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2021年のアメリカのアクション映画 ウィキペディアから
『ブラック・ウィドウ』(Black Widow)は、マーベル・コミックに登場する同名キャラクターをベースにした、2021年のアメリカ合衆国のスーパーヒーロー映画。監督はケイト・ショートランド、脚本はエリック・ピアソン、主演はスカーレット・ヨハンソン。「マーベル・シネマティック・ユニバース」シリーズの24作目であり、「マルチバース・サーガ」の一作目。
ブラック・ウィドウ | |
---|---|
Black Widow | |
監督 | ケイト・ショートランド |
脚本 | エリック・ピアソン |
原案 |
ジャック・シェイファー ネッド・ベンソン |
原作 |
スタン・リー ドン・リコ ドン・ヘック 『ブラック・ウィドウ』 |
製作 | ケヴィン・ファイギ |
製作総指揮 |
ルイス・デスポジート ヴィクトリア・アロンソ ブラッド・ウィンダーバウム ナイジェル・ゴステロフ スカーレット・ヨハンソン |
出演者 |
スカーレット・ヨハンソン フローレンス・ピュー デヴィッド・ハーバー O・T・ファグベンル オルガ・キュリレンコ ウィリアム・ハート レイ・ウィンストン レイチェル・ワイズ |
音楽 | ローン・バルフ |
撮影 | ガブリエル・ベリスタイン |
編集 |
リー・フォルサム・ボイド マシュー・シュミット |
製作会社 | マーベル・スタジオ |
配給 |
ウォルト・ディズニー・スタジオ・モーション・ピクチャーズ ウォルト・ディズニー・ジャパン |
公開 |
2021年7月8日[1] 2021年7月9日[2] |
上映時間 | 133分 |
製作国 | アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
興行収入 |
$183,651,655[3] 9億4942万円[4] $379,631,351[3] |
前作 |
MCU スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム(2019年) |
次作 |
MCU シャン・チー/テン・リングスの伝説(2021年) |
COVID-19パンデミックの影響を受けて、2021年7月9日の劇場公開と同時に、Disney+プレミアアクセスでの同時配信公開も行われた。日本での劇場公開は配信よりも1日早い2021年7月8日となった。
幼くしてロシアのエージェントとなったナターシャ・ロマノフは、妹分にあたるエレーナ・ベロワ、スーパーソルジャーで父親役のアレクセイ・ショスタコフ/レッド・ガーディアン、そして母親役のメリーナ・ヴォストコフ/ブラック・ウィドウと共に、ある任務のためオハイオ州で仲の良い家族を演じてきた。1995年、任務を終えた彼らはS.H.I.E.L.D.の追っ手を振り切り、キューバへと逃げ込む。この日、3年間演じてきた偽装家族はバラバラになった。
それから長い年月が経った2016年。『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』で起きたアベンジャーズ分裂事件に伴い、ナターシャはソコヴィア協定に違反した者として、米国務長官サディアス・ロスをはじめ世界中から追われる身となっていた。友人メイソンに頼み、ノルウェーのセーフハウスで隠伏する予定だったナターシャだったが、同時期に妹分であったエレーナから送り付けられた合成ガスを狙うタスクマスターに襲撃される。ナターシャは目にした相手の動きをコピーするタスクマスターに敗走するものの、合成ガスを守り切り、送り主であったエレーナとブダペストで再会する。
ナターシャは、かつて自分が在籍していたレッドルームはまだ壊滅しておらず、殺害したはずのドレイコフがレッドルームの支配者として健在であったことを知ると、どこにあるか分からないレッドルームの所在地を求め、メイソンから譲り受けたヘリコプターに乗り込む。かつて父親役を演じ、今は投獄されているアレクセイの脱獄を手助けするが、アレクセイも情報は掴んでおらず、サンクトペテルブルク郊外にいるかつての母親役メリーナのもとを訪ねる。期せずして、かつての偽装家族は再び集うこととなった。
