KDDI山口衛星通信センター
ウィキペディアから
ウィキペディアから
KDDI山口衛星通信センター(ケイディディアイ やまぐちえいせいつうしんセンター)は山口県山口市仁保中郷にある、大手通信会社KDDI唯一の衛星通信施設。また、日本最大の衛星通信施設である。
衛星通信関連の各種文献では「山口衛星地球局」と表現されていることが多い。
敷地には、国際通信用の衛星インテルサット・インマルサットとの交信用のパラボラアンテナが約20基並ぶ。
インテルサットはヨーロッパ大陸及びインド洋向けとアメリカ州及び太平洋向けの2方向の国際通信、インマルサットは船舶通信を主目的とする移動体通信とインターネット通信を目的としている。日本放送協会(NHK)のテレビ国際放送2波(NHKワールドTV・NHKワールド・プレミアム)もここから全世界に向けて送出される[1]。
最大のものは直径34mで、これは衛星通信用パラボラアンテナとしては日本一の大きさである[2]。
また、KDDIから国立天文台に譲渡された直径32mの電波望遠鏡が存在し、中国地方唯一の電波望遠鏡として、地元の山口大学と共同で宇宙電波観測に用いられている。
敷地の一角には、1982年12月に開業した本センターや衛星通信の様子を紹介する見学施設「KDDIパラボラ館」が併設されており、随時見学が可能。通信衛星地上管制局の指令通信アンテナが多数置かれているという保安上の理由から、関係者以外はこのパラボラ館以外の場所に入ることができない。
山口市には、本センターと同様の衛星通信施設として、スカパーJSATがSUPERBIRDの地上局(スーパーバード山口ネットワーク管制センター)を市中心部に近い市内荻町に、自治体衛星通信機構(LASCOM)の地上局(山口管制局、第1・2世代方式の副管制局)、ARUJI山口テレポートセンター(仮称)、ソフトバンク上山口衛星通信局を市内宮野上にそれぞれ設けている。
電波法第56条の規定[3]により、山口市内では、これらの施設の運用を妨げる電波を出すことが禁じられている。
前述の事情から、テレビ放送については、親局である大平山 (防府市)の山口市向け出力を上げることが困難である。そのため、山口市内では鴻ノ峰中継局からの電波を直接受信するか、ケーブルテレビを視聴する世帯が多い。
旧国際電信電話(KDD)時代の1969年5月に、『KDD山口衛星通信所』として開設された。
旧KDDの衛星通信施設としては1963年11月に開設・1966年12月に運用開始した『KDDI茨城衛星通信センター』(茨城県高萩市・日立市)があったが、そこは元々日米間の通信を行うために太平洋上の通信衛星向けに設置された地上基地であり、ヨーロッパ・アフリカ・西アジア向けの衛星通信を行うためのインド洋上(東経60度付近)に浮かぶ静止衛星との交信が出来ない位置にあった。これに伴い、日本でインド洋上の衛星との交信が出来る最東端であり、台風の来襲が少なく、地震が比較的少ない[4]山口市に設置された経緯がある。ちなみに本センターからでも、太平洋上の静止衛星との交信は可能であり、南極の昭和基地と直通回線を結んでいる。
その後、通信業界の再編などにより、KDDがKDDIになるなどの歴史を経て、2002年に現名称に改称された[5]。
KDDIは2006年度末で茨城衛星通信センターの運用を終了、山口に衛星通信施設を集約させたため、さらに重要度が増すことが予想される。
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.