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ホークアイ(Hawkeye)は、マーベル・コミックが発行するコミックに登場するスーパーヒーローである。本名はクリント・バートン(Clint Barton)で、他にゴライアス(Goliath)、ローニン(Ronin)の名でも知られる。初登場は『テールズ・オブ・サスペンス』第57号(1964年9月)で、スタン・リーとドン・ヘックにより創造された。ホークアイは『アベンジャーズ』第1期第16号(1965年5月)でアベンジャーズに加入し、以後、著名なチームメンバーとなっている。またIGNによるコミック・ヒーローのトップ100では44位となった[2]。
Hawkeye | |
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出版情報 | |
出版者 | マーベルコミックス |
初登場 | 『テールズ・オブ・サスペンス』第57号(1964年9月) |
クリエイター | スタン・リー ドン・ヘック |
作中の情報 | |
本名 | Clinton Francis "Clint" Barton |
所属チーム | アベンジャーズ アベンジャーズ・アカデミー ディフェンダーズ グレート・レイクス・アベンジャーズ ニューアベンジャーズ シークレットアベンジャーズ[1] サンダーボルツ ウェストコースト・アベンジャーズ ワイルド・パック ワールド・カウンターテロリスト・エージェンシー |
パートナー | ブラック・ウィドウ モッキンバード ケイト・ビショップ |
著名な別名 | キャプテン・アメリカ、ゴールデン・アーチャー、ゴライアス、ローニン |
能力 | 弓術の達人 様々なトリックアロー 優れたアスリート能力 常人離れした腕力 高い視力 武術家・戦略家・剣術家・射手 経験豊富なパイロット ゴライアスの能力: 自身の身長と質量の変更 怪力と超人的耐久力 |
Hawkeye | |
シリーズ出版情報 | |
形式 | オンゴーイング・シリーズ |
ジャンル | スーパーヒーロー |
掲載期間 | 第1期: 1983年9月 - 1983年12月 第2期: 1994年1月 - 1994年4月 第3期: 2003年12月 - 2004年8月 第4期: 2012年8月 - 継続中 |
話数 | 4 (第1期) 4 (第2期) 8 (第3期) 19 (2014年7月時点) (第4期) |
制作者 | |
ライター | 第1期: グルーン・ウォルド 第2期: チャック・ディクソン 第3期: ファビアン・ニシーザ 第4期: マット・フランクション |
アーティスト | 第1期: グルーン・ウォルド 第2期: スコット・コリンズ 第3期: ステファノ・ラファエル ジョー・ベネット 第4期: デヴィッド・アジャ |
ホークアイは『テールズ・オブ・サスペンス』第57号(1964年9月)でヴィランとして登場した。そして『テールズ・オブ・サスペンス』第60号、第64号(1964年12月、1965年4月)でもヴィランとして登場した後、『アベンジャーズ』第1期第16号(1965年5月)でアベンジャーズの一員となった。ホークアイはその後『アベンジャーズ』5期すべて(第1期(1963年 - 1996年)、第2期(1997年)、第3期(1999年 - 2004年)、第4期(2010年 - 2013年)、第5期(2013年 - 継続中)、そのほかスペシャル号も含む)や『アルティメッツ』に長きにわたって登場した。他に、『シークレット・ウォーズ』第1-12号(1984年 - 1985年)にもアベンジャーズの一員として登場した。
ホークアイはリミテッド・シリーズである『ウェストコート・アベンジャーズ』第1-4号(1984年9月 - 1984年12月)、そして後にオンゴーイング・タイトルとなった同誌全102号(1985年10月 - 1994年1月)でフィーチャーされた。『ウェストコート・アベンジャーズ』は第46号(1989年8月)より「アベンジャーズ・ウェストコート」に改題された。また、『ソロ・アベンジャーズ』全40号(1987年12月 - 1991年1月)の多くの号で主役を務めた。同誌は第21号(1989年8月)より「アベンジャーズ・スポットライト」に改題された。
1998年から2002年までホークアイはカート・ビュシークとファビアン・ニシーザの『サンダーボルツ』第20-75号及び2000年のアニュアル誌に登場した。『アベンジャーズ・アカデミー』誌では第21号(2012年1月)から最終第39号(2013年1月)まで助役として登場し、また『シークレットアベンジャーズ』誌では第22号(2012年2月)最終第37号まで(2013年2月)までチームリーダーとして登場した。ホークアイは2013年に始まったニック・スペンサーとルーク・ロスによる『シークレットアベンジャーズ』第2期にもレギュラー登場した[3]。
