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ウマ(馬)を所有する自然人・法人 特に 競走馬を所有している自然人・法人 ウィキペディアから
馬主(うまぬし、ばぬし、ばしゅ[1])とは、広義ではウマ(馬)を所有する人を指す。
この項目「馬主」は加筆依頼に出されており、内容をより充実させるために次の点に関する加筆が求められています。 加筆の要点 - 規約・規定に関する加筆(日本の中央競馬以外も含む) (貼付後はWikipedia:加筆依頼のページに依頼内容を記述してください。記述が無いとタグは除去されます) (2019年5月) |
馬主として活動するためには各競馬主催者による馬主登録が必要である。また、中央競馬・地方競馬、両方に競走馬を所有している馬主も少なからず存在する。
日本では競走馬がレースで8着以内に入れば賞金を獲得するが、その賞金の10%が調教師、騎乗した騎手と厩務員に5%ずつ[注釈 1]がそれぞれ進上金として配分され、残りの80%が馬主の収入となる。ただし障害競走では騎手の取り分は7%に引き上げられ、代わりに馬主の取り分は78%に下がる。
また、自ら所有することを目的として競走馬の生産を行う生産者のことを「オーナーブリーダー」という。
日本における愛馬会法人や競走馬生産牧場など別途規定が設けられているものもあるが、基本的に馬主として登録し活動するためには基本的に一定規模の資産と年収が必要であり、馬主になるにあたっては審査に合格しなければならず、また実際に経費面を考えれば一定の剰余資産が無ければ馬主業は安定して務まらない。そのため、特に個人馬主においては馬主であるということが一種の社会的なステータスとしての意味を持つことも珍しくない。
他方、いわゆる一口馬主は、愛馬会法人に出資して出資比率に応じた経済的負担を負い、その出資した競走馬の獲得した賞金に応じて分配を受ける関係というだけであって、正確には馬主ではない。
中央競馬の馬主は、日本中央競馬会を通して馬主申請を行う。
成年被後見人又は被保佐人を欠格条項とする規定については、令和元年6月14日に公布された「成年被後見人等の権利の制限に係る措置の適正化等を図るための関係法律の整備に関する法律」によって削除され、心身の故障等の状況を個別的、実質的に審査し、必要な能力の有無を判断することとなった。
中央競馬会競馬施行規則第7条第1号〜第13号が掲げる欠格事項は以下の通り[2]。
これらの審査基準に加えて、別途組合契約を提出する必要がある[3]。
2002年度までは、年間所得額が2000万円以上(軽種馬生産者は1200万円以上)、資産額が1億4000万円以上、軽種馬生産者の自己所有繁殖牝馬頭数が7頭となっていた。
国内に居住する外国人の馬主登録は、日本人と同様に扱っている。
競走馬は基本的には1頭につき1名(社)の馬主によって所有するが、複数の馬主によって所有することも可能である。共有する理由として以下の理由が挙げられる。
1名(社)につき共有も含めて100頭までとなっている。ただし、本邦外居住者個人馬主については導入初年度は10頭以内、2年目は15頭以内、3年目は20頭以内に制限されている。
本邦外居住者個人馬主についてのみ、内国産馬の所有を義務付けている。最初の5頭は内国産馬でなければならず、6頭目で外国産馬が認められる。すなわち、外国産馬の所有割合は6頭に1頭となる。
馬主は登録された名称とは別の名称(通称名・芸名・イニシャルなど)を設定することができる。
馬主登録をした時点で同姓同名の馬主が存在していた場合、混同を避けるため名前の後ろに馬主登録番号を追加して区別する。
服色(いわゆる勝負服)は馬主毎に設定される。共有馬は共有代表馬主の勝負服を使用する。
日本中央競馬会競馬施行規程第11条が掲げる事項は以下の通り[4]。
馬主が死亡した場合、死後1ヶ月までは競走馬の所有名義は有効となる。その間、相続人への競走馬の所有権移転を行わなければならない。
法人馬主の代表者が亡くなった場合、死後1か月までは競走馬の所有名義は有効となる。その間、新たに就任する代表者が馬主登録の審査基準を満たしている場合は、所有権移転は生じない。
満たしていない場合はその法人が「相続馬限定馬主」となり、新規で競走馬を登録することができない。相続した馬がすべて抹消するまで資格は有効となる。
馬主協会とは、函館・札幌・新潟・福島・中山・東京・中京・京都・阪神・小倉の10か所に分かれている一般社団法人の馬主組織で、その多くが各競馬場内に事務所を置いている。協会の名称は各競馬場名に準ずるが、小倉競馬場に属する馬主協会のみ「九州馬主協会」と場名と異なる名称となっている。
