『星のカービィ スーパーデラックス』(ほしのカービィ スーパーデラックス)は1996年3月21日に任天堂より発売されたスーパーファミコン用ゲームソフトである。開発元はハル研究所。略称は「SDX」[2]や「スパデラ」[3]など。『星のカービィシリーズ』の日本における第7作目、アクションゲームに限定すれば4作目にあたる。
日本国外では『Kirby Super Star』という名称で発売された(フィンランドなど一部例外あり)。
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スーパーファミコン用に作られた『星のカービィ』シリーズのアクションゲーム。シリーズの生みの親である桜井政博ディレクターが手がけた作品で、「万人向け」というコンセプトがより推し進められた内容となっており、下記のように遊び方をプレイヤーに委ねることで初心者から上級者まで楽しめる作りになっている。
カービィの最大の特徴であるコピー能力は『星のカービィ 夢の泉の物語』から受け継がれたものを基本としながら、コピーごとに多彩なアクションを用意するなど、大幅な拡張がなされている。初心者に対しては簡単な操作で強いコピー能力、上級者に対しては複雑な操作を要求し、かつ奥深い性能を持つコピー能力を用意するなど、コピー能力によってプレイヤーを棲み分けるシステムはより顕著に現れている。
また、本作品は当時としては珍しい「2人同時プレイのできる横スクロールアクションゲーム」であり、カービィの使うコピー能力をそのまま使用できる「ヘルパー」システムが用意されている。
7種類のアクションゲームモードと2種類のサブゲームが用意され、このうちプレイしたいタイトルを自由に選べるオムニバス形式がとられており、ボリュームアップと手軽さを両立した。また、初心者にも配慮し、ゲーム開始時に「しょしんしゃのへや」という操作練習(チュートリアル)を用意している。
特典としてスーパーファミコン本体が4000円お得の割引クーポンが付属。同じ月に発売された『スーパーマリオRPG』の本体割引クーポンとの併用はできない。
2008年11月6日、本作のリメイク作品にあたる『星のカービィ ウルトラスーパーデラックス』(ニンテンドーDS用ソフト)が発売された。また、バーチャルコンソールで2009年10月13日よりWii向けに、2013年5月1日よりWii U向けに配信が開始された。2019年12月12日にはNintendo Switch Online加入者向けサービスであるスーパーファミコン Nintendo Switch Onlineにてプレイ可能なタイトルに追加された。
後の『ウルトラスーパーデラックス』開発理由が「カービィ15周年記念として」であるなどシリーズ中でも人気の高い作品で[5]、Wiiバーチャルコンソール版は「人気タイトル(週間ダウンロード数)」の上位に入る常連の作品となっている。
2012年7月19日に発売されたWii用ゲームソフト『星のカービィ 20周年スペシャルコレクション』に収録されたほか、2017年10月5日に発売されたスーパーファミコンの復刻版「ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン」にプリインストールされる21作品の一つとして収録されている。
アクションモード
- はるかぜとともに
- 難易度:★
- 「プププランドから食べ物を奪ったデデデ大王を倒し、食べ物を取り返す」というストーリー。
- カービィシリーズ第1作目『星のカービィ』のリメイクのようなモード。ゲーム中の基本要素を押さえており、プレイしながら操作方法を覚えることができる。難易度は非常に低い。また、1作目のステージ2「CASTLE LOLOLO」が「FLOAT ISLANDS」に組み込まれていて、ボスはロロロ&ラララとなっている、アイテムの配置が異なるといった色々な変更点が各所にある。初回プレイではボスの体力が低く設定されている。「つづきから」でクリア済みの好きなステージからプレイ可能である。ゲームオーバー時のコンティニュー画面のBGMが他のモードと異なっている。ラストボスは「デデデ大王」。
- ボスステージには、マリオシリーズのキャラクターであるマリオとルイージとキノピオとキャサリンが観客としてゲスト出演している。
- 白き翼ダイナブレイド
- 難易度:★★★
- 「プププランドの作物を荒らす巨鳥“ダイナブレイド”を懲らしめに行く」というストーリー。
- 純粋なアクションゲームだが、「はるかぜとともに」とは違い、クリア済のステージは何度でも選択することができる。また、ステージ2と4に隠されたスイッチを押すことでマップ上にコピー能力お試し部屋が出現し、特定のコピー能力を除きほとんどのコピー能力を試すことができる。ラストボスは「ダイナブレイド」。
- また、このストーリーでは中ボスのアイアンマムがマップ上を動いていて(『スーパーマリオブラザーズ3』のハンマーブロスに近い)、接触するとバトルとなる。
- 激突! グルメレース
- 難易度:?[6]
- グランプリとタイムアタックの2つのモードがある。コースは3つ。
- グランプリ
- デデデ大王と食べ物を取りながらレースする。全てのコースで戦い、より点数の高い方の勝利。点数は、食べ物1つにつき1点(マキシムトマトは3点)、レース1勝利につき30点。難易度は低いので、最後にはどれだけ高い点数を取れるかを競うことになる。
- タイムアタック
- より速いタイムでゴールするのを競う。コースごとに1/100秒単位でタイムが計測・保存される。デデデ大王と食べ物は出てこないが、1分以内の記録を出すと自己ベストの速さで動くゴーストが出現し、記録更新の目安となる。
- 洞窟大作戦
- 難易度:★★★★
- 「ピクニックに行く途中に大きな穴に落ちてしまったカービィが、宝物を探しながら洞窟を脱出する」というストーリー。
- 大きく4つのエリアから構成され、それぞれのエリアにボスがいるが、最後のエリアまでゴールが存在しない。その代わり、各エリア(最初のエリアを除く)のスタート地点にセーブポイントが設けてある。宝物は全60個存在し、様々なコピー能力の特性を活用しなければ入手できないが、一応1つも入手せずともクリアは可能(その際はラストで専用メッセージが表示される)。宝物にはユニークなアイテムのほか、「トライフォース」「どせいさんのぞう」など他の任天堂ゲームに関連するアイテムも登場する。
- メタナイトの逆襲
- 難易度:★★★★
- 「白き翼ダイナブレイド」をクリアすると遊べる。
- 「戦艦ハルバードに乗り、プププランドを征服せんとするメタナイトの野望を阻止するため、カービィが立ち向かう」というストーリー。
