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馬運車(ばうんしゃ)とは、広義ではウマを輸送する自動車のこと。狭義では競走馬、馬術競技馬を輸送するための自動車のことであり、一般的には馬バスの愛称で知られている。
競走馬用馬運車の一般的な構造としては運転席、厩務員スペース、競走馬スペースの3箇所に区切られている。一般的に競走馬は1台で1〜6頭を乗車させる。トラックベースとバスベース(あるいはトラックベースにバスの外装を部分的に組み合わせたもの)があり、車体後部には馬が乗り降りするためのゲートが取り付けられている。サスペンションは空気ばねで、競走馬スペースは厩舎と同じ様に側部の高い位置に明り取り用の窓があるほか、馬に余計な負担をかけないように冷暖房が装備されている。車体前後には「競走馬輸送中」「競技馬輸送中」の表示がされる。
一般的に輸送費用は馬の所有者である馬主が当然ながら負担するが、中央競馬で行われる競馬開催時の美浦トレーニングセンターおよび栗東トレーニングセンターと競馬場間の輸送は、競馬主催者である日本中央競馬会(JRA)が輸送費用の負担とルート選定を実施する。
JRAの場合、関東地区においては関連会社の日本馬匹輸送自動車のほか、数社が輸送を担当し、関西地区においては全て民間の輸送会社7社(鷹野運送など)が分担して輸送している。
また地方競馬でも、地元の輸送会社が馬運車を持ち、競馬場間や牧場への輸送を行っている。関西地区においては近畿馬匹(和歌山県)などが有名。
なお日本馬匹の車両は、JRAのロゴマークやカンパニーカラーが塗装され、歴代の日本ダービー(東京優駿)優勝馬や、顕彰馬等の優秀な成績を挙げた著名な馬の名を冠している。また岩手県競馬組合の馬運車については、伝統の重賞であるみちのく大賞典の歴代の勝ち馬の名前が付けられている。
海外においても、香港ジョッキークラブでは、厩舎のある沙田競馬場からハッピーバレー競馬場への競走馬の輸送に馬運車が用いられている。馬運車は多くがトレーラータイプで、全てジョッキークラブが所有しており、車体側面にはジョッキークラブの文字とエンブレムが描かれている。
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