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「ビュー・スイカ」カード (VIEW Suica Card) は、株式会社ビューカードおよび提携クレジットカード会社が発行するクレジットカードであるビューカードの内、Suica機能を有するものである。なお、本項目では「VIEW Suicaカード」の表記も使用している。
(Suica機能なしの従来型ビューカード、およびビューカード全般のサービスについては「ビューカード」を参照のこと。)
JR東日本が従来から発行していたビューカードにSuicaの機能を加えたもので、2003年(平成15年)5月19日から会員の募集を開始し、同年7月1日から利用を開始した[1]。利用開始に際してJCBブランドとの提携を行っている。
当初はSuicaイオカードのみの機能であったが、2006年(平成18年)1月10日からSuica定期券の機能を加えたVIEW Suicaカードの募集も開始された。
2010年(平成22年)2月1日にはJR東日本の子会社である株式会社ビューカードが、クレジットカードに関する事業をJR東日本から承継した。このため現在は株式会社ビューカードによる発行となっている。
VIEW Suicaカードでは、My Suica(記名Suica)またはSuica定期券に次の特徴が加わっている。
更新時、新しいカード(ビューカード)が到来した場合旧カードのチャージ金額は手数料無しでの払い戻しとなる。払い戻しは ATM である「ビューアルッテ」 (VIEW ALTTE) で取り扱い、払い戻し済の旧カードはSuica機能も無効になる。なお、VIEW Suicaカードに購入した定期券の有効期限がクレジットカードの有効期限を超える場合は、定期券の有効期限まではSuicaの機能の部分のみ利用できる。
株式会社ジェーシービー並びにユーシーカード株式会社との加盟店開放契約によるJCB、VISA及びMasterCardの各ブランドのカードを発行している。会員募集開始当時はJCBとVISAブランドのみであったが、2004年(平成16年)2月16日からMasterCardブランドの募集も開始されている。
発行が開始された当時のVISAブランドのカードは利用可能地域が日本に限られていた。2004年(平成16年)4月30日以降に発行されたカードから国際カードとして利用することができる様になった(地域限定となった経緯に関しては、次項のエンボスレスカードで述べる)。
Suicaでは非接触ICカード通信技術 FeliCaを利用している。一般のFeliCa利用カードにはアンテナ線がカードの端に沿って四角型に配置されているが、Suicaの場合は他のFeliCa利用カードと重ねて使用しても改札機の電波を受信しやすくするために木の葉の輪郭のようなアンテナ線配置になっている。そのため、カード中心部に近い位置を走るこのアンテナとカード番号などを刻印するエンボスが干渉することから、クレジットカードとしては世界初のエンボスレスカード(カード番号の凹凸がないカード)として発行された[2]。
この結果、当時インプリンタによる刻印写し取り方式が主流であった東南アジアや中国本土の市中での決済が滞るとの懸念からVISA Internationalが難色を示し、当初は日本でのみ利用可能とした。その後利用実績が考慮され、2004年(平成16年)4月30日より国際的に使える様になった(これに伴い従来のVIEW-VISAカードの新規受付は中止となった)。
VIEW Suicaカードの中で、VISAおよびMasterCardブランドのカードの表面には、インプリンタでは使用できないことを意味する「ELECTRONIC USE ONLY」という注意書きが表示されている。なお、株式会社パスモが発行する一体型Pastownカード(VISAブランドのみ)などのPASMOや、阪急阪神カードのエメラルドSTACIA PiTaPa VISAカードなどのPiTaPaのように、交通系ICカードが一体になっているクレジットカードは同様の理由から全てエンボスレスカードになっている。またVIEW SuicaカードのJCBブランドの場合は、カードの裏面に「インプリンタは使用できません」という注意書きが記載されている。
2006年(平成18年)10月1日から、事前設定をすることによって、設定した金額以下の残額になった場合に自動改札機でクレジットカードから自動的にチャージされるオートチャージサービスを開始した。2009年(平成21年)7月25日には、ビューアルッテを利用してビューカードと登録情報が同じであるMy Suicaをリンクさせることにより、My Suicaにもオートチャージできるサービスを開始した(My SuicaにはSuica定期券、記名式地域連携ICカード、ゆうちょICキャッシュカードSuica、学生証・社員証Suicaが含まれる)[3]。