- 「いつになくマジな雰囲気」がルールにも反映され、ステージごとに制限時間が設定されており、一刻を争う時間との戦いとなる。画面下側に敵の会話が表示されるため、物語的な要素も楽しめる。また、敵のセリフが冒険のヒントになったりもする。ハイスコア表示はスコアではなくクリアタイムになっており、タイムアタックとしての遊び方もできる。隠しルート、隠し部屋もいくつか存在する。ラストボスは「メタナイト」。
- 銀河にねがいを
- 難易度:★★★★★
- 「洞窟大作戦」「メタナイトの逆襲」をクリアすると遊べる。
- 「カービィたちの住む星ポップスター上空で太陽と月が突如大喧嘩。魔法使い“マルク”により、願いをかなえる力をもつ大彗星“ギャラクティック・ノヴァ”の存在を知り、太陽と月の喧嘩を止めるためにノヴァを呼びだすように頼まれる。滅茶苦茶になった昼夜を戻すため、カービィはノヴァを呼ぶために七つの星々を廻る」と言うストーリー。
- このシナリオは通常と違い敵を吸い込んでもコピー能力を得ることができない(ただし「クラッシュ」「ペイント」「スリープ」「コック」などの一発系の能力の敵はコピー可能、それらの敵を2体以上同時に吸い込んでのミックスコピーおよび「ぶんせきのひかり」での通常のコピー能力取得も可能である)。その代わり、各星に設置されている「コピーのもとデラックス」をとることで能力を何時でも(ボス戦中でも)使用することができ、それに関連した隠しステージも存在する。ゲームオーバー後のコンティニュー画面のBGMが他のモードと異なる専用の物となっている。ラストボスは「マルク」。
- 格闘王への道
- 難易度:★★★★★★
- 「銀河にねがいを」をクリアすると遊べる。
- 上記のモードで登場したボス(一部中ボス軍団やザコ敵のワドルディを含む)と闘い、勝ち抜いていくという内容。最初にコピー能力を選択することができ、2人プレイも可能である。また、各戦闘の間にインターバルがあり、コピーのもと(ランダムに2つ)による能力の変更や、マキシムトマト(5つ用意されている)で体力の回復ができる。全試合勝ち抜いた時にクリアタイムが表示されるため、タイムアタックとしての遊び方もできる。コンティニューはできないためライフがゼロになると最初からやり直しとなる。全19戦で、1戦目のボスはワープスターに乗るまで不明だが、2戦目以降はインターバルで分かるようになっており、最後は必ずマルクと戦うことになる。クリアするとサウンドモードが追加される。
- このシステム(ボスと連戦、インターバルには数個の回復アイテム)は桜井が後に開発に携わった「大乱闘スマッシュブラザーズDX」のオールスター、「大乱闘スマッシュブラザーズX」のオールスターおよびボスバトルとして収録されている。
サブゲーム
どちらのゲームも使用するのはAボタンのみ。対COM戦と対2P戦がある。2Pキャラは対COM戦のキャラのいずれかランダム。
- かちわりメガトンパンチ
- 瓦割りのようなゲーム。ゲージが高いところにきたらボタンを押し、動いている2つの照準を重ねて、最後にタイミングをはかるという3つの手順をこなしてポップスターをかち割るゲーム。威力によって星の割れ具合が変わる。威力は単位Mt.(メガトン)で数値化され、最低は2mt,最高は201Mt.である。最高になるとひび割れが星を貫通する。マリオやルイージなどが観客としてゲスト出演している。
- 対COM戦の対戦相手は1番手「ワドルディ」、2番手「ナックルジョー」、3番手「アイアンマム」。
- 『星のカービィ 鏡の大迷宮』のサブゲームのひとつである「ギガトンパンチ」はこのサブゲームのリメイク版である。
- 刹那の見斬り
- 「!」マークが出た瞬間に相手よりも早くボタンを押すゲーム。反射神経が問われる。
- 対コンピュータ戦では易・中・難の3つのレベルがあり、それぞれ5体の敵と戦う。勝ち進むほどタイミングがよりシビアになる。対戦相手は1番手は「ワドルドゥ」、2番手は「ウィリー」、3番手は「コックカワサキ」、4番手は「デデデ大王」、5番手は「メタナイト」。それぞれ服装が和風になっている。
- 画面右には二桁の数字が書かれた看板があり、ここには「!」が出現してからボタンが押されるまでにかかった時間が表示される。単位は1/60秒で、最低は99,最高は0(本当の意味での0ではなく、タイム1未満の速度だったという意味)である。「!」が出る前にボタンを押すと仕切り直しになり、これを2回行うと負けとなる。また、相手とタイミングが重なると両者仕切り直しとなり、ノーカウントとなる。
- 『夢の泉の物語』の「はやうちカービィ」に相当するミニゲームだが、引き分けが再勝負となる点が若干異なる(「はやうちカービィ」には引き分けがない)。
- 『星のカービィ 夢の泉デラックス』のサブゲーム「刹那の見斬り改」はこれをモデルとしている。
はるかぜとともに
- STAGE1 GREEN GREENS
- プププランド周辺の草原と森のステージ。練習に良く、初心者向け。中ボスはポピーブロスSr.。ボスはウィスピーウッズ。
- STAGE2 FLOAT ISLANDS
- トロピカルな島のステージ。中ボスはMr.フロスティ。ボスはロロロ&ラララ。
- STAGE3 BUBBLY CLOUDS
- 雲の国のステージ。中ボスはクラッコJr.とボンカース(隠し扉を見付ければ戦える)。ボスはクラッコ。
- LAST STAGE Mt.DEDEDE
- デデデ城がそびえ立つ山。扉に入るといきなりデデデ大王との対決になる。
白き翼ダイナブレイド
- STAGE1 ピーナッツ平原
- 草原のステージ。コックカワサキが初登場。
- STAGE2 マシュマロ城
- お城のステージ。強制スクロール面が初登場。
- STAGE3 ココア洞窟
- 洞窟のステージ。極暑のエリアと極寒のエリアがある。スープレックス(バグジー)が初登場。
- STAGE4 キャンディ山
- 山のステージ。ラストは中ボスラッシュで、2体同時バトルが初登場。
- STAGE5 ダイナブレイドの巣
- 作物を荒らすダイナブレイドとの対決のみのステージである。
- STAGE E VSアイアンマム
- 中ボスのアイアンマムとの戦い。一度倒すとマップから消える。
- 能力おためし部屋1,2
- あるステージにあるスイッチを押すことで入れる。マキシムトマトと各種コピーのもとがあり、敵キャラクター相手にコピー能力を自由に試せる。
激突! グルメレース
- COURSE1 かぼちゃグランド
- 途中で水や星ブロック、多少の段差がある以外はほぼ一直線となったコース。このコースのBGMはCOURSE3とは共通で、後のシリーズ作品多数や『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズなどにも使われており、2000年代後半以降にはMAD動画がニコニコ動画をはじめとする動画共有サイト上で多数作られている。
