『うたわれるもの 二人の白皇』(うたわれるもの ふたりのハクオロ)は、アクアプラスより2016年9月21日に発売されたゲームソフト。対応機種はPlayStation 3、PlayStation 4、PlayStation Vita、Windows 10。
概要 うたわれるもの 二人の白皇, ジャンル ...
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『うたわれるもの 散りゆく者への子守唄』を第一部、『うたわれるもの 偽りの仮面』を第二部とした、三部作構想の中の最終作に位置するストーリーが展開される[2]。
『偽りの仮面』と製作が同時進行していたため、さほど間を置かずに発売できると言われていた通り、前作から1年後の発売となる。『偽りの仮面』に出たキャストによると、『偽りの仮面』発売時点で既に音声収録は始まっている。
2015年11月28~29日に開催されたイベント「大アクアプラス祭」で、続編にあたる本作が2016年9月21日に発売されると発表された[3]。
2018年1月29日に、セガゲームスがPlayStation 4版を、繁体中文版とハングル版に翻訳した上でアジア地域で発売することを発表した[1][4]。
2019年10月には、アニメ化が発表された[5]。
2019年10月18日には『うたわれるもの ロストフラグ』公開記念として、シミュレーションパートはカットされているが、アドベンチャーパート全編を体験することができる『スマホで読むうたわれるもの』がシリーズ3作品同時にAndroid版、iOS版でそれぞれ無料公開された[6]。
2020年1月23日には英語と繁体中文字幕に対応したWindows 10移植版がSteamにて、前作の『偽りの仮面』と同時に販売開始された[7]。
基本的なシステムは前作を踏襲しており、キャラクター同士の会話でシナリオが進むアドベンチャーパートと、シミュレーションRPGの要素があるシミュレーションパートが存在する。前作に比べ、シミュレーションパートが多くなっている。
選択肢はあるが、シナリオ(ストーリー)が一本道なのも変わらない。
前作からのシミュレーションパートの変更点
シミュレーションパートはほぼ前作のシステムままだが、細かなマイナーチェンジによる操作性向上が行われているほか、大きな変更点として以下のようなものがある。
- 気力全開状態になると、自分の攻撃にあわせて射程が届く味方も同時に攻撃してくれる「協撃」の実装。
- 気力全開状態になり、さらにそのキャラにあわせた特定のキャラが射程内にいると同時に必殺技を繰り出し、専用の動画が表示される「挟撃必殺技」の実装。
- シナリオが進むと、味方同士を戦わせて経験値などを上げることができる「紅白試合」を実行可能。
- シナリオが進むと、詰将棋のような感覚で、ゲーム操作や各キャラクターの特性についての練習ができる「ムネチカの試練」を実行可能。
- 本編クリア後、装備やキャラクターのレベルを引き継いで最初からプレイできる周回プレイが実行可能。
- 前作にはなかった、回復行動時にも経験値が取得可能。従ってキウルやネコネなど、回復・攻撃が1ターンで両方可能なキャラはその都度経験値が増える。
帝の崩御と皇女アンジュ暗殺未遂から始まった混乱、そしてオシュトルが世界に溶けて消え去ってからの数日後。オシュトルの遺志を継ぎ、ネコネの助けを借りてオシュトルに扮したハクは、無事アンジュを、オシュトルやネコネの故国であるエンナカムイへと避難させることに成功する。だがヤマト八柱将のライコウは、偽の皇女を擁立してヤマトを掌握しようとしていた。
やがて、毒によって衰弱していたアンジュが回復すると、例え戦になっても、父である帝が残してくれたアンジュの名と皇女の地位を取り戻したいと語る。オシュトル(ハク)はその意を汲み、仲間と共に帝都奪還に向けての戦いの道を進んでいく。
またトゥスクルの皇オボロは、ヤマトが再び侵攻してくる可能性があるとして、内乱状態にあるヤマトを今のうちに攻撃することを決定。ハクの“死”を聞かされて帰国していたトゥスクルの皇女クオンは、それが結果的にアンジュらを助けることに繋がると考え、ヤマト攻略の指揮を引き受ける。クオンはエンナカムイの元へと“トゥスクルの皇女”としてクオンである事を隠し訪問、アンジュらに軍門に降るよう要求。だがこの時のオシュトルとのやりとりで、オシュトルの正体がハクであることを確信したクオンは、「ヤマトの両勢力が戦い疲弊するまで」トゥスクルは静観するとオシュトルやアンジュに告げる。一方でクオンは皇女の姿を捨ててエンナカムイへと帰参し、再びオシュトル(ハク)の仲間となる。また、かつてオシュトルと戦功を競った好敵手であるミカヅチも今のオシュトルの正体に気づいたが、仮面(アクルカ)の力を使えるようになったハクを「オシュトル」と認め、正々堂々と戦いで決着をつけることを望む。
やがてオシュトル(ハク)は、ライコウの策やミカヅチの武力に悩まされ朝廷軍との戦いを繰り返しつつも、アンジュおよび、自分のもとに残ったルルティエなど、各國の皇の縁者の影響力などを使い、反朝廷軍を糾合していく。やがて両軍はオムチャッコ平原にて、総力を結集した大会戦に挑む。この戦いに勝利したオシュトル(ハク)は帝都目前まで迫るが、帝都の鉄壁の守りに攻めあぐねる。だがその帝都で謎の事故が発生、その機に乗じてオシュトル(ハク)は帝都に乗り込み、ライコウとの決着をつける。だがミカヅチや、ライコウに従っていた八柱将のウォシスは行方不明となった。
それでも帝都を攻略し、アンジュを正当な帝として擁立することに成功したオシュトル(ハク)は戦いを終わらせ、混乱を収める。帝都にて戦後処理の仕事を行っていたオシュトル(ハク)は、実はまだ生きていた先帝(ハクの実兄)に呼び出され、クオンと共に密かに先帝と対面する。そして暗殺未遂事件の前、先帝がトゥスクルを攻撃した理由を聞かされる。それは旧人類の遺産にかかわるものであった。
この話を聞いたオシュトル(ハク)は、「旧人類を、タタリという呪縛から解放する」という兄の望みを実現するため、トゥスクルを訪問。クオンと共に、トゥスクルの聖地にして遺跡であるオンカミヤムカイへと向かう。
特に記載がない場合、声はゲーム・アニメ共通の声優を示す[8][9][10][11][12]。前作の登場人物解説も参照のこと。
ヤマト
エンナカムイ勢
- オシュトル(ハク)
- 声 - 藤原啓治(ゲーム) / 利根健太朗(ゲーム『斬2』・アニメ)[注 1]