ホークアイはクロスオーバーイベント『ハウス・オブ・M』(2005年)で特集された。彼はその後、『ニューアベンジャーズ』第26-64号(2007年 - 2010年)、アニュアル第2号(2008年)とアニュアル第3号(2010年)ではローニンとして登場した。クロスオーバーイベント「ダーク・レイン」の際には『New Avengers: The Reunion』第1-4号(2009年)と『Dark Reign: The List - New Avengers』第1号(2009年)でホークアイの姿が見られた。さらにその後の『Siege』第1-4号(2010年)にも登場した。
さらにホークアイの単独での冒険も描かれている。『ホークアイ』第1期第1-4号(1983年)はグルーン・ウォルド(モッキンバードとヴィランのクロスファイアとの初対面が描いた)が執筆した。続いて『ホークアイ』第2期第1-4号(1994号)、『Hawkeye: Earth's Mightiest Marksman』第1号(1998年)が出版された。2003年にはオンゴーイングシリーズ『ホークアイ』第3期1-8号が刊行されたが、これもすぐに打ち切りとなった。2010年にジム・マッキャン脚本、デヴィッド・ロペス作画のオンゴーイングシリーズ『ホークアイ&モッキンバード』が創刊されたが6号で終了した。しかしながら同シリーズのストーリーの続きはリミテッドシリーズ『ウィドウメーカー』全4号(2010年 - 2011年)と『ホークアイ: ブラインドスポット』全4号(2011年)に引き継がれた。2012年8月からはマット・フランクション脚本、デヴィッド・アジャ作画による4期目のオンゴーイングシリーズが開始された。このシリーズでのホークアイは弟子のケイト・ビショップをパートナーとして活動している[4]。
この他にもホークアイは『デアデビル』第1期第99号(1973年)、『インクレディブル・ハルク』第1期第166号(1973年)、『マーベル・チームアップ』第22号(1974年)、『ゴーストライダー』第27号(1977年)、『マーベル・チームアップ』第92号(1980年)、『Marvel Fanfare』第3号(1982年)、『キャプテン・アメリカ』第317号(1986年)、『Contest of Champions II』第3-5号(1999年)、『Fallen Son: The Death of Captain America』第3号(2008年)、『ウォーマシン』第2期第8-10号(2009年)、『Young Avengers Presents』第6号(2008年)、『キャプテン・アメリカ: リボーン』第3-6号(2009年 - 2010年)など多数のタイトルにゲスト登場している。
クリント・バートン(Clint Barton)はアイオワ州ウェーバリーで生まれる。幼少の頃に自動車事故で両親を亡くし孤児院へ入所。6年後、クリントとその兄のバーニーは孤児院から逃げ出し、カーソン・カーニバルというサーカス団[5] に入団する。クリントはそこですぐにソーズマンの目にとまり、アシスタントとなった。ソーズマンはトリックショットと共にクリントを弓術の達人にするために鍛え上げた[6]。後にクリントはソーズマンがカーニバルから金を横領しているのを発見する。クリントに通報される前にソーズマンは彼を殴り、街から逃亡した[7]。また兄バーニーやトリックショットとクリントの関係も悪化した[8]。
クリントは弓術の腕を磨き続けてカーニバルのスターとなり、「ホークアイ」と呼ばれ、「世界で最高の射手」として知られるようになった。彼はコニーアイランドのサーカスに入る前はティボルドのサーカスのメンバーであった[9]。彼はアイアンマンの活動を目撃したことにより衣裳を着たヒーローを志した。しかしながら彼は最初の活動の際に誤解を受けて泥棒だと思われてしまった。逃走の際にホークアイはソ連のスパイのブラック・ウィドウと出会って恋に落ちた。盲目的なホークアイはトニー・スタークのテクノロジーを盗もうとするブラック・ウィドウに協力した。アイアンマンとの戦いの際にブラック・ウィドウは重傷を負い、ホークアイは彼女を連れて逃亡するが、病院に届く前に彼女は行方不明となった。ホークアイはその後、「ストレート・シューター」となることを決意した[10]。
その後ホークアイはエドウィン・ジャービスとその母親を強盗から救出する。ジャービスは感謝の気持ちからホークアイをアベンジャーズ・マンションに招待し、アベンジャーズへの信頼を得られるように努めた[11]。その後ホークアイは旧敵のアイアンマンにより真剣にヒーローになりたがっていることを認められ、キャプテン・アメリカ、クイックシルバー、スカーレット・ウィッチと共にアベンジャーズ入りを表明した[12]。チーム加入直後からホークアイは他のアベンジャーズと対立していた。彼はスカーレット・ウィッチに恋愛感情を抱き、その弟であるクイックシルバーからは敵意を持たれていた。キャプテン・アメリカに対してはそのリーダーシップに反抗していたが、時間が経つにつれて彼を師として尊敬し、友人となった[13]。ソーズマンがアベンジャーズに参加しようとした際、ホークアイは彼のヴィラン時代のことをメンバーに警告した[14]。
