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物理量を計測するために用いる機器 ウィキペディアから
計測機器の一覧(けいそくききのいちらん)は、科学者がそれぞれの物理量に対して用いる計測機器のリストである。物理学・品質保証や工学においては、計測は実世界の物体や事象に対して物理量を得て比較するための活動である。確立された基準が単位として使われ、計測によって調査している項目について参照すべき単位による数値が得られる。計測機器や定義づけられた正式な計測機器の使用方法はによってこの値が得られる。
すべての計測機器は様々な程度の不確かさを持つ。物差しやストップウォッチのような単純な装置から電子顕微鏡・粒子加速器に至るまで機器の範囲は広く、最新の計測器の開発には仮想計測器も広く利用されている。
かつて、時間を計測する一般的な装置は日時計であったが、今日では時計や腕時計が広く使われる。極めて高い精度が求められる場面では原子時計が利用されてきており、日本人によって開発された光格子時計はさらに高い精度を実現している[1]。 また、スポーツにおける計測ではストップウォッチも使われる。
エネルギーを計測する機器にはいくつかあり、以下は一例である。
ガスメーターは、消費されたガスの量を計測する機器である。ガスの単位体積当たりの燃焼エネルギーをかけることでエネルギーの単位に変換できる。
長さの比較を参照
固体の密度が分かっていれば、重さを量れば体積が計算できる。 値の比較は体積の比較を参照。
ここには古典力学や連続体力学における基本的な量を含むが、温度に関するものは除く。
値の比較は速さの比較を参照。
値の比較は質量の比較を参照。
値の比較は圧力の比較を参照。
電荷に関して考慮すべき事項は、電気や電子工学を扱うにあたって不可欠である。電荷が静止していれば、電荷は場を通じて相互作用し、この場を電場と呼ぶ。電荷が動いていれば、特に電気的に中性の媒体を移動しているとき、その場は電磁場と呼ばれる。
電気は電位を与えることができ、電荷という物質的な性質を持つ。初等電気力学において、古典電磁気学の共変定式によって電気エネルギーは電荷に電位をかけて計算する。
値の比較については磁場の比較を参照。
温度に関連する事項が熱力学を支配しており、温度に直結する熱ポテンシャルと、物質的な量であるエントロピーの2つに分けられる。
熱力学におけるエネルギーは、熱ポテンシャルとポテンシャル中に見つかるエントロピーをかけて計算できる。エントロピーは生成することはできても、消滅することはない。
化学において導入された物質量で、通常は間接的に導出される。試料の質量と組成している物質の種類が分かれば、周期表から得た原子量や分子量もしくは質量分析で直接測定した質量数と、モル質量を用いて物質量が導出できる。
値の範囲については温度の比較を参照。
化学反応で生じたエントロピーによって運ばれたエネルギーを計測するとき、カロリメータは受動的に機能していると表現される。逆に、試料を加熱しながら計測することで試料を満たすエントロピー量を計測する場合は、能動的なカロリメータと表現される。
エントロピーはエネルギーと温度の計測から間接的に得られる。
相転移熱量計のエネルギー値を絶対温度で割ると、交換されたエントロピー量が求められる。相転移ではエントロピーが変化しないことがこの計測方法に生かされており、エントロピーを生成せずに、設定された温度でのエネルギーを計測することで間接的なエントロピー値が得られる。
試料を液体ヘリウムに沈めるなどして絶対零度付近にまで冷却することで、熱力学第三法則により試料のエントロピー量は0とみなすことができる。そのあと2つの能動的カロリメータを用いて目的の温度になるまでエントロピーを満たしていく。
熱を持たないキャリアから、キャリアとして熱を伝達する行為はエントロピーを生成する。ベンジャミン・トンプソンによる摩擦の研究がこれを示している。生成されたエントロピーと熱のどちらかが計測されるか、熱を持たないキャリアに移動したエネルギーが計測される。エネルギーを失うことなく温度を下げることも、エントロピーを生成する。