- 本作の主人公。亡き親友オシュトルの意志と仮面(アクルカ)を継ぎ、ヤマト右近衛大将の後を継いだ[13]。アンジュの帝位奪還のために、オシュトルとしての名声とハクとしての知略を生かした指揮でエンナカムイ勢を率いて奔走することとなる。オシュトルに扮してからは、オシュトルが使っていた刀も使うようになるが、以前クオンがハクに貸した鉄扇を「友の形見」として使い続ける(鉄扇はハクの死を告げたときクオンに返したが、クオンはその場に落としてそのまま去って行った)。
- 序盤こそ頼りない一面を見せるものの、オシュトルとしてのカリスマとハクの知性を徐々にだが発揮させていき、物語中盤に差し掛かる頃にミカヅチと決闘の末に仮面の者(アクルトゥルカ)の力を完全に覚醒させる事に成功した。これ以降は白兵戦時の戦闘力も劇的にアップし、ヴライやミカヅチといった八柱将とも互角以上に戦えるほどにまで成長する。そして仲間たちと共に朝廷軍に対抗するため、味方となってくれる国々を求めてヤマト国内を奔走する。
- ネコネとの関係は最初はかつてのオシュトルの代わりという気持ちで接していたものの、次第に互いに心を通わせるようになった。そして彼女がヴライの手の者にさらわれた際には身を徹して彼女を助け出し、何よりも大切な存在として認めた。
- ハクであった頃の動物達が惹かれる不思議な魅力は健在でココポやクラリンは正体に気づいていた様子が示唆される。
- 過去のホノカ(帝の妻)に対しては恋愛に似た感情を抱いていたと思われる。また、遺跡内のシーンから、クオンには異性としての好意があったと思われる。
- 熾烈な戦いを通して心身共に鍛え抜かれた名将として成長を遂げ、国士無双の英雄として世界の危機を救った物語の終盤、ウォシスによる世界滅亡を阻止するため、仮面の力を極限まで行使することで勝利を収めながらも魂を消耗しきってオシュトルと同様に塩と化して消滅する。
- しかし、常世でハクオロにクオンの危機を知らされ、半ば奪い取る形でウィツァルネミテアの権能を受け継ぎ現世へ帰還。クオンを救い再び姿を消した。
- その後、次元の境界に身を置いて時間と空間を超えながらウルゥル・サラァナと共に人助けをしつつタタリを不死の契約から解放する旅を続けており、彼の行動を人々は「マシロ様」と呼んで、感謝の念を抱いている。
- オシュトル(ウコン)
- 声 - 利根健太朗
- 本来のヤマト右近衛大将。前作でヴライとの死闘において仮面の力を限界以上に引き出した結果、魂を消耗しきって力尽き死亡した。身体が塩となって消滅する寸前にハクに自分の仮面を渡し、アンジュとネコネを託した。
- 本作では回想シーンなどで何度か登場。
- ネコネ
- 声 - 水瀬いのり
- オシュトルの妹。今作ではヒロイン的な立位置にある。「ハクを頼む」という兄の遺言からオシュトル(ハク)の手助けを行っているが、兄の死に大きく関わった罪の意識と、ハクの人生を奪ってしまったという思いから塞ぎがちになる。そして精神的にも肉体的にも追い込まれていき、ハクがオシュトルとして偽り続けていつしかハクという存在、また本当のオシュトルという存在が消えていく事への恐れが、更に彼女を追い詰めていく。
- その過程もあり序盤は目の色や声に精気は無く朧とした雰囲気を漂わせていたが、ハク自身の優しさに触れて互いに心を通わせることで徐々にだが元気を取り戻し、以前のような振る舞いを見せるようになる。そしてハクをもう一人の大切な兄として認め、彼を最後まで心の底から支え続けた。
- エピローグでは帝都でなくとも学問が学べる事、そして今回の戦でエンナカムイへの移住者が増えた事もあり、エンナカムイの発展に助力し、成長した國をハクに見せたいとエンナカムイへ帰國し、城の書庫の管理を担当する殿学士となり、「家族」であるハクが帰って来る事を信じて母のトリコリと共に待つ事にした。
- アンジュ
- 声 - 赤﨑千夏
- ヤマト皇女。帝崩御の混乱の最中、何者かの策略で毒を盛られて喉が焼けただれ、声を出せない状態でいる。だが、元々桁外れな生命力の持ち主であったことが幸いし、毒から回復した後は、自らも帝位奪還のためにカルラから譲られた(突如放り込まれた)鉄塊の如き大剣を担ぎ、戦場に出陣する。本作よりプレイヤー操作の一人として加わる。
- 基本的な性格に変化は無いもののヤマトを統べる次期帝としての自覚と覚悟を持つようになり、戦場や交渉の場にも自ら赴くようになる。そして多くの國々を味方に付けて、ついに帝都にまで攻め上がり、ライコウ率いる朝廷軍を打破してヤマトの奪還に成功、無事に帝に即位した。
- シミュレーションパートでは、攻撃力は仲間内で随一だが、技に反動ダメージがあり、防御力がウルゥル・サラァナ同様最低値なので、慎重な行動が求められる。
- エピローグでは時折シノノンなどの縁者を影武者に立てて政務を任せ、かつて帝がお忍びで行っていた「世直し道中」を、ミカヅチやムネチカ、そしてキウルと共に行い、悪徳領主を成敗しながらハクを探している。そしてミカヅチの影響か、夜中にこっそり賭場に出向く事もあり、その度にムネチカに説教されている。
- アプリ版「ロストフラグ」では成長した姿で登場しており、カルラから譲り受けた大剣を携えて単身で世直し道中をしており、かつて帝が偽名として使っていた「ミト」の名を自身も使っている。さらに法術も使え、大剣に火神の法術を付加する事により灼熱化させて文字通り「焼き潰す」などの荒技を使う。また、耽美本への追究は相変わらずで、各所を旅しては「友」への土産として購入する。
- 後に子供時代の彼女も個別扱いで実装され、ムネチカと共に作中の世界へ迷い込む事になる。ミトはムネチカに対しては子供時代の折檻がトラウマになっており、「赤の他人」として接していても苦手意識を持つ。
- ルルティエ
- 声 - 加隈亜衣
- クジュウリの皇オーゼンの末娘。15人兄妹の末っ子で穏やかで内気な性格。好意を感じていたハクの死を受けて人一倍衝撃を受けて塞ぎがちな日々を送っていたが、「もう誰も失いたくない」と精神的に成長し、改めて戦いに出ることを決意。戦を控えたエンナカムイの厨房を預かるようになる。
- オシュトルに対し何度かハクを重ねて感じており、今のオシュトルがハクだというという確信はなかったが、たまたまオシュトルとトリコリの会話を聞き、ハクがオシュトルの身代わりとして生きていることを知り、そのままオシュトル(ハク)を見守る事となる。
- エピローグではクジュウリに帰國し、ハクが生きている事を信じ、いつの日かクジュウリを訪れる事を待ち続ける事にした。
- ココポ
- 声 - 米澤円