- COURSE2 もろこしホール
- 起伏の激しい洞窟の中を進むコース。コースが上段と下段に分かれている箇所がいくつかあり、食べ物も上下にばら撒かれている。ジャンプと飛行をいかに上手く使うかがポイントとなる。
- COURSE3 たまねぎガーデン
- 長い直線や縦穴、水中などが存在し、かなり入り組んだ構造をした空の宮殿を進むコース。スタートしてすぐに5種類のコピーのもとがあり、コピー能力を使用することができる。手に入れたコピーをいかに上手く使うかが速く進むポイントとなる。
洞窟大作戦
- AREA1 地底の木々(宝物13個)
- 密林のエリア。ボスはファッティホエール。
- AREA2 水晶の畑(宝物16個)
- 水晶のエリア。ボスはバトルウインドウズ(スライム・おどりにんぎょう・まほうつかい)。バトル時のBGMは通常のボスBGMをファミコン風にアレンジしたもの。
- AREA3 古代の塔(宝物16個)
- 塔のエリア。ボスはガメレオアームだが倒さなくても神秘の楽園に行ける。
- AREA4 神秘の楽園(宝物15個)
- 奇麗な楽園のエリア。ボスは魔人ワムバムロック。
メタナイトの逆襲
- CHAPTER1 後部甲板-ロケットノズル前
- 発進前の戦艦ハルバードに潜入する。ボスはヘビーロブスターだが、倒す必要はないうえ、戦っている内にハルバードが発進してカービィは吹き飛ばされる。スタート地点付近で、一度わざと自滅すると、復活した時、スタート地点より左側へ行けるようになる。左端にはウィリーがいる。
- CHAPTER2 海-海底洞穴-離島
- 近くの海岸へ飛ばされる。ボスはウィスピーウッズとツインウッズ。このステージ冒頭でメタナイトが言っている「グレープガーデン」とは、『夢の泉の物語』のLEVEL4のことである。
- CHAPTER3 森-山
- ハルバードを追ってうっそうとした森に入る。ボスは無しだが、最後にダイナブレイドが登場し、ダイナブレイドに乗ってハルバードへと向かう。
- CHAPTER4 甲板-戦艦内部-主砲前
- ダイナブレイドの助けを得て再びハルバードに乗り込む。ボスは二連主砲。
- CHAPTER5 甲板-戦艦側部-左ウィング-ダクト-右ウィング近辺
- ダクトから内部に侵入する。ボスはヘビーロブスター。
- CHAPTER6 戦艦側面-戦艦底部-戦艦内部中央付近-リアクター
- ハルバード核心部へと突き進む。ボスはリアクター。
- CHAPTER7 戦艦内部後方付近-ブリッジ-展望台
- メタナイツとの最後の戦いを経て、メタナイトとの直接対決となる。
- CHAPTER8 後部甲板
- 墜落寸前のハルバードから50秒以内にウィリーライダーで脱出する。メタナイトが飛行モードに変化して追ってくる。このメタナイトは、体力ゲージこそ表示されるがダメージは与えられない。
銀河にねがいを
- 草花の星 フロリア (Floria)
- 四季が存在し、扉に入ることでそれを切り替えて進む星。ボスはツインウッズ。
- 水の星 アクアリス (Aqualiss)
- 大部分がきれいな水で覆われている星。ボスはファッティホエール。
- 大空の星 スカイハイ (Skyhigh)
- 陸地が確認できず、雲をわたって進む。後半部は迷宮のような造りになっている星。ボスはクラッコ。
- 灼熱の星 ホットビート (Hotbeat)
- 表面温度が非常に高く、溶岩が煮えたぎっている星。ボスはガメレオアーム。
- 洞穴の星 ケビオス (Cavios)
- 広い洞窟の中を進む。入り組んだ造りになっており、道に迷いやすい星。ボスは魔人ワムバムロック。
- 機械の星 メックアイ (Mecheye)
- 大地のほとんどが機械化されている星。ボスはヘビーロブスター。
- 常夜の星 ハーフムーン (Halfmoon)
- 星の半分しか光が当たらない星。地形は密林だったり星屑だったりとまちまちである。ボスはバトルウインドウズ(まほうつかい・あくまのきし・レッドドラゴン)。
- ギャラクティック・ノヴァ (Nova)
- 他のステージとは異なり、スターシップに搭乗しての強制横スクロールシューティングとなる。ボスはギャラクティック・ノヴァの核とマルク。
- ???
- 背景に溶け込むように隠れた星。単純にシナリオを攻略するだけならクリアする必要のない星だが、クリアしないとクリア率が100%にならない。深部でコピーのもとデラックス「コピー」が入手できる。地形は単調で、コピー能力を盗む敵・タックがたくさんいる。ボスはなし。またこの星にはタック以外にコピー能力「クラッシュ」が得られるボンバーも数体いる。この星はタックとボンバー以外の敵は登場しない。
以前のシリーズ作品から、操作方法の一部(空に浮く、コピー能力使用など)が若干改められている。
体力
カービィの体力について、以前のシリーズでは敵に触れたり、攻撃を6発受けると1ミス扱いとなるポイント制であったが、本作で初めて、敵に触れたり、攻撃によって受けるダメージ量が異なるゲージ制を採用している。そのため、以前のシリーズでは敵に触れると、ライフが1つ減るとともに敵が消滅していたが、今作では触れてもこちらがダメージを受けて弾かれるだけで消滅しない(接触によるダメージが大していかない)ため、何度も触れると必然的にやられてしまう。新たに「ガード」のアクションが加えられ、ガード中はほとんどの攻撃のダメージを無効化することができる(一部、ガードしても体力を削られる技や、投げ技などガードが通用しない技もある)。また、過去の作品では回復アイテムが「マキシムトマト」と「元気ドリンク」の二種類のみだったが、本作では野菜からお菓子まで様々な食べ物が回復アイテムとして導入されている。なお、食べ物には餅や寿司、おにぎりなど和風のものも含まれているが、認知度を考慮してか、海外版ではクッキーやホットドッグ、クレープなどに置き換えられている。
ヘルパー
カービィが通常の能力をコピーしていた時、その能力を持つヘルパーを作ることができる。前述の通り、コンピューターに操作を任せるか、2プレイヤーが操作する。また、2プレイヤーが、1プレイヤーがヘルパーを呼び出せる何らかの能力を持っているときにコントローラーの何かしらのボタンを押すことでも出現させることができ、その際は、最初から2プレイヤーに操作権がある状態で出現する。