ホークアイはアベンジャーズと共に数々の冒険を繰り広げ、自身がヒーローであることを証明した。彼は戦いの最中に故障すると、ヘンリー・ピムから新しいゴライアスの衣裳とアイデンティティを受け継いだ[15]。ホークアイ(ゴライアス)のもとに犯罪組織の幹部となった弟のバーニーが現れた。バーニーはレーザー兵器を作ってアメリカから金を脅し取るというエッグヘッドの計画を知り、アベンジャーズに助けを求めたのであった。アベンジャーズはエッグヘッドとその仲間のマッド・ティンカーとパペット・マスターと対決した。バーニーはその後の戦闘で死亡した[16](後にバーニーは実はFBIのおとり捜査官であったことが発覚する[17])。この直後、エッグヘッドはゴライアスを捕らえるためにソーズマンを雇った。クリントはこれを破って逮捕した。クリー・スクラル・ウォーの後、クリントは新しい衣裳を身につけてホークアイのアイデンティティに復帰した。いくつかの冒険の後、ホークアイはビジョンとスカーレット・ウィッチとの関係からアベンジャーズを脱退した。ホークアイは再びオリジナルの衣裳を身につけ、個人での活動を開始した[18]。
ホークアイはブラック・ウィドウと寄りを戻そうと考え、当時彼女の恋人であったデアデビルと一時対決した[19]。その後は怪物ザザックスと戦うハルクを助けた[20]。彼はドクター・ストレンジのマンションに戻るハルクに付いて行き、一時的にディフェンダーズに参加する[21]。またビジョンとスカーレット・ウィッチの結婚式に参加するために一時的にアベンジャーズに復帰した[22]。またホークアイはトゥ・ガン・キッドとゴーストライダーと共に怪物マンティコアを倒した[23]。
ホークアイはアベンジャーズのメンバーが謎の失踪を遂げるとチームに復帰した[24]。残されていたアベンジャーズは事件がエルダーズ・オブ・ジ・ユニバースのコレクターの仕業であることを突き止める。チームメイトが敗北した後、ホークアイは単独でコレクターを破り[25]、コルバックとの最終決戦のためにチームに合流した[26]。その後ホークアイはアベンジャーズと政府の新たなヘンリー・ピーター・ガイリックの政治的戦略のためにチームを抜け、代わりにファルコンが招かれた。民間の仕事を探すホークアイはクロス・テクノロジカル・エンタープライズに警備長として雇われた。彼は会社と敵対するシャイアのヴィランのデスバード[27]、ミスター・フィアー[28] を倒し、従業員のアンブローズ・コナーズの陰謀を妨害した[29]。ホークアイはその後ムーンドラゴンの「誘導」によりアベンジャーズ・マンションに戻り[30]、短期間だけ再加入した[31]。さらにホークアイはタスクマスターを倒そうとするマルセラ・カーソンを助けるためにカーソン・カーニバルに戻った。彼はアントマンの協力により敵を倒した[32]。その後ホークアイはヘンリー・ピムを救出しようとした際にエッグヘッドを誤って殺害した[33]。
クロス・テクノロジカル・エンタープライズの警備長の仕事に復帰したホークアイは元S.H.I.E.L.D.エージェントでモッキンバードの名でも知られるバーバラ・"ボビィ"・モースと出会った。2人は企業の元所有者のいとこであるクロスファイアが攻撃性を誘発する音響兵器を使ってスーパーヒーローコミュニティを破壊する陰謀を企てていることを突き止める。ホークアイはクロスファイアとの戦いの際に彼の武器に対処するためにソニックアローを使ったことで難聴者となってしまうが、モッキンバードと協力して倒し、その直後に2人は結婚した[34]。当時アベンジャーズに席を置いていたビジョンの方針により、ホークアイ(補聴器を使用)とモッキンバードはロサンゼルスへ移り、アベンジャーズの西海岸支部であるウエスト・コースト・アベンジャーズを設立した[35]。ホークアイとモッキンバードは作戦基地を探している間に刑務所から脱獄したクロスファイアと戦う。彼らは元女優のモイラ・ブランドンの助けにより彼を倒し、彼女の大邸宅は新しいアベンジャーズ・コンパウンドとなった[36]。ウェストコースト・アベンジャーズが過去へ冒険した際、モッキンバードはオールドウエストン・ヒーローのリンカーン・スレイドことファントムライダーに捕らわれる。ファントムライダーはモッキンバードを洗脳し、性的関係を強要する。モッキンバードは洗脳から回復し、戦いの最中に崖から落ちるファントムライダーを見殺しにしてしまう[37]。後にこの事実を知ったホークアイは驚愕する。モッキンバードはウエストコースト・アベンジャーズを去り、ホークアイとの関係は希薄なものとなってしまう[38]。