- ルルティエが飼っているホロロン鳥。前作に引き続き、その背に乗ってルルティエは戦う。
- ハクにすぐ懐いたのと同様にハクが扮したオシュトルにも懐いており、その正体に気がついている模様。
- アトゥイ
- 声 - 原由実
- シャッホロの皇ソヤンクケルの娘。物怖じしない明るい性格で独特な雅言葉で話す。ハクの死を受けても独特な生死観により動揺しなかったが、心の片隅に小さな違和感を覚えた。
- ナコクの皇子であったイタクと許嫁であることを知り、またイタクに対して良い感情も抱いていたためナコクへ嫁ぐことを思い悩むが、自分の気持ちが誰に向いていたのかに気づき、オシュトルの正体を知る。
- 物語が終盤に差し掛かる頃、帝として即位したアンジュの命により八柱将に抜擢された。
- エピローグではシャッホロに帰國したものの、ハクが生きている事を信じハクを探す旅に出る事を決意、腕づくで阻止しようとするソヤンケクルや四天王を叩きのめし、ノスリと共に旅に出た。ちなみにハクに対して彼となら良い子が生まれるだろうと子作りも計画に入れている。
- クラリン
- 声 - 三宅麻理恵
- アトゥイのペットで、空中を漂うクラゲのような生き物。一応ヒトの言葉を理解できるらしい。
- 前作と同様、シミュレーションパートでは電撃で敵を攻撃することがある。
- フミルィル
- 声 - 儀武ゆう子
- 前々作『うたわれるもの』(本編ではなく、OVAシリーズ「望楼の子守唄」に登場)で赤ん坊だった人物[14]。かつてトゥスクル内で対立していた部族の間に生まれた子のため、一時ウルトリィが身柄を預かっていた。
- 現在はクオンの御側付きで、クオンにとって年の近い幼馴染のような関係。トゥスクルの人物だが、クオンがオシュトルらの元に戻ったため、彼女の御側付きとしてエンナカムイ勢に加わることになる。
- すぐに服がはだけたり、無意識のうちに色っぽい仕草をしたりして男性の目を非常に引くため、「傾国のフミルィル」と言われるほどである。
- シミュレーションパートでは、術による遠近距離攻撃と回復ができ、レベルが上がるとネコネと同様に攻撃と回復が1ターンで行動可能。また、彼女に他のキャラからの回復をすると「返礼」のカウンターをし相手と周囲に回復ができ「シュマリ」という式神を召喚する。シュマリ自体も微力ながら射程が長い回復術が使える。
- エピローグではトゥスクル特使としてクジュウリでルルティエと再会、「傾国」の名は健在で、ルルティエの兄達の心を射止めている。
- キウル
- 声 - 村瀬歩
- エンナカムイの皇子で、オシュトルとは兄弟の誓いを結んでいる。ハクたちの帝都脱出の際に仲間と一時別れ、オシュトル直属の手兵やその家族を逃がす役目を引き受け、彼らを率いてエンナカムイへと向かう。エンナカムイに到着した後は、オシュトル(ハク)の正体に気付かないまま、変わらず義兄として接している。
- 後にハクがこの世を去る直前に正体を現すと、義兄のオシュトルがすでにこの世のものではなくなっていたことを悟るも、ハクから後事を託され、その人間的成長を評価されていることを知らされると、キウルもハクをもう一人の義兄として認めて見送る。
- エピローグではヤマト大老となった祖父・イラワジの推しでエンナカムイの皇になったが、本人のかつての願いでアンジュの世直し道中に同伴、間者として活躍している。アンジュより「先帝から世直しの旅に必要なのは右と左の家臣、そしてうっかり間者」として「うっかり」と名付けられた。
- ノスリ
- 声 - 山本希望
- 没落した実家の再興を目指しかつてノスリ旅団という義賊の長だった少女。エヴェンクルガの出身であり、義を重んじる正義感の強い性格。オウギの姉。
- 今作では一族の再建という使命と目的を果たすために、エンナカムイ陣営に大きく貢献していく。その使命は物語終盤に彼女が八柱将に抜擢されたことにより、ついに果たされる事となる。
- ハクへの想いを押し殺すようにハクを見送る。エピローグではアンジュからハク捜索の任を与えられ、アトゥイと共にハクを探す旅に出る。その際にアトゥイからハクの事をどう思っているのか聞かれ動揺していた。
- オウギ
- 声 - 櫻井孝宏
- ノスリの弟。諜報や腹芸が得意な切れ者。ハクたちの帝都脱出の際に撹乱工作をした後は、キウルと共に帝都に潜伏していた。その後、エンナカムイの仲間の元へと向かう。エンナカムイに到着した後は、オシュトル(ハク)を得意の諜報の任で補佐していくが、最初からオシュトルの正体に感づいていた節がある。
- エピローグでは帝の御側付きの地位を与えられ、時々帝の影武者になっているシノノンやカルラなどのサポートも行なっている。
- ウルゥル、サラァナ
- 声 - 佐倉綾音
- ハクが帝から褒美として賜った鎖の巫(カムナギ)と呼ばれる双子。実際にはハクの護衛と帝との連絡役を任されているだけでなく、ハクに隷属的な忠誠を誓っている。エンナカムイ到着時は疲労困憊で眠っていたが目覚めた後、ハクがオシュトルに扮しているのに直ちに気付き、彼の正体を隠すため呪法により助力する。
- 以後、「ハクの遺言により、オシュトルを新たな主とする」という設定の元、従来通り“主”に献身的に尽くそうとする。主であるハクとホノカや帝以外にはあまり感心が無かったが、物語を通じて仲間たちに対し友情のようなものが芽生え始めた。
- 最後は次元の境界へ姿をくらましたハクを追いかけ、その傍らに仕えている。
- ヤクトワルト
- 声 - 江口拓也
- 剣豪として様々な勇名を馳せる、義に篤い好漢。「陽炎のヤクトワルト」の異名を持つ。ウズールッシャの近くにあるレタルモシリの出身で、シノノンの義父。戦闘の際には経験に裏打ちされた剣技と洞察で大いに貢献する。
- 一作目に登場したゲンジマルがレタルモシリを訪れていた頃に彼の剣術を見て学び、それがヤクトワルトの武人としての基礎となっている。
- エピローグではアンジュとの公約通りに帝都に屋敷と禄を与えられ、帝の御側付きとして、時折帝の影武者を演じるシノノンの成長を見守る事となる。
- シノノン
- 声 - 久野美咲
- ヤクトワルトの養女。ヤクトワルトとはまた違った独特な、さらにませた喋り方をする。実父はレタルモシリ元族長のムカルで、ムカルの死後ヤクトワルトの養女として連れられている。キウルによく懐いている。
- エピローグではヤクトワルトと共に帝都に住み、時折世直し道中の旅に出ているアンジュの影武者になり、「夫の帰りを待ついい女」として世直し道中に同伴しているキウルの帰りも待っている。
- ムネチカ
- 声 - 早見沙織
