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「国際ローミング」はこの項目へ転送されています。
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ローミング (roaming) は、携帯電話やPHS、またはインターネット接続サービス等において、事業者間の提携により、利用者が契約しているサービス事業者のサービスエリア外であっても、提携先の事業者のエリア内にあれば、元の事業者と同様のサービスを利用できることをいう。
携帯電話・PHS
携帯電話やPHSでは、契約するサービスエリア外の国内他地域(または他国)に端末を持ち込んでも、基本的には契約地域と同様に利用できる(ローミング提携事業者のエリア内に限る)。
他国である場合は、特に「国際ローミング」と呼ばれる。
端末に「Rm」と表示される事が多い。
アウトローミング
国内自社エリア外のローミングサービス
- なお、ソフトバンクモバイル携帯電話利用者が、LTE通信時にワイモバイル網での通信になることがあるが、画面の事業者表示は「SoftBank」のままで、また、何らかの料金体系に変動が起きることもない(3G音声網は、ワイモバイル回線にローミングインすることはない)。また、同じワイモバイル契約でも、電話サービス(タイプ1)契約の場合は、ソフトバンクモバイルと契約したスマートフォンの場合と同じ挙動をする。
- 2023年5月11日、楽天モバイルはKDDIと新しい協定を締結した[1]。これは自社の設備投資を抑えつつ人口カバー率を高めることを目的としており、当初はローミング対象外だった東京23区などが対象に加わる。また提供期間は2026年9月に延長される。
国外でのアウトローミング
通信障害・災害などに伴うローミング構想
2022年7月に発生したKDDIの通信障害を契機として、総務省は通信障害時でも110番や119番といった緊急通報などが出来るように一時的に他社キャリアの通信網に乗り入れるローミング構想を同年8月に発表した[2][3]。NTTドコモの親会社である日本電信電話(NTT)やソフトバンクも協力する方針を示しており[4][5]、2025年度末までに導入することを予定している[6]。
インローミング
国外事業者によるインローミング
- 大衆電信(台湾) - 日本漫遊[7]で日本のPHS事業者(ウィルコム)へのローミングに対応。
過去の携帯電話・PHSのローミングサービス
自社エリア外のローミングサービス
- - ドコモローミング(アナログ/HiCAP)。
- アナログHiCAP契約者がIDO営業エリア外で利用する場合はオプション契約でNTT(現NTTドコモ)アナログ網にローミングが可能だった。(日額200円・税別・発着信があった日のみ課金)
- -セルラーローミング(アナログ/TACS)。
- TACS(トーキョーフォン)契約者がIDO営業エリア外で利用する場合はDDIセルラー各社のアナログ網にローミングしていた。1992/12/19開始(月額料金無料)
- -セルラーローミング(デジタル/PDC)。
- デジタルはアナログ時代に2規格の並行運用を強いられたという反省を踏まえDDIセルラー及びNTTドコモと共通の方式で展開することとなり、PDC方式にて開始されたため、DDIセルラーグループのPDCエリアと相互ローミングが月額料金無料で可能だった。
- -ドコモローミング(デジタル/PDC)。
- サービス開始時には自社及びDDIセルラーのPDC網カバーエリアよりNTTドコモ各社の方が広かったことともあり、NTTドコモグループ各社へのローミングも用意された。自社エリアでもNTTドコモ網へのローミングが可能だった。(料金はアナログHiCAPと同じ) 2000年8月1日に新規受付を終了し、既存契約者は同社のPDC停波まで使えた。
- -セルラーローミング(PDC・cdmaOne以降)。
- PDCとCdmaOne以降は両者共通方式で導入されたこともあり、同契約者はIDO営業エリア外ではセルラー各社網に月額料金無料でローミング可能だった。
- -IDOローミング(アナログ/TACS)。
- アナログ契約者はIDOのTACSサービス開始に伴い、同社のTACS網に1992/12/19よりローミング可能になり、念願である全国利用が可能になった。(月額料金無料)
- -ドコモローミング(デジタル/PDC)。
- デジタルはアナログ時代の反省を踏まえIDO/NTTドコモと共通のPDC方式で開始された。サービス開始時には自網及びIDO網のカバーエリアよりNTTドコモの方が広かったこともあり、ドコモグループへのローミングが用意された。自社エリアでもドコモ網へのローミングが可能だった。 (日額200円・税別・発着信があった日のみ課金) 2000年8月1日に新規受付を終了し、既存契約者は同社のPDC停波まで使えた。
- -IDOローミング(PDC・cdmaOne以降)。
- PDCとcdmaOne以降は両者共通方式で導入されたこともあり、同契約者はIDO網に月額料金無料でローミング可能だった。
- デジタルホン - デジタルツーカーローミング。東名阪以外では事業を行っていなかったため、デジタルツーカー網にローミングしていたが、デジタルツーカーとのブランド統一でJ-フォンとなったことにより、ローミングではなくグループ会社→一部自社網→会社統一で完全自社網サービスとなった。
- デジタルツーカー - デジタルホンローミング→J-フォンローミング、ツーカーローミング。東名阪では、端末によって、デジタルホンエリアないしはツーカーエリアでのローミングのいずれかになっていた。デジタルツーカー末期には、J-フォンへのブランド統一を見据えて、ほぼすべての発売端末がJ-フォンローミング仕様となっていた(ツーカーローミングしかなかった三洋端末も、最後のタイプS5はJ-フォンのJ-SA01仕様であった)。なお、ブランド統一後も交換機仕様の都合上、当初はJ-フォンの東北エリアと中四国エリアで一部サービスがしばらく使えず、当該地域では機能制限された端末が発売されたことがある。
