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『VAZIAL SAGA 〜愚民化戦略〜』(ヴァジアルサーガ ぐみんかせんりゃく)は、日本のパソコンゲーム開発会社Studio GIW(スタジオギウ)が開発、ベクターによりダウンロード販売されるWindowsパソコン用シミュレーションゲームである。ベクター主催の第8回(2006年度下半期)「ベクタープロレジ大賞」ゲーム部門賞[1][2]、「ベクターバナーデザインコンテスト」(2008年6月)[3]法人部門大賞受賞作品。さらに2007年度「ベクターPCショップダウンロード販売本数ランキング」ゲーム部門第3位[4]、「Vector Award」[5]受賞作品(2009年)の1つでもある。公式に「VS」と略されることがある。
ジャンル | 戦略シミュレーションゲーム |
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対応機種 | Windows |
開発元 | StudioGIW |
発売元 | ベクター |
バージョン | 1.06URA |
人数 | 1人専用 |
メディア | ダウンロード販売 |
発売日 | 2006年11月14日 |
必要環境 |
OS;Windows 98/98SE/Me/2000/XP CPU;400MHz以上推奨 画像出力;800×600ピクセル、ハイカラー以上の色数 DirectX;6以上 |
その他 |
第8回ベクタープロレジ大賞ゲーム部門賞 ベクターバナーデザインコンテスト法人部門大賞 |
StudioGIWのゲーム作品としては13作目、同社設立(2005年2月1日)後に従来作品の改修ではなく全くの新作として発表した作品では『邪気狩り暗殺修行!!』に続く2作目に当たる。プレイヤーが1国を率いる王(神王)となり、内政や外交、軍事力を駆使して39カ国から成る世界を統一する戦略級ターン制ストラテジーゲームである。StudioGIWのゲームを通じて設定される年表[6]によれば、現代文明が崩壊した後の未来を描いた作品であり、刀や槍で戦う歩兵や騎兵・弓兵による前時代的な戦争をする一方で、ヒトに対する遺伝子操作や洗脳などの技術が存在し容認される独特の世界観を持ち、寿命が無く後継者問題が起きない神王、決して謀反や反乱を起こさない部将や民(愚民)といった設定により内憂に悩まされること無く純粋に対外戦略に集中するゲームとして設計されている。部将個々の能力や運による戦局全体への影響が少なく、例えば強力な部将が寡兵で大軍を破ったり、1つの乱数が勢力図を一気に覆す、といった劇的展開は起きにくく、同盟を組み大軍を投じて敵を圧倒したり、敵領土を巧みに分断して各個撃破する、といった堅実な戦略が要求される。加えて、ヘルプ機能の充実やゲーム初年度に於ける月人による操作案内で導入を平易にしたり、数値や命令の簡略化により直感的な操作性でゲーム展開が早い。ゲーム内で一定期間を遊べる無料体験版も配布されており、体験版のセーブデータを製品版に引き継ぐことも可能である。
世界大戦により滅んだ物質文明の失敗を省みた人類は、限られた指導者以外には政治的思想を持たせない「愚民化政策」を施行、遺伝子操作により不老不死となった38名の「神王」のもと、完全に統率された「愚民」たちは各々が幸福を享受していた。しかし長き平和に飽いた一部の者たちが反乱を起こし、その鎮圧のため神王たちが軍隊を持ったとき、世界は再び争いの時代へと突入するのだった。
ゲームは1年(1ターンに相当)を以下の6フェイズから構成し、「イベントフェイズ」から順に進めて「子孫繁栄フェイズ」を終えると翌年に移る。「イベントフェイズ」以外はプレイヤーが「フェイズ終了」をクリックすることにより次フェイズに移る。各フェイズにおいては原則として「情報力」の低い国から順番に処理され、自国の情報力が高ければ他国の動向を見てから行動するなど有利に行動できる。なお、他国のあらゆる情報は、自国のそれ同様にいつでも見ることができる(情報収集のためスパイを送り込むなどの手続きが必要ない)。
イベントフェイズでは、最初にその年の収穫(豊作・凶作)が報告され、次に放浪部将の雇用が行われた後、プレイヤーが税率を設定する。税率は30%から70%まで5段階あり、税率の高さに応じて「愚民洗脳率」が下がる。収穫は税率に応じて直接「金」に反映され、放浪部将は前年までに滅亡した神国の生き残り部将(滅亡国の神王を含む)や16歳までに部将昇格しなかった子孫が無作為に仕官する。また、寿命を迎えた部将の死が報じられる場合もある。