- ヤマト八柱将の一人であり、アンジュの東宮傅を担っている女傑。トゥスクル撤退時の殿としてトゥスクルに残り、捕虜として軟禁され仮面(アクルカ)を没収される。後にエンナカムイ勢と合流することとなる。本作より、プレイヤー操作のキャラの一人として加わる。
- シミュレーションパートでは「鎮守のムネチカ」の異名通り防御力が高く、周囲の防御力を上げたり、ZOCの発生やカウンター攻撃をしたりする能力を持ってる。
- 武人然とした立ち振る舞いとは打って変わり可愛いものが好き。
- エピローグではアンジュの世直し道中に御供兼保護者として同伴、「ムネさん」と呼ばれており、時々こっそり賭場で出歩くアンジュとミカヅチに説教をしている。
- イラワジ
- 声 - 白熊寛嗣
- エンナカムイの皇で、キウルの祖父。オシュトルとネコネからは「御前」と呼ばれている。オシュトルらのことも高く評価しており、危険であることを承知しつつも、彼らと彼らが連れてきたアンジュを快く迎え入れた。
- エンナカムイに善政を敷いて平和に統治していたが、自分が戦いには向いていないことも承知しており、戦乱を前にしてエンナカムイの全権をオシュトルに委ねた。終盤で、帝に即位したアンジュによって大老(タゥロ)に抜擢され、後任のエンナカムイ皇にキウルを推挙した。
- トリコリ
- 声 - 藤田昌代
- オシュトルとネコネの母。エンナカムイの町外れに住んでおり、夫亡き後は女手一つで二人を育ててきた。躰が弱く、目を患っており現在は視力が殆ど無い。
- 途方もないほどの包容力と慈愛の持ち主。洞察力も高く、目の病にもかかわらず、ハクがオシュトルに扮していることに気づいた。さらにオシュトルの遺志を継いで戦い抜こうとするハクの志と深い友情を認め、ハクにとっても“母”として接する。
- エピローグで帝都ではなく、エンナカムイで働くことにしたネコネに対し服が似合っていると言う場面がある。また物語中数回オシュトル(ハク)が目を医者に診せようとする描写があり、トリコリが医者にもう治せないと言われたにも関わらずハクが診せようとした事から古代の知識や技術で視力が回復したともとれる。
朝廷軍
- ライコウ
- 声 - 置鮎龍太郎
- ヤマト八柱将の一人で「聖賢のライコウ」の異名を持つヤマト随一の智将。帝の崩御後に混乱に乗じ自らの策を巡らせ始める。
- 亡き先帝に対しては「比類なき英主」と本心から忠義と敬意を抱いていたが、「國とはそこに生きる人々の力によって繁栄と衰退を繰り返していくものであり、それが自然の摂理である」という考えから、帝の世の理を超越した権能と叡智にヤマトの民が過保護状態になっていることを危険とみなしており、帝の死を好機としてヤマトを帝という超越者の庇護から独り立ちさせることを目的に政権の掌握に乗り出す。
- 怜悧でスキのない戦略で幾たびもオシュトル(ハク)達を窮地に追い詰めるが、帝都防衛戦の重要局面で何者か(実はウォシス)の横やりで作戦を妨害され、追いつめられる中、シチーリヤから取り上げた帝が作りし「最初の仮面」の力を行使して仮面の者となるが、オシュトル(ハク)達に倒される。
- 敗北を認めると対戦相手ながらオシュトルの智勇とアンジュの成長を認め、ヤマトの未来を託して自害する。
- 結果を性急に求めるところがある上、無能者には徹底的に辛辣な為、人望に欠けるところがあるが、献身的で有能な年少者や身内に対しては親身な人柄であり、また前帝が護り、愛した帝都を戦場とすることはしなかったことでミカヅチやシチーリヤから絶大な信頼と忠節を受けていた。
- シチーリヤ
- 声 - 三宅麻理恵
- ライコウの小姓(男子)にして腹心。女性的な線の細さを利用して偽の皇女役も務めていた。
- その正体はウォシスの密偵であり、長きに渡りライコウに仕える事でその信頼を得て、ライコウをウォシスの真の目的に利用するという使命を帯びていた。しかし、ライコウの誠実かつ思慮深い人柄に触れていく事でウォシス以上の敬愛を感じるようになっており、それが後に彼をウォシスに対する妄信から解放することになる。
- ウォシス
- 声 - 菊池幸利
- 「影光(えいこう)のウォシス」の二つ名を持つ。個性が強い八柱将の纏め役でヤマトの実質的な大老。
- 帝やハク同様、旧人類に酷似した身体的特徴を持つ人物。
- 物腰は柔らかいが、その内心は自己中心的な価値観と我欲じみた目的意識で満たされており、他の同僚達を含めた一切の人物を滅ぼすべき敵か、使いつぶしていい道具と見なすほど冷酷極まりない。
- その正体は帝の遺伝子を受け継ぐ“息子”であり、帝暗殺から始まる全ての災厄を引き起こした黒幕。自身を捨てた(と思った)帝や、新たな後継者となったハクを憎み、前々作のヒロイン・エルルゥと前々作の主人公・ハクオロが所持するマスターキーを奪取し、古代の遺産を蘇らせようとする。だが自身が帝のクローンだったため、マスターキーの全権限を行使できないことが発覚して失意のどん底に落ちる。タタリ一掃による帝都崩壊後、ライコウに使わせた「最初の仮面」を被り、ウィツァルネミテアと同等の存在に変貌。帝都で生き残った人々をノロイに変えさせ、自分の思い通りの世界に変えようとするが、オシュトル(ハク)が自分の命を全て燃やして仮面の者に変身。渾身を一撃を受け敗北し、消滅した。
- シャスリカ
- 声 - 浅利遼太
- ウォシスが側に置いている3人の冠童(ヤタナワラベ)のうちのひとりで、栗色の髪をしている。小姓かつ護衛としてウォシスを補佐する。3人の冠童のリーダー的な存在。
- ウォシスを妄信しているが同時に、見返りを求めずに仕えようとする真摯さも持っている。
- リヴェルニ
- 声 - 田丸篤志
- ウォシスが側に置いている3人の冠童のうちのひとりで、青い髪をしている。
- ラヴィエ
- 声 - 鈴木晴久 / 梅田修一朗(ゲーム『斬2』・アニメ)
- ウォシスが側に置いている3人の冠童のうちのひとりで、癖のある茶色の髪をしている。
- マロロ
- 声 - 杉山大
- ヤマトの殿学士で八柱将デコポンポの下で雇われ、采配師をしている。デコポンポの敗北後、オシュトル(ハク)によって自らの傘下に加わるよう言われるが、戦いにおける容赦ないオシュトルの采配を目にし、さらにハクの死を聞いてショックを受け、ひとり帝都へ戻る。
- その後、ライコウの指示を受けたウォシスの手によって洗脳され、修羅の如き形相へと変貌。洗脳が未調整だった時に実家を焼き払い、父と祖父を含む家中の者達を惨殺し、“親友であるハクを殺したオシュトル”に復讐を果たそうとする。
