Loading AI tools
日本の由紀さおりの楽曲 ウィキペディアから
「夜明けのスキャット」(よあけの - )は、1969年3月10日に発売された由紀さおりのシングルレコード。2009年7月1日には初めてCDシングル化された。
本曲はタイトルの通りに、1番は具体的な歌詞が全く登場せず、大半が「ルー、ルールルルー…」というスキャットで歌われる楽曲である(2番は普通に日本語の歌詞で歌唱)。大ヒットに至った火付け役として、ラジオの深夜放送が挙げられることがある[1]。
なお、レコード発売の経緯については、1999年に発売されたCD「いずみたく作品集」にて次のように解説されている。
由紀が安田章子(本名)での歌手活動に区切りをつけた後に出演していたNHK「おかあさんといっしょ」を機として受けたCM歌手オーディションに合格、これが縁となって作曲者いずみたくが作曲した番組テーマ曲をスキャット部分のみ録音した。放送開始後、番組リスナーから放送局やレコード店への問い合わせが相次ぐ事態となり、レコード化が決定した。ところが由紀は結婚を目前に控えていたことや過去の歌手活動での失敗を懸念して再デビューに消極的だったため、いずみが由紀を説得し、その間に山上路夫に作詞を依頼。漸くレコード発売にこぎつけたとされている[2]。
フジテレビのアニメ「サザエさん」の制作サイドは、2018年現在も使用されている主題歌の歌手としてオファーする予定だったが、この曲のリリースと重なり、最終的に断念している。
2009年4月8日に放送されたTBS系音楽番組『あなたが聴きたい! 歌の3時間スペシャル』では、1番に具体的な歌詞が全然無い理由として、もともと本楽曲が深夜ラジオ番組[3]内のBGMに使われていたためであると紹介されている[4]。
本曲のタイトルを『夜明けのスキャット』と命名したのは、当時の東芝音楽工業のディレクターで由紀さおりを担当した高嶋弘之である[5]。
レコード・ジャケットの上部には「日本初のスキャット・ヒット!!」と記載され、A面/B面曲の英語タイトルも表記されている(下記「収録曲」参照)。
オリコンのシングル週間ヒットチャートで8週に渡って第1位を獲得し、109万枚を売り上げるミリオンセラーとなった。また、1969年の年間ヒットチャートでも第1位に輝いた。オリコン調査が公式発表された時期は前年の1968年1月からだったため本楽曲がオリコン史上、通算2作目の年間1位獲得ソングである。なお、過去にオリコン総合ヒットチャートで第1位を獲得した全楽曲中、もっとも歌詞の短い楽曲としてテレビ等で紹介されることがある(インストゥルメンタルを除く)。累計売上は150万枚に達する[6]。
1969年大晦日の『第20回NHK紅白歌合戦』に、由紀は本楽曲で紅白初出場を果たした。また、同年の第11回日本レコード大賞で作詞の山上路夫が作詞賞を受賞した。2000年末の『第51回NHK紅白歌合戦』では他歌手の曲紹介をする合間に久保純子(紅組司会)と由紀がトークで絡む場面があったが、その中で由紀の方からそのころ急速に広まりつつあった携帯電話の着メロが鳴り出すシーンがあり、そのメロディが「夜明けのスキャット」であった。さらに、2012年の『第63回NHK紅白歌合戦』でも、由紀自身紅白で43年ぶりに本楽曲を歌唱披露し、アメリカ・ポートランドから生中継、ピンク・マルティーニとの共演で登場した。
シングルレコード発売から40周年を迎えた2009年、初CDシングル化された[7]。カップリング曲は、CDシングル発売時点での最新スタジオ・アルバム『いきる』に収録されていた「夜の果てまで」をリカット。当楽曲も、イントロ部分でスキャットが挿入されている。ジャケット写真は1969年のオリジナルをベースに、B面タイトルの表記・規格品番等を改定したもので、歌詞カードには佐藤利明による解説を掲載している。
1970年、日本テレビ系『巨泉×前武ゲバゲバ90分!』にて、大橋巨泉は「夜明けのスキャット」と「いいじゃないの幸せならば」をピアニスト中島一郎に弾かせた上、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」とサンバの名曲「クマーナ」を弾かせ、「これは明らかに盗作である」と言った[8]。対象が1969年のレコード大賞受賞曲だったため、巨泉のこの指摘は大きな話題を呼んだ[8]。
1970年3月28日付の新聞で、作曲家の塚原晢夫は「もし盗作でないというなら、訴えたまえ、いずみ君。それが出来ないならレコード大賞は辞退すべきだ」と呼びかけたが、いずみたくは何も反応しなかった[8]。巨泉は2004年の自伝の中で「今やいずみさんもこの世にないが、これもボクは主張を変えていない」と記している[8]。
「夜明けのスキャット」と「サウンド・オブ・サイレンス」の類似については、社会学者の横山滋も『模倣の社会学』(丸善、1991年)のp.7で言及している。
THE YELLOW MONKEYのヴォーカル・吉井和哉は好んで本楽曲を歌い、シングル『嘆くなり我が夜のFantasy』やTHE YELLOW MONKEYのメンバーが監修した唯一のベスト・アルバム『MOTHER OF ALL THE BEST』に収録されている。吉井は今でもラジオなどで同曲がかかると体が止まるという。 活動中にライブで披露されることは無かったが、バンド解散後となる2012年には吉井和哉がソロとしてファンクラブ限定ライブで同曲を初披露。そして再結成した2016年に出演したSUMMER SONIC 2016の東京公演では由紀とのコラボで同曲を披露した。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.