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この項目では、マリオシリーズのキャラクターについて説明しています。人名一般については「ポーリーン」をご覧ください。 |
ポリーン(Pauline)は、任天堂が発売したコンピュータゲーム・マリオシリーズに登場する架空の人物。同社の登録商標。初期にはレディ(lady)とも呼ばれていた(後述の#レディとポリーンを参照)。
マリオシリーズのヒロインで、任天堂およびマリオシリーズの元祖ヒロインと言える存在[1]。
ドンキーコングに好意や嫉妬を抱かれており、彼とその孫である2代目ドンキーコングに何度となく攫われることになり、毎回のようにマリオに助け出されている。なお、救出された後は全く怒らずドンキーのことを許しているため、心優しい性格描写がされる。『スーパーマリオ オデッセイ』では歌うことが趣味とされ、ポリーンの歌う「Jump Up, Super Star!」は当作の主題歌となっている。
身長はマリオやピーチ姫よりも高い。初期の作品では金髪で、ゲーム画面ではピンクのロングドレスを着ていた。後期作品ではデザインが変更されて黒に近い濃い茶髪になり、赤いワンピースドレスを着て、耳に黄色のイヤリングと左腕にリングを着けている。また、赤い口紅に薄紫色のアイシャドウをしている。『スーパーマリオ オデッセイ』ではさらに頭身が高くなり、普段は赤いレザースーツとロングパンツに紫色の帽子というスタイルになっている。
国籍は不明。ゲームボーイ版『ドンキーコング』まではビッグシティに住んでいた。『マリオvs.ドンキーコング2 ミニミニ大行進!』で再登場を果たしてからは、マリオが経営するマリオ・トイ・カンパニーで働いており、新しいテーマパークが完成したら開演記念会のスペシャルゲストとして登場している。『スーパーマリオ オデッセイ』ではニュードンク・シティの市長に就任している。
ゲームボーイ版の時点でスーパーゲームボーイ使用時に「HELP!」というボイスサンプリングがあったが、『マリオvs.ドンキーコング 突撃!ミニランド』以降より正式に声優がつけられ、『スーパーマリオ オデッセイ』以後の作品ではケイト・ビギンズが担当している。
2017年(平成29年)、『スーパーマリオ オデッセイ』にてスーパーマリオシリーズに初登場したのを皮切りに『マリオテニスエース』では初めてプレイヤーキャラクターとして登場し、『マリオカート ツアー』『マリオゴルフ スーパーラッシュ』にも同じくプレイヤーキャラクターとして登場を果たすなど、マリオシリーズにおける活躍の場が年々増えてきている。
- ドンキーコング(1981年)
- ヒロインとして初登場。ゲーム内では各ステージにバッグ、帽子、傘を落としていく(ファミリーコンピュータ版では、帽子は登場せず)。
- 名前の変遷に関しては#レディとポリーンを参照。
- ピンボール(1984年)
- ボーナスステージにて、マリオに助けられる役として登場している。
- ファミリーベーシック(1984年)
- マリオなどと共にゲームプログラムに使用できるスプライトデータを収録。この作品では紺色の髪である。
- スーパーマリオ 魔界帝国の女神(1993年)
- ダニエラ・ポリーン・ベルダッチ(Daniella Pauline Verducci)という名でマリオの恋人として登場している。劇中では「ダニエラ」としか呼ばれていない。デイジーと間違われて最初に彼女が攫われる。
- ドンキーコング (ゲームボーイ)(1994年)
- この作品以降、日本でもポリーンという名前が正式に使用されるようになった。本作でキャラクターデザインが一新され、以降の作品でも本作をベースとしたものが継承されている。攻略本『任天堂公式ガイドブック ドンキーコング』のインタビューでは、本作は『スーパーマリオブラザーズ』よりも前の話であり、ポリーンは「昔の彼女」とされている。本作の最後に登場するドンキーコングの故郷近辺にキノコ王国があるらしく、同インタビューにて、マリオがその後ピーチに出会って気が移り、ポリーンがふられてしまったのではないかと、プロデューサーの宮本茂とディレクターの亀山雅之が冗談交じりに答えている[2]。
- ゲームボーイギャラリー2(1997年)
- 『ドンキーコング』がリメイクされているが、同作に収録された「いまモード」(現代アレンジ版)ではヒロイン役は彼女ではなくピーチに交替している。
- マリオvs.ドンキーコング2 ミニミニ大行進!(2007年)
- 2代目ドンキーコングに惚れられ勘違いで攫われてしまう。本作では「マリオの友人」とされている。