このサービスは、事前にビューアルッテでオートチャージ金額などを設定すると、読み取り部分が青色の改札機から入場する際に、設定した条件でチャージが自動的に行われる。オートチャージが行われるのは、Suica・PASMOエリアのみで当初は改札入場時のみであったが、2018年(平成30年)3月17日から改札出場時でもオートチャージが行われるようになった。バス利用時、新幹線の改札、1ラッチ乗換え改札、電子マネー使用時、並びにSuica・PASMOエリア以外の、JR各社・他社局の相互利用エリアでの改札では行われない。また、簡易改札機(ドアの無い改札機)ではオートチャージができないが、ドアの無い改札機であってもICモジュールが青色に点灯しているタイプではオートチャージができる(なお、一部オートチャージができない駅がある)。
仙台・新潟エリアは当初オートチャージサービスの対象外であったが、2010年(平成22年)3月13日からオートチャージが利用可能となった。オートチャージは同時にモバイルSuicaでも利用可能となり、この場合は決済カードがVIEW Suicaカードに限定される。
金額の設定は、1回10,000円以下の範囲であれば1,000円単位で設定でき、変更も可能である。
但し、東京モノレール・東京臨海高速鉄道が発行する「モノレールSuica」と「りんかいSuica」ではビューカードと登録情報が同じであるMy Suicaとリンクさせてのオートチャージは出来ない[4]。
2009年(平成21年)7月27日より、利用登録をすることによって、自宅などでもSuicaにチャージができる「Suicaインターネットサービス」を開始した。このサービスにより、JR東日本のウェブサイトで利用登録をすると、インターネットの利用によるクレジットカードからのSuicaへのチャージ、およびネットショッピングでのSuicaの利用が可能となる。チャージ金額の決済にはSuica付きのビューカードが必要であり、またSuicaのデータ入出力を行うためのFeliCaポートまたはPaSoRiが必要となる。
このサービスが利用できるのは、Suica付きのビューカードおよびMy Suicaである(My SuicaにはSuica定期券、ゆうちょICキャッシュカードSuica、学生証・社員証Suicaを含む)。ただしSuicaマークが右下にあるMy Suicaでは当サービスが利用できず、その場合はSuicaエリア内のみどりの窓口で新しいものに手数料無しで交換できる(2008年(平成20年)12月以降に発売されたものには右上にSuicaマークがある)。
Suicaエリア外では、クレジットカードによるチャージができるのはモバイルSuicaのみであったが、このサービスによりカード式Suicaへのチャージも可能となった。
チャージ金額は1,000円以上1円単位となる。チャージ上限額の20,000円までチャージする「満タンチャージ」も可能である。
2021年2月9日(火)をもって全サービスを終了。
次のビューカードがSuica定期券に対応しており、裏面左中央に定期券情報が記録される。
各企業と提携しているカードを以下に示す。「アトレクラブビューSuicaカード」および「ルミネカード」でない場合は、定期券機能がない記名式Suica (My Suica)である。「JRE CARD」はVISAブランドに限りSuica定期券機能付きのカードやSuica機能のないカードを申込時に選択することができる。
2007年(平成19年)5月現在、新銀行東京・みずほ銀行・三菱UFJ銀行からそれぞれ自行のICキャッシュカード機能を付加したVIEW Suicaカードが発行されている。これらは、ビューカードおよびSuicaとしては初となる、非接触IC (FeliCa) と接触ICの双方を搭載したカードである。なお新銀行東京提携カードにはセーフティーパス機能も搭載されている。
また、三井住友銀行・三井住友カード・横浜銀行との提携も発表されており、これらの発行開始に先行して2006年(平成18年)よりビューアルッテでは提携行のキャッシュカードによる預金引き出しの取扱いを開始した。提携の状況は次表の通り。
カードの名称 | 提携銀行の名称 | ブランド | 年会費 | 募集開始日 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
ビュー・スイカ新銀行東京カード | 新銀行東京 | JCB | 無料 | 2005年7月1日 | ※1 |
みずほSuicaカード | みずほ銀行 | VISA | 500円 | 2006年3月15日 | ※2 |
