名古屋市鶴舞中央図書館
愛知県名古屋市の公共図書館 ウィキペディアから
名古屋市鶴舞中央図書館(なごやしつるまちゅうおうとしょかん)は、愛知県名古屋市昭和区鶴舞一丁目1番155号にある名古屋市立の公共図書館である。通称は「鶴舞図書館」など。
名古屋市鶴舞中央図書館 Tsuruma Central Library City of Nagoya[WEB 1] | |
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名古屋市鶴舞中央図書館 | |
施設情報 | |
愛称 | 鶴舞図書館 |
専門分野 | 総合 |
建物設計 | 名古屋市建築局、株式会社丹羽英二建築事務所[WEB 2] |
延床面積 | 11,285.85[WEB 2] m2 |
開館 | 1923年10月1日[WEB 3] |
所在地 |
〒466-0064 愛知県名古屋市昭和区鶴舞一丁目1番155号 |
位置 | 北緯35度9分16.16秒 東経136度55分2.55秒 |
ISIL | JP-1001911 |
統計・組織情報 | |
蔵書数 | 1,316,314冊[WEB 4](2016年4月1日時点) |
貸出数 | 1,008,088冊[WEB 4](2015年度) |
来館者数 | 763,874人[WEB 4](2015年度) |
年運営費 | 9億5191万[WEB 4](2016年度) |
条例 | 名古屋市図書館条例[WEB 5] |
館長 | 早瀬弘親[WEB 4] |
職員数 | 55人[WEB 4] |
公式サイト | 公式ウェブサイト |
地図 | |
プロジェクト:GLAM - プロジェクト:図書館 |
概要
名古屋市内に21館ある名古屋市立図書館の中央図書館機能を担う。1923年(大正12年)10月1日、大正天皇御大典奉祝記念事業として開館した市立名古屋図書館を前身とする。その前身は1913年(大正2年)に同じく鶴舞公園に開館した私立名古屋図書館である。1923年(大正12年)の市立名古屋図書館開館により私立名古屋図書館の蔵書はすべて寄贈され、その役割を終えた。なお、市立図書館創設時の職員の一部は私立名古屋図書館時代から継続的に勤務していた[1]。
1984年(昭和59年)には建物を新築しており、第17回中部建築賞を受賞している[WEB 2]。
名古屋市立図書館の中でもっとも歴史が古く、郷土資料などの収集を積極的に行っている。蔵書数は約131.6万冊(2016年(平成28年)現在)[WEB 4]であり、全国でもトップクラスである。
歴史
私立名古屋図書館
私立名古屋図書館は名古屋市教育会により1913年(大正2年)1月11日、鶴舞公園竜ヶ池西畔に開館した私立図書館である[2]。帝室林野局所有の建物を賃貸の上、改造し、図書および教育品が陳列された[2]。この建物は、鶴舞公園で開催された第10回関西府県連合共進会において帝室林野管理局名古屋支庁が林野別館として閲覧に供したもので、共進会終了後も残されたものであった[3]。教育会会員および一般市民にも公開された[2]。館内には新聞縦覧所が設置され、扶桑新聞・東海新聞・名古屋新聞・新愛知・大阪毎日新聞・大阪朝日新聞・時事新報・国民新聞・報知新聞・中国新聞の地元紙および全国紙10紙が提供された[2]。また、雑誌も14誌置かれていたという[2]。1923年(大正12年)に大正天皇御大典奉祝記念事業として、公園の西側に位置する龍ヶ池西畔から東側に位置する鯱ヶ池畔に移転された[3]。
インスタント事典
1966年(昭和41年)4月11日から、参考係とCBCラジオのスタジオを中継して、市民に対してラジオを通じたレファレンスを提供する試みが「インスタント事典」と題した番組によってなされた[4]。番組は同年9月に終了している[4]。
ピノキオ問題
→「ピノッキオの冒険 § 回収騒動」も参照
1976年(昭和51年)11月、童話『ピノキオ』について市民団体が差別意識を植え付ける図書であるとの問題を提起した[5]。それを受けて、児童室の当該図書の貸出を中止し、市内各図書館から回収することとした[5]。翌年10月1日、『ピノキオ』について公開で検討することとなり、児童室に特設の「ピノキオコーナー」を設け、1年間様子を見ることとした[5]。その結果、作品自体に表現上の問題があるとしても、それが障害者個人の人権を侵害するものであるとは言えず、資料提供を行わないことは図書館の責任を放棄することにつながりかねないとの判断を示した[5]。さらに、1979年(昭和54年)12月、館長直属の諮問機関として「図書館の自由問題検討委員会」を設置することとなった[5]。
沿革
施設概要
3階 | 書庫 |
