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『ジャワの踊り子』(ジャワのおどりこ)は、宝塚歌劇団のミュージカル作品。菊田一夫作。1952年初演。1982年、2004年に再演された。芝居メインの作品だが、タイトルには「グランド・レビュー」と冠されている。インドネシアの独立のために倒れた若者たちの恋を描く。
第二次世界大戦終戦後のオランダ領インドネシア。傀儡王朝の王宮では王を慰めるため、華やかに歌と踊りが繰り広げられている。花形の踊り子(男性)はアリ・アディナン。踊りのパートナーで恋人のアルヴィアと共に王妃のお気に入りの踊り子だった。その一方でアディナンは、独立運動のリーダー:通称マタハリだった。
そこへ、踊り子の中に"マタハリ"がいるという疑惑により、オランダ政庁の警察総監ポールが、部下でインドネシア人の刑事ハジ・タムロンと共に王宮を訪れる。同様の疑惑によりアルヴィアの弟オースマンが王宮から追放されたばかりであり、今回も王妃が激怒したため事なきを得るが、タムロンはアディナンを疑う。
アディナンとアルヴィアは王妃のとりなしで婚約する。だがその喜びもつかの間、アディナンは彼を呼ぶ歌声を聞き、一人王宮を出て行く。アルヴィアは、ポールの現地妻にならないかと王から打診されており、アディナンが去ったことを悲しむ。
オースマンは、雨の夜、以前助けた娘:アミナと再会し恋仲になった。独立運動の志士達との会合にもアミナを伴うようになる。彼女の提案により、彼女が王宮のアルヴィアを連れ出すこととなった。
花祭りの夜。アルヴィアはアミナと共に王宮を脱出。無事アディナンと再会する。しかしタムロンとその部下達が後を追ってくる。祭りにかこつけて集まっていたアディナンと仲間達は、踊りの喧騒の中、興奮した群集にまぎれてタムロンたちを上手く撒き、いずこかへと姿を消した。
オースマンとアミナは、キャバレーのショースターとなって潜伏していた。客を装ってやってくる同志達と密談を交わす。だがそこには警察の女スパイ、欧亜混血のギャビィも潜入していた。ギャビィの罠にかかり、アミナを除いてオースマンたちは全員逮捕される。
その頃、アディナンとアルヴィアは無人の小島に隠れ住み、二人だけの幸せにあふれる日々を送っていた。そこへ逮捕した仲間から情報を得たタムロンが追って来る。折からの嵐の中、アディナンとタムロンは死闘を繰り広げ、タムロンが海へ転落。アディナンはアルヴィアの制止の声を振り切って、嵐の海へ飛び込み彼を助ける。翌朝、アルヴィアはタムロンの殺害を試みるが、アディナンがそれを制する。アディナンを逮捕すべき敵としか見ていなかったタムロンは号泣する。
小島での事件以来タムロンは、インドネシア人として、オランダ政庁の警官としての立場で板挟みとなり苦悩していた。追い討ちをかけるように、オースマン達が脱獄。タムロンはポールに、自分が責任を持ってアディナンたちを取り押さえると、宣言せざるをえなかった。
アルヴィアは今は実家に軟禁されている。独立義勇軍蜂起の準備に忙しいアディナンとはなかなか会えず、嫉妬と疑心暗鬼に苛まれていた。それをたくみについたギャビィとタムロンの罠にかかり、アルヴィアはタムロンに彼の潜伏先を教えてしまう。姉に会いに来たオースマンは怒り、アルヴィアも自分の浅慮に呆然とする。アルヴィアは、アディナンの身の自由と安全を条件に、ポールとの結婚を承諾する。
ポールとアルヴィアのささやかな結婚式の日。政庁に総監のいない隙を突いて独立義勇軍が蜂起。街は戦闘状態に陥る。アディナンはポールの手からアルヴィアを奪還。第三国に保護を求めるために混乱した街の中を逃げる。ついに二人はある国の大使館の門前で、警官隊に包囲される。ポールの命令により、タムロンが銃を撃つ。二人はその場に倒れる。
そこへオースマン達が駆けつけ、オランダ政庁と独立義勇軍のあいだに休戦協定が成立しインドネシアは独立したことを告げる。それを聞いたタムロンは自ら命を絶ち、ほどなくアディナンとアルヴィアは仲間達に見守られながら、静かに息絶えた。
形式名は「宝塚グランド・レビュー[3]」。2部30場[3]。
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