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バレエの伴奏を目的として作曲された音楽 ウィキペディアから
バレエ音楽(バレエおんがく)は、バレエの伴奏を目的として作曲された音楽。もともとバレエのために作曲されたものだが、バレエ以外のダンスの伴奏になることや、それ自体が音楽作品として演奏会で演奏されることもある。
バレエの付随音楽は、専用の音楽を作曲家が作曲する場合と、既存の音楽を編曲するなりしてバレエとして用いる場合がある。現在でも後者の形式での上演は多く、時として録音音源を元に上演を行うことさえあるが、作曲家が一つのバレエ専用に作曲した音楽をオーケストラ伴奏によって演奏する形式のバレエは音楽目的を兼ねた鑑賞としても人気が高い。
既存の楽曲をバレエ用に転用、またはオリジナルがピアノ曲の場合はオーケストラに編曲して使用することもあるが、ごく一部の楽曲は現在でも一定の支持を得ている。
など。
またグランド・オペラと呼ばれるパリを中心としたオペラ上演の形態は、途中にバレエを挟むことが慣例とされ、その間は歌唱を伴わない器楽曲が演奏され、それを元にバレエの上演が行われた。こうした楽曲が現在では独立してレパートリーとなっているものもある。
また一部の作曲家はパリでのオペラ上演に際してグランド・オペラの形態に書き直しを求められ、過去の自作を転用したり、改めてバレエの部分のみ新たな楽曲を作曲することもあった。
バレエ音楽は原則として歌唱を伴わず、バレエ・ダンサーが歌うことはまず無い。ミヨーはバレエ音楽においてダンサーに簡単な歌を歌うことを求めたが、本番になってダンサーは歌を歌わず、トラブルになったことがある[1]。また、後ろで合唱などが歌詞を伴って歌うことも無い(ヴォカリーズに関しては下記参照)。しかし現代におけるオペラの演出として、本来バレエ音楽として意図されていない場面で舞台にバレエを取り入れながら歌手が歌うことは、稀にありえる。また、オペレッタはバレエ場面が挿入されるのはもとより、全体に舞踏場面が多いため、特に地方歌劇場でオペレッタ上演の多いドイツ圏では合唱団員などに踊りの基礎が要求されることが多く、ダグマール・コルラーらバレリーナから転じた歌手も存在する。
ラヴェルのバレエ作品『ダフニスとクロエ』は、歌詞を伴わない母音のヴォカリーズ合唱が取り入れられている。バルトークの「中国の不思議な役人」にもパントマイムではあるがヴォカリーズの合唱がある。
その他、18世紀のフランスで流行した、途中に本筋とは関係の無いバレエを挟む「オペラ・バレエ」と呼ばれる歌劇がある。19世紀には主流がロシアに移った。
など。
19世紀後半まで、バレエ音楽は音楽家にとってそれほど重要なジャンルとはみなされておらず、「芸術家」の仕事ではなくどちらかというと「職人」の仕事だとみなされていた。ベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」は、近年までその序曲のみが音楽史のレパートリーとして残り、他のバレエ付随音楽は長いこと忘れ去られてきた。ただし近年では全曲の復活上演も行われている。
アダンの1841年の作品『ジゼル』が近代バレエ音楽の幕開けと言われる。一部をブルグミュラーなど他の作曲家が補筆して嵩増ししているものの、一定の動機を劇全体に用いた音楽として現在でも音楽単体でも演奏される。
19世紀後半の、チャイコフスキーの3大バレエ(『白鳥の湖』、『眠れる森の美女』、『くるみ割り人形』)は現代でも最も人気のある作品群となっている。
20世紀初頭のパリでは、ディアギレフが率い、ニジンスキーを主役としたバレエ・リュス(ロシア・バレエ団)が近代音楽の幕開けの一端を担った。彼らはフランス人およびフランスで活躍する作曲家に次々と新作バレエ音楽を委嘱した。代表的なものは次の通りであり近代音楽の傑作と言える。
など。
しかし、これらをしのいで特に音楽史に決定的な影響を与えたのは、ストラヴィンスキーの「三大バレエ」と呼ばれる作品群であり、特に「春の祭典」はその初演が大混乱に陥ったことで有名である。
バレエ組曲は、バレエ音楽の中から作曲者が主要曲を抜粋し、場合によっては多少の手を加えて、演奏会用の組曲として編集したものである。ひとつの作品からいくつかの組曲を作る場合は「第1組曲」「第2組曲」などとする。
例えば、
生年順に並べている。
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