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サイズが大きな木 ウィキペディアから
巨樹(きょじゅ)とは、極めて大きい樹木のこと。巨木(きょぼく)、大木(たいぼく)、大樹(たいじゅ)などともいう。どちらかというと高さより太さに主眼が置かれる言葉である。
木の測りかたには何通りかあり国際的に統一されているわけではない[2]。
ヨーロッパでは胸高130cm(4フィート3インチ)を幹を図る位置としている[2]。
日本の環境省の巨樹調査での調査木は地上から約130cmの位置での幹周が300cm以上の木を対象としている[2]。なお、計測基準は決められてはいるが、個々の木によって形は様々であり、数値だけで樹木の大きさを測るのは困難である。例えばカツラの巨樹の多くが主幹を失い、ヒコバエ(根元から出る芽)の束といった様相で、ガジュマルでは発達した気根によって幹のみを計測できない。そういった事情で、環境省の調査結果や現地の解説版、愛好家のサイトとの間で測定値が異なることが多々見受けられる。1988年度(昭和63年度)から、1992年度(平成4年度)にかけて実施された、環境庁所管の緑の国勢調査とも呼ばれる自然環境保全基礎調査の第4回において、「巨樹・巨木林調査」の項目が増え[3]、他の調査項目と共に全国調査が行われ、初めて全国の巨樹の実態が明らかにされた。この初回の調査では約5万6000本が報告され、2000年に行われたフォローアップ調査により追加報告が寄せられ、約6万8000本へとデータ数が増加した[4]。データベースは東京都にある奥多摩町立日原森林館のサイトにおいて一般にも公開されており、地域や樹種等を絞った検索も可能である。なお、調査漏れの巨樹も多数あると推測され、一般に対しても調査漏れの巨樹について調査協力を求めており、個人が調査票やマニュアルなどに基づいて調査結果を報告することも可能である。愛好家らによって新たな巨樹が次々と報告されている。
デフォルトでは幹周の降順に配列。写真の列のソートボタンで元の順序に戻る。
世界の中心とされた古代都市エリドゥには巨樹「キスカヌ (Kiskanu)」が立っていた。
各地の世界樹・生命樹伝承の祖ともされる。
菩提樹の巨樹「アシュヴァッタ (Aśvattha)」。
『日本書紀』景行18年7月4日条に、筑紫後国の三池(現福岡県三池)に倒れた巨樹があり、長さは970丈(2910メートル前後)にもなり、橋代わりにされていた。当時の人々は、「朝霜の 御木(みけ)のさお橋 まえつきみ い渡らすも 御木のさお橋」と歌った。老人がいうに、この椚(クヌギ)が倒れる前は、朝日の影で杵島山を隠し、夕日の影で阿蘇山を隠すほどだったと語り、天皇はこの倒木を神木とし、この国を「御木(みけ)の国」と呼ぶことにした(国名由来譚)。
『播磨国風土記』(逸文)には、仁徳天皇の治世(5世紀前半)に楠があり、朝日には淡路島を隠し、夕日には大倭(やまと)島根をその大樹による影で隠したと記述されている[6]。その大樹を伐(き)り、舟を造ったが、その速き事、飛ぶが如く。一楫(かじ)に七波を去(ゆ)き越えた。よって、「速鳥(はやとり)」と号(なづ)けられた。ある日、一度だけ目的に間に合わなかった為、和歌で「何が速鳥か」とその名を揶揄されている。なお、この速鳥という船名は『続日本紀』天平宝字2年3月条にも、播磨の船として見ることができる。
『今昔物語集』巻第三十一には、近江国栗太郡に柞(ハハソ)の巨樹があったとの伝説が記述されている。その幹回りは500尋(900メートル前後)にもなり、朝日の影は丹波国をさし、夕陽の影は伊勢国にさした。その木はあまりに大きく、栗太郡はおろか、志賀・甲賀の三郡の百姓は田畑を作ることさえできなかった。そのことを天皇に訴えたところ、願いが聞き入れられ、遣いにより、巨樹は切り倒され、田畑を耕すことができるようになり、豊穣を得ることができた。今(物語集成立の時代)でも、その郡にはその時の子孫がいるという。この伝説は後世でも類型派生しており、室町時代成立の『三国伝記』では、ハハソから栗の木へと変わり、郡名由来譚となっている(最後に切り倒される)。いずれも「大開発(開拓)の時代」に生じた伝説とされる[7]。
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