- その後は続編『マリオvs.ドンキーコング ミニミニ再行進!』(2009年)、『マリオvs.ドンキーコング 突撃!ミニランド』(2010年)、『マリオ AND ドンキーコング ミニミニカーニバル』(2013年)、『マリオvs.ドンキーコング みんなでミニランド』(2015年)と続けてレギュラーで登場するようになる。
- すれちがいMii広場(2013年)
- 「ピースあつめの旅」で2013年6月18日に配信されたパネル「ヒロイン」の中に、任天堂を代表するヒロインのひとりとして登場した。
- 大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U(2014年)
- 鑑賞用の「フィギュア」として登場。Wii Uでは、代表作としてアーケード版『ドンキーコング』と『マリオvs.ドンキーコング2 ミニミニ大行進!』が挙げられている。
- スーパーマリオ オデッセイ(2017年)
- スーパーマリオシリーズでは初登場。都市の国「ニュードンク・シティ」の市長に就任している。街で行われるフェスティバルではバンドを従え、主題歌の「Jump Up, Super Star!」を歌う。
- 大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL(2018年)
- ステージ「ニュードンク市庁舎」の背景に登場。「Jump Up, Super Star!」を歌っている。スピリットも登場している。
- マリオテニス エース(2019年)
- 2019年の追加アップデートで登場。初のプレイアブル参戦。本作以後、ポリーンを象徴するエンブレムとして、ハート型のキスマークのロゴが作られた。服装はサンバイザーに赤いワンピース調のテニスウェア。スピードタイプ。スペシャルショットでは「Jump Up, Super Star!」を歌ってショットを放つ。
- マリオカート ツアー(2019年)
- マリオカートシリーズ初登場。併せて、黄色のハイヤータイプのカートも追加された[3]。
- マリオゴルフ スーパーラッシュ(2021年)
- マリオゴルフシリーズ初参戦。テクニカルタイプ。服装は赤いハンチング帽に、ノースリーブの赤い服、黒いロングパンツといったスタイル。「ニュードンク・シティ」もゴルフ場の舞台になっている。スペシャルショットでは「Jump Up, Super Star!」を歌ってショットを放つ。
- マリオストライカーズ バトルリーグ(2022年)
- 2022年9月22日配信の更新データ(Ver. 1.2.0)より追加された。マリオストライカーズシリーズ初参戦。主にヘルメットに、ハーフパンツというスタイル。
- ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年)
- ブルックリンで洪水が起きた際に、中継映像にて登場する。
- マリオカート8 デラックス(2023年)
- 追加コンテンツである2023年配信のコース追加パス第6弾で登場。ロゼッタ同様、女性で数少ない重量級となっている。
- スーパー マリオパーティ ジャンボリー(2024年)
- マリオパーティシリーズに初登場。プレイアブルキャラクターとして参戦。
アーケード版『ドンキーコング』発売当時はドンキーコング以外のキャラクターに名前が無く、ヒロインもレディ(欧米版では "lady")と一般名詞表記だった。日本では1983年発売のファミコン版『ドンキーコング』にて、主人公に『ドンキーコングJR.』より付けられたマリオの名前が反映されたが、ヒロインはそのままレディの名が引き続き使用された。しかし、イギリスの雑誌に掲載されたゲーム&ウオッチ版の広告にてLouise(ルイーズ)、アメリカのアニメ番組『Saturday Supercade』にてPauline(ポリーン)という個人名がヒロインに付けられ、後にポリーンの名が1986年発売の欧米のNES版で採用されて正式名称となる。ポリーンの名前を付けたのはマリオと同じくNintendo of America (NOA) の社員であり、NOAのスタッフのドン・ジェームズの妻であるポリー (Polly) を基にした名前である。ただし日本での正式名はこの頃はまだ固定されておらず、依然「レディ」と呼ばれていた。上記の経緯から、国内と海外で名称が異なる期間が存在した(1986年 - 1994年の9年間)。なお、ピーチも同様に国内と海外で名称が異なる期間が存在した(1985年〜1996年の12年間)。
