サッカースペイン女子代表
スペインの女子サッカーナショナルチーム ウィキペディアから
サッカースペイン女子代表(サッカースペインじょしだいひょう)は、スペインサッカー連盟(RFEF)による女子サッカーのナショナルチームである。
サッカースペイン女子代表 | |||
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国または地域 | スペイン | ||
協会 | スペインサッカー連盟(RFEF) | ||
大陸連盟 | UEFA | ||
FIFAコード | ESP | ||
愛称 | La Roja(The Red) | ||
監督 | モンセラート・トメ | ||
キャプテン | イレーネ・パレデス | ||
最多出場選手 | アレクシア・プテジャス(127試合) | ||
最多得点選手 | ジェニフェル・エルモソ(57得点) | ||
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初の国際試合 | |||
1983年2月5日 スペイン 0-1 ポルトガル スペイン、ラ・グアルディア | |||
最大差勝利試合 | |||
1994年3月20日 スペイン 17-0 スロベニア スペイン、パラモス | |||
最大差敗戦試合 | |||
1996年6月2日 スペイン 0-8 スウェーデン スペイン、ガンディア | |||
女子W杯 | |||
出場回数 | 3回 (初出場は2015) | ||
最高成績 | 優勝 (2023) | ||
UEFA女子選手権 | |||
出場回数 | 4回 | ||
最高成績 | ベスト4 (1997) | ||

概要
要約
視点
男子代表と同じく、多くのパスを繋いで崩す攻撃スタイルを確立しており、女子ワールドカップのメンバーを見ても代表選手の大半はバルセロナとレアル・マドリード出身で固められている。
2015年カナダ大会で初出場を果たすと、2019年フランス大会ではラウンド16に進出したが大会女王のアメリカに敗退。2020年代から徐々に、女子サッカーにおける世界での地位を上げて、2023年オーストラリア/ニュージーランド大会前はFIFAランキング6位まで登りつめた。
同国の女子サッカーが急成長出来た理由について、エスパニョールでのプレー経験のある山本摩也は「スペインが強くなった要因はいくつかあると思っていて。6〜7年かけて女子サッカー選手の地位や環境を変えようと、選手主体で訴えかけてきたこと。国自体も、女子サッカーにお金を使うようになってきたこと。メディアなどの露出が増えてきたことなども挙げられると思う。」「サッカー面で言うと、何年か前から本格的にバルセロナ(≒代表)がフィジカル強化を始めたことや、外国から良い選手を取るようになったことなども挙げられると聞いたことがある。」等と語った[1]。
実情としては同国のリーグではバルセロナの一強とその他のチームという構造が出来上がっているものの、そのバルセロナが欧州で結果を出したり、アレクシア・プテジャスの様なバロンドーラーを輩出したり、男子チームが使用する大きいスタジアムのカンプ・ノウ(ホームスタジアム)を使用した時に完売させたりと、派手なニュースを出しているのも、スペインは強いという印象を世界に与えられている要因と指摘した。
日本女子代表とはU-17女子ワールドカップ、U-20女子ワールドカップなどアンダー世代での対戦も多い。
2023年7月31日、日本は2022年のワールドカップと2023年の女子ワールドカップで男女同時期にワールドカップでスペインに勝利した国となった[2][3]。
2023 FIFA女子ワールドカップ
2023 FIFA女子ワールドカップを前に、前年から代表招集を拒否していたオナ・バジェ、アイタナ・ボンマティ、マリオナ・カルデンテイ、UEFA女子EURO 2022直前の前十字靭帯断裂により長らく代表のピッチから遠ざかっていたアレクシア・プテジャスがチームに復帰。
グループCに入り、初戦でコスタリカ、第2節でザンビア、最終節で日本と対戦する組み合わせとなった。初戦のコスタリカ戦を3-0で快勝すると、続くザンビア戦でも5-0の快勝で日本と共に大会史上最速で決勝トーナメント進出を決めた[4][5]。負け以外で1位通過が決まる最終節の日本戦では、前半12分に失点するとその後も29分・40分と立て続けに失点し、82分にも田中美南のゴールで4点目を奪われて0-4で敗戦。日本に逆転され2位での通過となった[6]。
