鳥栖ジャンクション
佐賀県鳥栖市にある九州自動車道と長崎自動車道・大分自動車道のジャンクション ウィキペディアから
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鳥栖ジャンクション(とすジャンクション)は、佐賀県鳥栖市にある九州自動車道と長崎自動車道、大分自動車道を接続するジャンクションである。
ここでは、ジャンクションに近接する長崎自動車道鳥栖インターチェンジ(とすインターチェンジ)についても説明する。
鳥栖ジャンクション | |
---|---|
所属路線 | E3 九州自動車道 |
IC番号 | 9 |
本線標識の表記 |
(下り線)分岐 JCT (上り線)鳥栖JCT |
起点からの距離 | 96.1 km(門司IC起点) |
◄基山PA (5.3 km) (3.1 km) 小郡鳥栖南SIC► | |
所属路線 | E34 長崎自動車道 |
IC番号 | 9 |
本線標識の表記 | 分岐 JCT |
起点からの距離 | 0.0 km(鳥栖JCT起点) |
(1.2 km) 鳥栖IC► | |
所属路線名 | E34 大分自動車道 |
IC番号 | 9 |
本線標識の表記 | 鳥栖JCT |
起点からの距離 | 0.0 km(鳥栖JCT起点) |
(3.3 km) 井上PA► | |
供用開始日 | 1975年3月13日 |
通行台数 | x台/日 |
所在地 |
〒841-0021 佐賀県鳥栖市永吉町・幡崎町 |
備考 | 鳥栖ICと一体構造 |
九州を南北に縦断する九州縦貫自動車道(九州自動車道)と、九州を東西に横断する九州横断自動車道長崎大分線(長崎自動車道・大分自動車道)が直交する場所に建設され、相互に接続するものである。九州の主要都市を結ぶ節点として重要な位置にあり、九州では最も交通量の多いジャンクションの一つである。1975年(昭和50年)に九州自動車道の延伸に伴い(実質的には鳥栖ICの施設の一部として)運用開始。1985年(昭和60年)の長崎自動車道(※当時九州横断道の鳥栖IC~佐賀大和IC)開通により、ジャンクションとしての本格運用が始まり、1987年(昭和62年)の大分自動車道開通により4枝交差のジャンクションとなった。
ジャンクションの形式として日本では珍しいクローバー型を採用していることが大きな特徴である。形式に起因する問題点から、2001年(平成13年)3月には、九州自動車道北九州方面から長崎自動車道へ直通するランプ(サガンクロス橋)の追加整備を行っている。
接続路線および設計速度は以下のとおり。
本ジャンクションは形式としてクローバー型を採用している。クローバー型は4枝の完全立体交差における基本形であり、左方分岐のランプと右方分岐のループランプが、対称形の美しい形状をなすのが特徴である。この形式は立体交差が1箇所で済むことから、構造物の建設コストが低いのが利点であり、アメリカ合衆国のハイウェイに多く見られる。その反面、用地を多く必要とすることから、土地に制約の多い日本では一般に採用には至らず、この形式を採用している高速道路のジャンクションは、ここと清武ジャンクション(東九州自動車道・宮崎自動車道)だけである[1](清武ジャンクションはループランプを一つ欠いたクローバー型である[2])。なお、高速道路のインターチェンジでは三重県亀山市の亀山インターチェンジ・東京都大田区にある首都高速道路の平和島出入口、一般道では千葉県浦安市の国道357号・県道242号交点などの例がある。
クローバー型を採用した本ジャンクションであったが、この形式には用地を多く必要とする以外にも問題点を含んでいた。
本ジャンクションでは織り込み交通への対応として、本線と独立した集散路を設けて合流・分流を集約する構造であるが、織り込み交通そのものの解消とはならない。この結果、交通量の増大とともに本ジャンクションの構造を原因とした、大規模な渋滞がしばしば見られるようになり、渋滞への対策が迫られるようになった。
