スクート

シンガポールの航空会社 ウィキペディアから

スクート

Scoot (スクート)は、シンガポールにあるシンガポール・チャンギ国際空港拠点に運航している格安航空会社で、スクート・タイガーエア・プライベート・リミテッド[1](Scoot Tigerair Pte Ltd)のブランド。シンガポール航空グループ。

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ボーイング787-8型機

歴史

2011年6月17日、シンガポール・エアラインズ・リミテッド(シンガポール航空)の出資により、長距離国際線を運航する格安航空会社「SCOOT(スクート)」運営のため Scoot Pte Ltd を設立。同じくシンガポール航空の出資によりすでに就航していた格安航空会社のタイガーエアは短距離路線の運航に限られていた。

「SCOOT」は英語で「走り出す」といった意味で、シンガポールでの話者が多い中国語では「クールだ」という意味を持つ「酷」を含む「酷航」となる。

2012年6月4日に、シドニー線で初就航[2]

2013年には「Terrapinn Holdings」が発表した、アジアの「ベスト ローコスト キャリア」に選出された[3]

2013年12月、タイノックエアと共同で、中・長距離線を運航する格安航空会社ノックスクートを設立した。[4]

2014年秋には、ボーイング787-9型機の運航を開始した。日本線への投入も1〜2番目になると、CEOキャンベル・ウィルソンが明かしている[5]

タイガーエアとの統合

2016年11月4日にタイガーエアとのブランド統合が発表され、2017年7月25日より「スクート」ブランドへ一本化された[6][7][8][9]

スクートがタイガーエアに統合される形となり、社名はスクート・タイガーエア・プライベート・リミテッド、運航ブランドはスクートとなる。7月14日、タイガーエア・シンガポール(後のスクート・タイガーエア)は日本の国土交通省より外国人国際航空運送事業の経営が許可された[10]。統合と同時に、IATA航空会社コードが TZ から TR に変更された。

近況

2020年2月、新型コロナウイルス感染拡大のため、中国路線をはじめに多数の便を運休。

2020年12月末までに、機内での飲食の注文、免税品の購入、機内エンターテインメントなどのサービスを、旅客の携帯端末からアクセスできる機内ポータル「ScootHub」の運用を段階的に開始[11]

2021年4月、衛生安全基準調査「APEX Health Safety」において、格安航空会社としては唯一となる、最高レベルの評価を獲得した[12]

2024年4月11日にエンブラエルE190-E2型機を初受領し、シンガポール-クラビ線に投入した。東南アジアの航空会社によるE190-E2導入は初。また、シンガポールの航空会社によるブラジル製航空機の導入も初[13]

日本との関係

さらに見る 便名, 路線 ...
スクート 日本への運航路線
便名 路線 機材 コード

シェア

TR808/809 シンガポール 直行便 東京/成田 SQ
TR874/875 台北/桃園経由
TR898/899
TR820/821 直行便 大阪/関西
TR892/893 台北/桃園経由 札幌/新千歳
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日本との歴史

  • 2012年10月29日、シンガポール-台北/桃園線を、台北経由東京/成田行きに延伸し、日本初就航[14]
  • 2015年7月8日、ドンムアン国際空港経由の大阪/関西線に就航[15]
  • 2015年7月9日、高雄経由の関西線に就航[15]
  • 2016年7月21日、ドンムアン国際空港経由の東京/成田線に就航[16]
  • 2016年10月1日、台北/桃園経由の札幌/新千歳線に就航[17][18]
  • 2017年12月19日、関西経由ホノルル線就航に伴い、関西へ直行便乗り入れ開始[19]
  • 2019年5月7日、関西経由ホノルル線運休[20]
  • 2019年9月15日、ドンムアン経由関西線を運休[21]
  • 2020年2月16日から、台北経由の成田線を、週12便から毎日2便の週14便まで増便。
  • 2020年9月、新型コロナウイルスの影響で運休していた日本路線を再開し、9月9日から、成田-台北経由-シンガポール線を週1便、続いて9月19日(土)から、関西-高雄経由-シンガポール線を週1便で再開。
  • 2021年6月5日より、成田空港の発着ターミナルを、第2ターミナルから第1ターミナル南ウイングに変更[22]
  • 2021年7月1日より、成田-台北経由-シンガポール線を週1便から週4便に増便。
  • 2022年8月1日から、成田線の直行便を開設[23]
  • 2022年9月1日から関西線の直行便を再開[23]
  • 2022年11月1日から、新千歳線の運航を再開。経由便と直行便をあわせて毎日運航する[24]
  • 2022年10月30日から、週4便の台北経由の成田線、週5便の直行の関西線を、ともにデイリー運航に増便。

