GUITARHYTHM IV
ウィキペディアから
ウィキペディアから
『GUITARHYTHM IV』(ギタリズム・フォー)は、日本のミュージシャンである布袋寅泰の4枚目のアルバムである。
『GUITARHYTHM IV』 | ||||
---|---|---|---|---|
布袋寅泰 の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
録音 |
リアル・ワールド・スタジオ (ボックス) アビー・ロード・スタジオ (ロンドン) ホイットフィールド・スタジオ (ロンドン) | |||
ジャンル |
ロック ブリット・ポップ | |||
時間 | ||||
レーベル | 東芝EMI/イーストワールド | |||
プロデュース | 布袋寅泰 | |||
チャート最高順位 | ||||
| ||||
布袋寅泰 アルバム 年表 | ||||
| ||||
『GUITARHYTHM IV』収録のシングル | ||||
オリジナルのスタジオアルバムでは4作目。このアルバムをもって『GUITARHYTHM』名義のプロジェクトは一旦終了した。
1993年7月に「ロンドンに行ってくる。今回はレコーディングの予定はまったくない。曲が出来てもデモテープは作らない。曲が出来るまでは戻ってくる気はない」と宣言し単身渡英。ロンドンで生活する中、アコースティックギター1本で全楽曲のデモを完成させた。この時期に布袋はスペインやアムステルダム、ジャマイカをはじめ様々な土地への旅も経験しており、後のインタビューで「作ろうと思って作った曲は1曲もない。ロンドンでの生活や旅の経験がなければ出来なかったものばかりだから」と語っている。[1]
ある程度の方向性を決めてから楽曲作りを始めたこれまでの作品とは異なり、「ノーコンセプト」として始動したアルバムである。GUITARHYTHM本来のコンセプトである「ギターとコンピューターの融合」から離れ、アルバム全体がバンドサウンドを主体として構築されている。またこれまでのソロ・キャリアでは意図的に抑えてきたメロディアスなサウンドを、本作ではある程度取り入れている。インタビュー上では「BOØWY然りCOMPLEX然り、基本的にメロディが湧いてくるタイプなんだけど、サウンド・コラージュというコンセプトがまずあったから『GUITARHYTHM III』まではそういうのを殺してきた部分もあった。今回は言葉とメロディ、歌が流れていくようにって思えたんで、素直にメロディも昇華してると思う」とされている。[2]
現在のところ、全曲布袋が作詞を手掛けた唯一のアルバムである。「今回は詞と曲を一緒に書きたいと思っていた。書きたいことがけっこうあったし、第三者に依頼する以前にデモの段階で歌詞が出てきた」と布袋は語っている。[1]
本作の完成後のインタビューで布袋は「新たな布袋寅泰の予感」を語っており[2]、翌年には『GUITARHYTHMプロジェクト』に幕を下ろし、さらなる新たなサウンドへと挑んでいくことになる。
レコーディングにはピーター・ガブリエルが所有するリアルワールド・スタジオが使用された。
前述の通りデモテープは一切制作しておらず、バンドメンバーである成田忍、浅田孟、小森茂生、椎野恭一をロンドンへ呼び寄せ、彼らの前でデモをプレイした後、アレンジに取り掛かり、形が決まったらメンバー全員でスタジオに入り、一発録りに近い感じでレコーディングといった手法で制作は進められた。レコーディング時にはスタジオの照明を落とし、蝋燭だけを灯して演奏したという。
本作で布袋はリズムギタリストに徹しており、「リズムパートとソロは布袋、リードパートは成田」という役割分担が成されている[2]。
また布袋は、ロンドンで生活中にフェンダー・テレキャスター・カスタムとマッチレスの「DC-30」を手に入れており、レコーディングとツアーのメイン機材として使用された。「DC-30」はブライアン・メイが使用していた物を譲り受けており、以後長らくメイン・アンプのひとつとして定着していく。
BOØWYやCOMPLEXを始め、ソロ作品でも前作『GUITARHYTHM III』まで布袋のアルバムに携わってきたエンジニアのマイケル・ツィマリングが本作には参加しておらず、クイーンやデヴィッド・ボウイなどを手掛けたデイヴィッド・リチャーズ がミックスを担当している。
1994年6月1日に東芝EMIのイーストワールドレーベルよりコンパクトディスクでリリースされた。
予約生産限定盤としてLP盤も8月24日にリリースされており、前作と同様に曲順がCD盤とは異なっている他、ボーナストラックとして1曲追加されている。
後に収録曲のうち6曲のミュージック・ビデオを収録したビデオ『SERIOUS CLIPS』(1994年)もリリースされた。
ジャケットワークはデヴィッド・ボウイのアルバム『ジギー・スターダスト』(1972年)にインスパイアされたもの。後ろ向きで振り返っている布袋と仁王立ちする布袋は「これまでの布袋寅泰」と「これからの布袋寅泰」を表現している。また濡れた地面に写っている二人の布袋の影が「IV」の形になっている。
撮影は前作と同じく久保木浚介が担当。
撮影は晴れの夜に行われ、濡れた地面は水を撒いたものである。2人の布袋の後ろに見える白煙はスモークマシンを焚いており、使用中に近所の住人が「何だ?何だ?」と心配して出てきたという。また、右上の「GUITARHYTHM IV」のネオンはCGで作成したものである[3]。
本作を受けての全国ライブツアーは『GUITARHYTHM SERIOUS? TOUR』と題し、1994年6月10日の渋谷公会堂を皮切りに、27都市44公演を行っている。全公演がホール規模の会場にて行われた。
また、追加公演として『GUITARHYTHM SERIOUS! CLIMAX ARENA TOUR』と題し、11月21日の大阪城ホールを皮切りに5都市9公演が行われている。こちらは全公演がアリーナ規模の会場で行われた。このツアーから、最終日となった12月19日の日本武道館公演がライブ・ビデオ『GUITARHYTHM SERIOUS! CLIMAX』(1995年)としてリリースされた。