神王自身を含む部将毎に1つの命令を割り当て、国力増強と軍備を行う。収穫を増進させる「領地開墾」、愚民洗脳率を向上させる「愚民教育」、篭城戦時の城の耐久値を増加する「城壁強化」、情報力を向上する「情報収集」、敵地侵攻時にかかる出費を軽減する「出兵費減」、陣形による野戦時の攻撃・防御修正値を向上する「陣形研究」、兵士個々の戦闘力を向上させる「装備研究」の他、部将が持つ才能によって特殊な命令[10]が追加される場合がある。部将への指示は内政フェイズ毎に変更できるが、前年と同じ命令を継続すると効率が上がる。なお、愚民洗脳率は全領土の平均値が低くても一揆や暴動が起きたりはしないが、合戦時の士気に影響する。部将も謀反や寝返りなどをすることは無い。
内政フェイズでは上述の命令実行の他に、各部将への兵士割り当ても行う。兵士は[部将の「統率」値×100]を上限として10または100単位で増減でき、この際、騎兵、刀兵、弓兵、槍兵の割合変更もできる。兵は雇用時の費用と、敵国への侵攻時には部隊規模に応じた出兵費がかかるが、維持費は必要ない。
他国と同盟を結んだり破棄したり、降伏勧告を行う。同盟破棄や降伏勧告を行うと相手国との「関係」が悪化するが、関係は「資金援助」により改善できる。加えて、他国に従属または離反することもできる。さらに同盟国や従属国に対して「援軍要請」ができ、それらの国と隣接する敵国に侵攻もしくは自領への攻撃を受けた場合に増援が得られる。なお、同盟は関係が「良好」の国とのみ結べ、資金援助や援軍要請には相手国規模に応じた金を消費する。
部隊を敵国へ侵攻させたり、自国領土内で移動させる。地図上の部将を示す旗もしくは画面右側の部将名を選択し、目的地をクリックすると行軍が予約される。このフェイズでは自国より情報力の低い国の移動状況を見ながら軍を動かすことができ、敵部隊が迫る領国に迎撃部隊を送ったり、部隊が出払って手薄となった敵国に侵攻するなどが容易となる。なお、部将が侵攻できる敵国は現在地の隣接国に限られるが、自領内移動では離れた領土にも原則として一度で移動できる[11]。
合戦フェイズでは、まず野戦を行うかどうかを防御側が決める。野戦を行わないか防御側が敗走すると城戦が行われる。野戦の準備段階を除いてプレイヤーには介入の余地がほとんど無いが、これはあくまで戦略を重視し、戦術は部将が行うとの設計によるものである。予め外交フェイズで援軍要請しておいた同盟国や主従関係にある国が戦場に隣接していれば戦闘中に互いの援軍として登場し、防衛側は隣接する自国領土に居る部隊も増援として登場する。なお、コンピュータ操作の国同士による戦闘は、簡単に報告される。
野戦が行われる場合、まず「総大将」を決め(神王が出陣していれば王自身が総大将となる)、続いて「陣形」とそれを構成する「陣要」(じんがなめ)、「先鋒」、「別働隊」と担当する部将を決定する。陣形は数種類あり、各々が前衛・後衛で攻撃力・防御力及び陣要となる部将の数が異なり、また特定の才能を持つ部将が居れば陣形の選択肢が増える。戦闘は先鋒同士の戦いで始まり、戦況を確認しながら「戦闘継続」か「全軍撤退」かを選んで戦闘を進める。野戦は「士気」または「兵数」のいずれかが0になった側が敗走するか、もしくはどちらかが「全軍撤退」を選んだ場合に終結する。時おり部将が敵武将を発見して一騎討ちをする機会もあり、発見した側が自軍側部将であれば一騎討ちの可否を指示できる。
防御側が野戦を行わなかった場合や野戦で敗退した場合、あるいは防御側部隊が不在の領土を攻めた場合も城戦が発生する。この際、野戦と異なり防御側部隊の士気や兵力は決着に関係せず、攻撃側の士気または兵力が0になったり「全軍撤退」を選んだり一定攻撃回数以内に落城しなければ攻撃側敗退、城側の城壁値が0になれば防衛側敗北(落城)となり領国は攻撃側のものとなって、そこに居た部将は死亡するか、攻撃側配下となるか、野に下る(翌年以降イベントフェイズに各国に仕官する可能性が生じる)。神王の居る城が陥落するとその神国は滅亡し、残る領土も全て攻撃側神国に帰す。
