宇部工業高等専門学校(うべこうぎょうこうとうせんもんがっこう、英称:National Institute of Technology, Ube College ,NITUC)は、山口県宇部市にある日本の国立高等専門学校である。1962年に設置された。略称は宇部高専。
宇部工業高等専門学校は、国立宇部工業短期大学を前身とし、高等専門学校制度が発足した1962年に国立高専第1期校の12校のひとつとして設置された。
山口県内には後に、大島商船高専(1967年)、徳山高専(1974年)が設置されるが、全国に51校しかない国立高等専門学校が、1つの県で3校存在するケースは非常に珍しい(他県で3校設置は福岡県のみ(北九州高専、久留米高専、有明高専)。また、面積が国土の約2割を占める北海道には、4校設置されている)。
また宇部高専には高専としては珍しい情報系の学科、経営情報学科が設置されている。経営情報学科が設置されているのは全国54高専の中で宇部高専だけである。
- 1961年4月1日 国立宇部工業短期大学開学、山口大学長 田中 晃が初代学長を併任。
- 1962年4月1日 国立宇部工業短期大学に国立宇部工業高等専門学校を附設し開校、山口大学長 田中 晃が初代校長を併任、機械工学科・電気工学科設置。
- 1963年4月1日 山口大学工学部常盤寮第4寮を仮宿舎として開寮。
- 1964年4月1日 新寮を宇部工業高等専門学校白鳥寮と称し、常盤寮より移転を開始。
- 1966年
- 2月2日 校歌制定(作詞:上田敏雄/作曲:岡田昌大)。
- 3月31日 国立宇部工業短期大学廃止。
- 4月1日 工業化学科設置[1]。
- 1969年4月1日 1・2学年男子全寮制実施[1](3~5学年は希望制)。
- 1987年4月10日 国費外国人留学生受入開始。
- 1988年4月1日 制御情報工学科設置、総合技術教育センター設置、1・2学年男子全寮制を2学年男子自宅通学可に一部緩和。
- 1990年
- 4月1日 工業化学科を物質工学科に改組。
- 4月10日 1・2学年男子全寮制を廃止、白鳥寮に女子寮を設置。
- 1992年4月1日 経営情報学科設置[1]、学校週5日制開始。
- 1997年4月1日 専攻科(生産システム工学専攻、物質工学専攻)設置[1]。
- 2003年12月16日 地域共同テクノセンター設置(総合技術教育センターを統合)。
- 2004年4月1日 独立行政法人国立高等専門学校機構宇部工業高等専門学校に移行。
- 2005年
- 2009年4月23日 教育プログラム「経営情報工学」日本技術者教育認定機構(JABEE)認定。
- 2014年
- シンボルマークおよびスクールカラー(ロイヤルブルー)制定。
- 4月1日 JABEE認定教育プログラムの「創造デザイン工学」を「生産システム工学」に名称変更[1]。
- 2016年3月9日 教育プログラム「物質工学」日本技術者教育認定機構(JABEE)認定。
- 2017年4月1日 2学期制から4学期制に移行。
- 2019年 教育プログラム「経営情報工学」日本技術者教育認定機構(JABEE)認定取り止め。
- 2020年 教育プログラム「生産システム工学」及び「物質工学」日本技術者教育認定機構(JABEE)認定取り止め。[2]
- 2022年4月1日 国際寮運用開始[3]。
- 初 代:田中 晃(山口大学名誉教授、山口大学長併任)
- 第2代:加藤 常太郎(九州大学名誉教授、元 九州大学生産科学研究所長)
- 第3代:山縣 清(九州大学名誉教授、元 九州大学工学部長)
- 第4代:今川 博(元 山口大学工学部長)
- 第5代:木村 規(元 山口大学工学部教授)
- 第6代:大原 資生(山口大学名誉教授、元 山口大学工学部長)
- 第7代:三分一 政男(山口大学名誉教授、元 山口大学長)
- 第8代:幡中 憲治(山口大学名誉教授、元 山口大学工学部教授)
- 第9代:福政 修(元 山口大学大学院理工学研究科教授)
- 第10代:三谷 知世(元 東京工業高等専門学校教授)
- 第11代:山川 昌男(元 文部科学省大臣官房文教施設企画・防災部 施設企画課長)
- 第12代:金寺 登(元 石川工業高等専門学校教授)
2023年度現在、下記の学科が設置されている。括弧内は略称。修業年限は本科5年、専攻科2年である。[4]
- 機械工学科(M):工業製品の研究開発、設計、生産技術などに係わる実践的機械技術者を育成。略称は「Department of Mechanical Engineering」より。
- 電気工学科(E):電力、電子・制御、情報・通信などの分野の実践的電気技術者を育成。略称は「Department of Electrical Engineering」より。
- 制御情報工学科(S):情報通信技術を駆使し、ロボットなどの動きを制御することができる実践的情報技術者を育成。略称は「Department of Intelligent System Engineering」より。
- 物質工学科(C):化学工業または生物工業における開発、生産などに係わる実践的技術者を育成。略称は「Department of Chemical and Biological Engineering」より。
- 経営情報学科(B):経済社会と情報技術の発展に対応し得る実践的知識と技術を有する「経営のエンジニア」を育成。略称は「Department of Business Administration」より。
- 創立以来、大学や短期大学と同様に2学期制(前期・後期)を採用していた(以前は9月に前期末試験が行われ、10月上旬の秋休み後に後期に入っていたが、平成19(2007)年度から前期は8月上旬に終わり、後期は10月から始まるようになった)。平成29(2017)年度より、短期集中型学習やグローバル化を目的として4学期制に移行した。日本で4学期制を採用する大学は多くなく、国立高専では八戸高専に次いで2校目の採用である。
- 本科4学年、もしくは本科5学年から、教授、准教授の研究室に入り卒業研究を行う。卒業研究の開始時期は学科によって異なり、機械工学科・電気工学科・物質工学科は4学年後期、制御情報工学科は4学年前期、経営情報学科は5学年から始まる。
- 高専をストレートに5年間で卒業できる者は、全国平均でおよそ3/4といわれているが、当校も例外ではなく、原級留置(留年)する学生も少なくない。ちなみに当校の最高在籍記録は11年(1年間の休学を含む)である。また、同じクラスから一度に18人の留年者を出したこと(つまりクラスメートの約半分が留年)もある。
学生寮
常盤湖西岸に「白鳥寮(はくちょうりょう)」が設置されている。
クラブの数は宇部市近郷の高等学校、高等専門学校の中で最も多い。(2017年6月現在)
文化系
- ETロボコン同好会
- JAZZ研究会(非公式)
- 経営情報学科 資格取得愛好会(非公式)
- 学生会国際交流部
- 学生会社会貢献部
丘陵地である常盤台に位置し、山口大学工学部(常盤キャンパス)に隣接する。モモイロペリカン「カッタ君」で知られるときわ公園が近くにある。
最寄り駅は常盤駅や東新川駅だが、どの駅も宇部高専からは離れているため駅からは自転車を使って通学する学生が多い。
また、宇部高専が立地上、丘の上に存在するため、自転車で通学する学生のほとんどが高専の手前にある上り坂に悩まされている。
他大学との協定
国内大学
単位互換協定を結んでおり、放送大学で取得した単位を卒業に要する単位として認定することができる[6]
- 1967年に第1期卒業生を送り出して以降、本科卒業生8,598名、専攻科修了生615名が技術者や研究者として国内外で活躍している。(2021年5月現在)
就職
- 就職率は、東証一部上場企業を中心にほぼ100%である。
進学