鳥栖ジャンクションの弱点であるループランプのうち、とくに交通量の多い九州道門司方と長崎道を結ぶランプの混雑解消のため、新たに直結ランプが設けられた[4]。2001年(平成13年)3月に完成・供用開始[4]。橋梁部には『サガンクロス橋』の愛称が付けられている[4]。
新設直結路は、門司方から長崎方への片方向ランプで、緩い曲線でジャンクションをまたぐように設けられた[4]。従来のループランプの設計速度が時速40kmであったのに対し、新設直結路は時速80kmで設計され、幅員も2車線を確保して本線並みの走行性を与えた[4]。これにより、本ジャンクションの構造に起因する渋滞は緩和されることとなった[4]。
一方、門司方から長崎方へ向かう旧来のループランプもそのまま残されており、門司方から鳥栖インターチェンジへ向かう車両に利用されている。これは、新設直結路は長崎道の中央寄り車線に合流するため、長崎道の集散路と接続する鳥栖インターチェンジ出口には行くときは、新設直結路が利用できないためである。
もともとクローバー型ジャンクションは、本線からの分流箇所が複数あることから、車両の誤進入を起こしやすい構造である。これに加え、新設直結路が追加されたことでさらに分流方式が複雑となったため、以下のように路面に色を付けたペイントを施して、利用者の誤進入防止を図っている。
新設直結路のうち500メートルの区間は、本線およびランプの上空に架かる跨道橋(サガンクロス橋)である[4]。本橋は供用中の高速道路上空に架設することから、橋脚の設置位置に制約が大きい。さらに曲線橋であることなどを考慮し、上部工として鋼連続箱桁橋が選定された。鋼箱桁橋は、曲げ剛性・ねじり剛性がともに高く、支間の長い曲線橋に適した橋梁形式である。
また、6本の橋脚のうち3本は本線上空で橋桁を支えることから、門型の鋼製ラーメン橋脚が採用され、本線を跨ぐように設けられている。
サガンクロス橋の諸元は以下に示すとおりである[5]。
国道3号、国道34号と高速道路を接続する施設で、九州道南関IC - 鳥栖IC間開業に合わせ、1973年(昭和48年)に設置された。開通当初は九州道の施設として運用されてきたが、九州横断道[注釈 1]佐賀大和IC - 鳥栖IC開通により九州横断道(長崎道)の施設に編入され、インターチェンジ番号も「9」から「1」に変更された。
料金所は、東側(鳥栖JCT側)に接続する鳥栖第一料金所と西側(長崎側)に接続する鳥栖第二料金所がそれぞれ設けられており、両料金所の間はランプで接続されている。鳥栖ICの約500m北方(永吉交差点)で国道3号と国道34号が分岐していることから、両料金所と国道3号と国道34号のそれぞれ両方向に直接接続するランプウェイが設けられており(ただし鳥栖第一料金所→国道3号福岡方面、鳥栖第二料金所→国道3号、国道34号福岡方面→鳥栖第一・第二料金所に接続するランプはない[6])、料金所の外側(無料部分)でも合流と分岐の折り込みが発生するなど、インターチェンジ単体でもやや複雑な構造となっているが、高速道路本線からランプウェイへの分岐は東側、西側のいずれも1か所に整理されている。
九州第一の都市である福岡市から比較的近く、加えて鉄道網を含めた九州の陸上交通の要衝に立地することもあり、インターチェンジ周辺を含めた鳥栖市には新聞社の印刷工場をはじめとする各種物流拠点や工場等が立地する(後述)。通信販売大手のアマゾンジャパンが2012年に鳥栖市に物流拠点を開設するにあたって、同社のジェフ・ハヤシダ社長は鳥栖市が「福岡に近く高速道路など交通網の利便性に優れていること」を立地選定の理由の一つに掲げている[7]。
ブース数:9
鳥栖市の東北、鳥栖市と三養基郡基山町、福岡県小郡市の市町境に近い場所に立地しており、ジャンクションのランプの一部は基山町域や小郡市域にかかる。小郡市の中心市街地は大分道筑後小郡ICよりもむしろ鳥栖JCTの方が近く(筑後小郡ICは小郡市の東端、大刀洗町との市町境に立地)、鳥栖IC経由で小郡市に向かう車もある。
周辺には物流関係や工場群が多く立地するほか、市街地化も進展しつつある。
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