日本では1994年にゲームボーイ版『ドンキーコング』が発売された際に初めてポリーンの名前が正式採用された。それまではレディと呼ばれていた上、GB版以降のポリーンは過去作から外見がリニューアルされていたため、一部のメディアではレディとポリーンを別人として扱っている場合がある。しかし、攻略本『任天堂公式ガイドブック ドンキーコング』のインタビューのページにて「当時、日本ではレディと呼ばれていたヒロインの名前が、日本国外ではポリーンと呼ばれている」と書かれているほか、『大乱闘スマッシュブラザーズ for Nintendo 3DS / Wii U』のポリーンのフィギュアにおいて、代表作として「レディ」が正式名称の作品が挙げられていたり、「名前がレディ? ポリーンじゃなくて? はい、ポリーンという名はゲームボーイ版から」という説明文がある。さらに、ニンテンドー3DS用ソフト『バッジとれ〜るセンター』で案内役を務めるキャラクター「バイト」が、本来「レディ」と呼ぶべき『ドンキーコング』のヒロインの名前を「ポリーン」と紹介している。
したがって日本においての現行の公式設定では、レディとポリーンは同一人物として扱われており、GB版『ドンキーコング』以前の作品と作中の過去作(『ファミコンリミックス』など)での正式な名前は「レディ」で、それ以降に発売された作品においての正式な名前は「ポリーン」ということになっている。
- マリオ
- マリオシリーズにおいての主人公。ポリーンがドンキーコングに攫われた際には必ず助けに行く。
- 初登場した『ドンキーコング』当時は「マリオの恋人」という関係だった。再登場した『マリオvs.ドンキーコング2 ミニミニ大行進!』以降は「マリオの友人」という関係になっているが、『マリオvs.ドンキーコング 突撃!ミニランド』のエンディングでは二人の間にハートマークが浮かぶ表現が成される。一方、『スーパーマリオ オデッセイ』ではマリオに対し終始敬語を使い、彼を「マリオさん」と呼ぶ(もっともこれはニュードンクシティのキャラクター全般に言えることなので国柄という面も強い)。
- 初代ドンキーコング
- 『ドンキーコング』シリーズで彼に幾度も攫われる。『ドンキーコング』の初期設定では、「元々はマリオのペットだったドンキーは、マリオがポリーンと付き合ってから自分と遊んでくれなくなったから」という理由でヤキモチを焼いてポリーンを攫ったとされており、ゲームボーイ版のバックストーリーでもそれが反映されている。
- ドンキーコングJr.
- 初代ドンキーコングの息子で、『ドンキーコング (ゲームボーイ)』で父親と共にポリーンを攫う。
- 2代目ドンキーコング
- 初代ドンキーコングの孫。『マリオvs.ドンキーコング2 ミニミニ大行進!』でポリーンに惚れて以来、さまざまな理由でポリーンを攫う。一方で、協力して玩具の「ミニマリオ」の製品テストをしたり、ミニゲームコーナーで共に働く場面もある。
- キノピオ
- キノコ王国の国民。『マリオvs.ドンキーコング2 ミニミニ大行進』で初共演し、以降のシリーズでも共演している。ポリーンのおもちゃであるミニポリーンをもらって大喜びしたり、ポリーンの写真を撮影している描写がある。
- ピーチ
- キノコ王国の姫。前述の「ピースあつめの旅」のパネル「ヒロイン」で初共演した。小学館の4コマ漫画『おてんばピーチ姫』では、マリオを巡るライバル関係だった。
- 『スーパーマリオ オデッセイ』では月の国・「ハニークレーター」の結婚式の舞台およびエンディング後の集合写真にて共演した。
- デイジー
- ゲームでは「サラサ・ランド」の姫だが、設定の異なる実写映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』では化石発掘調査チームのリーダー。映画にてイギーたちに彼女と間違われてダニエラ(ポリーン)が誘拐される。
- クッパ
- 『スーパーマリオ オデッセイ』で初共演。ポリーンが市長を務めるニュードンク・シティを結婚式の宣伝をするために荒らした。その後、ピーチとの結婚式を行う際に月に強引に連れ去った。
- イギー、スパイク(ガボン)
- 映画版『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』でデイジーと間違えてダニエラ(ポリーン)を誘拐した。
- 英語音声
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- 日本語音声
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- 俳優
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- ダナ・カミンスキー(実写映画『スーパーマリオ 魔界帝国の女神』吹き替え〈ビデオ版〉)
『任天堂公式ガイドブック ドンキーコング』(小学館) p.108