SUPERBIRD

ウィキペディアから

SUPERBIRD(スーパーバード)とは、スカパーJSAT株式会社が保有する通信衛星のうち、旧・宇宙通信株式会社から続くXバンドを含む中継器を搭載するシリーズである。

2024年9月現在、「SUPERBIRD B3」・「SUPERBIRD C2」の2機が稼動中である。全ての衛星は静止軌道に打上げられた。2027年上期を目処に「SUPERBIRD 9」の運用を開始する予定である[1]

主にサービスされる周波数帯はKa、Kuバンドである。衛星には株式会社MCCが所有するXバンド中継器が搭載され、「SUPERBIRD B3」・「SUPERBIRD C2」の2機が防衛省自衛隊に対し、艦船、航空機、地上移動体等と基地間又は移動体間同士でのデジタル衛星通信サービスを提供している[2]

衛星のカバーエリアは日本・北東アジア・東南アジアとし、可動ビームを使用してオセアニア地域やハワイ・ミクロネシア等の太平洋諸島地域とも通信が可能である。

衛星一覧

さらに見る 名称, 軌道位置 ...
名称軌道位置衛星バス中継器
周波数帯:本数
増幅器出力カバーエリア打上時
質量
打上日 (GMT)発射場打上機運用状態
SUPERBIRD A東経158度SS/L
SSL1300
Ku帯:23本
Ka帯:3本
X帯:2本
Ku帯:50
or 60W
Ka帯:29W
X帯:47W
不明2492kg1989年6月5日ギアナ
宇宙センター

ELA-2
アリアン41990年12月23日
事故により運用停止。JCSATが一部の利用者を引き受け。[3]
SUPERBIRD B東経162度SSL1300同上同上同上同上1990年2月22日ギアナ
宇宙センター
ELA-2
アリアン4打上失敗
SUPERBIRD B1
<SUPERBIRD-1>
東経162度SSL1300同上同上同上同上1992年2月26日ギアナ
宇宙センター
ELA-2
アリアン4運用終了
SUPERBIRD A1
<SUPERBIRD-2>
東経93度SSL1300同上同上同上同上1992年12月1日ギアナ
宇宙センター
ELA-2
アリアン4運用終了
SUPERBIRD-3
(旧SUPERBIRD A3)
(旧SUPERBIRD C)
東経158度ヒューズ
HS-601
Ku帯:24本
(X帯:不明)
Ku帯:90W
(X帯:不明)
日本, アジア, 可動ビーム3130kg1997年7月26日ケープカナベラル
空軍基地

LC-36B
アトラスII2008年
運用終了
SUPERBIRD B2
<SUPERBIRD-4>
東経162度ボーイング
BSS-601
Ku帯:23本
Ka帯:6本
(X帯:不明)
Ku帯:82W
Ka帯:50W
(X帯:不明)
日本, 韓国, 台湾, 可動ビーム(Ku)4057kg2000年2月18日ギアナ
宇宙センター
ELA-2
アリアン42018年
運用終了
N-SAT-110
(SUPERBIRD D)
<SUPERBIRD-5>
東経110度ロッキード
・マーティン

A2100AX
Ku帯:24本
(X帯:不明)
Ku帯:120W
(X帯:不明)
日本国内3531kg2000年10月6日ギアナ
宇宙センター
ELA-2
アリアン42019年
運用終了
SUPERBIRD A2
<SUPERBIRD-6>
東経158度BSS-601Ku帯:23本
Ka帯:4本
(X帯:不明)
Ku帯:85W
Ka帯:70W
(X帯:不明)
日本, 韓国, 台湾3100kg2004年4月16日ケープカナベラル
空軍基地
LC-36A
アトラスII2004年
運用終了(※)
SUPERBIRD C2
<SUPERBIRD-7>
東経144度三菱電機
DS2000
Ku帯:28本
(X帯:不明)
Ku帯:100W
(X帯:不明)
日本, 中国沿岸, 台湾, 北西太平洋, 東南アジア, インド, インド洋海域, 可動ビーム4820kg2008年8月14日ギアナ
宇宙センター
ELA-3
アリアン5運用中
SUPERBIRD B3
<SUPERBIRD-8>
東経162度三菱電機
DS2000
Ku帯:不明
Ka帯:不明
(X帯:不明)
Ku帯:100W
Ka帯:130W
(X帯:不明)
日本, 韓国, 台湾, 可動ビーム(Ku)5348kg2018年4月8日ギアナ
宇宙センター
ELA-3
アリアン5運用中
閉じる
  • ※)SUPERBIRD A2 は航行プログラムミスにより燃料を大量に使用したため、早期に運用を終了した。

運用中の衛星

  • SUPERBIRD B3
    • SNG、放送局の中継等の放送関係者へのサービスに使用されている。
    • 地方公共団体間の行政用通信(LASCOM)、J-ALERT(LASCOMで配信)等に使用されている。
    • 社内放送等の映像配信、VSATシステム等に使用されている。
    • Ka帯中継器を使い、個人向け衛星ブロードバンドサービスBBSATが行われていた。(2010年5月31日終了)
    • 搭載されたXバンド通信中継器で防衛省・自衛隊向けに衛星通信サービスを提供。
    • 2018年7月よりSUPERBIRD B2に代わる形で運用されている。
  • SUPERBIRD C2
    • SNG、放送局の中継等の放送関係者へのサービスに使用されている。
    • CS障害者放送統一機構による聴覚障害者向けテレビ放送補完通信目で聴くテレビに使用されている。(2018年3月終了)
    • USENの衛星ラジオ放送SOUND PLANETに使用されている。
    • ホップテレビの台湾語テレビ放送HOP TVに使用されている。
    • アイ・ピー・エスの外国語テレビ・ラジオ放送AccessTVに使用されている。
    • 日本デジタル配信ケーブルテレビ局向け配信サービスi-HITSに使用されている。
    • 搭載されたXバンド通信中継器で防衛省・自衛隊向けに衛星通信サービスを提供。

運用を終了した衛星

SUPERBIRD C2

2008年8月15日JST)にギアナ宇宙センターよりアリアンロケットに搭載し打ち上げられたSUPERBIRD-7の発注では、宇宙通信が2005年当時傘下に入っていた三菱グループ三菱電機が国際競争入札を勝ち抜き、システムを担当することになった(それまで三菱電機においては通信系サブシステムのみを担当し、その経験が初の日本製プライム受注商用衛星OPTUS-C1国土交通省保有の運輸多目的衛星MTSAT-2=愛称・ひまわり7号の開発に生かされてきていた)。

静止軌道への投入や機能試験等を経て、同年10月17日にスカパーJSATへ引き渡され、日本企業が保有する初の国産民間商用衛星SUPERBIRD C2となった。

脚注

関連項目

外部リンク

Loading related searches...

Wikiwand - on

Seamless Wikipedia browsing. On steroids.