スーパーICカードSuica「三菱UFJ-VISA」 (TypeII) | 三菱UFJ銀行 | VISA | 一般:無料 ゴールドカード:10,500円 | 2007年2月13日 | ※3 |
SMBC CARD Suica (TypeII) | 三井住友銀行 | VISA | 1,312円 | 2008年10月20日 | ※4 |
みずほマイレージクラブカード《セゾン》Suica (TypeII) | みずほ銀行 | VISA | 無料 | 2008年10月20日 | |
横浜バンクカードSuica (TypeII) | 横浜銀行 | VISA | 一般:無料 ゴールドカード:10,500円 ヤングゴールドカード:3,150円 | 2009年4月20日 |
2005年(平成17年)1月4日からJALグループのJALカードがVIEW Suica JCBを提携ブランドとする提携カード「JALカードSuica」の発行を開始した(申込み受付は2004年(平成16年)12月1日から)。発行当初よりJAL ICサービスも搭載されている。他のJALカードと同様に普通カードとCLUB-Aカード・JALグローバルクラブカードが存在する。
ただし、JALカードの他提携ブランドで発行している家族カードはVIEWカード側に設定が無かったが、2018年(平成30年)7月18日から発行できるようになった[5]。VISA/MasterCardブランドが発行されていないのは、JR東日本→ビューカード(ユーシーカード〈初代〉→クレディセゾン→ユーシーカード〈2代目〉/UCカード)とJALカード(ディーシーカード→三菱UFJニコス/DCカード)で両ブランドの提携先が異なるためとされている。
このカードに限り、JMBマイルからサンクスチャージへの交換(10,000マイルをSuicaチャージ1万円)及び、VIEWサンクスポイントからJMBマイルへの交換(600ポイントを500マイル[ショッピングマイル・プレミアム加入の場合1,000マイル])が可能となっている。
なお、JALカードSuicaはSuica定期券としては使えない。
航空会社と提携した電子マネーでは、2003年(平成15年)に全日本空輸のANAマイレージクラブとEdy(ビットワレット)の提携例があり、これに対抗した形となったが、2007年(平成19年)になって全日本空輸とも提携し一体型カードを出すと11月29日付の日本経済新聞などで報じられた[6]。これを受けて、JR東日本は「検討をしているが決定していない」とするコメントを発表した[7]が、後に正式合意に至り、12月6日に包括提携を発表した。提携内容は「ANA VISA Suicaカード」(Type IIカード)の発行、AMCマイルからSuicaポイントへの交換など[8][9]。
従来のVIEW Suicaカードは他社提携カードも与信・決済業務はプロパーと同様にJR東日本が行っていたが、Suica事業のさらなる拡大を目指し、Suica機能搭載を条件にVIEWクレジット網の一部開放(JR東日本の駅やえきねっと・モバイルSuicaに限る)を行うこととなった。このカードはType IIカード[10] と呼ばれカード表面に(ii)マークが付くほか、与信・決済業務はJR東日本ではなく各発行会社が請け負う。このType IIカードは以下の点が制約事項となる。
以前のVIEWカードは申込者の居住地域がJR東日本・JR北海道沿線の都道県に限定されていたが、前身のVIEW-VISAカードが導入された2000年(平成12年)3月以降は居住地域の制約が撤廃されており、Suica利用エリア外であっても各種VIEW-Suicaカードの発行の申請ができる。
Suica利用エリア外では、2004年(平成16年)に業務提携したビックカメラの福岡市天神の各店においてSuicaショッピングサービスの取扱とVIEW ALTTEの設置が2006年(平成18年)に始まり、2007年(平成19年)には関東・中部・東北のイオングループ各店舗でWAONと共にSuicaショッピングサービスの取扱が開始されている。
名古屋地区においては、クレジットによりチャージする方法はVIEW ALTTE、モバイルSuica、Suicaインターネットサービスの利用に限られる。VIEW ALTTEが設置されているのは、JR東日本の施設内およびビックカメラの一部店舗のみである。同地区では2010年(平成22年)3月13日にJR東海のTOICAの電子マネーサービスが導入され、同時にSuicaおよびICOCAとの電子マネーサービスの相互利用も開始されている。2008年(平成20年)春の時点では、名古屋市を中心としたSuicaショッピングサービスは、JR東日本、および業務提携先であるクレジットカード会社や流通業各社が本格的に進めることになった。
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