尚、デジタルツーカー各社内でも他エリアではローミング扱いとなり、端末にRm表示がされた。
- ツーカー - 東名阪地区以外ではソフトバンク2Gにローミング(デジタルツーカー時代の名残)。
- イー・モバイル - 2008年3月28日の音声サービス開始に伴い、イー・モバイルの音声ネットワークが構築されていない25道県の一部ではNTTドコモのFOMAサービスエリア(いわゆる、2.1GHz帯のエリア。800MHz帯を利用したFOMAプラスエリアは対象外)にローミング。なお、2009年4月末の富山県、2009年9月末の佐賀県に続き、2010年10月末を以って、残る23道県のドコモローミングを終了。
- アステル - 発足当初、電力系という共通項がある以外はほぼ独自の展開を行っており、NTT網活用型と独自網型(系列の電力系通信事業者の網)の大きく2陣営に分かれることとなり、地域をまたいだ通信は制限がかかるあるいは発着信のいずれかができないことがあった。このため、事実上契約地域外での利用はローミングとなっていた。メールサービスや常時接続通信なども地域によって実施の有無があるなど、この点でも足並みがそろわない状況のまま、全10社とも相次いでサービス停止となり、その途中の2004年11月30日をもってローミング自体が中止された[8]。
- YOZAN時代のアステル東京 - アステル他社の相次ぐサービス終了を受け、「全国コールサービス」と称してウィルコム網で接続する全国サービスを行っていた時期がある。だがその実態は、アステル端末にウィルコムの番号を投入するというものであり(アステルの自社網が使えない。それ故通話以外のサービスは一切利用できない)、厳密な意味でのローミングとは異なる(どちらかといえば、現在で言うMVNOに近いサービス。旧番号への着信は1ヶ月間無料で新番号に転送された)。
無料通話・通信分の適用
NTTドコモ[9]とau[10]では国際通話料、国際通信料も原則として無料通信分に含まれる。ソフトバンクモバイル[11]は含まれない。また、ウィルコムはコース・オプションにより無料通話分に充当される場合とされない場合の両方がある[12]。
なお、ローミング等による通話・通信はパケット定額制、音声通話定額制やモバイルデータ通信定額制の対象外、もしくは国内向けとは別の定額プランが用意されている事が多い。NTTドコモのパケットパックは、無料通信分を国際ローミングの通話、通信料に適用することが可能であるが、パケットの割引は適用されない。また同じくNTTドコモの海外パケ・ホーダイは、同サービスの対象通信が無料通信分の適用対象外となる。
イー・モバイルについては、無料通話分自体が存在せず、無料通信分はパケット通信のみで消費されるが、無料通信分はNTTドコモローミング時は適用されず、別料金となる。また、イー・モバイル同士の通話が無料になるオプションを利用した場合において、発信側がローミングエリアにいる場合の通話は無料とはならず、他社宛通話料金も割引されずにローミング体系の通話料がそのまま適用となる。
電話会社各社では、このような自社網での利用との相違や制限について、ウェブページやパンフレットにおいて注意喚起を行なっている。
国際ローミングにおける提携
国際通信事業者間の提携により、事業者によっては、国際ローミング時の通信価格の値下がりが起きている。NTTドコモでは、コネクサス・モバイル・アライアンスというアジア12カ国9キャリアと、国際ローミングや、端末の共同調達などを基にしたアライアンスを結んでおり、アライアンスキャリア他特定のキャリア間での、パケット通信料などが、割引かれるサービスなどを2008年3月より提供している。[13]現在では、欧米豪の事業者も参加している。(参考)特定通信事業者一覧
海外プラスナンバー
2009年3月から2016年10月31日までの間、NTTドコモと旧KTF(現・KT)社と共同開発した海外プラスナンバー(韓国)といわれるサービスが提供されていた。これはNTTドコモのFOMAカードにKT社の電話番号を書き込み、韓国内で通常のWORLD WING対応の携帯電話とKTの携帯電話番号によって通話ができるサービスである。このサービスにより通常の国際ローミング通話料金より約27%~60%割引で利用できる。1つのSIMカードに2つのオペレータの電話番号が利用できる初めてのサービスである(ドコモUIMカードあるいは白のFOMAカードの場合はネットワークでの番号投入が可能だが、緑のFOMAカードはショップ等での店舗端末による処理が必要。初代のFOMAカードである青は非対応のため、要交換)。このサービスはNTTドコモと旧KTFが共同で開発した技術で、KTのユーザーが日本で同様のサービスを受けることができる。
インターネットサービスプロバイダ
インターネットサービスプロバイダによるインターネット接続サービスでは、他国へ出向いた際、日本の契約先プロバイダが提携している現地プロバイダのアクセスポイントへダイヤルアップ接続できる形態を指すことが多い。
他国に滞在中に提携先アクセスポイントにダイヤルアップ接続を行う場合、日本の国内で主流の完全定額制の接続料金と異なり、接続時間に対する従量制の料金が発生する場合が多い。事前に接続先電話番号や接続方法、料金などのデータを入手する必要がある。また、ホテルなどの客室から発信した場合、電話料金が高額になる場合もある。
世界各国の現地プロバイダと提携し、どの国でも同じ手順、同じアカウントで接続できるサービスを提供している例としては、iPass社(日本語サイト)などがある。個人向けのサービスと企業向けのサービス(iPass Corporate Access)がある。
この時点で九州・北海道・北陸・関西が既にサービス終了しており、中国もこの直後の同年12月9日にサービス終了した。また、中部・四国・沖縄も新規受付を終了していた。