- 帝都奪還後に洗脳が解け、介抱するオシュトルの言葉から彼の正体を察するが、直後に襲い掛かってきたシチーリヤからハクを庇って致命傷を負う。そして友の死の場面に立ち会えず何もできなかったと思っていた最大の後悔を晴らすことができ、親友を救えた事に安堵しながら息を引き取った。
- ミカヅチ
- 声 - 内田夕夜
- ヤマトの左近衛大将。仮面の者の一人でオシュトルと共にヤマトの双璧と呼ばれている。オシュトル、ヴライと同じく大いなる姿へと変貌することが可能。兄は八柱将であるライコウ。
- 先帝とその皇女であるアンジュには強い忠誠心を抱いてはいるが、オシュトルとアンジュの排除を決意した兄と袂を分かつこともできず、先帝の遺した「帝都とアンジュを守る」という最後の命を可能な限り遵守すべく、「(今、帝都に戻ろうとしても内戦の火種になりかねない立場の)アンジュはオシュトルに託し、自分は兄の下で帝都を脅かす者を排除する」という判断の下、敢えてエンナカムイとは敵対する道を選ぶ。そして、アンジュとオシュトルに、エンナカムイから出ずに穏やかに余生を過ごすよう、警告に訪れる。この時のオシュトル(ハク)との対決で、彼がオシュトルではないことを見抜くが、仮面の力を引き出したハクの力と覚悟から彼を“オシュトル”と認める。
- その場は撤退するも、その後もライバルとして幾度と無く激闘を繰り広げることになるも、ウォシスの裏切りで兄を失った後にオシュトル達と意外な形で再会し、ヤマトの安寧のために忠臣としてアンジュに帰順してオシュトル軍に参戦、ヤマト復興のために尽力する。そして、年相応に童子だったアンジュが数々の修羅場を越えて帝に相応しい威厳を持つ程に成長した姿に、此処まで育ててくれたオシュトル(ハク)に感謝している。
- エピローグではアンジュの世直し道中の御供として同伴、「ミカさん」と呼ばれている。時折アンジュに「息抜き」と称して賭場などに連れて行き、アンジュに丁半賭博などを教え、その度にムネチカに説教されている。
- ミルージュ
- 声 - 高森奈津美
- ミカヅチの小姓。シチーリヤと同じ部族の出身であり、彼もシチーリヤ同様、ウォシスの手のものとしてミカヅチを監視する役目を負ってもいる。シチーリヤとは違い、ミカヅチの手によって粛正された。
- デコポンポ
- 声 - 大川透 / 浜田賢二(ゲーム『斬2』一部代役[注 2])
- ヤマト八柱将の一人。エンナカムイの擁する「本当の姫殿下」の身柄を確保すべく猪突猛進してエンナカムイを襲撃するが、愚鈍ぶりは相変わらずでありオシュトルの策によって敗北。切り札としてウズールッシャの猛獣ガウンジを放つも、ライコウの策略で命令を聞かず暴れ狂うガウンジに生きながら貪り食われ、彼の死はライコウの「使者として赴いたデコポンポとボコイナンテを、オシュトルがガウンジを使って惨殺した」という内容の通称「エンナカムイの惨劇」というプロパガンダに用いられ、「死して」初めて役に立つ事となる。
- ボコイナンテ
- 声 - 中西としはる
- デコポンポの腹心。キウルの手引きによって帝都から脱出したオシュトルの手兵やその家族を追撃するが撃退される。その後デコポンポのエンナカムイ攻撃に同行するが、デコポンポと運命を共にする。
- ヴライ
- 声 - 乃村健次
- 「豪腕のヴライ」と呼ばれていた元ヤマト八柱将の一人。
- 前作でオシュトルに敗れて谷底に落ち、瀕死の状態となっていたが、ヴライを見つけて放っておけなかったエントゥアに介抱されて徐々に回復。それでも自分に残された命と力が残りわずかなことを悟っていたが、なおもオシュトルとの決着を求め、オシュトルとしてエンナカムイの軍を率いていたハクに、無理心中を図るかのような勢いで襲い掛かるが敗北。仮面の者の姿のまま塩と化して消滅した。
クジュウリ
- オーゼン
- 声 - 佐々木義人
- ヤマト八柱将の一人。クジュウリの皇で15人の子を持ち、ルルティエ、シス、ヤシュマの父にあたる。ルルティエを過保護に育てていたがその自覚はあり、シスが結婚して國を出た直後、ルルティエを帝都のオシュトルに預けていた。
- オシュトル、ルルティエ、アンジュらの来訪を受けてエンナカムイに助力しようとするが、シスに振り回されることになる。
- シス
- 声 - 山村響
- クジュウリの皇オーゼンの長子でルルティエの姉。気が強く、政略結婚で國を出ていたが自ら反故にして帰國している。ルルティエを溺愛している。聡明かつ勇敢な女傑だがルルティエへの愛情が深すぎて、故郷に帰って来た彼女を引き止める。しかしルルティエの強い決意を聞き、オシュトル(ハク)との決闘に敗北。自分を負かした彼に惚れてしまう。
- ヤシュマ
- 声 - 田丸篤志
- クジュウリの皇オーゼンの長男であり兄弟の中では上から2番目にあたる。礼儀正しく侠気にあふれるが、姉であるシスには頭が上がらない。
- 旅籠屋の女将
- 声 - 羽吹梨里
- クジュウリにある旅籠屋の女将で、以前ハクとクオンが泊まったことがある。ヤシュマが最初にオシュトルと面談するときにも、この旅籠を指定した。
イズルハ
- トキフサ
- 声 - 志賀麻登佳
- ヤマト八柱将の一人。かつてゲンホウを策略によって追放し、その後釜として八柱将になった。
- 強弓の使い手だが人望や能力などでゲンホウに劣るところがあり、コンプレックスを抱いていた。デコポンポ死後はその才幹の無さをライコウに見咎められるようになり、苦しい立場に追い詰められていた模様。
- 初代族長が帝より族長の証として拝領した金印の現所有者であり、その金印の威光によってのみ氏族をまとめていた。そのためエヴェンクルガ族の長として並々ならぬ執着を持ち、ノスリが借り受けに来た際にライコウに利用され亡き者にしようとしたが失敗、金印が無くとも一族をまとめるとノスリに金印を濁流に投げ捨てられ、我を忘れて飛び込み金印と共に濁流に飲まれ、下流の滝壺の中に消えた。
- ゲンホウ
- 声 - 大川透
- ノスリ、オウギの父で元八柱将。かつてトキフサの策略により追放処分を受けたことから政(まつりごと)に嫌気が差し、そのまま状況を受け入れて人里離れた地で悠々自適の生活を送っている。だが未だに彼を慕う者も多い。終盤で、帝となったアンジュによって右大臣に抜擢された。
ナコク
- イタク
- 声 - 小林裕介
- ナコクの皇子。ソヤンケクルの妹の子で、アトゥイにとっては従兄弟であると同時に許婚。誠実で生真面目な青年で、幼い頃に出会ったきりのアトゥイを一途に想い続けていた。戦闘の際は大振りの三叉槍を得手とし、実力も確かである。