ホークアイは前師トリックショットから生死をかけた決闘を申し込まれる。ホークアイはしぶしぶながら挑戦を受けて勝利する。トリックショットは癌で死にかけており、決闘による名誉の死を望んでいることを明かす。ホークアイはその望みを叶える代わりに病気の治療費を提供することを約束する[39]。その後クロスファイアがホークアイの右腕に懸賞金を賭けると、ガンが沈静化したトリックショットは元弟子を助けるために現れた。2人の弓術者はモッキンバードと協力し、懸賞金目当てに現れたスーパーヴィランの軍団を倒した[40]。クロスファイアとの戦いの後、ホークアイはファントムライダーとの一件の際に非難したことは誤りであったことをモッキンバードに話し、2人は和解する[41]。ホークアイは犯罪者と戦って撃たれた後に装甲版のコスチュームを身につけ、ロサンゼルスのギャングと戦った[42]。
その後ウエストコースト・アベンジャーズは悪魔メフィストとサタニッシュの間で起こった超常的戦いの最中に捕らえられる。チームは2体の悪魔を倒し、元の世界に送り返そうとした。しかしながらメフィストはブラストで報復攻撃を行い、モッキンバードはホークアイを守るために犠牲となり、彼の腕の中で死亡する[43]。モッキンバードの死を悲しんだホークアイはウエストコースト・アベンジャーズを去り、その直後にチームは解散した[44]。ホークアイは世界から自分自身を隔離するためにカナディアン・ロッキーに独り赴いた。そこで彼はすぐにシークレット・エンパイアと戦いを余儀なくされる。彼はシークレット・エンパイアのリーダーのバイパーと彼女に雇われたスーパーヴィランのジャベリンと彼の旧師であるトリックショットを倒した[45]。
ホークアイはアベンジャーズに復帰し[46]、その直後に彼を含むアベンジャーズはオンスロートとの戦いで命を落とした[47]。しかしながらフランクリン・リチャーズにより彼ら全員はポケット・ユニバースに転送され、それぞれ元とは違う人生を送っていた[48]。ヒーローたちは真実を知ると元の世界へと帰還した。フランクリンは新しい世界でヒーローたちを再創造する際に彼の記憶をベースにしたため、ホークアイの聴力は元通りに回復していた[49]。
ホークアイはアベンジャーズへの所属を続け、タスクマスターとアルビノを倒そうとするアベンジャーズ研修生のジャスティスとファイアスターを助けた[50]。その後ホークアイはバロン・ヘルムート・ジーモが追放された後のサンダーボルツの第一世代の指揮を執るためにアベンジャーズを辞めた[51]。ホークアイは元チームメイトのキャプテン・アメリカの方法論でチームを訓練した。サンダーボルツはマスターズ・オブ・イビル[52]、グラビトン[53]、スカージ・オブ・ザ・アンダーワールド[54] 等と戦った。またホークアイはメンバーのムーンストーンと恋愛関係となった[55]。その後ホークアイとサンダーボルツはモッキンバードの魂を救うために地獄へと旅立つ。彼らは悪魔メフィストを倒すが、モッキンバードを見つけることはできなかった[56]。ホークアイはサンダーボルツに完全な恩赦が与えられるようにするため自ら逮捕される。サンダーボルツの過去の犯罪歴は衣裳を着てヒーロー活動することを辞めるという条件で抹消されることとなるとチームは渋々ながら同意した[57]。その後ホークアイが釈放された時、チームはグラビトンを倒すために戻ってくる。彼らがヒーロー活動をする準備が出来ていると確信したホークアイはシチズンV(実はバロン・ヘルムート・ジーモにコントロールされていた)に指揮権を託してチームを去った[58]。
ホークアイは再度アベンジャーズに入り、メンバーのワスプと短期間だけ恋愛関係にあった[59]。また彼はラオスの古代のアーティファクトを強奪する陰謀を発見したり[60]、旧ソ連大佐の殺害事件を調査するなどの単独活動を行った[61]。発狂したスカーレット・ウィッチが能力を暴走させ、ニューヨーク上空にクリーの軍艦隊が出現するとホークアイはチームメイトを守るために軍艦のエンジンに飛び込んで命を落とした[62]。
スカーレット・ウィッチが世界を改変すると、ホークアイは以前の記憶をなくして復活する[63]。レイラ・ミラーという若いミュータントの能力によってホークアイを含むヒーローたちの記憶が蘇ると、彼はスカーレット・ウィッチの行動を恐れた。ホークアイはワンダを背後から射つが、彼女が再創造した子供の1人によって再度殺される。最終的にスカーレット・ウィッチが世界を元に戻すと、ホークアイは死亡したままであると思われていたが、結成したばかりのニューアベンジャーズが旧アベンジャーズ・マンションでホークアイの死亡記事とコスチュームが彼の弓矢で射抜かれているのを見つける[64]。
