに分割された「頼んだ側」の生徒のカラダを全て集めるまでは死ぬこともできない。
赤い人に遭遇して「頼んだ側」役となってしまった生徒によって糾合され、カラダを探すよう懇願された、「頼まれた側」役の6人の男女生徒は、同じ一日をループしつつ、夜の学校校舎に閉じ込められ、「赤い人」に見つかって追いつかれたら殺される鬼ごっこを繰り広げることになる。「赤い人」は超人的な身体能力で「頼まれた側」の生徒たちを惨殺してゆき、生徒たちは全員が殺されたところで前日の朝に戻って生き返り、同じように殺される毎日を繰り返す。また、一度「赤い人」の姿を目視してしまった人は、その日は後ろを振り返ってはならず、それを破った瞬間に、背後に「赤い人」が忽然と現れて、周囲にいた仲間を巻き込んで惨殺されてしまう。ループから抜け出すためには、「赤い人」からうまく逃げ回りつつ、8つのカラダを全て集め、学校の生徒玄関に置かれた棺桶に収めなければならない。
同じ11月9日を繰り返し、当初は恐怖するままカラダ探しをさせられていた森崎明日香たち「頼まれた側」の6人だったが、次第にこれがルールに縛られたデスゲームであることが明らかになり、ルールやゲームの仕様を把握することで「90度までの方向転換なら振り返ったとは判定されない」「仲間が追われたり組み付かれたりしている時に、仲間から遠く離れた場所でわざと振り返れば、自己犠牲と引き替えに仲間を「赤い人」から引き離すことができる」といった攻略法を見いだしていく。一方で、次々と不可解な出来事や謎の存在も明らかになり、明日香らは謎解きをする中で、「カラダ探し」の怪談の背景にある秘密にも迫っていくことになる。やがて明日香たちの6人は多大な犠牲を払いつつ、全てのカラダを集めて自分たちのカラダ探しを終えるが、明日香はそこで初めて、カラダ探しを終える際のルールを聞かされる。最終日に生き残れなかったメンバーはカラダ探しの記憶を失い、また生き残ったうちの一人は棺桶に閉じ込められ、カラダ探しにかかった日数分だけ眠らされた後、今回のカラダ探しに関わりのない人々から存在自体を忘れ去られた上で、次のカラダ探しで「頼んだ側」に回らなければならないというのだ。
11月21日、「頼んだ側」「頼まれた側」のメンバーを入れ替えつつのカラダ探しが繰り返される中、明日香の友人である相島美雪は、学校の歴史の中で脈々と繰り返されてきた悲劇に終止符を打つため、カラダ探しの謎を解き明かし、繰り返されてきた現象そのものに終止符を打とうとする。「赤い人」が自ら打ち明けてくれた秘密の作戦を実行するため、自ら棺桶に入ることを志願し、「赤い人」を呪いから解放しようとする美雪だが、その試みは失敗してしまう。
11月28日、美雪の計画が失敗した瞬間、世界は砕け散り、カラダ探しなど最初からなかった世界が再構築されるが、このままでは自由の身となった「赤い人」がこの世界に解き放たれてしまう。「赤い人」こと小野山美子を学校に閉じ込めていた美子の双子の姉は、美子が解き放たれることを阻止するべく、他人の意識の中に構築したバーチャルな世界の中で、小野山家の末裔である小野山美紗として転生する。美紗はルールを再構築した上で、柊留美子らのメンバーを集めて「赤い人」に対抗する。結果としてそのことが、現実世界で美雪の計画を引き継いだ明日香らを支援する結果となる。
11月26日、美雪らが明日香から頼まれたカラダ探しを終え、繰り返されてきたカラダ探しそのものを終えるための策を実行すべく棺桶に入った後、「頼んだ側」の役目から解放された明日香は新たなカラダ探しに巻き込まれていた。しかも今回の「頼まれた側」には、以前のカラダ探しで「頼んだ側」であった三神遥が一緒である。はからずも「頼まれた側」「頼んだ側」「再び頼まれた側」として3回目のカラダ探しをすることになった明日香と遥はぎくしゃくしつつ、反目し合うメンバーをまとめて自分たちのカラダ探しを終わらせ、美雪の計画のバックアップに備える。明日香らは美雪の計画を引き継ぎ、もはや生き返ることのできない最後の戦いで何人もの仲間を失いつつ、繰り返されてきたカラダ探しの歴史に終止符を打つことに成功する。
声の項はそれぞれタテアニメ版[26] / ボイスドラマ版[27]の声優であり、1人の場合は共通。演の項は実写映画版の俳優。
原作「第一夜」(漫画版の「第壱章」)の登場人物たち。
原作「第二夜」(漫画版の「第弐章」)の登場人物たち。
下記メンバーはリンク先を参照
Web連載時に「呪われた血族」のタイトルで発表され、文庫版で「第三夜」、漫画版で「解」と改題されたエピソードの登場人物たち。時系列では「最終夜」の終盤(劇中の「世界が壊れた日」)の出来事を描いている。いわゆるパラレルワールド(ただし、この表現は劇中で否定されている)のような世界を舞台に、従来とは異なるルールの「カラダ探し」が描かれる。「第三夜」では、選ばれた5人の男女が、メンバー1人あたり6つに分割されたメンバー自身のカラダの分身を全て探し出して集めることで終了するルールで、「赤い人」に課せられたルールも異なり、また殺されても生き返るものの、時間はループせず、7日間のうちに全員分のカラダを集めなければならない。