- 母国は早々にエンナカムイと「本物の皇女」支持を公表していたが、そのために朝廷より攻撃を受けてイタクの父は死亡。イタクはソヤンケクルによってエンナカムイに運ばれ、オシュトルに助力を要請する。
- 終盤、帝となったアンジュの命により八柱将に抜擢された。
- シミュレーションパートではアトゥイ同様槍を装備しているが、隣接する敵にも攻撃可能で回復技も持っており、将としても大器ぶりを見せる。
シャッホロ
- ソヤンケクル
- 声 - 最上嗣生
- ヤマト八柱将の一人でシャッホロの皇。ヤマトの海事を担う海の男。アトゥイの父で、アトゥイを溺愛している。
- ヤマトの内乱では早々に中立を宣言していたが、その後、甥にあたるイタクを連れてエンナカムイを訪れ、オシュトルの傘下に入る。終盤で帝となったアンジュによって左大臣に抜擢され、八柱将の地位はアトゥイが引き継ぐことになった。
先帝とその関係者
- 帝(ミカド)
- 声 - 木村雅史
- 毒殺されたとされるヤマトの先の帝。その正体は大いなる父(オンヴィタイカヤン)こと旧人類の生き残り。自分自身を被験者として人体実験を繰り返した結果、数百年生きてヤマトを建国し、旧人類の技術の一部を使って統治していた。
- 冬眠状態にされていたハクの実兄であり、ヤマトの皇位はアンジュに、タタリに変貌した旧人類の救済という希望と研究をハクに託そうとしていた。だがその前に前作で殺害されかに思われたが、宮廷の地下施設の救命ポットの中で生存しており、ダミーを使って死を偽装していた。
- その後、オシュトル(ハク)にマスターキー取得の依頼をした。その間、流れ着いていたミカヅチを助け、トゥスクルに行ったオシュトル(ハク)を助け出すよう依頼した。そして、マスターキーを奪取し地下施設に戻ったウォシスに、自身のクローンであるため施設の使用権限が無い事を告げるが使用を強行されてしまい、それを引き金に地下に封印されていたタタリが溢れだし帝都は滅亡の危機に晒された。
- そして、タタリの拡散を阻止する為マスターキーを取り返したオシュトル(ハク)からアマテラスの使用権限を譲り受け、帝都へ放ったアマテラスの光によりホノカと共に消滅した。
- ホノカ
- 声 - 矢作紗友里
- いつも帝の側に仕えている女性。オシュトルと共に帝暗殺の容疑者にされるが前作で身を隠したまま、行方不明となっている。
- そして、今作では、生きていた帝と共に地下施設に潜んでいた。その後、アマテラスの光によって帝と共に消滅した。ウルゥルとサラァナは自身の実娘ではなく、姉妹が産んだため姪にあたる。
ヤマト周辺国出身の人物
- エントゥア
- 声 - 米澤円
- ヤマト北方にある國ウズールッシャの将ゼグニの娘。紆余曲折を経て宮廷女官として帝都で働くようになり、ハクたちの帝都脱出を手助けした。ヴライの追撃を知り危機を知らせるべくハク一行を追うも間に合わず、代わりにオシュトルとの戦いで瀕死の状態になっていたヴライを発見し、見捨てられずに介抱してしまう。
- オシュトルとの決着を求めるヴライ(自分に死期が迫っている事を感じながら)に父親の面影を重ね、その望みを叶えてやりたいと思うようになる。ヴライが敗北して消滅し、遺品となった彼の仮面を回収した後の動向は不明だが、エピローグにてナコクの女官して働いている。
- ヤムマキリ
- 声 - 水島大宙
- ウズールッシャの近くにあるレタルモシリの族長。ヤクトワルトの兄代わりだった人物の一人。
- 計算高く理知的な判断を下す冷酷な性格で、レタルモシリを纏めるためにヤクトワルトとシノノンの名を利用しようとする。
- モズヌ
- 声 - 拝真之介、非公開(女体化後)
- 街道を荒らしていた盗賊団の首領。前作「偽りの仮面」で捕縛、投獄されていたが、地下より現れたタタリの群れの騒ぎにより脱獄できたが、タタリの群れから人々を助けたいと義賊心に目覚めて手下と共に奔走、その際に仮面の力で変貌したウォシスより願い事を聞かれ、何故か咄嗟に「女装が似合うようになりたい」と願ってしまったため文字通りに女性へと性転換し、エピローグでは帝都再建に尽力する姿に周囲から支持力を得ているばかりか、美人でプロポーションの良い体形になった事から、チャラフンをはじめとする手下や町の男たちから好意の目で見られ、貞操の危機を感じている。
トゥスクル
- クオン
- 声 - 種田梨沙
- 本作のヒロインで、トゥスクルの皇女。ハクオロとユズハの娘[15]。
- かつて、ユズハの命を奪った病気に幼い頃かかったことがあるが、その身に宿る『力』によって撃退している。ハクを「失った」後、自らの故郷へと帰還。一時的にヤマトでの記憶を失っていたが、クロウから記憶を刺激されたことで思い出す。そしてアンジュを襲っている状況を知り、ヤマトに残してきた仲間たちへの間接的な支援のために、自らが裏切り者のそしりを受けることになろうとも、オボロの命に従いヤマトを攻め落とそうとする。
- しかし、トゥスクル皇女として正装と面紗で正体を隠した状態でエンナカムイに赴き、オシュトルたちと対面してヤマト侵攻を告げた後、オシュトルが言った何気ないひとことを聞いたことで彼の正体がハクだと気付く。そして、トゥスクルへの帰路の最中にクロウとベナウィに諭されたことで、一人の少女クオンとしてオシュトル(ハク)たちの下へ帰還し、彼と共に過酷な戦いへ身を投じるものの、ウォシスとの最後の戦いでハクが消滅した事でディーを乗っ取った方のウィツァルネミテアに取り込まれてしまうが、そこでハクオロから力を継承して新たなウィツァルネミテアとなったハクに助けられる。
- はっきりと描かれてはいないが、ハクと気持ちは通じ合っていると思われる。物語最後には、ウルゥルとサラァナを除いたメンバー内で唯一ハクと出会えている(ハクの一方的な会話のみだが)
- 『ロストフラグ』では霧の中を彷徨う内にアクタ達の世界へ迷い込み、そこで同様に迷い込んだ若き日のオボロと、生前のユズハと出逢い、母親に逢えた事に感激し、ユズハに過保護なまでに付き添うようになる。もう一つの世界ではウィツァルネミテアに取り込まれ、ハク達を滅ぼしてしまった最悪の結末の後の姿があり、そこでは本来の人格は消滅してウィツァルネミテアと人格が融合し「リンネ」と名乗っている。
- アルルゥ
- 声 - 沢城みゆき
- トゥスクル建国に関わった一人であり、動物を従わせる森の母(ヤーナマゥナ)の力を持つ女性で、その力でムックルとガチャタラという動物を従えており、戦いの時にも使役する。國名の由来となった老薬師トゥスクル(ハクオロやオボロらの恩人)の孫。
- クオンの母ユズハとは親友だった。クオンにとって姉のような存在。
- ムックル
