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ベルト給弾方式の自動擲弾発射器 ウィキペディアから
Mk.19 自動擲弾銃(Mk.19 じどうてきだんじゅう; 英語: Mk.19 grenade launcher)は、ベルト給弾方式の自動擲弾発射器である。
開発されたのはベトナム戦争中の1966年で、最初の試作モデルであるMk.19 Mod 0は信頼性の低い危険な物であったが、続いて試作された6基のMk.19 Mod 1は、1972年のメコン川のアメリカ海軍の哨戒艦艇でのテスト運用で成功を収めた。その後海軍向け量産モデルとしてMk.19 Mod 2が生産された後、1976年に改良型のMk.19 Mod 3が開発され、このモデルがアメリカ陸軍でも1983年から運用される様になった。
ベトナム戦争の後、1991年の湾岸戦争、1993年のソマリア内戦でもアメリカ軍によって運用され、2000年代以降のアフガニスタン紛争、イラク戦争でも引き続き運用されている。またアメリカ以外の輸出先でも広く運用されている。
Mk.19は、40mmグレネードを最大で毎分300-400発の連射速度で発射し、持続連射速度は毎分40発程度の性能である。本体重量は33kg。最大射距離は2,200mだが、有効射程は1,600m、照準は1,500mまでの目盛となっている。75m未満の射距離では、射手自らが被害にあう可能性がある。銃口のフラッシュハイダーの効果と発射ガスの少なさから、射撃位置の秘匿性に優れている。AN/TVS-5夜間照準具の使用で、夜間でも射撃可能である。
使用される弾薬は40x53mm擲弾であり、M203 グレネードランチャーの40x46mmとの互換性はなく、有効射程が10倍以上も違う別物である。M203は、技術的には「低速度」擲弾に分類され、主に対人用の榴弾を射撃する。Mk.19は「中速度」であり、対人・対装甲車両用の多目的榴弾を射撃する。
主な使用弾薬は、M430多目的榴弾である。この弾薬の危害範囲は、弾着地点から半径5m以内の人員を殺害、半径15m以内ならば負傷する。直撃ならば約5cmの装甲を貫通でき、歩兵戦闘車や装甲兵員輸送車に有効な打撃を与えられる。集団で行動する歩兵に対して特に有効である。弾薬は、32-48発をまとめて一つの金属容器に収納し、その重量は20-30kgである。
Mk.19は、Mk18 手動連発擲弾銃の後継装備品である。
96式[1] | Mk 19 | Mk 47 | H&K GMW[2] | Y3 AGL[3] | LAG 40 | 大宇 K4[4] | AGS-30 | AGS-40[5] | |
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画像 | |||||||||
使用弾薬 | 40x56mm | 40x53mm | 30x29mmB | 40mmケースレス (7P39) | |||||
重量 (本体のみ) |
24.5kg | 32.92kg | 18.0kg | 18.0kg | 32.0kg | 34.4kg | 16.0kg | 不明 | 29.0kg |
銃身長 | 454mm | 413mm | 610mm | 577mm | 300mm | 415mm | 412mm | 290mm | |
全長 | 975mm | 1,095mm | 940mm | 1,090mm | 844mm | 960mm | 1,094mm | 1,100mm | |
発射速度 | 250-350発/分 | 325-375発/分 | 225-300発/分 | 340発/分 | 280-320発/分 | 215発/分 | 350発/分 | 400発/分 | |
最大射程 | 2,200m | 1,700m | 2,500m |
作動原理はブローバック・オープンボルト方式で、コッキングレバーを引き下げるとボルトが後退位置で固定され、同時に最初の弾薬がボルトの前方へ導かれる。コッキングレバーを前進位置に戻し、トリガー(押し鉄)を操作すると、解放されたボルトが前進して弾薬を薬室へ送り込み、ボルトが前進し切ると撃針が解放されて撃発、弾丸が射出される。薬莢を介して発射ガス圧を受けたボルトは後退して、排莢と次弾の装填を行う。射撃中、コッキングハンドルは前進位置にとどまる。
この作動方式は、まれに射手を事故に巻き込むことがある。弾詰まりを起こした場合、射手は薬室から弾薬を抜き出さねばならないが、このときにボルトが前進してしまうと弾丸が炸裂する場合があり、近隣の人員を死傷させる。
生産は、ジェネラル・ダイナミクスおよびサコー・ディフェンスが行っている。
元々はアメリカ海軍の哨戒艦艇への艦載兵器として開発されたが、Mk.19 Mod 3以降、陸軍や海兵隊でも運用されるようになった。
地上据置の場合、射撃は通常1個班で行い、M205三脚などに搭載される。また、軍用車両の銃架への搭載や、装甲戦闘車両の銃塔に組み込まれて使用されるケースもある。
多くの場合、M2重機関銃と選択的に使用可能である。
通常、三脚に載せて使用される。分解して兵士が運搬する事が可能となっている。
海軍の哨戒艦艇の他、MRAP、ハンヴィー、M151、MTVR、IFAVなどの装甲車両や非装甲車両に搭載される。アメリカ陸軍や海兵隊では、2003年のイラク戦争後、射手の防護のためOGPKやMCTAGSと呼ばれる銃手用防弾板キットが運用されており、Mk.19もこういった銃塔キットに組み込まれて運用されている。
アメリカ陸軍のM1117 ガーディアンASVやアメリカ海兵隊のAAV7に搭載されているキャデラック・ゲージ社製の銃塔には、M2重機関銃とMk.19が同軸(並列)に配置され、いずれも銃塔内からの射撃が可能となっている。
アメリカ陸軍のストライカー装甲車には、ノルウェーのコングスベルグ・ディフェンス&エアロスペース社の開発したM151 プロテクターRWS(遠隔操作式銃塔)が標準装備されており、M2重機関銃とMk.19を選択して搭載可能である。また、アメリカ陸軍の汎用のRWSとして採用されたM153 CROWS IIにも、同様に搭載可能である。
ジェネラル・ダイナミクスによれば、総計約35,000挺のMk.19 Mod 3が製造され、1984年から海外への輸出が始まり、世界に約30カ国のユーザーが居るとされる。
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