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東京都の道路の通称 ウィキペディアから
南多摩尾根幹線(みなみたまおねかんせん)とは、多摩ニュータウンの南縁を東西に横断する形で東京都調布市の多摩川原橋から、東京都町田市小山町の町田街道までを結んでいる道路の通称。都市計画上の正式路線名は多摩都市計画道路3・1・6号南多摩尾根幹線[1]。東京都道路通称名公告では「南多摩尾根幹線道路」(整理番号151)であり、起点が町田市小山町(町田街道交点)、終点が稲城市百村(鶴川街道交点)とされている[2]。略称は「尾根幹線」「尾根幹」。
多摩ニュータウンの南端の道路で、北端にある多摩ニュータウン通りとともに、多摩ニュータウンを東西に通る総延長約17 km弱の幹線道路である。多摩地区における広域交通ネットワークの東西の交通網となるべく計画された。調布市の多摩川原橋(川崎街道)の交点から町田市小山町の町田街道の交点を結んでいる[3]。尾根幹線のすぐ南の尾根筋には、「よこやまの道」と名付けられた全長10 kmの遊歩道も整備されている。
1965年に立案された多摩ニュータウン計画を受けて、1966年に都市計画決定されたのが尾根幹線道路の始まりである。全線が都道に指定されている。
区間ごとの道路法上の路線名は以下の通りである。
道路構造令に基づく本線の構造規格は第四種第一級で、幅員が32.5 mから58 mの往復4車線(一部6車線)である。このうち稲城市百村から多摩市鶴牧に至る約8.8 kmにおいては側道を供用した段階で中断されており、本線については整備未着手である[注釈 1]。当初計画では片側4車線の計8車線の本線と1車線の側道で計画されたため、一部区間では中央の本線計画部分が広大な中央分離帯となっているほか、交差点付近には立体交差の土台となる盛土が存在するところもある。
本線の整備事業は沿線での反対運動等もあり、永らく塩漬け状態であったが、整備主体である東京都都市整備局は2015年2月18日の記者発表で、渋滞緩和や防災性強化を目的に未完成の8.8 km区間と0.9 km区間について全線4車線化に向けた整備方針を策定し、稲城市百村から多摩市鶴牧間についてはそれまで掘削構造から平面構造に変更するほか、トンネルが予定される多摩カントリークラブ付近のルートも検討するとした[10]。また、暫定2車線のままとなっていた唐木田区間(延長約0.9km)については従来計画通り平面構造のまま、調査・測量・設計を経て工事着手する事が併せて公表され[10]、2017年度より拡幅工事を進め[11]、2019年に完成4車線化が完了している。
事業期間は、多摩市諏訪六丁目から南野三丁目間の延長5.5kmについては2025年度まで[8]、稲城市百村~多摩市聖ケ丘五丁目間の約4kmについては2029年度までとしており[9]、稲城市長峰三丁目~多摩市聖ヶ丘五丁目間の延長約1.8kmではNATM工法を用いたトンネル構造(仮称・稲城多摩トンネル)となる[12]。
現在の終点は東京都町田市の町田街道だが、神奈川県相模原市中央区の都市計画道路を延伸して町田街道と国道16号を接続する計画があり、町田市側の延伸区間(町田3・3・50号小山宮下線、延長約210m)については東京都が2018年6月18日付けで都市計画決定を行い[13]、2021年3月5日付けで事業着手された[14]。一方、相模原市側の延伸区間(相模原3・5・3号宮下横山台線、延長約340m)についても2021年3月30日付けで事業着手され、用地取得が進められている[15]。いずれの区間も幅員28m、両側4車線として整備される。
また、将来的には多摩市・八王子市域などの本線のさらに上へ多摩都市モノレールを導入する構想も存在し[16]、運輸政策審議会答申第18号では「今後整備について検討すべき路線」とされている[17]。2016年の交通政策審議会答申第198号[18]では、「事業性に課題があるため、関係地方公共団体・鉄道事業者等において、事業計画について十分な検討が行われることを期待」とした。建設費は約1,900億円と試算されている[19]。
開通当初は大半の区間では制限速度は40 km/hであった(ただし、2車線で信号も一切ない区間の制限速度は50 km/hであった)。