ヘルパーは基本的にはその能力を宿した敵キャラクターの外見をとり(後述)、性能や操作方法がほぼカービィと同じでも、扱える技が異なる者・独自の特徴を持つ者なども存在する。全てのヘルパーが水中でも攻撃可能である一方、カービィでいうところの「すっぴん」状態が無いため、ハンマーの「爆裂ハンマー投げ」や「一発系コピー」など、使用後にすっぴんに戻るコピー技は使用できない。「コピー」のヘルパー「タック」で「一発系コピー」を持つ敵キャラをコピーすると通常コピーからランダムで選ばれることになる。
強制スクロール以外の場面では、画面はカービィの移動にあわせて動く。ヘルパーがスクロール外に出たりAボタンを押すと、星となってカービィのもとへ飛んで移動できる。また、穴に落ちても強制スクロールにはさまれても1発アウトではなく、同じようにカービィのもとへ移動する。また、ホバリング中のカービィの足に重なって十字キー上を押すと、押している間カービィの足に捕まることができる。その際カービィの落下速度が速まり、上昇速度が遅くなる。
さらに、Aボタンを押し続けることで星になり続けることができ、カービィの後ろに隠れ(重なり)、カービィの移動についていくことで危険な場所を切り抜けることができる。
カービィかヘルパーのどちらかが回復アイテムや無敵キャンディを取り、すぐにもう一方のキャラとくっつくことで、同じ効果(回復アイテムは食べてからあげるまでの時間によって与えられた側の回復量が変わる)を得ることができる(口移し)。口移しのシステムは後のシリーズでも採用された。
ヘルパーの防御力はカービィより低めに設定されている。体力がなくなるか、Aボタンを連打すると体が爆発し、“ハイパー状態”となる。後者の場合、時間と共に体力が徐々に減っていく。そのときに通常のコピー能力を持つ敵に触れると、体力を全回復、触れた敵を消滅(ザコキャラに限る)してそのコピー能力のヘルパーに変身する。ただし、変身しないまま時間がたつと動きが徐々に鈍くなり、(Aボタン連打した場合は体力が無くなったのち)最終的にヘルパーが消滅する。なお、ヘルパーがいるときにカービィがやられた場合、コンピューター操作時はヘルパーも消滅するが、2P操作時はヘルパーが残った状態で再開する。
なお、カービィ(1P)のAボタンを押したときに発生する現象は、自身の能力やヘルパーの有無により以下のように異なってくる。
- ヘルパーの有無に関わらず、自分が「すっぴん」
- 左右に丸くて青白い衝撃波(すっぴんビーム)を出す。これに当たったヘルパーはその能力を表したアイテムに強制還元される。ただしこの衝撃波はヘルパーにのみ効果を発揮し、敵への攻撃性は全くない。
- 能力をコピーした状態でヘルパーが存在しない
- ヘルパーを生み出す。
- 能力をコピーした状態でかつヘルパーが存在する
- 自分の能力をアイテム化して投げる。カービィは「すっぴん」となってしまうが、アイテムを再び口に含んでコピーし直すことも可能。ヘルパーがアイテムに触れると強制的にその能力のヘルパーに変更されるが、その時はヘルパーの体力は完全に回復し、先述のハイパー状態の対策としても用いられるアクションである。なおコピーから生成したアイテムは画面内に一個しか出現できず、自分の能力を投げたものとヘルパーを還元したものが同時に存在することもなく、また別の方法(敵やコピーのもとなど)で新たな能力を得ると、アイテムは消滅する。
本作では、単発系のものを除き、1つのコピー能力で複数の技を使用することができ、その大半はYボタンと+αによるコマンドで発動できる。各技はポーズ時の説明画面でコマンドを参照できる。格闘ゲームのような複雑なコマンドは少ない。
本作では、コピー能力を得ると、色だけでなくその能力に応じた帽子や装飾品を身に着ける形となり、ヘルパーのようにカービィがどの能力を持っているが明示し、画面下のUIを見ずとも判断できるようになっている。アニメでもこの形式が採用され、『夢の泉デラックス』以降の作品ではこれがスタンダードな形となる。
詳細は「カービィ#コピー能力」を参照
属性
各技には属性が設定されているものもあり、各敵の耐性によりダメージが増減したり、カービィに何かしらの影響が出たり、特定の仕掛けに作用したりする。
- 刃(ソード・ウィング・カッター・ニンジャ)
- 刃物を利用した攻撃の属性。ひもを切断したり、ロウソクの火を消したりできる。
- 電撃(プラズマ・ビーム)
- 機械の敵に強く、地形を貫通するものが多い。
- 氷(アイス)
- この属性を持つ攻撃で止めを刺すと、吸い込める敵ならば凍らせて攻撃手段とすることができる。
- 絵の具(ペイント)
- ガメレオアームとヘビーロブスターが特殊な反応を起こす。
- 炎(ファイア・ジェット・ハンマー・クラッシュ)
- 導火線やロウソクに火をつけることができる。
- 羽、ジェット(ウィング・ジェット)
- カービィの空中移動速度が速まったり、上昇が楽になる。
- 押しつぶし(ハンマー・ストーン)
- 杭を押し込むことができる。
通常コピー能力
括弧内は能力を得られる敵キャラで、斜体の敵名はヘルパーとして呼び出せる敵を指す。
能力を持つ敵を2匹以上同時に吸い込んだ場合(同じキャラ含む)はミックスとなる。飲み込むとルーレットが始まり、止めたときに選ばれたコピー能力を得る(ペイント以外の使い捨てコピーも含まれる)が、放っておくとルーレットは自動に止まる。また、コピー能力のほか、スカ、ダメージを受ける、無敵になる、などもルーレットの対象に入っている。
本作ではシリーズの他の作品のように直接コピー能力を捨てることはできず、一旦ヘルパーを召喚してから、そのヘルパーを能力アイテムに戻すことでしか捨てることができない。
- アイス(チリー、ミスターフロスティ)
- 冷気で攻撃する能力。氷属性による攻撃が可能な唯一のコピー能力。ダッシュが「スケートダッシュ」に変化し、連続ダッシュをするとホイールに負けないくらいの移動速度を得ることができる。なお、ファイアと違い冷気の方向を十字キーで動かすことはできない。
- プラズマ(プラズマウィスプ)
- 本作で初登場の新たなる新コピー能力。電気エネルギーを溜めて発射する能力。レバガチャ動作(十字キー連打)で充電し、弾は溜め具合によって全部で5段階。溜めた電気エネルギーは時間と共にだんだん減っていく。最大まで溜めると攻撃判定のあるバリアを張り、こちらの攻撃で相殺可能な攻撃(一部除く)を無効化することができる。高速溜めに多少コツがいるがリーチが長く、攻撃力が高い。
- ヘルパーは浮遊しており、空中を自在に移動可能。
- ヨーヨー(ギム)
- 本作で初登場の新たなる新コピー能力。アメリカンヨーヨーで攻撃する能力。トリッキーな動作の技が多い。地形を貫通するので仕掛けを動かすのに役立つが、リーチはヨーヨーの紐が伸びる範囲の中距離攻撃しかできない。全方位に攻撃できる上に連射も利く。
- ボム(ポピーブロスJr.(爆弾を持っているときのみ)、ジャングルボム、ポピーブロスSr.)