メリーナは自身の居場所をドレイコフに伝え、ドレイコフのエージェントがナターシャたちを空中に浮かぶレッドルームへと連れ去った。S.H.I.E.L.D.の技術でひそかにナターシャと入れ替わっていたメリーナがアレクセイとエレーナを解放し、ナターシャはドレイコフと対峙する。そこでタスクマスターの正体が、かつて苦渋の決断で犠牲にしたドレイコフの娘、アントニアであることを知る。そしてフェロモンによるロックを用いて自身に手出しできないようナターシャをはじめとしたウィドウたちを操っていたドレイコフは、慢心して自らの手の内を明かした結果ナターシャの反撃を受け、更にメリーナの暗躍でエンジンを一基落とされてしまい、レッドルームからの撤退を余儀なくされる。
ナターシャは戦闘の末にウィドウたちをマインドコントロールから解放し、更に世界中のウィドウたちの情報を入手、アレクセイとエレーナがタスクマスターを無力化して、崩落するレッドルームからの脱出が始まった。アレクセイとメリーナは脱出し、エレーナは決死の行動で逃走するドレイコフを殺害、ナターシャはエレーナを救出した後にタスクマスターと最後の空中戦を繰り広げる。戦闘後、ナターシャが解毒用の合成ガスをタスクマスターに使用し、ついにタスクマスターはアントニアとしてドレイコフから解放された。
長い戦いが終わり、自身を追うサディアス・ロスの部隊を視認したナターシャは、エレーナに合成ガスを預け、残るウィドウたちを救うように言う。そして家族に別れを告げ、もう一つの家族を救うべく一人また逃亡の旅に向かう。
それから2週間。ナターシャはメイソンからクインジェットを受け取ると、いまだ拘束されているアベンジャーズを解放するため、飛び立った。
ポスト・クレジット・シーン。『アベンジャーズ/エンドゲーム』後の世界。ナターシャの墓を訪れたエレーナは、ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ伯爵夫人に遭遇する。ヴァレンティーナは、ナターシャの死にクリント・バートンが関わっていると告げ、彼を殺害するよう言い渡す。
アメリカ中西部北東部にある州。1992年から3年間、アレクセイとメリーナが潜入工作のために、ナターシャとエレーナと共に家族として暮らしていた。
アレクセイとメリーナは1995年にこの州にあるS.H.I.E.L.D.の“ノース研究所”から“ウィンター・ソルジャー計画”のデータを奪取したことで任務完了となり、ナターシャたちと急遽出国準備をして、S.H.I.E.L.D.の追撃を振り切ることに成功した。
物語本編後の現代では、自然溢れる地の一角にある木陰にナターシャの墓石が建てられ[注釈 4]、エレーナが墓参りしている。
オハイオ州から逃げ延びたアレクセイとメリーナたちが降り立った国家。ここの滑走路で出迎えたドレイコフやロシア軍によって、ナターシャとエレーナは、アレクセイたちとも引き離されてしまうこととなった。
アベンジャーズの内乱後に、ナターシャが潜伏先として渡ったヨーロッパの国家。
ナターシャは、この国で潜伏生活の準備をし始め、発電機のためのガソリンを買い求めて出かけたところにタスクマスターの襲撃を受け、相手の狙いがレッドダストだと分かると、ブダペストに向かう。
モロッコ北部の都市。ここでレッドダストを回収する任務を請け負ったエレーナは、オクサナを奇襲して致命傷を負わせるが、彼女によって洗脳を解かれ、ウィドウたちの解放を託される。
ハンガリーの首都。ナターシャはKGB時代に、ここでクリントと初めて出会って交戦・スカウトされ、S.H.I.E.L.D.の入隊試験としてドレイコフ父娘がいた5階建ビルを爆破した過去があった。この際、特殊部隊と撃ち合い、10日間プダペストに潜伏していたとも話している。
ナターシャとエレーナは隠れ家を出た後、この街を舞台にイングリッドたちやタスクマスターと追跡戦を展開した結果、地下鉄構内に追い込まれるも、「2日間クリントと隠れていた」という通気口に身を潜めてやり過ごすことに成功する[注釈 5]。
本作は当初2020年5月1日に日米同時公開の予定としており[11]、映画の制作や吹き替えなどの作業も同年3月の時点で既に完了していた[12]。しかし、新型コロナウイルスの影響により封切りが無期限の延期となり[13]、4月4日に新たに米国公開が11月6日と発表された[14]。しかし、 9月23日に米国公開が2021年5月7日へと再度延期され[15]、6日後には日本での公開も4月29日に延期された[16]。2021年3月23日、米国での公開が同年7月9日に延期となり、定額制動画配信サービスであるDisney+のプレミアアクセスでの同時配信になることを発表した[2]。