ニューアベンジャーズに知られないままホークアイは現実世界に復活を果たしていた。彼はドクター・ストレンジを探し、そして彼は新しい生活の折り合いを付けるまで避難所を提供した。ドクター・ストレンジの助言に従い、ホークアイはワンダゴア山を訪れると記憶とミュータント能力を失って普通の生活を送っていたワンダと再会した。2人は親密な関係となり、その後ホークアイは普通に暮らすワンダを残してワンダゴア山を去った[65]。アメリカに帰国した彼はキャプテン・アメリカ暗殺事件を知る。ホークアイがトニー・スタークに詰め寄ると彼はキャプテン・アメリカの盾と衣裳を与え、その跡を継ぐように言う。ホークアイはその後、自分の名を継いでいたケイト・ビショップの言葉に触発され、スタークの申し出を拒否した[66]。
ホークアイはドクター・ストレンジのもとへ戻り、ニューアベンジャーズと会う。チームがホークアイを誘うと彼はこれを受け、彼らはエコーを救出するため日本へと発つ。この際にクリントはホークアイのアイデンティティを使わず、ローニンの衣裳を着た[67]。初代ローニンであったエコーは自身のアイデンティティを受け継いだクリントを祝福した[68]。その後クリントはケイト・ビショップと再会し、ニューアベンジャーズの隠れ家へと招く。ケイトの弓術能力を確認し、アベンジャーズの精神が受け継がれてることに感銘を受けたクリントはホークアイのコードネームを使い続ける彼女を祝福した[69]。
クリント(ローニン)はニューアベンジャーズと共にスクラルの宇宙船が墜落したサベッジランドへと出発した。墜落した船の中から誘拐されたと主張するヒーローたちが現れ、その中にはモッキンバードも含まれた。クリントは彼女が本物であると思い込んだが、ミスター・ファンタスティックの発明品によって船から出てきたヒーローたちは全員スクラルであることが判明した。後に地球がスクラルとの戦争に勝利した後、クリントは長年スクラルに誘拐されていた本物のモッキンバードと再会した[70]。
クリントは地球に戻ってから生活に適応しようとするモッキンバードを助けた。彼は彼女と共に邪悪な科学者によって作られた「汚い爆弾」を無効化するためにモニカ・ラパチーニとA.I.M.の軍団と戦うためにスペインのザラゴザへ赴いた。クリントとモッキンバードは長年離れていたにもかかわらず的確な連携で戦い、A.I.M.を倒して陰謀を砕いた[71]。
スクラル戦争の終結後、S.H.I.E.L.D.は崩壊し、ノーマン・オズボーンが国家安全保障の権力を握った[72]。オズボーンは以前のチームと同じ衣裳を着たヴィランたちのアベンジャーズを結成し、ブルズアイがホークアイの役を担った[73]。他のニューアベンジャーズと共にテレビでオズボーンのアベンジャーズのニュースを見たクリントは唖然とした[74]。クリントは仮面を脱いでテレビに出演し、公でノーマン・オズボーンとその体制を非難した[75]。彼はその後ニューアベンジャーズの新しいリーダーに選出され、オズボーンとフッドを権力の座から引き下ろすことを最優先事項に掲げる[76]。クリントはオズボーンに勝つ唯一の方法は彼を殺害することであると主張するが、他のメンバーの賛同は得られなかった。彼は単身でアベンジャーズ・タワーに乗り込むがオズボーン殺害に失敗し、背後からアレスの攻撃を受けて逮捕される[77]。クリントは投獄され、メンタロによって拷問を受ける。彼は後にチームメイトによって助けられ、以前の行動について謝罪した[78]。
クリントはシャロン・カーターと違う時間にいたスティーヴ・ロジャースを救出するためにレッドスカルと戦うキャプテン・アメリカ、ファルコン、ブラック・ウィドウを支援した[79]。キャプテン・アメリカはクリントを含むニューアベンジャーズを率いてノーマン・オズボーン軍によるアスガルド侵攻を阻止した[80]。
「シージ」のイベントの後、スティーヴ・ロジャースは新しいアベンジャーズチームを立ち上げた。クリントもこのチームに参加し、再びホークアイのアイデンティティを使った[81]( ケイト・ビショップも引き続いてホークアイを名乗っている[82])。彼とモッキンバードはニューアベンジャーズのメンバーも兼任したが[83]、後にホークアイはアベンジャーズからの緊急コールが入った際、妻と過ごす時間が欲しくて来ていたのだと述べてニューアベンジャーズを離れた[84]。
ホークアイはモッキンバードと彼女の対テロ組織のワールド・カウンターテロリズム・エージェンシー(W.C.A.)を支援した。彼らはクロスファイアによる違法活動を操作し、またリンカーン・スレイドの子孫で後に新たなファントムライダーとなるジェイミー・スレイドと遭遇した[85]。クロスファイアと新ファントムライダーはヒーローと戦うために手を組んだ。彼らとの戦いの結果、クロスファイアによってモッキンバードの母親は重傷を負い[86]、ハミルトン・スレイドは死亡した[87]。ホークアイはモッキンバードとの関係が拗れるとW.C.A.を抜けるが、スティーヴ・ロジャースから国際スパイの抹殺リストにモッキンバードの名前が含まれていることを知らされるとすぐに再合流した[88]。
