とね (護衛艦)

海上自衛隊の護衛艦(DE)、あぶくま型護衛艦6番艦。 ウィキペディアから

とね (護衛艦)

とねローマ字JS Tone, DE-234)は、海上自衛隊護衛艦あぶくま型護衛艦の6番艦。艦名は利根川に由来し、この名を持つ日本の艦艇としては、旧海軍の「利根(I)」、利根型重巡洋艦利根(II)」に続き3代目にあたる。 あぶくま型護衛艦の中では後期型(小改正型)であり、マストにフラットを追加し、OPS-20航海用レーダーが搭載されている。 2022年12月に公表された防衛力整備計画で、2027年度までに除籍することが発表された[1]

概要 とね, 基本情報 ...
とね
Thumb
洋上を往く「とね」
基本情報
建造所 住友重機械工業 浦賀工場
運用者  海上自衛隊
艦種乙型護衛艦(DE)
級名 あぶくま型
母港
所属 護衛艦隊第12護衛隊
艦歴
計画 平成元年度計画
発注 1989年
起工 1991年2月8日
進水 1991年12月6日
就役 1993年2月8日
要目
排水量 基準 2,000トン
満載 2,500トン
全長 109.0m
最大幅 13.4m
深さ 7.8m
吃水 3.8m
機関 CODOG方式
主機 三菱 S12U-MTKディーゼルエンジン × 2基(4,650PS
川崎/ロールス・ロイス スペイSM1Aガスタービンエンジン × 2基
出力 27,000PS
推進器 スクリュープロペラ × 2軸
速力 最大27ノット以上
乗員 120名
兵装 62口径76mm単装速射砲 × 1基
ハープーンSSM4連装発射筒 × 2基
74式アスロックSUM8連装発射機 × 1基
高性能20mm機関砲CIWS)× 1基
68式3連装短魚雷発射管(HOS-301) × 2基
搭載機 なし
VERTREPHIFR可能
FCS 81式射撃指揮装置2型-22E
SFCS-8 水中攻撃指揮装置
C4ISTAR MOFシステム
レーダー OPS-14C 対空
OPS-28C 低空警戒/対水上
OPS-20 航海用
ソナー OQS-8
探索装置・
その他装置
OAX-1B赤外線暗視装置
電子戦
対抗手段
NOLR-8Y ESM+OLR-3 ジャミング
Mk.137 デコイ発射機 × 2基
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本記事は、本艦の艦暦について主に取り扱っているため、性能や装備等の概要についてはあぶくま型護衛艦を参照されたい。

艦歴

要約
視点

「とね」は、中期防衛力整備計画に基づく平成元年度計画1,900トン型乙型護衛艦1234号艦として、住友重機械工業浦賀工場で1991年2月8日に起工され、1991年12月6日に進水、1993年2月8日に就役し、佐世保地方隊第39護衛隊に編入された。

1997年3月24日、佐世保地方隊第26護衛隊に編入。

1998年5月29日6月1日、福岡を訪問したカナダ海軍フリゲート「バンクーバー」と交歓する。

1999年8月2日から4日にかけて護衛艦「しらね」、「せとゆき」とともに韓国釜山を訪問、4日から5日にかけて東シナ海において初の日韓共同訓練を実施した。

2001年5月19日5月20日に実施される鹿屋航空祭で護衛艦「せんだい」、「さわかぜ」、輸送艦「おおすみ」とともに志布志港で一般公開される予定であったが、福江島沖を航行中の中国海軍延氷型情報収集艦を追尾監視のため、中止となった。

同年10月2日、佐世保を出港後、アメリカ海軍強襲揚陸艦「エセックス」の警戒監視活動に従事する。

2008年3月26日自衛艦隊の大改編により第26護衛隊が第16護衛隊に改称され、護衛艦隊隷下に編成替え。

2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による東日本大震災に対し、災害派遣される。

同年3月16日、第16護衛隊が廃止となり第12護衛隊へ編入、定係港が佐世保からに転籍。

2016年2月16日午後5時30分頃、種子島東北東85kmを太平洋から東シナ海に向け西に航行する中国海軍旅滬型駆逐艦「哈爾浜」、江凱Ⅱ級フリゲート「煙台」、東調級情報収集艦「天狼星」、福池級補給艦「洪澤湖」を、第5航空群所属のP-3C及び多用途支援艦「げんかい」と共に発見した[2]。その後4隻は大隅海峡を西に進んでいる。