日本でも米国の発表を受けて、同じく2021年7月9日に延期になると共にDisney+プレミアアクセスでの同時公開になることを同年3月31日にウォルト・ディズニー・ジャパンから発表された[17]。その後、日本に関しては劇場公開を1日前倒しし、同年7月8日から公開することを同年5月20日に同社が発表した[1]。しかし、同年1月21日に全国興行生活衛生同業組合連合会(全興連)が「これまで通りの形式で劇場公開をしない作品については上映しない」という方針を出しており[18]、映画館やシネマコンプレックスは大作映画であるにもかかわらず上映を決めた少数に限られており、TOHOシネマズや松竹マルチプレックスシアターズ(MOVIX・ピカデリー)、ティ・ジョイ(東映子会社)といった大手配給会社が運営する劇場では上映されず、ユナイテッド・シネマや109シネマズ、イオンシネマ、コロナシネマワールド、その他独立系[注釈 7]などと小規模での公開になっている[20]。
なお、プレミアムアクセスでの視聴は、Disney+の会員費に加えて、29.99ドル(日本では3,278円(税込))が必要となる[2][21]。また、Disney+のプレミアアクセスではこれまで本作を含む4作品の映画[22]が配信されているが、これまでの映画作品は全てディズニー本体での制作であり、マーベル作品をプレミアムアクセスでも同時公開するのは本作が初めてとなる。
Disney+での配信や再延期を巡っては『ムーラン』と『ソウルフル・ワールド』(ピクサー・アニメーション・スタジオ制作)の劇場公開断念(配信スルー)を決定した2020年8月頃からファンの間で懸念されていたが[23][24]、ウォルト・ディズニー・カンパニー最高経営責任者(CEO)のボブ・チャペックは2021年3月9日に行われた株主総会で予定通りの劇場公開準備を進めていることを明らかにし、動画配信や再延期の可能性を否定していた[25][26]。そのため、2週間で大きな方針転換をせざるを得ない形となった[2]。
2021年7月12日に世界各地における本作のオープニング興収が明らかとなった。北米地域での興収は8000万ドル(日本円で約88億円)で、これは新型コロナウイルスが流行している時期に公開された映画としては最高額となる[27]。北米以外(海外)での興収は7880万ドル(日本円で約87億円)、世界興収は1億5880万ドル(日本円で約175億円)を記録した。また、ディズニーは米国内でのDisney+の配信におけるオープニング収入も併せて発表し、6000万ドル(日本円で約66億円)の収入があったことを明らかにした。また、プレミアアクセス対応作品において[22]、本作を除く3作品はDisney+でのオープニング収入を発表していないため、オープニング配信収入を公表するのは初めてのケースとなった[28]。
しかし、公開2週目の週末において、北米地域での興収がマーベル作品史上ワースト1位となる前週比67%ダウンの2625万ドルとなり、興収1位の座を早くも『スペース・プレイヤーズ』(ワーナー・ブラザース制作)に譲ることになった。これは違法サイト上において、海賊版が流布していることが原因とみられている[29]。
2021年9月22日、ウォルト・ディズニー・ジャパンは本作品を同年10月6日16時からDisney+の見放題作品として追加することを発表した[30]。
本作に主演したナターシャ役のスカーレット・ヨハンソンはDisney+での同時配信により、巨額の損失を被ったとして、ウォルト・ディズニー・カンパニーを相手取り、カリフォルニア州ロサンゼルス郡の上級裁判所に提訴したことを2021年7月29日に発表した。訴訟内容によると、ヨハンソンは本作のギャランティー(出演料)について、主に劇場での興行収入に比例する金額を受け取る契約を締結しており、動画配信サービスでも同日公開したことは契約違反に該当すると主張している。一方、ディズニーの広報担当者はDisney+プレミアアクセスによる配信でも追加の出演料が発生するため、契約違反にはあたらないと反論している[31][32][33]。
2021年9月30日、ヨハンソンはディズニーとの間で和解が成立したことを発表した。ヨハンソンは「今後も引き続きディズニーと仕事をするのを楽しみにしている」とのコメントを述べた。なお、和解の内容については公表されていない[34]。
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