下記メンバーはリンク先を参照
Web連載時に「第三夜」のタイトルで発表され、文庫版で「最終夜」、漫画版で「最終章」と改題されたエピソードの登場人物たち。
カラダ探しの怪異の主。
生前の小野山姉妹について探る中で登場する人々。前日譚「零」では、生前の美子から見た彼らについても描かれている。
Web上に投稿された内容を書籍化したものが複数の出版社、レーベルから出版されている。2013年には最初の書籍版がケータイ小説文庫(スターツ出版)発売された。なお書籍化の際には、作者がWeb上に投稿し際には気がつかなかった矛盾点の修正も行われている[10]。当時ローティーン向けの恋愛小説を多く出版していたスターツ出版は、新規レーベルの立ち上げの一環として本作の書籍化を作者に打診し[8]、同書の発売と同時に、ホラーやオカルトを扱う「ケータイ小説文庫ブラックレーベル」を新設した[45]。2015年9月14日にはケータイ小説文庫版を底本とした電子書籍版も発売された。
ケータイ小説文庫版は、本文イラストを嘉村朗が担当し、カバーアートには写真のコラージュを用いている。なお「第一夜」の挿絵では登場人物の顔がはっきりと描かれず、「第二夜」には本文イラストがないが、「第三夜」「最終夜」ではライトノベル調の挿絵があり、登場人物一覧で主要登場人物の顔をはっきり描く形に改められた。
2015年にはスターツ出版文庫(スターツ出版)より「第一夜」の新装版が発売され、漫画版を手掛けた村瀬克俊のイラストが用いられたほか、内容の一部も書き改められた[46]。
2016年からは双葉社ジュニア文庫(双葉社)からも書籍版が発売され、woguraのイラストが用いられた。最終夜の結末も本レーベル独自になっている[47]。
2016年にはジャンプ ジェイ ブックス(集英社)より、番外編的な内容の短編集が発売されている。
村瀬克俊による漫画版が、ウェブコミック配信サイト『少年ジャンプ+』(集英社、以下『J+』)より配信された。原作の第1・2・4部に当たる『カラダ探し』が2014年9月26日から2017年12月8日にかけて、原作の第3部に当たる『カラダ探し 解』が2017年12月29日から2019年1月25日にかけて毎週金曜更新で連載された。
『J+』創刊から1週間目に始まった初期連載作品のひとつで[48]、漫画版は連載開始から約2年の2016年6月、『J+』で最初に累計閲覧数1億回を突破した作品となった[49]。
2015年9月には『J+』の「人気ナンバーワン」作品として報道された[50][注釈 3]。J+編集長の細野修平は2017年時点で『J+』歴代TOP3として『ファイアパンチ』・『終末のハーレム』と並び本作を挙げた[52]。また、2020年9月時点で細野は「ジャンプ+を支えてくれた」として最も思い入れのある作品に本作を挙げている[53]。J+編集者の籾山悠太は連載終了後、本作が「『少年ジャンプ+』を引っ張ってくれた看板作品」であったと述べている[注釈 4]。2022年9月時点で電子を含む累計発行部数は340万部を突破している[1]。
漫画版は原作小説の内容に忠実な内容となっているが、基本的には作画を担当する村瀬の主導で描かれている。原作者のウェルザードは、基本的なことは村瀬に一任して直接のやり取りはせず[6][55]、ネームを確認して間違いを指摘するという形で関わっており、漫画の原作者というよりは自作がコミカライズされた作家という立場とされる[6]。ウェルザードによれば、村瀬は原作をよく読み込んでおり[6]、原作者として要望を出すまでもなく、原作の意図を汲んだ内容になっていることが多かったとしている[55]。
後述のアニメ版は漫画版が原作という扱いになっている。
2022年9月24日、漫画版のシリーズの3作目として、『J+』にて『カラダ探し 異』の連載を開始[1]。映画『カラダ探し』をもとに描いた話で、映画脚本として土城温美がクレジットされている[1]。
漫画版ストーリーは原作の「第一夜」「第二夜」「最終夜」「第三夜」の基本的なプロットを踏襲しつつも、物語の大筋に影響がない範囲での変更が行われている。原作者のウェルザードが物語の視点となる女子高生のリアルな感情を描くことに注力していたのに対し[7][9][28]、漫画版では作風を少年漫画らしくアレンジするため、主人公の嫌な部分を見せるような生々しさが避けられ、善良で前向きな人物像へと変更されている[28]。また、原作では敢えて淡々と描かれていた会話が、登場人物の表情や感情をはっきり描くような作風へと改められている[6]。
