白井聡

日本の思想史家、政治学者 (1977-) ウィキペディアから

白井聡

白井 聡(しらい さとし、1977年9月5日 - )は、日本思想史家政治学者京都精華大学准教授。専門はレーニン主義社会思想政治学。実父は第15代早稲田大学総長である白井克彦早稲田大学政治経済学部政治学科卒業[2]

経歴

栄誉

2013年に『永続敗戦論 戦後日本の核心』で第4回いける本大賞、第35回石橋湛山賞、第12回角川財団学芸賞を受賞。

研究テーマ

主にロシア革命の指導者であるレーニンの政治思想をテーマとした研究を手掛けてきたが、近年は現代日本政治史の分野でも発言している。

主張

白井は『永続敗戦論』において、戦後日本は対米従属的な政治体制により、日本人の歴史的意識から敗戦の事実を追いやり戦争責任を否定することが可能となり、それにより対米従属的な政治権力の正当性を保つことができたと主張している。この「対米従属 ⇔ 敗戦の否認」という相補関係により成り立つ日本の政治体制を「永続敗戦レジーム」と呼んでいる白井は、この永続敗戦レジームがもたらしながら同時に隠蔽してきた代表的な問題として挙げているのが領土問題米軍基地問題であるとして、これらは第二次世界大戦後の敗戦処理と対米関係構築の双方の事情がきっかけとなっていると論じている[7]

著書

単著

  • 『未完のレーニン ―「力」の思想を読む―』講談社、2007年5月。ISBN 978-4062583879
  • 『「物質」の蜂起をめざして ―レーニン、「力」の思想―』作品社、2010年5月。ISBN 978-4861822889
  • 『永続敗戦論 ―戦後日本の核心―』太田出版〈プラス叢書〉、2013年3月。ISBN 978-4778313593
  • 『「戦後」の墓碑銘』金曜日、2015年10月。ISBN 978-4865720051
  • 『戦後政治を終わらせる:永続敗戦の、その先へ』NHK出版〈NHK出版新書〉、2016年4月。ISBN 978-4140884850
  • 『白井聡対話集 ポスト「戦後」の進路を問う』孫崎享ほか[注 1]かもがわ出版、2018年2月1日。ISBN 978-4780309492
  • 『国体論 ―菊と星条旗―』集英社〈集英社新書〉、2018年4月。ISBN 978-4087210286
  • 『武器としての「資本論」』東洋経済新報社、2020年4月。ISBN 978-4492212417
  • 『長期腐敗体制』KADOKAWA角川新書〉、2022年6月10日。ISBN 978-4040824222
  • 『今を生きる思想 マルクス 生を呑み込む資本主義』講談社講談社現代新書〉、2023年2月16日。ISBN 978-4065311967

共著

シリーズ

ニッポンの正体シリーズ

訳書

出演

テレビ番組

ウェブ番組

ラジオ

騒動

2020年8月29日に歌手の松任谷由実が、安倍晋三内閣総理大臣の辞任に伴う会見について「泣いちゃった。切なくて」などとコメントしたことに対し、自身のFacebookに「荒井由実のまま夭折すべきだったね。本当に、醜態をさらすより、早く死んだほうがいい」と書き込み非難を浴び、白井の勤務先である大学が謝罪する事態となった[8]。批判を受け、白井は「人の生命を軽んじる発言、暴力的な発言であるとのご指摘を受け、自身の発言の不適切さに思い至りました。深く反省をしております」「松任谷由実氏に、心からお詫びを申し上げます。また、不快な思いをされた多くの皆さまにもお詫びいたします」と謝罪の上、発言を取り消すと発信した[9]

脚注

外部リンク

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