全作詞: 布袋寅泰。 | ||||
# | タイトル | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|
1. | 「TIME HAS COME」 | Simon Hale | Simon Hale | |
2. | 「SERIOUS?」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
3. | 「SURRENDER」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
4. | 「薔薇と雨」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰・Simon Hale | |
5. | 「気まぐれ天使」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
6. | 「INTERMISSION」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
7. | 「SIREN」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
8. | 「OUTSIDER」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
9. | 「さらば青春の光」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
10. | 「ESCAPE」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
11. | 「RUN BABY RUN」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
12. | 「GUITARHYTHM FOREVER」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
合計時間: |
全作詞: 布袋寅泰。 | ||||
# | タイトル | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|
1. | 「TIME HAS COME」 | Simon Hale | Simon Hale | |
2. | 「SERIOUS?」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
3. | 「RUN BABY RUN」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
4. | 「SURRENDER」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
5. | 「気まぐれ天使」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
6. | 「薔薇と雨」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰・Simon Hale |
# | タイトル | 作曲 | 編曲 | 時間 |
---|---|---|---|---|
7. | 「INTERMISSION」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
8. | 「SIREN」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
9. | 「OUTSIDER」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
10. | 「CRYING IN THE CHAPEL」 | ARTHUR GLENN | 布袋寅泰 | |
11. | 「さらば青春の光」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
12. | 「ESCAPE」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 | |
13. | 「GUITARHYTHM FOREVER」 | 布袋寅泰 | 布袋寅泰 |
No. | 日付 | レーベル | 規格 | 規格品番 | 最高順位 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1994年6月1日 | 東芝EMI/イーストワールド | CD | TOCT-8370 | 2位 | |
2 | 1994年8月24日 | 東芝EMI/イーストワールド | LP | TOJT-8370 | - | 曲順がCD版と異なる、ボーナストラック1曲収録 |
3 | 2000年12月13日 | 東芝EMI/アストロノーツスター | CD | AJCH-30007 | - | デジタルリマスタリング盤 |
4 | 2008年12月24日 | EMIミュージック・ジャパン/ヴァージン | SHM-CD | TOCT-95005 | 52位 | 2000年デジタルリマスタリング盤、紙ジャケット仕様、『GUITARHYTHM BOX』でのリリース |
Seamless Wikipedia browsing. On steroids.
Every time you click a link to Wikipedia, Wiktionary or Wikiquote in your browser's search results, it will show the modern Wikiwand interface.
Wikiwand extension is a five stars, simple, with minimum permission required to keep your browsing private, safe and transparent.