そうして迎えた決勝トーナメント1回戦では前半11分にライア・コディナのオウンゴールで失点するも5-1の勝利で初のベスト8進出を決めると、準々決勝のオランダ戦も延長戦にもつれ込む戦いとなったが2-1で勝利し初のベスト4入りを決める[7]。準決勝のスウェーデン戦は81分にサルマ・パラジュエロが先制ゴールを決め、初の決勝進出に一歩近づく。88分にスウェーデンのレベッカ・ブロンクビストのゴールによって一時は同点に追いつかれるも、直後にオルガ・カルモナが勝ち越しゴールを決め、2-1で勝利し初の決勝進出を決めた[8]。
史上初の女子ワールドカップ優勝を賭けて挑んだ決勝はスペインと同じく初の決勝進出を果たしたイングランドと対戦し、前半29分にキャプテンのオルガ・カルモナが先制ゴールを決め、初の優勝に一歩近づく。後半にジェニフェル・エルモソのPKはイングランドのGKメアリー・アープスに止められるも、最後まで相手に得点を与えないまま13分に及ぶアディショナルタイムも相手の攻撃を防ぎ切り、1-0で勝利したことで悲願の女子ワールドカップ初優勝を決めた。これにより、スペインは2018 FIFA U-17女子ワールドカップ・2022 FIFA U-20女子ワールドカップ・2023 FIFA女子ワールドカップの3つの大会で優勝したことで、女子サッカー史上2か国目となるFIFA主催の3つの世界選手権大会を全て制した国となった[9][10](なお、2022 FIFA U-17女子ワールドカップでは史上初の連覇を達成している)。
連盟と選手の対立
2015 FIFA女子ワールドカップを終えてカナダから帰国する直前、23人の選手たちがイグナシオ・ケレダ監督の退任を要求する声明を出した[11][12]。当時のスペインサッカー連盟会長アンヘル・マリア・ビジャールはこの要求を拒否するも、選手たちが招集拒否を宣言し全面対決の姿勢を示したため、2015年7月30日、27年間もの長期政権を築いていたケレダは解任された[13]。
UEFA女子EURO 2022終了後の2022年8月、選手たちがスペインサッカー連盟会長ルイス・ルビアレスにホルヘ・ビルダ監督の更迭を直訴するも、連盟は「監督の任免権は連盟のものであり、選手にはない」として訴えを退けた[14]。
すると翌月、ライア・アレシャンドリ、オナ・バジェ、アイタナ・ボンマティ、マリオナ・カルデンテイ、ネレア・エイサギレ、ローラ・ガジャルド、ルシア・ガルシア、パトリ・ギハロ、マピ・レオン、アイノア・モラサ、レイラ・ウアハビ、サンドラ・パニョス、アンドレア・ペレイラ、クラウディア・ピナ、アマユール・サリエギの15名がスペインサッカー連盟に対し、代表招集を辞退する旨をメールで通達[15]。以後、上記15名の代表招集は見送られることとなった。
選手とスペインサッカー連盟の対立は2023 FIFA女子ワールドカップ表彰式でのルビアレス会長によるセクハラ騒動で再燃し、今度は81名の女子選手が現行体制での代表参加を拒否。9月25日、スペインサッカー連盟は緊急総会を開き、ルビアレス会長は「私は辞めない。偽りのフェミニストたちが私を殺そうとしている」と主張した[16][17]。
しかし、事態を重く見たFIFA(国際サッカー連盟)規律委員会や政府などの介入もあり、9月5日、スペインサッカー連盟はビルダ監督の解任を発表[18]。9月10日にはルビアレス会長の辞任が発表された[19]。
アシスタントコーチから昇格する形で就任したモンセラート・トメ新監督は、9月18日にUEFA女子ネーションズリーグ2023-24に向けた代表メンバーを発表するも、選手側は代表チームでの待遇改善を求めてボイコット継続を表明。19日の夜から20日の早朝にかけて連盟、選手、スポーツ上等委員会(連盟の監督機関)の三者会談が行われ、ようやく合意に達した。パトリ・ギハロ、マピ・レオンは代表から離脱したものの、9月22日のスウェーデン戦(イェーテボリ)は無事開催された[20]。
五輪初出場
UEFA女子ネーションズリーグ2023-24でスペインはリーグA(グループA4)に入り、イタリアとのホームゲームに2-3で逆転負けするも、1位で決勝ラウンド進出を決める。準決勝は2019 FIFA女子ワールドカップ準優勝のオランダと対戦し、2023 FIFA女子ワールドカップ優勝メンバーのジェニフェル・エルモソ、アイタナ・ボンマティ、オナ・バジェの活躍で3-0で勝利し、悲願の女子オリンピック初出場を決めた。決勝のフランス戦も2-0で勝利しUEFA女子ネーションズリーグ初優勝を果たした。
2024 パリオリンピック
