自治寮(じちりょう)とは寮生自らが管理運営に関与している学生寮のことである。自治寮には必ず学生自治組織(以下、寮自治会)が存在する。一方、寮生以外の第三者、例えば学校が全面的に管理運営している学生寮を管理寮(かんりりょう)と言う。
自治寮では寮生自らが寮の管理運営に関与している。
自治をする理由としては、以下がある[1] [2]。
- 「どうすれば居住者の利便性を向上させられるか」という問題は、実際に寮に居住している寮生のほうが、居住していない学校よりもよく認識できる。ゆえに寮生が寮の管理と運営に関与できたほうが、サービスを細かい所にまで充実させられる。(寮生側)
- 学生寮には経済困窮学生の福利厚生施設の側面もあるが、将来、経済論理で動きがちな学校側が福利厚生の縮減(家賃の値上げなど)をしようとするかもしれない。そのときに備えて、寮生を守る防波堤的な互助組織――寮自治会を組織しておきたい。(寮生側)
- 自分たちのことは自分たちでやりたい。学校側の言いなりになりたくない。(寮生側)
- 自治寮の教育的効果に期待したい。(学校側)
- 寮にかかる経費や労力を削減したい。(学校側)
- 寮内のトラブルは、寮生に解決してもらいたい。(学校側)
- 寮生に求められた。(学校側)
一方で、自治寮はなくなることもある。自治をやめる(やめさせる)理由としては以下がある。
- 自治への寮生の協力が得られない。(寮生側)
- 学校に求められた。(寮生側)
- 寮生による管理運営に不満がある。(学校側)
- 学校側が目を光らせていないと、過激派が入り込むかもしれない。(学校側)
- (主に経済的事情で)学生寮自体を廃止することになった。(学校側)
近年、自治寮は全国的に数を減らしつつある。大学周辺の住宅事情が改善し学生寮を設置する必然性が薄れてきたこと、共同生活を嫌う風潮が強まったこと、自治寮は過激派の温床であるという固定観念、施設老朽化と建替に係る費用負担者問題などが原因とみられる。
私立大学の寮
- 早稲田大学田無学生寮(管理寮化[6])
- 早稲田大学YMCA信愛学舎
- 慶應義塾大学日吉寄宿舎
- 創価大学友光寮
- 創価大学滝山寮
- 創価大学宝友寮
- 創価大学創春寮
- 創価大学白萩寮
- 創価大学桜香寮
- 創価大学朝霧寮
- 創価大学香峯寮
- 創価大学陽光寮
- 国際基督教大学学生寮
- 法政大学府中寮(2010年廃寮)
- 日本体育大学第一学生寮
- 日本福祉大学勢和寮
- 日本女子大学泉山寮
- 日本女子大学潜心寮
- 日本女子大学楓寮(2019年廃寮予定)
- 同志社大学松蔭寮
- 同志社大学大成寮
- 同志社大学此春寮
- 同志社大学壮図寮
- 同志社大学暁夕寮
- 同志社大学松蔭寮
- 関西学院大学啓明寮
- 関西学院大学静修寮
- 関西学院大学成全寮
- 関西学院大学清風寮
- 関西学院大学聖和寮
- 福岡大学自修寮
- 酪農学園大学 創世寮(2015年 北光寮との合併により管理寮化)
- 酪農学園大学 北光寮(2015年創世寮と合併)
県人寮その他
- 青森県学生寮
- 青森県の県人寮。東京都小平市。
- 米沢有為会東京興譲館寮
- 山形県置賜地方の県人寮。東京都調布市。
- 米沢有為会仙台興譲館寮
- 山形県置賜地方の県人寮。宮城県仙台市。
- 信州学生協会信濃寮
- 長野県の県人寮。東京都小金井市。
- 学生寮長善館
- 長野県の県人寮。東京都調布市。
- 学生寮上毛学舎
- 群馬県の県人寮。東京都世田谷区。
- 岐阜県学寮
- 岐阜県の県人寮。東京都文京区。
- 富山県学生寮
- 富山県の県人寮。東京都府中市。
- 高岡市萩布学生寮
- 富山県高岡市の県人寮。東京都小金井市。
- 輔仁会明倫学舎
- 福井県の県人寮。東京都武蔵野市。
- 水戸育英会学生寮(水戸塾)
- 茨城県の県人寮。東京都世田谷区。
- 三河郷友会学生会館(三河寮)
- 愛知県の県人寮。東京都文京区。
- 愛知県育英会愛知学生会館
- 愛知県の県人寮。東京都文京区。
- 湖国寮
- 滋賀県の県人寮。東京都武蔵野市。
- 奈良県奨学会養徳学舎
- 奈良県の県人寮。東京都文京区。
- 香川育英会東京学生寮
- 香川県の県人寮。東京都港区。
- 東予学舎
- 愛媛県出身者のための県人寮。東京都調布市。
- 東京土佐寮
- 高知県の県人寮。東京都三鷹市。
- 久敬社塾
- 佐賀県の県人寮。東京都小金井市。
- 岩崎育英奨学会岩崎学生寮
- 山手学舎
- 和敬塾