保有機材

さらに見る 機種, 運用機数 ...
スクート 保有機材(2025年3月現在)[25][26]
機種 運用機数 発注残数 旅客席数 備考
J Y
エアバスA319neo 2
エアバスA320 18 180 180
エアバスA320neo 6 35 186 186
エアバスA321neo 9
ボーイング787-8 11 21 314 335
18 311 329 長距離運用対応クルーレスト装備
ボーイング787-9 10 35 340 375
エンブラエル190-E2 5
Total 61 35
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退役機材

特別塗装機

就航都市

さらに見る スクート 就航都市(2017年9月 現在) ...
スクート 就航都市(2017年9月 現在)
都市 空港 備考
東南アジア
シンガポールの旗 シンガポール シンガポール シンガポール・チャンギ国際空港 ハブ空港
タイ王国の旗 タイ バンコク ドンムアン空港 2014年9月1日より
スワンナプーム国際空港
チェンマイ チェンマイ国際空港
ハートヤイ ハートヤイ国際空港
プーケット プーケット国際空港
クラビー クラビー空港
 ベトナム ハノイ ノイバイ国際空港
ホーチミン市 タンソンニャット国際空港
フィリピンの旗 フィリピン マニラ ニノイ・アキノ国際空港
クラーク経済特別区 クラーク国際空港
セブ マクタン・セブ国際空港
カリボ カリボ国際空港
マレーシアの旗 マレーシア クアラルンプール クアラルンプール国際空港
ペナン ペナン国際空港
クチン クチン国際空港
ランカウイ ランカウイ国際空港
イポー スルタン・アズラン・シャー空港
クアンタン スルタン・アマッ・シャ空港
インドネシアの旗 インドネシア ジャカルタ スカルノ・ハッタ国際空港
デンパサール ングラ・ライ国際空港
スラバヤ ジュアンダ国際空港
バリクパパン スルターン・アジ・ムハンマド・スレイマン空港
プカンバル スルタン・シャリフ・カシム2世国際空港
東アジア
中華人民共和国の旗 中国 天津 天津浜海国際空港
南京 南京禄口国際空港
青島 青島流亭国際空港
瀋陽 瀋陽桃仙国際空港
広州 広州白雲国際空港
杭州 杭州蕭山国際空港
大連 大連周水子国際空港 青島経由
海口 海口美蘭国際空港
西安 西安咸陽国際空港
無錫 蘇南碩放国際空港
南寧 南寧呉圩国際空港
寧波 寧波櫟社国際空港
鄭州 鄭州新鄭国際空港
深圳 深圳宝安国際空港
済南 済南遥墻国際空港
泉州 泉州晋江国際空港
南昌 南昌昌北国際空港
中華民国の旗 台湾 台北 台湾桃園国際空港
高雄 高雄国際空港
香港の旗 香港 香港 香港国際空港
マカオの旗 マカオ マカオ マカオ国際空港
日本の旗 日本 東京 成田国際空港 直行、台北/桃園国際空港経由で各週7便、計週14便
大阪 関西国際空港 高雄国際空港、バンコク/ドンムアン空港経由で各週3便、計週6便
札幌 新千歳空港 台北/桃園経由で週3便
大韓民国の旗 韓国 ソウル 仁川国際空港 台北/桃園経由便
南アジア
インドの旗 インド チェンナイ チェンナイ国際空港
アムリトサル アムリトサル国際空港
コーチ コーチン国際空港
バンガロール ケンペゴウダ国際空港
ハイデラバード ラジーヴ・ガンディー国際空港
ラクナウ アマウシ空港
ティルチラーッパッリ ティルチラーッパッリ空港
バングラデシュの旗 バングラデシュ ダッカ シャージャラル国際空港
モルディブの旗 モルディブ マレ ヴェラナ国際空港
中近東
サウジアラビアの旗 サウジアラビア ジェッダ キング・アブドゥルアズィーズ国際空港
ヨーロッパ
ギリシャの旗 ギリシャ アテネ アテネ国際空港
ドイツの旗 ドイツ ベルリン ベルリン・テーゲル空港
オセアニア
オーストラリアの旗 オーストラリア シドニー シドニー国際空港
メルボルン メルボルン空港
ゴールドコースト ゴールドコースト空港
パース パース空港
運休・廃止路線
アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ホノルル ダニエル・K・イノウエ国際空港 大阪/関西経由
2019年5月7日をもって運休[20]
ミャンマーの旗 ミャンマー ヤンゴン ヤンゴン国際空港 2017年10月29日よりシルクエアーに移管
インドの旗 インド ジャイプル ジャイプル国際空港
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サービス