- 本作で初登場の新たなる新コピー能力。爆弾を投げつけて攻撃する能力。ボタンを押す長さで投げる角度を調節できる。その場に設置したり、敵の頭に乗せることもできる。
- 爆弾を取り出したのち投げて攻撃するが、爆弾を持ったまま一定時間が経過するとカービィが焦りだし、さらに待っていると爆弾が爆発し、ダメージを受ける。
- ソード(ブレイドナイト)
- 剣を装備して戦う能力。独特の動作が特徴。水中でも使用可能。カービィのみ、体力が満タンなら通常攻撃と同時に衝撃波(ソードビーム)が出せる。空中で切りつけ攻撃を行うと反動でバックするため、その攻撃で連続ダメージを与えるには少々のコツが必要。
- ファイア(バーニンレオ)
- 炎で攻撃する能力。過去にあった「バーニング」能力と統合されている。火噴きや体当たりによる技が中心。火を噴いている最中でも十字キーで方向を動かすことができ、射程範囲を伸ばすほか、自分自身を発火させることができる。自身が燃えているときはある程度の攻撃力を持ち、雑魚キャラなら接触だけで消滅させるバリアになるが、それを越える耐久力を持つ敵の接触ダメージは受けてしまう。
- また、ヘルパーは比較的耐久力が高いという特徴がある(HP56)。
- ウィング(バードン)
- 本作で初登場の新たなる新コピー能力。翼を携える能力。ホバリングが「はばたき」に変化し、攻撃判定付きの高速飛行が可能になり、ある程度の強風にも逆らえる。ただし空気弾は使えなくなる。攻撃には羽根手裏剣や体当たりを用いる。
- カッター(サーキブル、ポピーブロスJr.(ブーメランを持っているときのみ))
- カッターで攻撃する能力。他のシリーズの様なカッターブーメランだけではなく、直接手に持って斬りかかりもする。スピーディーな動作の技が多い。
- ミラー(シミラ)
- 本作で初登場の新たなる新コピー能力。鏡を利用して戦う攻防共に優れた能力。ダッシュ時は独特のアクションで動く。「リフレクト - 」と付く技は特定の攻撃を反射してダメージを与えられる。ガードが「リフレクトガード」に強化され、ほとんどの攻撃を無効化できるようになり、飛び道具を跳ね返せる。
- ビーム(ワドルドゥ、レーザーボール)
- ビームを発射して攻撃する能力。攻撃範囲の広い飛び道具を主とするが投げ技もあり、技のスタイルが豊富で攻撃力も高い。溜めて撃つビーム攻撃が最も強いが、このときは貫通能力はない。
- ヘルパーの防御力がかなり低いという特徴がある(HP37)。
- ファイター(ナックルジョー、アイアンマム)
- 本作で初登場の新たなる新コピー能力。打撃攻撃を主とし、ボタンの強弱(ボタンを押す長さ)で技を使い分ける能力。多少の投げ技も使える。
- 格闘家なためかヘルパーのスライディングの威力はかなり高めに設定されている。
- パラソル(パラソル、パラソルワドルディ、パラソルワドルドゥ)
- パラソルを装備して戦う能力。パラソルは常時携えているため当たり判定があり、上方からの攻撃に対し文字通り傘になる。基本はソードと同じく近距離武器であるが、振りかざす一瞬に星のつぶてを飛ばして若干リーチがある。水中でも使用可能。パラソル落下傘でゆっくりと落下、上昇気流のある場所では上昇も可能。また雑魚キャラを含めた「吸い込める」ものをパラソルの上で回したのちにぶつける「大道芸」という技もある。
- ヘルパーのスライディングの威力は全キャラクター中最低に設定されている。
- ストーン(ロッキー)
- 石に変身して押しつぶす能力。変身中は移動できないが全ての攻撃に対して無敵になる。斜面で変身すると滑り落ちる。また変身後の着地時に左右に星状の衝撃波を発する。攻撃力が非常に高く杭を打てる。変身中は無敵な上、ヘルパーのロッキー自体の耐久力も全ヘルパー中トップで防御力は相当高い(HP80)。変身後の姿は数種類の中からランダムで選ばれる(その中でも「黄金のマリオ像」と「黄金のサムス像」は、出現確率が非常に低い)。どの姿に変身しても攻撃力は一定。
- ホイール(ウィリー)
- タイヤに変身する能力。変身中はほぼ無敵になり、高速で移動できる。
- ヘルパーにはカービィが乗ることができ、より精密な動作が可能な「ウィリーライダー」となる。また、ウィリーを2Pで操作している場合(2人同時プレイ時)は、カービィ側でかなりの攻撃力を誇る星型弾による攻撃も可能。
- ブレーキボタンを押しながら低速で走ることもでき、そのまま壁にぶつかると回転しながらその場で停止する。この時、無敵で当たり判定もあるため放置するだけで敵を倒すことも可能(一部除く)。
- ジェット(カプセルJ)
- 本作で初登場の新たなる新コピー能力。ジェット噴射を利用して体当たりなどで戦う能力。パワーを溜めて放つことで高速移動が可能。飛行がジェット噴射による「ホバリング」に変化し、高速上昇ができるが空気弾による攻撃はできなくなる。ジェット噴射によって火をつけることも可能。パワーを溜めている途中でジャンプまたはガードするとパワーを残した状態で移動することができる。
- スープレックス(バグジー、ジュキッド)
- 本作で初登場の新たなる新コピー能力。プロレス技を主体に戦う能力。Yボタン1つで簡単に敵を掴むことができ、そこから8種類の投げ技とストンピング(空中で踏みつけ)を使用できる。攻撃力は全コピー能力中最高だが、掴みが効かない(または掴める物が少ない)ボス戦などでは苦戦を強いられる事もある。一方で掴んでいる間は無敵状態となるが、時間経過で自動的に投げる。
- ヘルパーは中ボスのときのままの大きさゆえに当たり判定が大きいが、防御力が高い。
- ハンマー(ボンカース)
- ハンマーを装備して戦う能力。大振りだが一撃あたりの破壊力が非常に高い。杭を打てる。水中でも使用可能。今作では、特定の技で炎攻撃もできる。またあるコマンドで能力を失う代わりに最大の攻撃力を持つ「ハンマー投げ」という一撃必殺もある。
- スープレックスと同様に、ヘルパーは当たり判定が大きく防御力が高い。
- ニンジャ(バイオスパーク)
- 本作で初登場の新たなる新コピー能力。忍術を駆使して戦う能力。クナイ手裏剣や小刀、体術など技のスタイルが独特で、攻撃力も総じて高い。また、壁に貼り付くことができる。
- ヘルパーは移動力が高く、クナイを投げる速度も上がるが、防御力がかなり低いという特徴がある(HP38)。
- コピー(タック)
- 本作で初登場の新たなる新コピー能力。スコープからサーチライトを照らし、敵の持っている能力をコピーできる。吸い込めない敵からもコピーが可能。ボスやコピー能力を持たない一部の敵にはこの攻撃がダメージになる。
- タック(ヘルパー)の攻撃は一定距離まで伸びる手となっており、能力持ちの敵にヒットすることでその能力のヘルパーに変身する。更に特殊能力があり、コピーすると体力が全回復、さらにコピーした能力を捨てることができる(コピーを捨てた場合タックに戻る)。またガードで透明化することで当たり判定がなくなり、コピーを持たない相手には一撃あたりの攻撃力の高さと連射速度で大ダメージを与えられる。
使い捨てコピー能力
以下の能力はヘルパーが生み出せない。一定回数使い切るとすっぴんに戻る。