同年12月25日防衛省統合幕僚監部は同月24日午後4時ごろ本艦が東シナ海中部の海域で中国海軍の航空母艦遼寧」1隻と、ミサイル駆逐艦フリゲート艦各3隻、補給艦1隻を目視にて確認したと発表した。海上自衛隊が中国海軍の空母を目視にて確認するのは今回が初めて[3]

2022年12月に公表された防衛力整備計画で、2027年度までに除籍することが発表された[1]

2023年11月29日屋久島沖米軍オスプレイ墜落事故に伴い自主派遣。墜落から約1時間25分後の16時4分に寄港中であった佐世保基地を出港[4]。翌11月30日の深夜1時43分に現着[5]し、以後、同じく自主派遣された艦艇や自衛隊部隊、海上保安庁などと共に12月4日まで捜索救難活動に従事。機体の一部などを発見揚収するなどした[6]

現在は護衛艦隊第12護衛隊に所属し、定係港は呉である。

歴代艦長

さらに見る 代, 氏名 ...
歴代艦長(特記ない限り2等海佐
氏名在任期間出身校・期前職後職備考
01上田勝恵1993.2.8 - 1994.3.24防大17期とね艤装員長海上自衛隊幹部学校
02野口 均1994.3.25 - 1995.3.23防大21期第2護衛隊群司令部幕僚海上幕僚監部人事教育部人事課
03石橋啓志1995.3.24 - 1996.7.31防大19期海上自衛隊幹部学校付統合幕僚会議事務局
第4幕僚室長中期班長
1996.7.1
1等海佐昇任
04大鶴 章1996.8.1 - 1997.7.31防大25期海上自衛隊東京業務隊海上幕僚監部防衛部防衛課
05畑中孝行1997.8.1 - 1998.8.2防大23期第3護衛隊群司令部幕僚 
06渡邉英夫1998.8.3 - 1999.8.19防大21期海上幕僚監部防衛部装備体系課海上自衛隊第1術科学校生徒隊長
07依光道洋1999.8.20 - 2000.7.31防大24期情報業務群司令部幕僚 
08大塚海夫2000.8.1 - 2001.8.19防大27期海上幕僚監部防衛部防衛課海上幕僚監部防衛部防衛課
兼 海上自衛隊幹部学校
09佐伯泰啓2001.8.20 - 2002.8.5防大24期ちょうかい副長はるさめ艦長
10千代野正2002.8.6 - 2004.2.24防大24期海上幕僚監部防衛部防衛課3等海佐
11飯塚洋文2004.2.25 - 2005.8.21日大
37期幹候 
あまぎり航海長 兼 副長 2005.7.1
1等海佐昇任
12森下治彦2005.8.22 - 2006.8.21 あまぎり砲雷長 兼 副長 
13泉 博之2006.8.22 - 2008.3.25早大
41期幹候 
おおなみ船務長 兼 副長海上幕僚監部人事教育部補任課
14黒木一博2008.3.26 - 2009.3.24防大34期はまぎり砲雷長海上自衛隊第1術科学校教官就任時3等海佐
2008.7.1、2等海佐
15中村正三2009.3.25 - 2010.3.23防大32期しもきた運用長 兼 副長さざなみ艦長就任時3等海佐
2010.1.1、2等海佐
16齊賀裕一2010.3.24 - 2011.3.24防大34期海上幕僚監部防衛部防衛課
17富松智洋2011.3.25 - 2012.4.8防大36期佐世保地方総監部管理部
18松山秀夫2012.4.9 - 2013.3.31防大34期呉海上訓練指導隊さみだれ艦長 
19西田敏志2013.4.1 - 2014.3.23防大37期佐世保地方総監部管理部
20前久保一彦2014.3.24 - 2015.3.29曹候7期第2ミサイル艇隊司令護衛艦隊司令部幕僚
21吉福俊彦2015.3.30 - 2016.3.13海上幕僚監部防衛部装備体系課護衛艦隊司令部
22飯ケ谷孝広2016.3.14 - 2017.4.4防大38期いずも船務長
23朝田 修2017.4.5 - 2018.12.2呉基地業務隊本部補充部付艦艇開発隊開発部第1科長
24橘 大史2018.12.3 - 2019.7.31すずつき砲雷長 兼 副長
25下條裕史2019.8.1 - 2020.8.2防大45期きりしま砲雷長 兼 副長海上幕僚監部防衛部装備体系課
26安冨 学2020.8.3 - 2021.8.26防大46期はまぎり
27奥村健二2021.8.27 - 2023.2.19海上幕僚監部防衛部防衛課さみだれ艦長
28佐藤大志2023.2.20 -むろと副長
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ギャラリー

脚注

参考文献

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