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東京都墨田区にある大名庭園 ウィキペディアから
旧安田庭園(きゅうやすだていえん)は、東京都墨田区横網一丁目に所在する、潮入り回遊式庭園として整備された大名庭園である。小島の浮かぶ心字池を老樹と散策路が囲む構成。雪見灯篭が配置され、池には鯉、亀が遊ぶ。人工的に水位の干満が再現されている。
江戸時代においては、本庄松平氏(常陸笠間藩、のち丹後宮津藩)の下屋敷[1]。元禄年間に本庄宗資により大名庭園として築造された[1][2]。安政年間に隅田川の水を引いた潮入回遊庭園として整備された。明治に入り、旧岡山藩主池田章政の邸宅となる[3][2]。
1879年(明治12年)、安田財閥の祖である安田善次郎が本所横網町の旧田安邸を買付し、1884年に本邸を建設[4]。2年後の1886年には南北の隣接地も購入し、さらに 1891年には池田邸を購入[4]。こうして横網町2丁目7から11番地が安田善次郎の所有となった[4][5][6]。旧安田庭園以外の土地は、現在同愛記念病院と安田学園、横網町公園となっている[4]。
1922年(大正11年)、彼の遺志にもとづいて東京市に寄贈されたが、翌1923年(大正12年)の関東大震災によりほとんど旧態を失った[2]。東京市が残った地割や石組を基に復元を行い[5]、1927年(昭和2年)7月、市民の庭園として開園[2]。
1967年(昭和42年)4月に東京都から墨田区に移管され、現在は墨田区が管理する[5][2]。その後、植栽整備や泉水の循環装置の導入など全面改修を行い、1971年(昭和46年)5月から再開した[5][2]。
かつて池の水には隅田川の水を取り入れており、東京湾の潮の満ち引き利用し、眺めの変化を鑑賞する庭園であった[1][5]。尚、このような潮入の池をもつ庭園として他に浜離宮恩賜庭園、旧芝離宮恩賜庭園がある。
高度経済成長期に隅田川の水質が悪化してからは、隅田川からの取水は止めている[1]。現在では、園北側の地下貯水槽(貯水量約800トン)を利用した循環浄化装置(ポンプ)を設置し、人工的に潮入が再現されている[5]。
※発表年順。
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