ファイター(FIGHTER)は、三菱ふそうトラック・バス(2002年以前は三菱自動車工業)が生産している中型トラックである。
- 1984年に中型トラックのFKシリーズのフルモデルチェンジの際に名称を決めることになり、その時にファイター(英語:戦士)という名称になった。尚、型式名は引き続き「FK」「FM」を採用。
- 2代目のマイナーチェンジでINOMATといわれる機械式オートマチックトランスミッションを採用。
- ラインナップにはフルキャブのファイター、ベッドレスショートキャブのファイターNXの2車種構成。それぞれ大型免許の必要な大型仕様(通称増トン)車、4WD車もある。
- 積載量4トンクラスの中型トラックとしては、機構的に大型トラックに近い(オルガンペダル式エアオーバハイドロリックブレーキ)。リコール隠し問題以前は、中型トラックシェアの大多数を占めていた。
- 2024年現在、日本の自動車市場で32年という極めて異例の長寿モデルとなっている。[1]
- 2024年現在、中型トラックで唯一直列6気筒エンジン搭載車がラインナップされる。
FHの後継車種で、ファイターのシャーシにキャンターのワイドキャブ[注釈 3]を載せたタイプ。バキュームサーボ式ハイドロリックブレーキとエアオーバ式ハイドロリックブレーキを採用。メーター内にエアタンク圧力ゲージが追加されている。
キャビンを軽量化し、荷台長を増やして積載重量を増やすファイターNX同様のコンセプトに基づく車両であるが、NX以上に小型軽量なキャビンの搭載[注釈 4]や装備の簡素化・軽量化により、当時の普通免許(現在の中型8t免許)で運転可能な車両総重量8000kg未満でありながらも最大積載量を4500kgを確保している個体も存在する。なお、車両総重量が8tを超える仕様の設定はなかった。
荷台架装を行っても積載量を確保できることから、キャブバッククレーンやダンプなどの架装ベースに用いられた車両が多いが、一般的なドライバンや冷凍車などの架装が行われている車両も存在する。価格帯もファイター・ファイターNXより低く抑えられていることから建設業者の自家用ダンプカーやレンタカーとしての登録が多かった。
ネーミングの由来はフランス語で「優雅な」という意味と、ミニ4トン車にかけている。(実質的にいすゞ・フォワードジャストン、UD・コンドルS、日野・デーキャブレンジャーのライバル車になる)
- 1986年2月 - FKのベッドレス車のFHを10年ぶりにフルモデルチェンジするかたちで登場。
- 1989年11月 - マイナーチェンジ。平成元年排出ガス規制適合、フロントグリルの形状変更。
- 1995年3月 - フルモデルチェンジ。
- 2002年6月 - ベースとなったキャンターのフルモデルチェンジに伴い生産終了。ただし、海外向けには現在も生産されている。
- 2014年11月 - 長らく後継車両が存在しなかったが、軽量の専用シャシーにキャンターのワイドキャブを更に拡大して搭載し、4500kg級の最大積載量を確保できるキャンターEXが発売された。ただし、ファイターミニヨンと異なりブレーキは油圧式である。
ファイターミニヨン(初代後期型)
ファイターミニヨン
(2代目)
- FK-A(準中型免許対応車)
- FK(4t積)
- FK-Y(中型免許対応車。最大6,5t積)
- FK-Z(7~8t積低床仕様)
- FL(4WD仕様)
- FL-X(低床フルタイム4WD)
- FM(高床仕様、7~8t積)
- FN(6x4)
- FQ(6x4低床仕様)
- FH(ファイターミニヨン)
- D WING(ウイングバン完成車シリーズ) - パブコ、日本フルハーフ(LIMITEDパックはパブコ製のみ設定)
- D VAN(アルミバン完成車シリーズ)、アルミブロック完成車シリーズ - パブコ
- ダンプ完成車シリーズ - 新明和工業、極東開発工業
- ミキサー完成車シリーズ - KYB(1.5m3~3.2m3のみ)
- ウイングバン完成車シリーズは、スーパーグレートには設定がない日本フルハーフ製も設定している。ミキサー完成車シリーズの内、KYB製の4.5m3以上並びに新明和工業製はキャブ付きシャシーによる架装対応となる。
注釈
バンパーに障害物検知用レーダーが搭載されたため、ナンバープレートが右側にオフセットされている。
但し、助手席側の安全窓や大きめのバンパーなど、キャンターとの相違点は相応にある。
オプション装着された車両ドアバイザーには「CANTER」と刻印されている。
出典
ただし、全面改良に近いマイナーチェンジは行われている。