直前のUEFA女子EURO 2025予選から、新体制後も代表招集を拒んでいたパトリ・ギハロが復帰。
初出場となった2024 パリオリンピックはグループCに入り、初戦で2023 FIFA女子ワールドカップ・グループステージ第3戦で0-4と大敗した日本と対戦。前半13分に藤野あおばのFKで先制されるも、22分にアイタナ・ボンマティのゴールで追いつくと、74分にマリオナ・カルデンテイのゴールで逆転勝利し、点差以上の圧倒的な実力差を見せつけるとともに、2023 FIFA女子ワールドカップで敗れたリベンジを果たした[21][22]。この逆転勝利の勢いそのままに、続くナイジェリアとブラジルにも勝利してグループステージ3連勝で決勝トーナメントに進出した[23]。
準々決勝はグループA3位通過のコロンビアと対戦した。しかし、スペインは前半12分にマイラ・ラミレスに先制点を奪われると、52分にもレイシー・サントスに追加点を奪われ、2点のビハインドを負う予想外の展開に。このまま0-2で敗れて歴史的金星を献上してしまうかと思われたが、65分にジェニフェル・エルモソが投入されるとそこからスペインの重苦しいムードをエルモソが振り払う。そのエルモソが79分に1点を返すと、90+7分にはイレーネ・パレデスが劇的な同点ゴールを決め、延長戦でも決着は着かずPK戦にもつれ込む。スペインは4人全員がPKを成功させ、歴史的金星献上を阻止してベスト4進出を決めた。
準決勝はグループステージ第3戦で勝利したブラジルと再び対戦した。しかし、前半6分にカタ・コイのミスキックからオウンゴールによる先制点を与えると、その後もガビ・ポルティーリョ、アドリアナ、ケロリンにゴールを決められて2023 FIFA女子ワールドカップの日本戦以来の4失点を喫した。結局反撃も後半にサルマ・パラジュエロが奪った2点にとどまり2-4で敗戦。初出場で金メダル獲得を目指した道のりは準決勝で閉ざされた[24]。五輪初出場で初のメダル獲得が懸かったドイツとの3位決定戦でも63分にカタ・コイが相手選手と接触しPKを献上すると、これを決められ先制点を奪われる。試合終了間際のラストプレーでスペインはPKを獲得したが、これをアレクシア・プテジャスが失敗したところで試合終了。ワールドカップチャンピオンとして挑んだ初の五輪は4位で幕を閉じ、メダルなしで大会を去ることとなった[25]。
タイトル
- 優勝 : 2023
- 優勝 : 2023-24
- 優勝 : 2017
- 優勝 : 2018
国際大会の成績
FIFA女子ワールドカップ
→「FIFA女子ワールドカップ」も参照
オリンピック
→「オリンピックのサッカー競技」も参照
UEFA欧州女子選手権
→「UEFA欧州女子選手権」も参照
UEFA女子ネーションズリーグ
→「UEFA女子ネーションズリーグ」も参照
FIFAランキング
- 2003年から公表。現在は原則として3ヶ月ごとに発表される。
→詳細は「FIFA女子ランキング」を参照
- 最新順位 - 2位 (2025年3月)
- 初登場 - 19位 (2003年7月)
- 最高順位 - 1位 (2024年6月)
- 最低順位 - 21位 (2008年3月)
2003 | 2004 | 2005 | 2006 | 2007 | 2008 | 2009 | 2010 | 2011 | 2012 | ||||||||||||||||||||||||||||||
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出典: FIFA Women's Ranking[26]
選手
要約
視点
現在の招集メンバー
2024年パリオリンピック 招集メンバー
- 年齢、出場数、ゴール、在籍クラブは2024年7月25日時点。
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最近招集された選手
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個人記録
- 2025年2月26日時点(太字は現役選手)
出場試合数
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得点数
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脚注
関連項目
外部リンク
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