ホークアイとモッキンバードはブラック・ウィドウと組み、正体不明の新しいローニンとダーク・オーシャン・ソサエティと戦った[89]。後に新しいローニンの正体は元レッドガーディアンでブラック・ウィドウの元夫のアレクセイ・ショスタコヴァであることが判明する[90]。新ローニンとの最後の戦いの際にホークアイは頭部に強い打撃を受ける[91]。ホークアイの頭部へのダメージは当初の想定よりも深刻であり、アベンジャーズがリーサル・リージョンと戦っている間に射撃の命中精度が低下していることが判る。戦いの後、トニー・スターク、ドナルド・ブレイク、スティーヴ・ロジャースは何がそれを引き起こしているかを判明させるためにホークアイを検査する。診断の結果、ホークアイの視力は着実に低下しており、失明に至ることが判る。スタークは失明を遅らせるテクノロジーを提供する。その後瀕死状態のトリックショットがアベンジャーズ・タワーに現れ、ホークアイの前で死亡する[8]。彼を追い詰めた犯人を探すホークアイは新たにトリックショットを名乗る弟のバーニーによって攻撃を受ける[92]。バーニーはなんとかホークアイを倒し、バロン・ジーモのもとへ連行した[93]。ジーモは兄弟を死ぬまで戦わせようとした。ホークアイは失明寸前になりながらもトリックショットを圧倒し、ジーモは逃走した。その後捕らえられたトリックショットはホークアイの視力を回復させるために骨髄移植することに同意した[94]。
「フェアー・イットセルフ」の後、かつてウエスト・コースト・アベンジャーズの本拠地があったパロスベルデスに設置されたアベンジャーズ・アカデミーよりオファーを受けたクリントはそこで教官となった[95]。ホークアイはまた新しいコスチュームを身に纏った[96]。2012年よりホークアイはシークレットアベンジャーズのリーダーとなった[97]。
ピム粒子を使ってゴライアスになっていた期間以外のホークアイは超人的な能力は持っていないが、少年時代のサーカス団での経験やトリックショットとソーズマンからの訓練により人間の限界レベルの剣術、弓術、アクロバティックさを身につけている。使用する弓の弦を引くには250重量ポンド (1,100ニュートン)=112.245kg以上の力を必要とする[98]。
またキャプテン・アメリカにより戦術、格闘技、白兵戦の訓練を受けている。射撃武器のうち特に弓矢を好んで使う彼は改造した「トリックアロー」を愛用している。ローニンとしての活動の際は日本刀やその他の近接武器を使っている。
ホークアイは移動手段として「スカイサイクル」を使用することで知られている。スカイサイクルは商用のスノーモービルにならって作られており、反重力技術の他に、音声運転とオートパイロット機能を備えている。最初のスカイサイクルはホークアイがクロス・テクノロジカル・エンタープライズに雇われていた際にジョージ・レイサムによって作られた[5]。レイサムは後にウエストコースト・アベンジャーズに雇われてスカイサイクルを量産した[99]。
スカーレット・ウィッチが創造した「ハウス・オブ・M」の世界でのホークアイはルーク・ケイジが率いるチームの一員であった。
『マーベルゾンビーズ』の世界でのホークアイはセントリーによって感染させられてゾンビ化した最初のスーパーヒーローのうちの1人であった[100]。他のゾンビと共にマグニートーを襲っている際にホークアイはキャプテン・アメリカの盾によって首を切断されるが生存し、その後40年にわたってそのまま放置されていた。その結果彼は食欲から解放され、普通の人間に発見されて食人したいかを尋ねられた際には「違う、ただ話し相手が欲しい」と答えた。彼はワスプが使っているものと同じロボットの体を提供されてゾンビ軍と戦うが、ハルクによって殺される[101]。
MC2のリミテッドシリーズ『American Dream』では盲人となったクリント・バートンは引退し、ヒーローたちを訓練している[102]。
『オールドマン・ローガン』では高齢となった盲人のホークアイが登場する[103]。この世界のホークアイはピーター・パーカーのアフリカ系アメリカ人の娘と結婚した後に離婚する。彼らの娘のアシュリーは新しいスパイダーガールとなった後に新しいキングピンとなる[104]。
アルティメット・マーベルのホークアイは『アルティメッツ』で初登場した。このホークアイはオリンピック出場経験のあるアーチャーであり、ニック・フューリーに雇われてブラック・ウィドウと共にS.H.I.E.L.D.秘密工作部のリーダーを務め、アルティメッツのメンバーとなった。また恋人のローラとのあいだに3人の子供をもうけていたが[105]、『アルティメッツ2』でブラック・ウィドウが裏切ると殺害されてしまう[106]。リベレイターズの戦いが終了するとホークアイは負傷したブラック・ウィドウが居る病院を突き止め、頭を射抜いた[107]。
