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林 知己夫(Chikio Hayashi, はやし ちきお、1918年6月7日 - 2002年8月6日)は、日本の統計学者。学位は、理学博士。正四位勲二等。
統計数理研究所第7代所長。 社会調査・世論調査におけるサンプリング方法の確立を始め、数量化理論(Hayashi's Quantification Methods)の開発とその応用で知られる。1990年代以降、データの科学を提唱し、その研究・思想は現在へと引き継がれている。
林は、第6研究部(行動に関する統計理論)の新設や施設の増設など、整備と運営に務め、国立大学共同利用機関への改組転換と総合研究大学院大学の創設準備に力した。研究活動は40余年に及ぶ。業績も国民性の統計的研究・意識の国際比較方法論・動く調査対象の標本調査論など多岐に亘る。特に第二次世界大戦後、刑務所での受刑者の調査から発展した仮釈放予測の研究は、質的データに数値を付与するという『数量化理論』は統計的方法の適用範囲を飛躍的に拡大させた。
日本の統計学理論の発展と方法論の開発、学際的研究交流や後進の指導に貢献し、1981年(昭和56年)に紫綬褒章、1989年(平成元年)には勲二等瑞宝章を授与された。叙・正四位。
1948年、「日本語は漢字が多いために覚えるのが難しく、識字率が上がりにくいために民主化を遅らせている」とする、ジョン・ペルゼルの発案で、日本語をローマ字表記にしようとする計画が起こされた(「肥田野直, 国字改革秘話」『心理学ワールド』 2013年)。当時東大助手だった言語学者の柴田武は、民間情報教育局(CIE) の指示によって、読み書き全国調査(日本人の読み書き能力調査)のスタッフに選ばれ、漢字テストの出題を任された。これは日本初の「無作為抽出法」の大規模な実施であり、当時統計数理研究所研究員の統計学者だった林が被験者のサンプリングを行った(日本の統計学的社会調査の始まり、山岡)。
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