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アーン・アンダーソン(Arn Anderson、本名:Martin Anthony Lunde、1958年9月20日 - )は、アメリカ合衆国の元プロレスラー。ジョージア州ローム出身。愛称は「AA(ダブルA)」、ニックネームはジ・エンフォーサー(殺し屋)。
いわゆる「仕事人」タイプの実力者であり、シングルプレイヤーでの活躍以上に、タッグチームやユニット「フォー・ホースメン」の一員としての実績で知られ、数々のタッグ王座を獲得している。リック・フレアーとは年齢は離れているものの親友の間柄であり、WCWやWWEではフレアーの右腕として活躍した。
1982年1月に本名のマーティー・ルンディ名義でデビューし、アラバマのサウスイースタン・チャンピオンシップ・レスリングで活動。1983年よりジョージアのジョージア・チャンピオンシップ・レスリングに転戦し、ブッカーのオレイ・アンダーソンに誘われてアーン・アンダーソンに改名。1960年代から1970年代にかけて一世を風靡したアンダーソン兄弟(ジン、ラーズ、オレイ)の末弟となり、伝統のタッグ・ユニット「ミネソタ・レッキング・クルー」をオレイと共に再結成する。これは単純にアーンの風貌がオレイとよく似ていた、ということが理由だった。
その後、ジョージア地区がノースカロライナのNWAミッドアトランティック地区(ジム・クロケット・プロモーションズ)と合併すると、1985年にリック・フレアーやタリー・ブランチャードらとのヒール軍団「フォー・ホースメン」を結成。同地区のタイトルを独占するなど、プロレス史に残る名ユニットの一員として活躍した。なお、フォー・ホースメンというユニット名はアーンが命名している[1]。1987年にオレイがホースメンを離脱して、レックス・ルガーが新しく加入、翌1988年からはルガーと入れ替わりにバリー・ウインダムがメンバーとなるが、同年10月よりアーンはブランチャードと共にWWFに移籍する(これに伴いホースメンは事実上解散)。
WWFではボビー・ヒーナンをマネージャーに、ブランチャードとのタッグチーム「ブレーン・バスターズ」で活躍。ブリティッシュ・ブルドッグス(ダイナマイト・キッド&デイビーボーイ・スミス)、ハート・ファウンデーション(ブレット・ハート&ジム・ナイドハート)、ストライク・フォース(リック・マーテル&ティト・サンタナ)、ザ・ロッカーズ(マーティ・ジャネッティ&ショーン・マイケルズ)などのチームと抗争し、1989年7月18日にはアックス&スマッシュのデモリッションを破り、WWF世界タッグ王座を獲得した[2]。
1989年末、NWA(ジム・クロケット・プロモーションを買収したWCW)に復帰。翌1990年1月2日、グレート・ムタからNWA世界TV王座を奪取する[3]。1991年9月5日にはラリー・ズビスコとの「ジ・エンフォーサーズ」でWCW世界タッグ王座を獲得した[4]。以降はポール・E・デンジャラスリーのデンジャラス・アライアンスに加入。その後、WWFから復帰してきたフレアーとフォー・ホースメンを再結成して、1993年8月18日には新メンバーのポール・ローマとのコンビで世界タッグ王座に返り咲いた[4]。
しかし、アンダーソン事件(後述)による負傷のため、この新生ホースメンも解体を余儀なくされる。1994年の復帰後はテリー・ファンクや "スタニング" スティーブ・オースチンとも共闘するが、一旦バッシュ・アット・ザ・ビーチの前に仲間割れをする。しかし、これはダスティン・ローデスを嵌めるための作戦であったので、すぐに元に戻る。1997年に首の故障により引退。引退後はWCWのロード・エージェントを担当し、フレアー不在のフォー・ホースメンの指揮を執っていたこともある。WCWのバックステージでは、派閥争いの関係で冷遇されていた。
2001年のWCW崩壊後はWWFに迎えられ、引き続きロード・エージェントとして活動。時折WWEの番組に出演することもあった。2012年にはフレアー、ブランチャード、ウインダムおよびマネージャーのJ・J・ディロンと共に、フォー・ホースメンとしてWWE殿堂に迎えられた[5]。
1993年10月28日、イギリス遠征中のホテル内でのラウンジでシッド・ビシャスと諍いを起こし(ビシャスの度重なる大言壮語をアンダーソンが戒めたことによる)、逆上したビシャスにハサミで胸部や腹部など10数箇所を刺される大怪我を負った[7][8]。これを俗にアンダーソン事件(Arn Anderson's stabbing incident)という。これはビシャスがステロイド剤の使用で情緒不安定になっており、自分の感情をコントロールできなかったことがわかっている。
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