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)では、ジェレミー・レナーが演じる[108][109][110][111][112][113][114]。日本語吹替は下記を参照。
本項は、“アース616”(正史の宇宙)におけるクリント/ホークアイを主軸として表記する。
“ホークアイ”のコードネームで呼ばれる[注釈 1]、左利きの天才アーチャー[115][注釈 2]。『マイティ・ソー』と『アベンジャーズ』では“S.H.I.E.L.D.”のエリート・エージェントとして、以降の作品では、“アベンジャーズ”の一員として登場・活躍する[注釈 3]。また、“ザ・ブリップ”の頃には“ローニン”としても活動していた。
「遠くからのほうがよく見える」と嘯いて、目にする対象を遠方から監視するやや風変わりで一匹狼的な側面と、渋いルックスを併せ持ち、アベンジャーズに加入してからも、慎重で僚友たちから一歩引いた位置に身を置くこともある。しかし酒が入ると砕けて皆を笑わせたり、プライベートでは妻のローラと、長男のクーパー、長女のライラ、次男のナサニエルを家族に持つ愛妻家で子煩悩な父でもあり、世間から非難されたアベンジャーズの僚友たちを自宅農場に匿う計らいを見せたり、ウルトロン軍団の猛威に戦意喪失してしまったワンダ・マキシモフ/スカーレット・ウィッチを激励したり、“ソコヴィア協定”に調印してないスティーブ・ロジャース/キャプテン・アメリカたちに、政府から追われる身となることを覚悟して加勢するなど、本質は家族愛や同志愛に溢れるナイスガイである。このことから、「借りがある」と言われているナターシャ・ロマノフ/ブラック・ウィドウ(初代)や、ザ・ブリップ後に出会ったケイト・ビショップ/ホークアイ(2代目)とも性別を越えた親友兼相棒同士の間柄を築いている。
彼は当初、アベンジャーズ候補ではなかったが、ロキによる地球侵攻の際に操られてしまったことを発端に、成り行き上トニー・スターク/アイアンマンやスティーブたちに加勢。ロキや“チタウリ”との決戦に挑んで以降は、アベンジャーズの一員として僚友たちを支えながら戦うヒーローとなる。
超人レベルの肉体とパワーは無いものの、アクロバティックな身のこなしを容易に行う身体能力と、卓越した射撃能力、驚異的な視力・反射神経を持つため[116][117]、弓で放った矢を百発百中で相手に命中させる、或いは外したかに見せかけて何かしらの効果を必ず加えるなど、アーチャーとしての実力は常人をはるかに上回っている。生身での格闘戦・白兵戦能力と、戦地における状況分析能力、潜入と脱出のノウハウも優れており、車両・航空機の操縦すらも難なくこなし、自身にかけられた簡易的な手枷を外すテクニックや、ネオスポリン、綿棒、絆創膏、消毒用アルコールなどの市販の医療品を用いた怪我の適切な応急処置、後述の“トリック・アロー”を自ら組み立てられるほどのエンジニア技能まで、エージェントとして必要不可欠な技能を多数心得ている。また、英語だけでなく片言の日本語や、ある程度の手話といったの言語力も有し、フィンガースナップで弾いたコインを目的に当てる妙技も得意とする[注釈 4]。
このほかにも、ロキに操られた際に“虹彩スキャナー”を使用し、トラックスーツ・マフィアとの戦いではぬいぐるみや、アイスホッケーのスティックも用いている。ビークルでは“クインジェット”2種(S.H.I.E.L.D.の旧型機、アベンジャーズ仕様機)や、“ベネター号”を操縦したほか、ロキに操られた際にハマーH3、浮上したソコヴィアでは市内で乗り捨てられていたと思しきアウディ・A3 カブリオレ、マフィアとのカーチェイスでは、敵のアジトに駐車されていたクライスラー・ニューヨーカー・ブロアム(1977年モデル)を運転している。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』では、スティーブとの戦闘シーンに登場する予定だったが、レナーに他の作品の撮影の契約があり果たされなかった[122]
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』ではレナーは当初出演することを述べていたが[113][114]、完成版には登場せず、スコットと同様、家族のためにサディアス・ロスと司法取引を交わして、本作の期間には自宅軟禁中であることが言及された[123]。
ホークアイは『ウィザード』誌による歴代最高のコミックキャラクターでは45位となった[137]。またIGNの同趣旨のランキングでは44位となった[138]。