- 声 - 下山吉光
- アルルゥが飼っているムティカパという種類の巨大な獣。普段は従順にアルルゥに従っているが、戦いになると容赦なく暴れて敵を引き裂き、噛み殺す。
- オボロ
- 声 - 桐井大介
- トゥスクルの皇。クオンの母ユズハの兄。そのため正確にはクオンの叔父にあたる。
- だがクオンの父が、オボロが義兄として敬愛していたハクオロであり、ハクオロが姿を消し、ユズハもクオンを生んですぐに死んだため、クオンを実の娘のように育て、クオンからも「お父様」と呼ばれている。ハクオロが姿を消す直前、トゥスクルのことを委ねられていた。
- 若い頃は血気盛んで浅慮な行動も多かったが、責任ある皇として経験を積んだためか、落ち着いた大局的な考え方ができるようになっている。しかし愛娘であるクオンのこととなると動揺を隠し切れないなど、根っこの部分は変わっていない。
- トゥスクルがヤマトに攻められたため、内乱終結後ヤマトが再び侵攻してくる可能性があるとして、ヤマトが混乱にある現在のうちに、「売られた喧嘩を買う」ためヤマトへの侵攻を決定する。
- 年相応に茶道や陶芸などの趣味にも目覚め、エピローグではクオンに皇の座を譲って隠居して陶芸に没頭しているが、時折クオンが城を抜け出しては慌てるなど、まだまだ親バカな一面が抜け出せていない模様。また、そのために政務を代行する羽目になり、その度にオボロも逃走するため、ベナウィ主導の下で訓練の一環として山狩りをする事が恒例となっている。
- ドリィ、グラァ
- 声 - 渡辺明乃
- トゥスクル皇オボロの御側付きの双子で、トゥスクル建国以前からオボロに仕えている弓使い。トゥスクルからの使者としてエンナカムイに現れ、多数の物資をもたらした。
- ウルトリィ
- 声 - 大原さやか
- オンカミヤムカイの賢大僧正(オルヤンクル)の地位に就く女性で、ウィツァルネミテア信仰の宗教指導者的人物。カミュの姉。クオンの母親役の1人で学問や作法の教育を受けていた為、クオンは頭が上がらない。フミルィルは彼女が赤ん坊の頃に預かっていたことがあり、現在も深く慕われている。
- カミュ
- 声 - 釘宮理恵
- オンカミヤムカイの出身で、現在はトゥスクルの巫(カムナギ)を務める美女。ウルトリィの妹。アルルゥと同じく、クオンの母ユズハが生きていたときの親友であり、クオンにとって姉のような存在。
- ハクからの第一印象は残念美人。
- ムント
- 声 - 白熊寛嗣
- オンカミヤムカイの老僧で、カミュのお目付役。前々作からそれなりの年月が経った本作においても相変わらず、サボり癖のあるカミュに手を焼かされている。
- ベナウィ
- 声 - 浪川大輔
- トゥスクル建国以前(ケナシコウルペ時代)より侍大将を務める歴戦の勇将。冷静沈着な性格で、知略に優れると共に槍術の達人。
- クオンの教育係として厳しく接しているが、家族としての愛情も持っている。
- 責任感も能力もその地位以上に持っているトゥスクルきっての英才だが、度々やんちゃな騒動を起こす主筋(王族関係者)に手を焼いている様子もうかがえる
- クロウ
- 声 - 小山剛志
- ベナウィの腹心の部下であり歴戦の勇士。屈強な肉体を誇り、豪胆な性格。
- クオンの父親役の1人だが、彼女にとっては年が離れた意地悪な兄という印象である。エピローグでは皇として政務に追われるクオンの理解者として時折逃走の手引きをしており、その度にベナウィに説教されている。
- カルラ
- 声 - 田中敦子
- ヤマト帝都の旅籠屋・白楼閣の女主人。戦闘に特化したギリヤギナ族の出身であり、その中でも並外れた(100kg以上の大剣を竹鞭のような勢いで振り回すほどの)怪力と絶大な武技を誇る。トウカと共に、トゥスクル本国へ密かに情報の提供をしている。かつて自分が使っていた剣を、アンジュの為にエンナカムイへ投げ込んでいる。エピローグでは再び白楼閣の女主人として、復興するヤマト帝都をトウカと共に見届ける事になる。
- トウカ
- 声 - 三宅華也
- ヤマト帝都の旅籠屋・白楼閣で働く女子衆。ノスリやオウギと同じく、エヴェンクルガの出身で剣の達人。カルラと共に、トゥスクル本国へ密かに情報の提供をしている。
- チキナロ
- 声 - 太田哲治
- 前々作よりの登場。「人身売買以外なら何でも扱う」がモットーの、抜け目ない行商人。クオンの手引きによりエンナカムイを訪れて、エンナカムイのための物資調達を行う。またクオンが用意した、毒にやられたアンジュを癒やすための薬をオシュトルに手渡した。
- エルルゥ
- 声 - 柚木涼香
- 前々作のヒロイン。クオンの母親役の1人。アルルゥの姉で、トゥスクル建国以前よりずっとハクオロを支えていた人物。
- 國名の由来となった老薬師トゥスクルの孫であり、祖母から薬師の知識と技術を引き継いでいる。その結果トゥスクルで知らない者はいないと言われるほどの薬師になり、クオンにも薬師の指南を行っていた。だがある時を境に、忽然と世俗から姿を消した。真実はオンカミヤムカイの地下深くで現世に帰還したハクオロの傍にて、世話と封印を監視し、クオンがウィツァルネミテア(ディーの体を乗っ取り支配した分身の方)に取り込まれないようにしている。
- 物語の最後で、人として帰還したハクオロと再会し、積年の想いをかなえることとなる。
- ハクオロ
- 声 - 小山力也
- 前々作の主人公。悪政を敷いていたケナシコウルペ朝を打倒して、トゥスクルを建国した初代皇。
- その正体は、遥か昔に大神ウィツァルネミテアと同化した旧人類(厳密にはハクや帝など作中で『大いなる父』と呼ばれている旧人類より、さらに古い時代の科学者)の生き残りであり、自分の力の暴走を抑えるために自らの意思でオンカミヤムカイに封印されていた。
- 旧人類の後継者「うたわれるもの」を、オンカミヤムカイの奥深くの大封印殿にて待ち続ける。物語の終盤、ハクがウィツァルネミテアの力を受け継いだ事により、自分は力を失い、人として現世への復帰を果たし、かつての仲間たちの元へ帰還した。
特殊キャラクター
前作のダウンロードコンテンツの追加キャラクター。該当ダウンロードコンテンツを導入した前作のクリアデータを本作にコンバートすることでシミュレーションパートのユニットとして使用可能。ストーリーには一切関わらない。
元来は『ToHeart2』に登場するキャラクター。
- 向坂 環(こうさか たまき)
- 声 - 伊藤静
- 久寿川 ささら(くすがわ ささら)
- 声 - 小野涼子
