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ワールド映画株式会社(ワールドえいが)は、日本の映画会社である[1][2][3][4][5][6][7]。2012年(平成24年)7月現在の活動は不明であるため、本項では、同社がもっとも活発に活動していた形跡がある1966年(昭和41年) - 1986年(昭和61年)の時期について詳述する[1][2][3][4][5][6][7]。
1965年(昭和40年)9月14日、レフ・サーコフ監督のソビエト映画『壮烈501戦車隊』を配給して公開したのが、ワールド映画の記録に残る最初の事業である[5]。翌1966年(昭和41年)2月には、山下治を監督に、成人映画『初めての感触』を製作・配給している記録がある[6]。製作については、同作ならびに同年3月に公開された遠藤由希夫監督の『人妻がもえるとき』は「センチュリー」という製作会社が製作した、とする資料も存在する[8][9]。同年から1969年にかけて、ナオプロダクションの菜穂俊一がプロデューサーとして関与している作品については、実製作は同プロダクションが行なっていた[10]。この時期にのちの映画監督の代々木忠が入社し、助監督を務め、同社の作品に出演していた女優の真湖道代と結婚している[11]。
1967年(昭和42年)には、ピエトロ・ジェルミ監督の『ヨーロッパ式クライマックス』の製作に出資した記録がある[12]。同作は、同年5月に行なわれた第20回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、日本では、翌年1968年(昭和43年)4月27日にユナイト映画が配給している[13]。
同社が成人映画のうちとくにいわゆるピンク映画を安定供給していたのは1966年(昭和41年)から1975年(昭和50年)までの9年間であり、1976年(昭和51年)上半期には作品はみられなくなった[4][5][6][7][14]。この時期に記録にみられる監督は山下治のほか、小川欽也、奥脇敏夫、佐々木元、梅沢薫、秋山駿(津崎公平[15])、加奈沢史郎および小金井次郎、影山明文および名和三平[16](蔵田優[14])らである[4][6]。
1977年(昭和52年)以降は、ピンク映画については製作のみで配給はミリオンフィルムが行い、おもにアメリカ映画やイタリア映画を配給するようになった[4][5][6][7]。この時期にパスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ監督の『ヒッチハイク』(1977年)、マーティン・バーク監督の『パワープレイ』(1978年)等の秀作を輸入配給している[5]。『映画年鑑 1978』あるいは『映画年鑑 1984』によれば、取締役相談役を島田八洲直(1984年死去)が務めているが、島田はパラマウント映画、大映第一フィルム(副社長)、ニッポンシネマコーポレーション(1961年に合併して日本ヘラルド映画、現在の角川映画)でアメリカ映画やイギリス映画の輸入配給を多く手がけた人物である[17]。取締役関東支社長を務めた内山武彦は、のちにニューセレクト(1973年創立)に移籍し常務取締役、専務取締役を歴任した[18][19]。
1986年(昭和61年)1月、新東宝映画が配給して公開された宮嶋利明監督の『本番ミス18才 ひとみの体験』を製作して以降の記録がなく、1990年代後半の『映画年鑑』には社名も社長の人名も掲載されていない[4][5][6][7][20]。同社社長の大野が社長を務める、劇場用映画の輸入やテレビ映画の製作を行なうワールドテレビジョンが、同社と同一の所在地に存在したが、その後、新宿区四谷に移転した[21][22][23]。ワールドテレビジョンは、1999年(平成11年)にはギャガとともに『アタック・オブ・ザ・ジャイアント・ケーキ』を輸入提供したり、古くは1970年代、日活出身の丹野雄二のダックスインターナショナルと提携し『まんが世界昔ばなし』を製作した会社である。
2012年(平成24年)7月現在、東京国立近代美術館フィルムセンターは、同社の製作・配給した作品群のうち、影山明文が監督し、新東宝映画が配給した『緊縛変態集団』(1982年)、『獣色』(1984年)、『ザ・ベストONANIE』(1985年)の3作のみを所蔵している[7]。作品の再評価については、山形国際ドキュメンタリー映画祭実行委員会が、2003年(平成15年)に『ベッドダンス』(監督奥脇敏夫、1967年)、『クライマックス』(監督奥脇敏夫、1968年)、『燃えたい女』 (同)、『好色 きんちゃく切りの女』(同)、『女は二度燃える』(同)、『OH! モーレツ ハレンチレポート』(監督杜野煌、1969年)を上映し[24][25]、神戸映画資料館が、2011年(平成23年)に『燃えたい女』、『女は二度燃える』を上映している[26][27]。アメリカ合衆国では、2006年(平成18年)にペイスファインダー・ホーム・エンタテインメントが、『昂奮』(監督奥脇敏夫、1968年)を Naked Pursuit のタイトルでDVD発売している[28]。かつて同社本社が所在した「銀座8-10-8」は、かつて日本最初の映画会社であった吉沢商店の跡地(かつての京橋区南金六町13番地)である[29]。
文化庁「日本映画情報システム」、および日本映画データベース、キネマ旬報映画データベースに掲載されている同社製作・配給作品の一覧である[4][5][6][7]。輸入映画については日本公開順である[5]。
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