カービィが使用した場合に限り、「コピー」の能力はこの部類に入る(1度能力を奪うとヘルパーのタックのように元には戻れない(つまり1度能力を奪った時点で「コピー」の能力は失われる)ため。ただ、能力の無い敵に対してはダメージを与えるだけなので、能力を失うことは無い。
- スリープ(ノディ)
- コピーすると一定時間眠ってしまい、無防備のまま操作不能になる。一定時間経過すると起きるがすっぴんに戻るので、コピーする前に持っていた能力は無くなってしまう。一部では「コピーのもと」がトラップとして配置されている。
- マイク(ウォーキー)
- カービィの歌声で画面内の敵を一掃する。3回まで使用でき、後になるほど威力が上がる。
- ペイント(ペイントスライム、ペイント弾)
- 本作で初登場の新たなる新コピー能力。絵の具を飛ばし画面全体に攻撃する。1回しか使えない。ヘビーロブスター、ガメレオアーム戦でのみコピーすることができる。ヘビーロブスターに使用すると目潰し効果が、ガメレオアームに使用すると透明状態を解除(+ボスの体色が変化)効果がある。能力を持ったままウィリーに乗り、星を発射すると、ペイント能力を受け継いだ星を発射できる。
- コック(コックカワサキ)
- 本作で初登場の新たなる新コピー能力。画面内の吸い込めるもの(ザコ敵本体や敵の放った飛び道具)を「調理」し、回復アイテムに変える。1回しか使えない。
- クラッシュ(ボンバー、スカーフィ)
- 画面内の敵を一掃する。1回しか使えないが、大ボスにも大ダメージを与えるトップクラスの攻撃力を誇る。画面内にスイッチがあれば、それを押すこともできる。スカーフィから能力を取得する場合は前述の「コピー」が必要。
その他の能力
- 無敵
- 専用アイテムであるキャンディを食べる、もしくはコピー能力を持つ敵を2体以上吸い込んだ「ルーレット」で発動し、専用のBGMが流れている間だけ全身が輝いてダメージを受けなくなる(ただし、あくまでも敵やトゲなどの障害物からのダメージを受けなくなるだけなので、強制スクロールの地形に挟まるか、落とし穴に落ちるなどすると1発アウトになるのは変わらない)。前者の場合は先述の「口移し」によってパートナーにも発動するが、時間は最初に流れたBGMの長さに依存。無敵は一種の状態変化であるため直前にコピーしている能力も行使できるが、最大の特徴はカービィ自身が接触することにより敵に大ダメージを与えられることである。中ボスクラスでも一瞬で倒せるが、本作では大ボスクラスに対しては無効である。
- スターシップ
- ギャラクティック・ノヴァ内部で使用する能力。八方向に移動が可能で、どのボタンを押しても星型弾を発射する。
主人公
- カービィ
- 本作の主人公。「はるかぜとともに」では、デデデ大王に盗まれたプププランド中の食べ物を取戻すために、「白き翼ダイナブレイド」では、作物を荒らすダイナブレイドの退治のために、「メタナイトの逆襲」では、メタナイトの制圧を阻止するために、「銀河にねがいを」では、太陽と月の喧嘩を鎮めるために旅立つ。
ボスキャラクター
『メタナイトの逆襲』に登場するボスは別項も参照。
- ウィスピーウッズ
- 「はるかぜとともに」ステージ1(GREEN GREENS)のボス。「メタナイトの逆襲」の中ボスとしても登場。カービィシリーズではおなじみの顔のある木。空気砲とりんご落としで攻撃してくる。
- ロロロ&ラララ
- 「はるかぜとともに」ステージ2(FLOAT ISLANDS)のボス。星のカービィから再登場。ブロックを運んでいる2人組。元ネタは「エッガーランド」の主人公、ロロとララ。稀にゴルドーを運ぶこともある。GB版と異なり、段差を通過できる床は、そもそもカービィが乗ることができない。
- クラッコ
- 「はるかぜとともに」ステージ3(BUBBLY CLOUDS)のボス。「銀河にねがいを」skyhigh(スカイハイ)ステージにも登場。トゲの生えた雲に目玉が付いたような姿で、突進と稲妻攻撃が得意。接触すると感電してしまう。
- デデデ大王
- 「はるかぜとともに」のラストステージであるステージ4(Mt. DeDeDe)のボスであり、「はるかぜとともに」のラストボス。「激突! グルメレース」、「刹那の見斬り」ではライバルとして登場する。
- ダイナブレイド
- 「白き翼ダイナブレイド」のラストボス。巨大な鳳凰。飛行能力を生かした攻撃を主とし、ガードを無力化する攻撃も持つ。倒すと、作物を荒らしていた理由が分かる。「メタナイトの逆襲」では、カービィを戦艦ハルバードに運んでくれる。
- ファッティホエール
- 「洞窟大作戦」のボスの一体。「銀河にねがいを」Aqualiss(アクアリス)ステージにも登場。セーラー服とパイプが特徴な鯨。その巨大な体を利用した攻撃が得意。天井から落ちてくる岩を飲み込むと「ストーン」をコピーできる。
- バトルウインドウズ
- 「洞窟大作戦」のボスの一体。「銀河にねがいを」halfmoon(ハーフムーン)ステージにも登場。コンピュータ画面のようなウィンドウから順番に3体のモンスターが現れ、プレイヤーターン(敵が無防備)と敵ターン(敵への攻撃が一切無効)を一定時間で交互に繰り返す、RPGのような戦闘を行う。モンスターの出現パターンは「洞窟大作戦」と「銀河にねがいを」で異なり(「格闘王への道」では「銀河にねがいを」と同じパターン)、後者のパターンは強いモンスターが現れる。与えたダメージが具体的に数値として確認できるため、コピー能力の攻撃の威力を測る指標にもなる。すっぴん状態での撃破は非常に難しく、プレイヤーターン時には左右にコピーのもとがランダムで出現する。
- モンスターを倒すと「経験値を獲得しステータスが上昇した」という表示が出るが、ゲーム本編とは無関係である(ゲーム中も(いみがない)と表示されている)。この表示は「格闘王への道」では省略されている。
- スライム
- 「洞窟大作戦」での1体目のモンスター。体力が低い上攻撃手段も無いに等しい。
- 躍り人形
- 「洞窟大作戦」での2体目のモンスター。ピエロの姿をしている。攻撃以外に、踊ったり、眠ったり、泣いたり、核爆弾のスイッチを押したりするが、どれもスカ技である。
- 魔法使い
- 「洞窟大作戦」での3体目のモンスターで、「銀河に願いを」での1体目のモンスターでもある。この辺りから隙がなくなってくる上、身を固めたりする(この次の自分のターンは与えるダメージを大幅に軽減されてしまう)。炎の魔法を始め、様々な魔法を使う。
- 悪魔の騎士
- 「銀河に願いを」での2体目のモンスター。攻撃、体力ともに一流の強敵。気合をためると、暫く攻撃力が上がる(とはいえ、ガード削りでないものはガードすればダメージを受けずにすむ)。
- レッドドラゴン
- 「銀河に願いを」での3体目のモンスターで、バトルウィンドウズ最強のモンスター。攻撃がかわしづらく、星型弾もすさまじい速さで撃ってくる。HPも高い。
- ガメレオアーム
- 「洞窟大作戦」のボスの一体。「銀河にねがいを」hotbeat(ホットビート)ステージにも登場。カメレオンのような生物。舌を伸ばしてカービィを飲み込み、口から3つの弾を吐き、背景と同化して姿を隠してくる。伸縮自在の2本の足で移動や攻撃を行う。吐き出す弾を飲み込むと、「ペイント」をコピーできる。体色のパターンは6色ありランダムで決まり登場する。