しかしながら、渋滞緩和等の目的により2011年9月から永山 - 唐木田区間は制限速度が50 km/hに、唐木田 - 小山ヶ丘区間は制限速度が60 km/hにそれぞれ引き上げが実施されることになった。2017年3月には稲城 - 永山区間も50 km/hに引き上げられ、全線で制限速度が50 km/h以上となった。なお、2014年11月に開通した小山ヶ丘 - 小山町区間(小山沼陸橋)は制限速度が50 km/hとなっている。
区間 | 車線 | 最高速度 | 備考 | ||
---|---|---|---|---|---|
上下線 | 東行き (上り線) | 西行き (下り線) | |||
多摩川原橋 - 稲城市役所西交差点 | 4 | 2 | 2 | 60 km/h | |
稲城市役所西交差点 - 稲城福祉センター入口交差点 | 50 km/h | ||||
稲城福祉センター入口交差点 - 稲城一中南交差点 | 3 | 2 | 1 | ||
稲城一中南交差点 - 杜の一番街北交差点 | 2 | 1 | 1 | ||
杜の一番街北交差点 - 若葉台四丁目 | ※1 | ||||
若葉台四丁目 - 諏訪六丁目 | |||||
諏訪六丁目 - 多摩給食センター前交差点 | ※1 | ||||
多摩給食センター前交差点 - 多摩市総合福祉センター前交差点 | |||||
多摩市総合福祉センター前交差点 - 小山ヶ丘一丁目(旧道分岐点) | 4 | 2 | 2 | 60 km/h | |
小山ヶ丘一丁目 - 小山町(町田街道交点) | 50 km/h |
※1:対面通行区間(中央分離帯なし)
なお、稲城市区間では信号の周期が一定でなく、例えば、手前の信号が青になると次が赤になるなどの設定がされている箇所がある。たびたび市に車の流れ及び二酸化炭素増加の懸念から改善の意見が寄せられており、稲城市は多摩中央警察署に打診しているが、解決には至っていない[要出典]。2007年度より、一部交差点の右折レーンが広大な中央分離帯を横断する形式に改良されている。
道路交通センサスによる南多摩尾根幹線道路の各地点での交通量はそれぞれ以下の通りである(いずれも平成27年(2015年)度時点)。
観測地点 | |||||||||||||
ピーク時間交通量 | ピーク率 | 混雑時平均旅行速度 | 混入率 | 混雑度 | 車道部 | 歩道部 | 車線数 | 大型車台数 | 小型車台数 | 二輪車類 | 自転車類 | 歩行者類 | |
稲城市矢野口3750[20] | 2,442台/h | 10.3% | 7.5km/h | 13.8% | 1.43 | 31.00m | 2.70m | 5 | 3,294台 | 20,510台 | 1,001台 | 1,536台 | 940人 |
多摩市聖ヶ丘4-3[20] | 1,073台/h | 10.5% | 10.5km/h | 16.8% | 1.19 | 49.00m | 2.40m | 2 | 1,707台 | 8,473台 | 426台 | 83台 | 207人 |
多摩市永山7-12[20] | 1,343台/h | 9.0% | 20.5km/h | 17.5% | 1.34 | 35.00m | 3.20m | 2 | 2,605台 | 12,311台 | 1,007台 | 205台 | 78人 |
多摩市落合4-21[21] | 1,134台/h | 8.8% | 20.5km/h | 16.4% | 1.18 | 34.00m | 3.80m | 2 | 2,103台 | 10,743台 | 908台 | 604台 | 215人 |
八王子市別所2-58[21] | 1,667台/h | 9.6% | 46.5km/h | 14.9% | 0.58 | 23.00m | 3.00m | 4 | 2,589台 | 14,783台 | - | - | - |
町田市小山ヶ丘2-1-2[21] | 1,547台/h | 9.4% | 30.6km/h | 15.8% | 0.60 | 22.00m | 3.80m | 4 | 2,613台 | 13,900台 | - | - | - |
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