ファミ通クロスレビューでは10、8、8、8の34点でゴールド殿堂入り[18]。レビュアーはシリアスとコミカルを織り交ぜた物語、新規プレイヤーにも楽しめるように前作のあらすじが把握できる、声優の演技、協撃必殺技、ムネチカの試練、BGM、バトルでのリワインド機能、バトルシステムの細かい改善を賞賛した[18]。また、「BestPickofThisWeek! 今週はコレを買え!」では同じ号でレビューした10作品のうち、レビュアー6人中1人が本作を選んでいるが、この人物はレビューで10点を与え、シリーズを1作目からプレイしている[18][20]。
MetacriticではPS4版が75/100のスコア[16]。Destructoidは戦闘のゲームプレイは協撃必殺技が登場したが前作と変わりがない、PS Vita版は動作には問題ないがエイリアシングとベースフレームレートの低下を指摘した[17]。
RPGamerではPS Vita版が4.5/5のスコアでストーリー、戦闘システムや戦闘バランス、ビジュアルや音楽を賞賛、キャラクター3Dモデルの弱さを指摘した[19]。
本ゲームの発売に伴い、『煌うたわれるものらじお』のタイトルで2016年5月23日より音泉にて配信される[22]。毎週月曜日に更新。パーソナリティは赤﨑千夏(アンジュ 役)と利根健太朗(オシュトル 役)が務める。
2022年7月から12月までTOKYO MXほかにて放送された[23]。
主題歌・挿入歌
いずれの楽曲もSuaraが担当する[25]。
- 「人なんだ」
- オープニングテーマ。作詞は下川直哉、須谷尚子、作曲は下川直哉、編曲は塚﨑陽平[26]。
- 「百日草」
- エンディングテーマ。 作詞は巽明子、作曲・編曲は松岡純也[26]。
- 「ヌエドリ」
- 挿入歌。作詞は須谷尚子、作曲・編曲は衣笠道雄。
- 「恋夢」
- 挿入歌。作詞は須谷尚子、作曲・編曲は松岡純也。
- 「不安定な神様」
- 挿入歌。作詞は須谷尚子、作曲は下川直哉、編曲は小林俊太郎。
- 「キミガタメ」
- 挿入歌。作詞は須谷尚子、作曲は下川直哉、編曲は衣笠道雄。
- 「天かける星」
- 挿入歌。作詞は須谷尚子、作曲は中上和英、編曲は衣笠道雄。
- 「星灯」
- 挿入歌。作詞は須谷尚子、作曲・編曲は衣笠道雄。
- 「夢想歌2016」
- 挿入歌。作詞は須谷尚子、作曲・編曲は衣笠道雄。
各話リスト
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話数 | サブタイトル | 脚本 | 絵コンテ | 演出 | 作画監督 | 初放送日 |
第一話 | 鉄扇と共に
| 横山いつき | 川村賢一 | 関谷真実子 | | 2022年 7月3日 |
第二話 | 覚悟の在処
| 曽根利幸 | |
第三話 | その道を紅く染めて
| 加藤洋人 | 土屋浩幸 | | 7月10日 |
第四話 | 戻れぬ想い
| 路比塚環竿 | 関谷真実子 | | 7月17日 |
第五話 | 対なるもの
| 西田正義 | 木村佳嗣 | | 7月24日 |
第六話 | 覇道皇女
| 土屋浩幸 | | 7月31日 |
第七話 | 奏上の時
| 関谷真実子 | | 8月7日 |
第八話 | 帰還
| 路比塚環竿 | 曽根利幸 | | 8月14日 |
第九話 | 笛の音
| 関根聡子 | Royden B | 木村佳嗣 | | 8月21日 |
第十話 | 策動の森
| 中健人 | 路比塚環竿 | 土屋浩幸 | | 8月28日 |
第十一話 | 長の証
| 村松裕基 | 岩畑剛一 | 関谷真実子 | | 9月4日 |
第十二話 | 妄執の炎
| 関根聡子 | 博多正寿 | 曽根利幸 | | 9月11日 |
第十三話 | 復興の誓い
| 清水耕司 | 路比塚環竿 | 土屋浩幸 | - 岡垣優
- 木宮亮介
- 三島千枝
- 豆塚あす香
- 大高雄太
- 石井ゆみこ
- 森川侑紀
| 9月18日 |
第十四話 | 決戦前夜
| 村松裕基 | 岩畑剛一 | 関谷真実子 | | 9月25日 |
第十五話 | 死中に活あり
| 関根聡子 | 渡部高志 | - 中田正彦
- 永吉隆志
- 大高雄太
- 中村進也
- 岡垣優
- 二林翔太
- 三島千枝
| 10月2日 |
第十六話 | 豪雄激突
| 横山いつき | 加藤洋人 | 土屋浩幸 | | 10月9日 |
第十七話 | 決意の対価
| 路比塚環竿 | 神崎ユウジ | | 10月16日 |
第十八話 | 大願を胸に
| 相澤伽月 | 曽根利幸 | | 10月23日 |
第十九話 | 残された役目
| 博多正寿 | 小柴純弥 | | 10月30日 |
第二十話 | トゥスクルへ
| 関根聡子 | 岩畑剛一 | 堀内直樹 | | 11月6日 |
第二十一話 | 人を継ぐ者
| 横山いつき | Royden B | 関谷真実子 | - 中田正彦
- 河口千恵
- 高橋はつみ
- 新村香奈
- 三島千枝
- 森川侑紀
| 11月13日 |
第二十二話 | 叡智への扉
| 中健人 | 加藤洋人 | 土屋浩幸 | | 11月20日 |
第二十三話 | 目覚めの地にて
| 横山いつき | 渡部高志 | | 11月27日 |
第二十四話 | 深淵より来る声
| 関根聡子 | 相澤伽月 | 神崎ユウジ | | 12月4日 |
第二十五話 | 歪みし大神
| 加藤洋人 | 土屋浩幸 | | 12月11日 |
第二十六話 | 願いの果て
| 清水耕司 | 岩畑剛一 | 三好なお | - 豆塚あす香
- 岡垣優
- 小川みずえ
- 五月麻帆
- 三島千枝
- 江藤大気
| 12月18日 |
第二十七話 | 神話の始まり
| 横山いつき | 相澤伽月 | 荻窪太朗 | - 佐々木舞
- 稲吉智重
- 木宮亮介
- 岡垣優
- 河口千恵
- 加藤明日美
- 渡邉八重子
| 12月25日 |
第二十八話 | 二人の白皇
| 路比塚環竿 | | |
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BD / DVD
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巻 | 発売日[29] | 収録話 | 規格品番 |
上 | 2022年12月21日 | 第1話 - 第14話 | KIXA-90936〜9 |
下 | 2023年4月26日 | 第15話 - 第28話 | KIXA-90544〜7 |
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