- 魔人ワムバムロック
- 「洞窟大作戦」のラストボス。「銀河にねがいを」cavios(ケビオス)ステージにも登場。巨大な顔と岩でできた手首のみの存在。攻撃に用いる手のみ当たり判定がある。落ちてくる岩を飲み込むと「ストーン」をコピーできる。
- ヘビーロブスター
- 「メタナイトの逆襲」のボスの一体。「銀河にねがいを」mecheye(メックアイ)ステージにも登場。メタナイト等が作り出したロボット兵器。重量級ながら動きは軽快。
- 小さいヘビーロブスターや炎を出して攻撃する。また、時々出してくるペイントスライムを飲み込むとペイントをコピーできる。ペイントでダメージを与えると目が見えなくなり、プレイヤー位置と関係なく攻撃行動をとるようになる。「メタナイトの逆襲」でこの攻撃を行うと専用メッセージが流れる。
- 「メタナイトの逆襲」CHAPTER1のボスとして登場するのが初だが、ここでは倒す必要は無い。
- ツインウッズ
- 「メタナイトの逆襲」のボスの一体。「銀河にねがいを」floria(フロリア)ステージにも登場。ウィスピーウッズが2体並んだ姿。ウィスピーウッズに比べ、若干攻撃の種類が多いのが特徴で、木の幹を回転させてゴルドーや毛虫を落としたり、幹の一部を切り取ってキャッチボールをして攻撃してくる。一個体の体力はウィスピーウッズよりも低い。
- 二連主砲
- 「メタナイトの逆襲」のボスの1体。戦艦ハルバードの主砲。上部にアンモナイトの殻のような円形の大砲、下部にレーザー砲がある。主砲は後ろに回転して装填した巨大な鉄球を発射し、レーザー砲は一定時間後にレーザーを射出する。体力ゲージでの表示があるのは主砲のみだが、レーザーはある程度の攻撃で破壊が可能。また時折マジックハンドが出現し、爆弾を投下したり、捕まえたカービィをレーザーの先に誘導したり、地面に叩きつけたりする。カービィかヘルパーが叩きつけを受けた時に真下に相棒がいた場合、その行為にも攻撃判定がある。
- リアクター
- 「メタナイトの逆襲」のボスの1体。戦艦ハルバードの心臓部で、いわば動力源を守る防衛システム。監禁した無数のウィリーを動力源としている。黄金のレーザー大砲の姿をしている。他のボスキャラクターと異なり、カービィの攻撃は一切受け付けない。倒すには、時折出現するレーザーを弱点のコアに誘導する必要がある(計3発)。誘導レーザーや地面の発火装置など、攻撃手段に使うオプションは破壊可能だが、次の攻撃で修復される。
- メタナイト
- 「メタナイトの逆襲」のラストボス。戦艦ハルバードでプププランドの征服を目論む。プレイヤーかヘルパーのどちらかがステージ中央に刺さった剣をとる(能力がソードになる)か、剣を取らないまま一定時間経過するまで攻撃を仕掛けてこない。不規則かつ素早い動きで翻弄し、剣による斬りつけや竜巻を飛ばして攻撃する。倒すと身に付けている仮面が割れて一瞬だけ素顔をさらけ出すが、すぐに一旦退散する。
- ハルバードから脱出する際飛行しながらこちらを追いかけてくるので、プレイヤーはウィリーライダーに乗り50秒以内に逃げ切らなければならない。
- 大彗星ギャラクティック・ノヴァ
- 「銀河にねがいを」のボスの一体。機械仕掛けの大彗星で、銀河の7つの星を繋いでパワーを集めることで、呼び寄せることができる。どんな願いも叶える力を持つが、願い事の良し悪しに関わらず、悪意のある願いも聞き入れてしまうため、マルクの願い通り、ポップスターへの侵攻を開始する。
- 本体と対決する訳ではなく、彗星そのものがシューティングゲーム形式のステージとなっており、ステージ内の障害物や敵などに当たるとダメージをくらう。最奥部にてボスの中心核と戦う。中心核そのものには攻撃は届かないが、部屋を周回する八本の柱[7]を破壊することで機能を停止し、撃破となる。柱が破壊されるごとにスピードが増し、5本破壊されると移動が逆になる。柱は弱点部分以外はこちらにもダメージ判定は無いものの、柱と画面端に挟まれると一撃でミスとなる。
- マルク
- 「銀河にねがいを」のラストボスであり、本作における実質的なラストボス。ポップスターで太陽と月が大喧嘩をして昼夜がメチャクチャになった時、大彗星ギャラクティック・ノヴァを呼び寄せて喧嘩を鎮めてもらうようにカービィに頼んできた。だが実は太陽と月の喧嘩を仕組んだ張本人であり、カービィを利用して大彗星ギャラクティック・ノヴァを呼び寄せ、ポップスターを我が物にしようと企んでいた。
- 普段の姿は玉乗りをしている魔法使いで、変身後は口が無気味に広がり大きな翼を広げた姿になる。一人称は「ボク」であり、語尾は「 - なのサ」。正体を現した後は、不敵かつ気味の悪い笑い声を発するようになる。
- 本作のボスの中でも最強と言えるほどの高い戦闘力を持ち、技のバリエーションも多い(カッター、氷結弾、矢、種と蔦など)。特に口から出す大出力のビームは威力が高く、ガードも不可能。また、体力が半分になると体を縦に半分に割ってブラックホールを出現させるが、これに吸い込まれると大ダメージを受ける。カッターからは「カッター」、氷結弾からは「アイス」をコピーできる。これらの攻撃は「銀河にねがいを」プレイ時でも吸い込みでコピー可能である。ラストボスとしては珍しく第二形態がない。
- 倒されると吹っ飛んでノヴァに激突し、ノヴァもろとも爆発する。
- 「格闘王への道」では、対決する敵はランダムに決定されるが、最後は必ずマルクと戦うことになる。
中ボスキャラクター
括弧内は、コピーすると得られる能力。
- ポピーブロスSr.(ボム)
- 帽子を被っており、左右に飛び跳ねている。爆弾を投げつけてくるほか、時々体当たり攻撃を仕掛けてくる。
- Mr.フロスティ(アイス)
- つなぎを着たアザラシ。氷を投げつけてきたり、冷気を噴射しながら襲ってくるほか、捕まると食べられてしまうこともある。
- アイアンマム(ファイター)
- 鎧を着込み、頭にはリボンを付けている。鉄球状の手を地面に叩きつけながら攻撃してくる。本作の「かちわりメガトンパンチ」の最終戦(3回戦目)ではリボンの代わりにちょんまげをつけて登場する。
- ジュキッド(スープレックス)
- 柔道着を着ている。捕まえて技を掛けてくるほか、エネルギー弾を撃ってくる。投げ技を食らうと確実にコピー能力が外れる。
- コックカワサキ(コック)
- 料理人の格好をした敵。皿を投げつけてくる。捕まるとフライパンで炒められてしまう。攻撃力は高い。「コピー」の能力で攻撃すると「ソード」「ウィング」「カッター」「ビーム」のいずれかがランダムでコピーでき、止めを刺した場合のみ「コック」の能力をコピーできるという特性がある。
- ボンカース(ハンマー)
- 木槌を持ったゴリラ。持っている木槌でたたきつけるほか、椰子の実などを投げてくる。
- バグジー(スープレックス)
- プロレス技を使うクワガタムシ。高速で移動したり飛行しながら捕まえてくるほか、子分を飛ばしてくる。刃属性の攻撃を半減する。
- クラッコJr.