大半の馬主はいずれかの馬主協会に所属しているが、2つの協会に所属している馬主や無所属の馬主も少なからずいる。協会では馬主の親睦のほか寄付などの福祉活動も行っている。また、各馬主協会の統括組織として日本馬主協会連合会(JOA)がある。最近はJOAチャリティーオークションを競馬場にて主催し福祉関係にその売上金を寄付している。
協会では美浦・栗東のトレセンに隣接する「馬主会館」(調教見学に伴う宿泊のための施設)も管轄しており、利用には馬主協会の会員(もしくはその同伴者)である必要がある[5]。
馬主席は馬主協会を通じて申し込むため、全国のいずれかの馬主協会に所属していなければ席の確保が難しい。また、割り当て席数の都合上所属協会と競馬場は同一、もしくは同地域(東京と中山、京都と阪神など)でなければさらに難しくなる(例:函館所属の馬主が阪神競馬場の馬主席を利用することなど)。また、共有馬のみの馬主に対しても馬主協会によっては難しい場合がある。
G1競走に所有馬が出走している場合は、専用の「出走馬主室」に入ることができる(馬主本人と関係者2名まで入室可)。馬主以外の人(いわゆる一口馬主の出資者を含む)が馬主席に入るには、馬主の紹介以外に方法は無い(特例で懸賞企画などで馬主席に入る権利を得られる場合はある[注釈 3])。
なお、馬主席への入場に当たっては男女ともドレスコードが設定され、正装が義務付けられている。通常は洋装の場合、男性は少なくともジャケットまたはスーツ(背広服)・ネクタイ・革靴を着用していなければならず、スニーカーやジーンズなどのカジュアルな服装では基本的に入場(席章・通行章の発行)が拒否される。ただし2020年現在、夏季についてはクール・ビズの観点からネクタイやジャケットの着用は不要とされている[6]。
所有馬がレースに優勝した時には、ウイナーズサークルにて行われる表彰式で口取りができる。重賞競走の際にはコース上(中央競馬のGI競走では芝・ダートに関わらず芝コース上)で行われることもある。
馬主以外にもその家族や知人、生産牧場関係者も多数参加する。一口馬主の出資者については各クラブによって異なるが、出資人数が多数であるため、参加人数を制限している。
2016年1月1日現在で2360(個人2003、法人302、組合55)。1991年には3000を超える登録数があったが、その後の景気の低迷とともに減少傾向にある。
中央競馬と重複する記述は一部割愛する。
地方競馬の馬主は、預託予定の地方競馬調教師を通して馬主申請を行う。調教師につてがない場合には調教師会、馬主会の紹介を受けることもできる。地方競馬組織のいずれかで登録されれば、日本全国どこの地方競馬でも馬を持つことができる。
2名以上20名以下で、個人馬主と法人馬主が混在してもよい。共有持分は1名5%以上で1%単位、最も高い比率を持つ馬主が共有代表馬主となる。
組合はそれ自体が共有であるため、組合員の中に個人馬主・法人馬主・他組合馬主の組合員を含めることができない。各組合員の共有持分は1名10%以上50%未満で1%単位、最も高い比率を持つ組合員が組合代表となる。
勝負服は騎手毎に設定されるため、馬主の勝負服は存在しない(ダートグレード競走やホッカイドウ競馬、南関東公営競馬、兵庫県競馬の一部競走を除く)。
2006年5月末の時点で6287(個人5885、法人382、組合20)。
など
海外競馬の馬主は、それぞれの国または州の競馬主催者を通して馬主申請を行う。審査基準はそれぞれの国および機関で異なる。
勝負服は馬主ごとに設定される。帽色も設定可能である(日本では枠番によって帽色が決まっている)。
馬主登録が完了していない者もしくは馬主登録を受けていない者、馬主登録をする事ができない者が、馬主登録を受けている他人の名義で競走に出走させることを「名義貸し」という。競馬施行規程第11条第4号により禁止されており、「名義貸し」行為の事実が発覚した場合、名義を貸した馬主は登録の取消処分となる。また、預託調教師に対しても管理責任が問われ、競馬主催者[注釈 4]より調教停止や調教師免許取消などのかなり厳しい処分が課せられる。
同様の「名義貸し」疑惑はダービー馬ヒカルイマイなど他の著名競走馬でも囁かれたことがある。またバスター事件などでも問題の一因となっている[注釈 5]。
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