2階 | 調査・研究のフロア[6] 人文・社会科学/文学・語学・芸術/Books of Japan/南京交換資料/自然科学・工学・産業/郷土資料/新聞[WEB 7] |
1階 | 暮らしと教養のフロア[6] 視聴覚資料/集会室/点字図書室/児童室/児童図書研究室[WEB 7] |
地下1階 | 読書室/飲食店[WEB 7]/つるのめぐみ |
1階は、一般書と児童書フロア、2階は、専門書と郷土・地域資料フロア、3階以上は書庫となっている。
また、1階には点字文庫があり、約6,900件タイトルの点字図書、約8,500タイトルの録音図書を所蔵している。点字文庫の開館時間は午前9時30分から午後5時。
地下1階には2つの読書室があるほか、飲食店(スガキヤ鶴舞中央図書館店)がある[WEB 8]。
読書室1・2
2018年(平成30年)4月1日、公益財団法人服部国際奨学財団が地下1階の読書室1及び2の命名権を取得し、「学習室 supported by 服部国際奨学財団」として運用している。名古屋市図書館の命名権取得事例としては初、契約期間は2021年(令和3年)3月31日までとなっている。命名権使用料は図書館利用者の利便性向上に供される。また同財団では読書室内に広報文書等を掲示する他、学習参考書等を寄贈し、学生の利用環境を整えている[7]。
つるのめぐみ
2018年(平成30年)3月23日に完成、公開された湧き水の展示施設。図書館のある鶴舞公園一帯は「大曽根層」と呼ばれる水を通しやすい地層で、図書館周辺に湧き水が点在する。市民に湧き水に親しみ水循環への理解を深めてもらおうと地下1階東側に設けた。通常は中庭柵越しに見学、イベントの際にデッキ部分を開放するという[新聞 1]。湧出量は1日あたり650立方メートルにおよび、そのまま下水道に排出されているが、将来的には図書館近くを流れる新堀川まで専用管を敷設したうえで、河川浄化に利用する構想もある[新聞 2]。
点字文庫
視覚障害者などの一般的な図書資料を利用できない利用者に向けて点字・録音図書の提供をはじめとした各種サービスを行っている施設[WEB 9]。1929年(昭和4年)9月16日設置[WEB 3]。公立図書館における全国初の視覚障害者向けの資料提供の例が、1月の鹿児島県立図書館盲人閲覧室であることを考えれば、かなり先進的な取り組みであった[8]。1929年(昭和4年)の開設時には207点だった資料は、2016年(平成28年)3月時点で約1万点に増加している[WEB 9]。主な所蔵資料は点字図書と録音図書で、録音図書はカセットテープ図書とデイジー図書がある[WEB 9]。資料貸出も実施しているが、一般資料と異なり、愛知県在住の身体障害者手帳(視覚障害)所持者などに限られる[WEB 9]。また、図書の点訳・録音は約150人のボランティアによって行われている[WEB 9]。
Books of Japan
1986年(昭和61年)設置[WEB 10]。日本について書かれた外国語資料を集めたコーナー[WEB 10]。市内およびその周辺部に在住する外国人の利用を想定している[WEB 10]。
南京市金陵図書館資料交換コーナー
名古屋市と姉妹友好都市である南京市にある金陵図書館との間で1989年(平成元年)より行っている図書資料の交換により、贈られた中国語資料を配架するコーナー[WEB 10]。資料交換は金陵図書館側から持ち掛けられたもので、平成3年度からは交換資料用の購入予算が予算化されている[9]。
新聞切り抜き
2階の郷土資料コーナーの中にある。書棚2台に、「郷土地誌」「郷土文化」「中部圏・県・市」「郷土人」「各種文化施設」「図書館」「公害・環境関連」の7分野・約150キーワード・2000冊に及ぶスクラップが配架されている[10]。元経済誌記者の千野信浩は、新聞の切り抜き資料を現在でも行っている数少ない図書館であると評価している[10]。
特別集書
- 久野文庫
- 久野保心の旧蔵書群631点・1829冊[WEB 11]。
- 小塚家文書
- 名古屋の大庄屋であった小塚家に伝わった証文や書簡等330点[WEB 11]。
- 佐藤文庫
- 佐藤牧山の旧蔵書群85点・875冊[WEB 11]。
- 武野新助文書
- 尾張藩士武野家初代武野新助信治から武野影信知兵衛までの3代に及ぶ知行地に関する資料5点[WEB 11]。
- 水野文庫
- 郷土史研究家であった水野録次郎の蒐集した絵草子コレクション398点・1,534冊[WEB 11]。
- 湯浅コレクション
- 郷土史研究家であった湯浅四郎の蒐集した郷土関係の書画・陶磁器等のコレクション745点[WEB 11]。
サービス
貸出
開館時間・休館日
立地・交通アクセス
脚注
参考文献
関連項目
外部リンク
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