- 「はるかぜとともに」にのみ登場。雲がついていないクラッコのような生態。攻撃パターンはクラッコとほぼ同じ。能力は得られない。
- メタナイツ
- 各所に登場するが「格闘王への道」には登場しない。メタナイトの部下のアックスナイト、メイスナイト、ジャベリンナイト、トライデントナイトの総称。2匹以上で同時に攻撃してくる。少し時間はかかるが、吸い込むことも可能(能力は得られない「スカキャラ」)。
- ワドルディ
- 「格闘王への道」でボスとして登場する、体力が多いワドルディ。静止しているだけで何もしてこない。一部の技や吸い込みで瞬殺が可能。
雑魚キャラクター
詳細は星のカービィシリーズの登場キャラクター一覧参照。括弧内はコピーできる能力。何も書かれていない敵は飲み込む、または「コピー」でも何の能力も得られないことを示す。本作では雑魚キャラすべてに体力が存在する。
- ワドルディ
- ワドルドゥ(ビーム)
- サーキブル(カッター)
- ノディ(スリープ)
- ボンバー(クラッシュ)
- キャピィ
- ゲイター
- バイオスパーク(ニンジャ)
- ブロントバート
- カプセルJ(ジェット)
- バーニンレオ(ファイア)
- ゴルドー
- ギム(ヨーヨー)
- ウィリー(ホイール)
- ジャングルボム(ボム)
- ラブリー
- ナックルジョー(ファイター)
- ポピーブロスJr.(ボム、カッター)
- グリゾー
- シャッツォ
- ブルームハッター
- カブー
- スカーフィ(クラッシュ)
- ツイジー
- トゥーキー
- ブリッパー
- グランク
- スリッピー
- スクイッシー
- ブレードナイト(ソード)
- ダクーガ
- バードン(ウィング)
- プラズマウィスプ(プラズマ)
- ロッキー(ストーン)
- チリー(アイス)
- シミラ(ミラー)
- ウォーキー(マイク)
- タック(コピー)
- マジカルスィーパー
- モトシャッツオ
- レーザーボール(ビーム)
- バウンダー
- ぶらさがりワドルディ
- ぶらさがりワドルドゥ
- パラソルワドルディ
- パラソルワドルドゥ
- パラソルシャッツォ
- パタ
- ボルム
- ペイントスライム(ペイント)
本作はスーパーファミコン向けゲームとして企画されたが、スーパーファミコン向けの開発ツールが整うまでの間、企画書や仕様書に描かれたキャラクターのテストはファミコンで行われた[8]。
カービィの技のパターンは製品版にすべて収録されたが、演出が変更されたものもある。たとえばカッター能力のエフェクトは、テスト版では白い四角として表示されたが、解像度などの都合により製品版では青い風切りに変更された[8]。
開発に当たっては「2人同時プレイ」「格闘風アクション」、そして「オムニバス」という3つの柱が建てられた[9]。
ヘルパーシステム(2人同時プレイ)は任天堂の宮本茂が要望・提案したものである。これは宮本が「2人同時プレイができる横スクロールのアクションゲーム」というアイデアを思いついたのだが、自身の手がける『スーパーマリオ』シリーズなどではゲームのスピード感による画面スクロールなどの問題で無理であり、もっとも適しているとして『カービィ』シリーズが抜擢された[5][10][11][注釈 1][注釈 2]。桜井政博は考えた末に、二者を対等な関係にするのではなく、主役とわき役に分けるという方法を考案した。さらに、カービィの世界観に合わせるため、敵のコピー能力をそのまま使えるようにしようと考え、敵をそのまま味方にする「ヘルパーシステム」へと発展した。これにより、上級者が初心者を励ましながら遊べるという方法もできるようになった[9]。
企画の段階では8つのシナリオが収録される予定だったが、ホラー作品「陽炎の館」[注釈 3]はほかのシナリオで手一杯ということでお蔵入りとなった[9]。
「豪華版」を意識した演出をするために、 本作のソフトパッケージは、公式タイトルロゴを使わず、桐箱に焼印を押したのを模した独特のものが使用された[5]。
後世への影響
カービィの生みの親であり、このゲームの開発者である桜井政博が後に担当した『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズでは本作を参考にした要素がいくつか登場している。
- 本作のロムカセットはグラフィック処理などのため特殊チップ(SA-1)を搭載したことで多彩な演出を実現しているが、特殊チップがデリケートであるため、接触不良や過大な衝撃などでセーブデータが破損する事例が多かった[13]。後の移植版ではメディア媒体が異なるので物理的な要因によるデータ消失は起こらないが、特定の操作手順によって発生するフリーズに起因するものは依然残存している。
- スーパーファミコン版ではボス戦勝利後など爆発を表現した場面で激しいフラッシュがあったが、ポケモンショック発生に伴い、バーチャルコンソール等の移植版やリメイク版『ウルトラスーパーデラックス』では、点滅表現に修正あるいは変更が施されている。
注釈
桜井政博は2017年のインタビューの中で、宮本がカービィの移動速度がマリオよりもやや遅いと勘違いしていたため、カービィを挙げたと話している[9]。
このシナリオでは、館に迷い込んだカービィが呪いで口を封じられ、館内にあるアイテムをもとにコピー能力を得るという予定だった[9]。
出典
本作ではこのように表記されているが、『ウルトラスーパーデラックス』でリメイクされた際は「難易度:★★」となっている。
それぞれ赤、青、緑、黄色がある。耐久度は黄>青>赤>緑。