既存部将の能力を継承した新たな部将を誕生させ、さらに成長や才能を操作する。「子孫繁栄の儀」では男女の部将各1名を指定し、子孫に継承させる才能を決定、儀式が成功すると「子孫」が誕生する。子孫は0歳から年齢を重ね13歳になると「部将昇格の儀」によって部将に加えられるが、神暦303年以降は「成長促進」により無作為に1〜3歳加齢させたり、予め既存部将から「遺伝子抽出」した才能を「遺伝子融合」して才能を付与または進化させることもできる。なお、子孫は部将に昇格させないまま16歳になると出奔してしまう(イベントフェイズで他の神王配下になる可能性が生じる)。また、神王(領国を失った配下神王を含む)は、子孫繁栄も遺伝子抽出も必ず失敗する。
以上の手順を繰り返し、ゲーム世界39カ国全てをプレイヤーのみ、もしくはプレイヤー国と従属国ばかりで占めるとゲームクリアとなり、担当した国の「制覇回数」が1加算される。また、プレイヤー国が他国の従属国である状態で、支配国が全国制覇した場合もゲームクリアとなる(従属クリア)。いずれの場合も神王を除く配下部将や子孫の遺伝子情報(才能)が保存され次に遊ぶ際に引き継ぐことができ、またクリアした難易度モードの「裏技」が使用可能となる。加えて、制覇に至るまでの年表と得点がHTMLファイルとして出力される。なお、特殊な条件を満たすと迎えられる「レアエンディング」もある。他方、プレイヤー神王の篭城する城が敵の攻撃により陥落するとゲームオーバーとなる。
この作品に於けるバグ修正や機能改善・追加は、公式サイトからダウンロードできるパッチを通じて行われるが、バージョン1.05より「裏技ツール」に統合され、ゲームの正常動作のための補完要素だけでなく、隠しコマンドなどのいわゆる裏技要素を含む内容となっている。「裏技ツール」そのものは無料だが、解凍(EXEフォーマットの実行)には製品版に封入された「バージョンアップ用パスワード」が必要である。また、制作支援[12]として「裏技ツール」購入費1000円(税込)を支払うことにより、神王や月人を描いた大判画像31点の解凍パスワードが送られる。
ジャンル | 戦略シミュレーションゲーム |
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対応機種 | Windows |
開発元 | StudioGIW |
発売元 | 株式会社マグノリア |
人数 | 1人専用 |
メディア | CD-ROM |
発売日 | 2010年8月6日 |
必要環境 |
OS;Windows XP/Vista/7 CPU;400MHz以上推奨 画像出力;800×600ピクセル、ハイカラー以上の色数 DirectX;6以上 |
その他 | ASIN B003TYAQNU |
『VAZIAL SAGA 愚民化戦略 Deluxe』[13]は、上記作品を改修し追加要素を加え、CD-ROMに収録してパッケージ販売としたもので、株式会社マグノリアにより2010年8月6日に発売された。
ゲームシステムや世界設定など基本部分は従来と同じだが、音声・音楽の品質向上やゲームバランスの修正とWindows 7対応といった改修が施された。加えて、2007年に発表されたボイスドラマ「盲目の結界神・想武」に登場するカルナなど第2世代月人と、世界観を共有する続編である次作『キルツヴァルド 〜最後の人間〜』に登場する12名の第3世代月人[14]が部将同様のキャラクターとして追加され、他にも部将や才能が複数追加された。さらには月人・月亜(げつあ)として原田ひとみを起用したボイスドラマ「〜京核の秋〜」を同梱する。この他、初回特典として、キャラクターグラフィックを担当する住屋昭博デザインのポストカード3枚と、次作の主要キャラクターである月人・アリエス(声・日笠陽子)が歌う「aries-Full Version-」を含む『KILLZVALD -SOUND TRACK-CD Ver』[15][16]が付いた[17]。
ヴァジアルサーガの登場人物たちによる物語を、声優により表現したシリーズ作品。ゲーム本編同様ダウンロード販売されている。配役はいずれも株式会社ぷろだくしょんバオバブの制作協力を得ている。
ゲーム公式サイト「世界設定」のページにて公開され、無料で再生・ダウンロードできるボイスドラマ。ゲーム本編では語られない、戦乱が勃発した事情などを短編ドラマ化したもの。
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