2012年より刊行が始まった第4期となる『ホークアイ』のオンゴーイングシリーズではアベンジャーズの「普通の人」であるホークアイがチームに参加していない時の動向に焦点が当てられ、好評を得た。『The A.V. Club』は「How did Hawkeye become Marvel’s best comic?」という題の記事で「長年スパイダーマンはマーベルのスーパーヒーローの普通の人と考えられていたが、このシリーズによってホークアイはその座を奪った」と評した[139]。2013年に『ホークアイ』誌はアイズナー賞で5部門にノミネートされ[140]、カバーアーティスト賞とペンシラーインカー賞を獲得した[141]。またハーベイ賞では7部門にノミネートされて1部門で受賞を果たした[142]。翌2014年に『ホークアイ』はアイズナー賞で5部門にノミネート[143] て2部門で受賞を果たし[144]、またハーベイ賞では5部門にノミネートされて1部門で受賞を果たした[145][146]。
タイトル | 収録内容 | 出版日 | ISBN |
---|---|---|---|
Hawkeye | Hawkeye Vol.1 #1–4 | 1988年6月 | 978-0871353641 |
Avengers: Hawkeye | Hawkeye Vol.1 #1–4, Tales of Suspense #57, Marvel Super Action #1, Avengers #189, Marvel Team-Up #95 | 2010年3月 | 978-0785137238 |
New Avengers: The Reunion | New Avengers: The Reunion #1–4, Dark Reign: New Nation #1 | 2010年3月 | 978-0785138556 |
Hawkeye & Mockingbird: Ghosts | Hawkeye & Mockingbird #1–6, Enter the Heroic Age #1 | 2011年11月 | 978-0785144182 |
Widowmaker | Widowmaker #1–4 | 2011年4月 | 978-0785152057 |
Hawkeye: Blindspot | Hawkeye: Blindspot #1–4 | 2011年7月 | 978-0785156000 |
Avengers: Hawkeye: Earth's Mightiest Marksman | Hawkeye Vol. 2 #1-4, Hawkeye: Earth's Mightest Markestman #1; Material from Marvel Comics Presents #159-161 | 2012年2月 | 978-0785159391 |
Avengers: Hawkeye Solo | Avengers Solo #1-5 | 2012年4月 | 978-0785160717 |
Hawkeye, Vol. 1: My Life as a Weapon | Hawkeye Vol. 4 #1-5, Young Avengers Presents #6 | 2013年3月 | 978-0785165620 |
Hawkeye, Vol. 2: Little Hits | Hawkeye Vol. 4 #6-11 | 2013年6月 | 978-0785165637 |
Hawkeye, Vol. 3: L.A. Woman | Hawkeye Vol. 4 #14, 16, 18, 20, Annual #1 | 2014年10月21日[147] | 978-0785183907 |
Hawkeye, Vol. 1 Hardcover | Hawkeye Vol. 4 #1-11, Young Avengers Presents #6 | 2013年11月 | 978-0785184874 |
タイトル | 収録内容 | 出版日 | ISBN |
---|---|---|---|
ホークアイ: マイ・ライフ・アズ・ア・ウェポン | Hawkeye Vol. 4 #1-5, Young Avengers Presents #6 | 2014年8月 | 978-4796875233 |
ホークアイ:リトル・ヒッツ | Hawkeye Vol.4 #1-11 | 2015年8月 | 978-4-7968-7556-1 |
ホークアイ:L.A.ウーマン | Hawkeye annual
Hawkeye Vol.4 #14,#16,#18,#20 |
2015年11月 | 978-4-7968-7567-7 |
ホークアイ:リオ・ブラボー | Hawkeye Vol.4 #17,#12,#13,#15,#19,#21,#22 | 2016年4月 | 978-4-7968-7583-7 |
ホークアイ vs.デッドプール | #0,#1,#2,#3,#4 | 2016年5月 | 978-4-7968-7596-7 |
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