漫画版では、出来事の因果関係となる時系列そのものは原作に準拠しつつも、全4部作となるエピソードの順序が入れ替えられている。原作者のウェルザードは原作の第3部を起承転結の「転」、第4部を「結」と位置づけ[10]、この順序で読まれることにこだわっていたが[10](「#シリーズの沿革」も参照)、漫画版では原作の第3部の内容よりも先に第4部に相当する「最終章」で物語の完結を描き、一度連載の終了を迎えた後に、種明かしのエピソードとして原作の第3部に相当[56]する続編『カラダ探し 解』が開始されるという体裁が取られた。また、原作では第2部、第3部、第4部の終盤で、怪異の元凶との最終決戦となる11月28日の出来事をそれぞれの視点人物から断片的に描く体裁を取っていたが、漫画版ではそれらが原作に忠実な形を取りつつも時系列に従って整理され、「最終章」のクライマックスに統合された。
原作の結末は第3部と第4部でパラレルな結末へと分岐するものの、最終的には「救いのない中の僅かな救い」[57]という形に収斂するものとなっていたが、漫画版の「最終章」はいずれとも異なる結末となっており、主要登場人物たちの最終的な生死に関わる内容が原作から大きく変更されている。漫画版を執筆した村瀬は、原作の結末も大変良かったものの違う形も見たいという要望を原作者のウェルザードに打診し、意図を汲んでもらえたとしており[58]、ウェルザードは最終章の結末部分のネームを見せられて正直なところ悩んだとしつつも、「一つの終わり方として」別の結末を提示することは本作の内容にも合致しているとして了承したという[57]。
漫画版の単行本第1巻は、『J+』連載作品で初めて単行本化された8作品のうちの1冊となっている[59]。第1巻から第7巻までが原作の第1部に相当する内容で、原作の第2部に相当する第8巻から第11巻までは「第弐章」、第4部に相当する第12巻から第17巻までは「最終章」の副題が表紙に書かれる。なお実際には、「第弐章」のプロローグは第7巻の末尾に収録されている。
『J+』以外の雑誌で公開された作品や、『J+』上で公開された漫画以外のコンテンツもある。
漫画版を配信する『J+』のコンテンツの一部として、漫画版を原作としたボイスドラマ版が、同サイトのボイスドラマコーナー「聴くジャン」の第1弾として発表されている[61]。2016年4月2日から4月4日の3日間にかけて本編全3話、および限定ストーリーの「高広編」全1話が配信された[61]。
森崎明日香の視点から描かれていた本編の内容を伊勢高広の視点から描き直した「高広編」は、『週刊少年ジャンプ』2016年第18号(2016年4月4日発売)の購入者に限定して公開されたもので、雑誌に掲載されたパスワードが必要であった[61]。
漫画版を原作としたWebアニメが、スマートフォン向けアプリ『タテアニメ』にて2017年7月31日から8月31日にかけて、毎週月・木曜日に配信された[62]。全10話。各話約3分のショートアニメ形式で、漫画版の第1巻第1話から第2巻第12話(原作における第4話前半部)までの内容に沿ったものとなっている。ナレーションは西山宏太朗が担当している。
本作は、雑誌連載作品と比べて流行り廃りの周期が早いウェブコミックのアニメ化に対応すべく、工期やコストを抑えて、アニメ化の企画から公開までのスピードを重視した作風になっており[63]、熱心なアニメファンよりも、あまりアニメに触れてこなかった層が気軽な気持ちで見るという視聴スタイルを想定したものとなっている[63]。各話3分全10話というフォーマットは、『タテアニメ』の配信形式としては標準的なものである[63]。
話数 | 配信日 |
---|---|
act.1 | 2017年 7月31日 |
act.2 | 8月3日 |
act.3 | 8月7日 |
act.4 | 8月10日 |
act.5 | 8月14日 |
act.6 | 8月17日 |
act.7 | 8月21日 |
act.8 | 8月24日 |
act.9 | 8月28日 |
act.10 | 8月31日 |
2022年10月14日に公開された。監督は羽住英一郎、主演は橋本環奈[4]。PG12指定。ワーナー ブラザース ジャパンによる日本映画初のホラー作品プロジェクトとして企画されており、2021年9月より北九州市にてオールロケ撮影が実施された[4]。
2025年に公開予定。監督は前作から引き続き羽住英一郎。ワーナー ブラザースによる日本映画のホラー作品プロジェクトの続編となり、「よりスケールアップ」して2024年9月下旬より九州にてオールロケ撮影が実施される。
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