国道397号(こくどう397ごう)は、岩手県大船渡市から秋田県横手市に至る一般国道である。
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岩手県大船渡市と秋田県横手市を結ぶ幹線道路であり、東部は大船渡港と岩手県内陸部の工業団地を結ぶ物流路線としての役割も担う[1]。岩手・秋田県境附近は冬期閉鎖区間を抱える。2008年(平成20年)6月14日に発生した岩手・宮城内陸地震により、同区間は大きなダメージを受け、地震当日より閉鎖状態が続いていたが、2009年(平成21年)5月11日の冬季閉鎖期間の解除に合わせ、全面的に通行が可能となった[2]。
路線データ
一般国道の路線を指定する政令[3][注釈 1]に基づく起終点および重要な経過地は次のとおり。
国道指定以前
- 住田・奥州間
- 奥州・横手間
- 1954年(昭和29年)
- 1月20日 - 県道水沢増田線の一部、県道増田水沢線および県道増田浅舞線の一部が、水沢十文字線(岩手県胆沢郡水沢町(現・奥州市) - 秋田県平鹿郡十文字町(現・横手市))として建設省(現・国土交通省)から主要地方道の指定を受ける[7]。
- 8月16日 - 岩手県より水沢十文字線として県道に認定される[8]。
- 12月2日 - 秋田県により水沢十文字線として県道に認定される[9]。
区間統合
- 1976年(昭和51年)
- 4月1日 - 県道水沢十文字線および県道水沢住田線が、横手住田線(秋田県横手市 - 岩手県気仙郡住田町)として建設省(現・国土交通省)から主要地方道の指定を受ける[10]。
- 10月1日 - 岩手県により横手住田線として県道に認定される[11]。
愛称
- 焼石連峰ビーチライン(奥州市胆沢 - 秋田県境の区間)
バイパス・改良事業など
- 津付道路
- 北上山地の急峻な地形ゆえ幅員狭小・線形不良となっている気仙郡住田町内の隘路区間を解消して安全を確保するほか、建設が予定されていた津付ダムの付替道路として整備された。事業主体は岩手県で総事業費は約69億円[18]。起点が住田町世田米字中井、終点が住田町世田米字子飼沢で、全長は約2.7 km[19]。
- 道路延長の約7割をトンネルと橋梁が占め、ほぼ直線ルートで起点と終点を結ぶ。設計速度はV=60 km/h、標準道路幅員はW=9.5 m(トンネル・橋梁区間はW=8.0 m)、車線幅員はW=3.25 mで、大型車の往来にも対応する[20]。
- 2005年より事業着手し、東日本大震災後の治水計画見直しにより2014年7月にダム本体の建設が中止と決定された後も、当該道路は復興支援道路整備の一環として事業が継続され、2014年10月26日にバイパス全線が一斉に供用された[21]。
- 石淵道路
- 幅員狭小・線形不良となっている奥州市胆沢地区内の隘路区間を解消して安全を確保するほか、2013年に完成した胆沢ダムの付替道路としてダムと一体的に整備された[22]。事業主体は岩手県で総事業費は約32億円[22]。起点が奥州市胆沢林尻、終点が奥州市胆沢谷子沢で、全長は約7.3 km[22]。
- 4本のトンネル(計L=1.7 km)と9基の橋梁(計L=1.6 km)によりダム北側を迂回するルートで、標準道路幅員はW=11.0 m、車線幅員はW=3.25 m[23]。
- 1993年度より事業着手し、2003年5月31日に中間部(L=約2.5 km)が、2007年11月6日に起点部(L=1.5 km)が部分開通[24]。残る終点部(L=3.3 km)も2008年度の開通を目途に整備が進められた[22]。
道路施設
トンネル
- 小股トンネル(気仙郡住田町)
- ささのほらトンネル(気仙郡住田町)
- ゆりあげトンネル(気仙郡住田町)
- 栗木トンネル(気仙郡住田町)
- 種山トンネル(気仙郡住田町 - 奥州市)
- 古歌場トンネル(奥州市)
- 赤金トンネル(奥州市)
- 胆沢トンネル(奥州市)
- 石淵トンネル(奥州市)
- 大森山トンネル(岩手県奥州市 - 秋田県雄勝郡東成瀬村)
注釈
一般国道の路線を指定する政令の最終改正日である2004年3月19日の政令(平成16年3月19日政令第50号)に基づく表記。
2005年10月1日に横手市ほか5町2村が合併して横手市発足。
2006年2月20日に2市2町1村が合併して奥州市発足。
出典
主要な都道府県道及び市道を指定する等の件(昭和51年建設省告示第694号)
県道路線の認定(昭和51年岩手県告示第1428号)
一般国道の路線を指定する政令の一部を改正する政令(昭和56年政令第153号)
“国道397号津付道路、10月26日開通へ 事業着手から9年”. 東海新報 (東海新報社). (2014年9月7日)
“岩手県の道路の略年表” (PDF). 岩手県県土整備部. pp. 5-6. 2020年5月16日閲覧。
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