ヴィジョン (マーベル・コミック)
マーベル・コミックのキャラクター ウィキペディアから
マーベル・コミックのキャラクター ウィキペディアから
ヴィジョン(Vision)は、マーベル・コミックの出版作品に登場する架空のスーパーヒーローおよびアンドロイド。『The Avengers』#57(1968年10月)で初登場したアベンジャーズのメンバー。マーベル・シネマティック・ユニバースでは『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』で初登場した。日本では原作においてはビジョンとも表記される[1]。
ヴィジョン Vision | |
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出版の情報 | |
出版者 | マーベル・コミック |
初登場 | 『The Avengers』#57 (1968年10月) |
クリエイター | ロイ・トーマス スタン・リー ジョン・バスセマ |
作中の情報 | |
所属チーム | アベンジャーズ ウェスト・コースト・アベンジャーズ アベンジャーズA.I. ディフェンダーズ |
著名な別名 | ヴィクター・シェイド |
能力 |
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マーベルの前身のタイムリー・コミックスの同名のキャラクター「The Vision」におおむね基づいている。
最初のヴィジョンは、ジョー・サイモンとジャック・カービーの作家チームによって『Marvel Mystery Comics』#13(1940年11月)で初登場した。ヴィジョンは現在のようなアンドロイドではなく別次元から来たピースオフィサーで、1930年代から1940年代にかけてアメリカン・コミックの黄金時代を築いたマーベルの前身のタイムリー・コミックスから出版されていた。
数十年後、作家スタン・リーとロイ・トーマスは、アベンジャーズに新しいメンバーを追加することを決めた。トーマスは黄金時代のヴィジョンを取り入れようとしていたが、スタン・リーはアンドロイドのメンバーを入れようとしていた。トーマスは最終的に、アンドロイドのヴィジョンという新しいキャラクターを作り出し折衷案となった[2]。この新しいヴィジョンは『The Avengers』#57(1968年10月)に初登場した。トーマスは、ヴィジョンのぼんやりとした名前にふさわしいような白いキャラクターにしたいと考えたが、当時の印刷技術の制限もあったため、紙面でインクが乗らない部分を使い無色の肌となった。その後、ハルクのような緑や、アトランティス(ホモ・マーマナス)のような青を避け、最終的に赤い肌に落ち着いた[3]。スタートレックのスポックと比較されることがあったが、トーマスは当時のテレビシリーズをほとんど知らなかったと語っている[4]。ただし、ロボットのキャラクターを機械的ではなく同情的なものにした先駆者のアダム・リンクとオット・バインダーの影響を受けていることは認めている[4]。
『The Avengers』#75(1970年4月)では、スカーレット・ウィッチ(ワンダ)がチームに加入し、すぐにヴィジョンとの恋愛関係が描かれた。トーマスは「ワンダのアベンジャーズでのキャラクターを掘り下げるために何らかのロマンスが役立つと考えた。ヴィジョンはワンダと同じマガジンにしか登場していなかったため、最終候補だった。そういった実用的な事情で彼らはペアになった。ヴィジョンが“人間”になろうとする良い要素でもあった」と述べている[2]。トーマスはさらに、ヴィジョンはアンドロイドのヒューマン・トーチ(ファンタスティック・フォーのヒューマン・トーチとは異なる)から生み出されたキャラクターというアイデアを思い付いたが、『The Avengers』#93で曖昧な手がかりを残すだけに留まり、そのままシリーズの担当を去ることとなった。最終的に『The Avengers』#134-135で設定が活かされた。当時の作家スティーヴ・エングルハートは「そのプロットは社内で長年よく知られていたが、トーマスやニール・アダムズの時には活かす機会がなかったので、僕の担当時にそのトーマスの贈り物を活かした」と語っている[5]。
1972年、クリー・スクラル・ウォーからの巨大偵察ロボットが現れてヴィジョンの脳波を妨害する『マーベル・チームアップ』#5("A Passion of the Mind")にて、ヴィジョンはスパイダーマンとともに登場した。
『Giant-Size Avengers』#4(1975年6月)にて、ヴィジョンとスカーレット・ウィッチは結婚した。さらにこのカップルは、ビル・マントロとペンシラーのリック・レオナルディによる期間限定シリーズ『The Vision and the Scarlet Witch』#1-4(1982年11月 - 1983年2月)にも登場した。これに続き、スティーヴ・エングルハートとペンシラーのリチャード・ハウエルによる続刊の#1-12(1985年10月 - 1986年9月)では、スカーレット・ウィッチは魔法の力によって、ヴィジョンとの子とされる双子の男の子を生み出した。
作家のジョン・バーンによる『West Coast Avengers』#42-45("Vision Quest"、1989年3月 - 6月)では、彼の初期の「人造人間」としての描写が抽出され、アンドロイドの性質が強調された。
その後、作家のボブ・ハリスとペンシラーのマニー・クラークによるヴィジョンの単独シリーズ『Vision』#1–4(1994年11月 - 1995年2月)が制作された。そのおよそ10年後、作家のジェフ・ジョーンズとペンシラーのアイヴァン・レイスによる続刊(2002年10月 - 2003年1月)が制作された。
2005年4月から2006年8月まで12号を発行したシリーズ『ヤング・アベンジャーズ』では、シンセゾイドのヴィジョンのプログラムファイルと、アイアンラッドの装甲と精神エングラムを組み合わせた新しいヴィジョンが登場した。
2010年から2013年の『アベンジャーズ』シリーズでは、#19(2012年1月)から最終号の#34(2013年1月)までレギュラーキャラクターとして登場した。
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マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)では、ポール・ベタニーが演じる[6][7]。日本語吹替は加瀬康之が担当。
MCUでは現在のところ、“アベンジャーズ”の一員であるオリジナルのヴィジョンと、『ワンダヴィジョン』に登場する2種のヴィジョン(“カオス・マジック”で創造されたヴィジョン、オリジナルのボディを改造されて造られた“ザ・ヴィジョン”)が登場している。
3種のヴィジョンは別々の個体だが、常人とは明らかに異なる人相、アベンジャーズのヒーローたちのものを模倣した[8]シンプルなデザインのコスチュームとケープ[注釈 1]に身を包み、両腕に装備されたガントレット、意識を集中させるために搭載された頭部のヘッドカバー[8]は共通している。声色もオリジナルの前身であったトニー・スターク/アイアンマンをサポートする人工知能“J.A.R.V.I.S.(ジャーヴィス)”のものであり、飲食ができない点も同様である。
3種のヴィジョンは、両腕だけで“ウルトロン・セントリー”を容易く真っ二つに引き裂き、ジャイアントマンへと巨大化したスコット・ラング/アントマンの体勢を崩せるほどの体当たりを放つなどの超人的なパワーを頑強なヴィブラニウム製ボディに有しており、加えてマインド・ストーンに由来する以下の多彩な特殊能力を駆使して戦う。
専用の武装はないものの、ヴィジョン(オリジナル)はウルトロンとの決戦でもソーが落としたムジョルニアを持ち上げて振るい、“ワカンダ”での戦いでは、コーヴァス・グレイヴの槍斧を逆利用して相手を倒した。
『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』には直接の登場は無いものの、冒頭の“ミッドタウン高校”のニュースチャンネルで、アベンジャーズのヒーローたちの追悼映像に映っており、本作の時点でサノスの手にかかり死亡した事実が世間に周知されているように描写されたが、同時に取り上げられたトニー、スティーブ、ナターシャと異なり画質が粗い写真が映された。
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