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日本の女優 ウィキペディアから
飛鳥 公子(あすか きみこ、1947年 - )は、日本の女優である[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10]。向井寛の監督第1作に出演しているほか、渡辺護の監督第1作の主演女優として知られる[8][11][12]。
1947年(昭和22年)、第二次世界大戦後の東京都豊島区巣鴨にコロッケ屋の娘として生まれる[11]。
本名、学歴、前歴等は不明だが、満18歳となる1965年(昭和40年)1月に公開された『歪んだ裸形』(監督小川欽也)に出演、映画界にデビューする[8]。記録に残る次の出演作は、同年5月に公開された向井寛の監督第1作『肉』であるが[8][13]、井川耕一郎によれば、内田高子主演、3話オムニバスの同作での飛鳥の役どころは、『第二話 女子大生』における主人公の友人役で脇役であった[14]。第3作が、同年6月に公開された『あばずれ』(監督渡辺護)であった[8][11]。同作は渡辺護の監督第1作であり、渡辺は当初、『日本拷問刑罰史』(1964年)の森美沙を考えていたが、小森白プロダクション(のちの東京興映)の小森白は森を貸してくれず、飛鳥は、その後の渡辺との面接で選ばれた[11][12]。面接で渡辺が冗談半分に「よく映画で見るとさあ、パンティーが不潔だったりするのあるからなあ。きれいなパンツはいてんだろうねえ」と言うと、飛鳥は「失礼ねえ。きれいかどうか、じゃあ、見て下さい」とその場でスカートをまくりあげたという[11][12]。当時、芸能事務所に所属しており、面接にはマネジャーに伴われて来ていたが、事務所名、マネジャー名等は伝えられていない[11][12]。
渡辺作品には、翌1966年(昭和41年)に公開された『浅草の踊り子 濡れた素肌』(主演可能かず子)、『のたうち』(主演新高恵子)、『絶品の女』(同)にも立て続けに出演している[1][5][8][10]。同年9月に公開された『悲器』(監督湯浅浪男)は、「独立プロ初の十大女優総出演による超大作」とされ[15]、飛鳥は、香取環、松井康子、谷口朱里、可能かづ子、桂奈美、清水世津、橘桂子、美矢かほるらとともにこれに出演した[7][8][15]。『日本映画発達史』の田中純一郎は、同書のなかで黎明期の成人映画界のおもな出演者として、扇町京子、橘桂子、城山路子(光岡早苗と同一人物)、内田高子、香取環、新高恵子、松井康子、西朱実、朝日陽子、火鳥こずえ、華村明子、森美沙、湯川美沙、光岡早苗、路加奈子、有川二郎、里見孝二、川部修詩、佐伯秀男の名を挙げているが、飛鳥には触れていない[16]。田中は、同じくおもな脚本家・監督として、若松孝二、高木丈夫(本木荘二郎の変名)、小林悟、新藤孝衛、糸文弘、小川欽也、小森白、山本晋也、湯浅浪男、宮口圭、南部泰三、藤田潤一、小倉泰美、浅野辰雄、片岡均(水野洽の変名)、深田金之助、福田晴一とともに渡辺護の名を挙げており[16]、渡辺の監督昇進第1作の主演女優である飛鳥は、黎明期の独立系成人映画の重要な女優と言える。渡辺と同期の山本晋也の監督第3作『未公開の情事』(主演可能かず子、1965年)[6]、第16作『いたづら』(主演清水世津、1967年)にも出演している[8]。俳優であった酒匂真直の監督転向第1作『夜のいたずら』(主演橘桂子、1965年)にも出演している[8]。
渡辺護の回想によれば「歌手になると言ってやめていった」という[11]。1966年12月に発売された『実話情報』(昭和41年12月号)によれば、この年、歌手として楽曲を発表しているという。1967年(昭和42年)4月に公開された『処女ざくら』(監督奥脇敏夫)に主演、あるいは同年公開された『クライマックス』(同)に助演したのを最後に、出演歴が途絶える[2][3][4][5][6][7][8][9][10]。『処女ざくら』では、『あばずれ』で継母を演じた左京未知子と再び共演[8]、宣伝用ポスターでは左京と二枚看板であった[17]。満20歳以降の消息は知られておらず、存命であれば、2015年(平成27年)には満68歳を迎える。
2003年(平成15年)11月21日、山形ドキュメンタリーフィルムライブラリー試写室で行われた「忘れ去られた映画史・最終章」の特集上映で、出演作『クライマックス』(監督奥脇敏夫)が上映された[18]。
2009年(平成21年)3月14日 - 同年5月15日、ラピュタ阿佐ヶ谷で行われた「60年代まぼろしの官能女優たち」の特集上映で、出演作『悲器』(監督湯浅浪男)が16mmフィルム版で上映された[15]。2012年(平成24年)に銀座シネパトスで行われた「PINK FILM CHRONICLE 1962-2012 午後8時の映画祭」の特集上映で、同年8月17日・18日には出演作『肉』(監督向井寛)が上映された[13]。
2014年(平成26年)、飛鳥の主演作であり渡辺護の監督第1作である『あばずれ』は長年現存しないとされていたが、16mmフィルム版上映用プリントが発見され、同年12月5日 - 同9日に神戸映画資料館で行われた「渡辺護 はじまりから、最後のおくりもの。」の特集上映で上映された[19]。同作の発見までは、監督第2作『紅壺』(主演真山ひとみ、1965年)が渡辺護の現存する最古の作品といわれていた[19]。
すべて出演である[1][2][3][4][5][6][7][8][9][10][20]。東京国立近代美術館フィルムセンター(NFC)等の所蔵状況についても記す[6][21]。
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