  • ScooTV - 機内WiFiを利用した、有料のオンデマンド放送サービス[30]
  • スクート・スルー : シンガポール・チャンギ国際空港でスクート、シンガポール航空シルクエアの一部路線に乗り継ぐ場合、追加料金で制限区域内での乗継チェックインができる[31]。この際、シンガポールへの入国審査は必要ない。
  • Scoot-in-Style : ラウンジの利用、優先搭乗サービスが有料で利用できる[32]

機内クラス

エコノミークラス

3-3-3配列で、機内食は有料である[33][34]。運賃は、座席のみのフライ、座席と受託手荷物20kgがセットになったフライバッグ、フライバッグに機内食と飲料がセットになったフライ・バッグ・イートの3種類ある。シートのリクライニング幅は15cm。
  • スタンダードシート:平均31インチ(約79cm)のシートピッチに、シート幅18インチ(約46cm)と、大手の航空会社と大差ない。
  • スーパーシート:シートピッチは34インチ(約86cm)で、可動式ヘッドレストを装備。
  • ストレッチシート:機内を仕切る壁の後ろにある座席。シートピッチは最小で34インチ(約86cm)以上あり、足元はスタンダードシートと比較して最大50%も広い。可動式ヘッドレストを装備。
  • サイレントゾーン:機内前方に設定されている、12歳未満の利用は出来ないエリア。全席に可動式ヘッドレストを装備し、一部機材を除きスーパーシートやストレッチシートも選択が可能。また、到着時には優先的に降機出来る。
  • 隣席購入サービス : 隣席を2席まで購入し、空席にできるサービス[35]

スクートビズ

2019年9月2日より、スクートプラス(ScootPlus)に名称変更予定[36]
ボーイング787運航便で利用できるビジネスクラス。受託手荷物は30kgまで預けることが可能で、機内持込手荷物は2つ(合計最大15kg)まで持込みが可能。優先的にチェックインと、搭乗案内がされる。ウェルカムドリンクとアルコールドリンクをそれぞれ1つ追加で提供され、機内食は無償である。機内では、Wi-Fiが30MBまで無償で利用できる。到着時も優先的に降機出来る[37]
  • シートはエコノミークラスと違い、レザーシートで2-3-2配列。シートピッチは最小96cm、シート幅は56cm、リクライニング幅は20cm。パソコン用電源、完全可動式ヘッドレスト、レッグレストを装備している。

脚注

関連項目

外部リンク

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