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きらきらうえつは、かつて東日本旅客鉄道(JR東日本)が新潟駅 - 酒田駅間を白新線・羽越本線経由で運行していた臨時快速列車、ならびに同列車で使用された車両の愛称である。
新潟駅で上越新幹線に接続し、新潟県下越地方・山形県庄内地方を走行する観光列車で、年間を通じて主に週末を中心に運転された。
列車名は、羽越本線に寄り沿う日本海の美しさを「きらきら」で表現するとともに、路線名の由来でもある沿線地域の旧国名「出羽国」と「越後国」を合わせた「羽越」を表したものであった[1]。
こうしたことから「乗ってうれしい・降りて楽しい」や、「乗って満喫・降りて満足」といったキャッチコピーが銘打たれ[2]、沿線観光が主眼に置かれており、停車各駅からの観光コースも設定された。JR東日本新潟支社と秋田支社、仙台支社では沿線自治体と共同で観光振興に取り組んでいるほか、山形新幹線の在来線区間を運行する臨時特急列車「とれいゆ つばさ」などと合わせた周遊観光ルートの提案を進めた[3]。
種車の製造から45年、改造から20年近く経過していること加えて、海岸線沿いでの運用のため塩害による車体の腐食が進んでいることに伴い2019年9月29日で通常運行を終了し[4]、同年12月15日の団体専用列車「きらきらうえつ美食旅」の運行を最後にすべての運用を終了した[5]。車両は2020年3月1日付で廃車された[6]。
3月から1月上旬にかけては金曜日・土曜日・休日を中心に、1月中旬から2月にかけては土曜日・休日を中心に運転された。このほか、夏休み期間や年末年始などの多客期には毎日運転される場合があった。
新潟駅 - 酒田駅間を1日1往復する形態が基本であったが、主に7月から10月上旬にかけての夏季間は象潟駅まで、2012年から2014年までの特定日に羽後本荘駅まで、2016年・2017年[注 1]の特定日に秋田駅まで延長運転が実施された。これらの場合も運用は1日1往復となっていた。
途中駅での観光を意識したダイヤ設定が組まれることもあり、7月最終週から8月第2週前半の運転日は「マリンダイヤ」として下り・上りとも桑川駅で約20分間、10月第1・2週は「夕日ダイヤ」として上りが日の入りの時刻に合わせて桑川駅で約40分間停車した。
新潟駅 - 豊栄駅 - 新発田駅 - 村上駅 - 桑川駅 - 勝木駅 - 府屋駅 - 鼠ケ関駅 - あつみ温泉駅 - 鶴岡駅 - 余目駅 - 酒田駅(- 遊佐駅 - 吹浦駅 - 象潟駅 - 金浦駅 - 仁賀保駅 - 西目駅 - 羽後本荘駅- 秋田駅)
日本レストランエンタプライズ (NRE) 新潟営業支店が、新潟駅 - 酒田駅間で車内販売(待受販売およびワゴン販売)を担当していた。
2号車「きらきらラウンジ」内のミニビュッフェ「茶屋」では、新潟駅で構内営業を行っている三新軒と「きらきらうえつ」の車掌が共同企画し、沿線各地の食材を取り入れた駅弁「きらきら弁当」[注 2]などの弁当をはじめ、地酒の呑み比べセットや地ビールなどのアルコール類、ソフトドリンク、土産品などの販売が行われ、茶屋で購入したものはラウンジ内のボックス席で飲食できた。
ただし新潟駅 - 酒田駅間のボックス席は「茶屋専用席」として、茶屋で飲食品を購入した乗客のみを利用対象としていた。また、より多くの乗客に車窓を楽しんでもらうため「約40分間」の利用制限時間が設けられていた。利用は先着順で、空席の場合は会計の際、茶屋の販売スタッフにボックス席を利用する旨を申告すればすぐに着席でき、利用時間が40分を経過するとスタッフがその旨を案内していた。なお満席の場合は会計の際に次の空き時間の着席を事前予約したうえで、スタッフから「予約券」を受け取る必要があった。
茶屋およびワゴン販売の営業区間は前掲の新潟駅 - 酒田駅間のみで、酒田駅以北へ延長運転する場合も同駅以北では営業を行わなかった。また延長区間内では、ボックス席は時間制限なく自由に利用できた[注 3]。
「きらきらうえつ」の運行開始当初は、酒田駅で構内営業を行っていた酒田弁当販売が物品類の供給を行い、車内販売専用弁当「きらきらうえつ弁当」も調製していたが、2005年(平成17年)10月末に構内営業から撤退し廃業したため、駅弁等は翌11月から新潟駅の構内営業業者が納入していた。
快速 きらきらうえつ | ||||||||||||||||||||||||
← 酒田 新潟 →
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新潟車両センター所属の485系を改造した4両編成が充当された[5]。
車体は車窓の眺望性を高めるため、首都圏のお座敷車両(『宴』『華』など)に似た丸みを帯びた車体が新造された。外装はホワイトをベースに、羽越本線沿線の色彩豊かな四季の風景をイメージカラー化してパッチワーク風に配色した塗装が施されていた[2]。
全車普通車で、1号車・3号車・4号車のいずれも全席指定席となっていた(定員116人)[5]。座席はシートピッチ970mm のリクライニングシートを採用し、席間はグリーン車並みの間隔が確保されていた。車内は床面を高くしたハイデッカー構造と大型のウインドウを採用し、より車窓を楽しめるよう設計されていた[注 4]。また1号車と4号車の先頭部(運転室後方)にはレストバーベンチを備えた簡易展望スペースが、3号車には多目的室「きらきらルーム」が設けられていた。
2号車は「きらきらラウンジ」車両で[1]、ミニビュッフェ「茶屋」とボックス席(18席)、沿線の風景や名所をプロジェクションマッピングやパンフレットで紹介する「きらきら情報コーナー」が設けられていた(ミニビュッフェとボックス席に関する詳細は後述)。
バリアフリー対策として車椅子席を3号車に設置していたのをはじめ、全通路に手すりが取り付けられ、各車両の乗車口付近はスロープの設置やドア幅の拡幅、ドアチャイムの設置などの改造が施されていた。また1・3・4号車のトイレのうち、3号車は車椅子対応の大型トイレであった。
車内は全車禁煙となっていた。喫煙室等は設置されていなかった[注 5]。
車内メロディは、「きらきら星」、「オリジナルメロディ」、「春」、「ウィーンの森の物語」の4種類が用意されていた。車掌が乗務員室にあるボタンを押して起動するため、どの曲をならすかは車掌によって異なっていた。なお、車内メロディは、新潟駅と酒田駅[注 6]の到着、発車の際の放送前後に流された。
専用車両は「きらきらうえつ」のほか、JR東日本管内の臨時列車や団体列車に運用されることもあった。新潟支社管内では年末年始や特定時期など、主に平日に運行される臨時列車を中心に運用された。同支社以外の地域ではデスティネーションキャンペーンなど各種催事等に合わせて運用された。
また団体列車では武蔵野線・京葉線経由で東京駅まで、北陸本線・湖西線経由で西日本旅客鉄道(JR西日本)の京都駅まで入線した実績がある。
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