特定の試料に対して、熱によって運ばれるエネルギーや温度変化を示す定数。試料が気体なら、この係数は一定の圧力や気圧で測定されることに大きく依存する。熱分析も参照。
物質の体積、質量、物質量などで割ったエネルギーの温度係数。通常、複数の測定値から計算されるか、単位量を計測することで直接得られる。値の範囲は比熱容量の比較参照。
これには、物質の巨視的特性を計測する装置が含まれる。たとえば物性物理学の固体物理学分野や、液体の粘弾性、さらには液体・気体・プラズマ、超臨界流体などの流体力学も含まれる。
このような計測によって分子双極子の測定もできる。
物質の状態変化、化学反応や原子核反応による反応物から生成物の変化、膜を通じた拡散といった相変化では全体でのエネルギーバランスが成り立つ。特に定圧・等温下ではモルエネルギーバランスは物質ポテンシャル・化学ポテンシャル・ギブズエネルギーを定義し、閉鎖系でそのプロセスが可能かの情報を提供する。
エントロピーを含むエネルギーバランスは、物質のエントロピー変化を説明するバランスと、反応自体によって解放・取得されるエネルギー・ギブスエネルギー変化を説明するためのバランスの2つに分けられる。 反応エネルギーとエントロピー変化に関するエネルギーの合計をエンタルピーと呼ぶ。多くの場合、エンタルピー全体がエントロピーで運ばれるため、カロリメーターで測定できる。
化学反応における標準状態では、モルエネルギーと選択したゼロ点でのモルギブズエネルギーのいずれかが現れる。または、選択したゼロ点でのモルエネルギーかモルエンタルピーのいずれかが表れる。生成熱と標準モルエントロピーも参照。 酸化還元反応による物質電位は二次電池セルを用いて電気化学的に決定される。
他の値は、相図の分析や熱力学に間接的に計測できる。
分光法も参照。
一般的にマイクロフォンは、音響ミラーによる反射と集音で感度が上昇する。
放射される光の総量を計測する。
電離放射線には粒子の放射線と波の放射線がある。X線やガンマ線は原子から電子を単一の非熱的プロセスで電離させるエネルギーを持つ。
これには、化学物質やあらゆる種の光線、素粒子や準粒子が含まれる。多くの計測機器がこの節以外にも列挙されている。 分析化学、材料分析法の一覧も参照。
測光とは人間の目に知覚される明るさに対する計測で、測光量は人間の目の分光感度の特性で重みづけされた比視感度の関数から導かれる各波長の放射総量を全積分した量である。
合成開口レーダー(SAR)はレーダー電波の強度とレーダー反射断面積(RCS)を計測する。RCSは人間の目には見えない長波長帯における、撮像対象の反射率と水分量の関数である。 レーダー画像において、黒いピクセルは販社のない領域(水面など)を意味し、白いピクセルは反射率の高いところ(都市部など)を示す。さらに、電波の偏光を表すための3種類のグレースケール画像を組み合わせることでカラー画像として扱うこともある。こうしたカラー画像におけるRGBは、Rを電波の水平方向の送受信であるHH画像、Gを電波の水平方向の送信と垂直方向の受信であるHV画像、Bを電波の垂直方向の送受信であるVV画像に割り当てて作る。 こうした装置の較正はレーダーでの明るさが既知の物体を用いて行う。
放射温度計も参照。
血液に関する計測値は、血液検査の結果として記載されている。
測量機器参照。
天体観測#観測機材も参照。
望遠鏡や航海航法の装置などといった一部の計測機器は、軍事装備として数世紀の間使われている。しかし19世紀半ばころから現在に至るまでの応用科学の発達による技術発展により、軍事装備への計測技術の応用は急速に進んできた。 軍用機器の分類としては、本記事における#航法と測量、#天文学や光学・撮像、移動物体の力学などをはじめ、ほとんどの分野に渡る。
軍事機器全体にわたる解決課題として、遠くや暗闇の中を見通すこと・物体の現在位置を知ること・移動物体の経路・方向を制御することなどが挙げられる。 こうした機器は特に、使いやすさ・速さ・信頼性工学・正確度と精度が要求される。
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