有楽町センタービル
東京都千代田区の商業施設 ウィキペディアから
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有楽町センタービル(ゆうらくちょうセンタービル)は、有楽町駅、銀座駅にほど近い東京都千代田区有楽町二丁目に所在する複合商業施設である。愛称は「有楽町マリオン (Yurakucho Mullion) 」。
かつてこの敷地には南町奉行所があったとされる。旧・朝日新聞東京本社、旧・日本劇場(日劇)、旧・丸の内ピカデリーがあったため、朝日新聞社、東宝、松竹が所有権を持っていた。3社が共同出資して設立した有楽町センタービル管理株式会社が管理している。
愛称の「マリオン (mullion) 」は、英語で建築用語の方立(ほうだて)を意味し、ガラス窓を縦に仕切る建具を指す。巨大なガラス建築を縦に2分割した構造から名付けられた[3]。
当初の計画では、西武百貨店(出店当時は別会社の株式会社有楽町西武)が全館を借り、堤清二が悲願としていた東京都心でのフルライン都市型百貨店を展開する予定だったが、阪急東宝グループ(現・阪急阪神東宝グループ)の一員で、数寄屋橋阪急(現:東急プラザ銀座)を出店していた阪急百貨店が対抗して出店を決めたため、百貨店2館が併存してテナントになるという形となった。そうして1984年10月6日、有楽町西武と有楽町阪急[注釈 1]を核店舗として有楽町マリオンがオープンした。
しかしバブル景気の崩壊後には、セゾングループ解体を経て株式会社そごう・西武へ移行した翌年の2010年12月25日に有楽町西武が閉店。区画所有者である朝日新聞と松竹の選考を経て、跡地にJR東日本系のファッションビル「ルミネ有楽町」が2011年10月28日に開業した[4]。ルミネとしては初の駅ビル以外への出店となる。また、ルミネ開業に合わせて有楽町阪急もリニューアルされ、大人の男性を対象とした「阪急メンズ東京 (Hankyu MEN'S TOKYO) 」として2011年10月15日にオープンした。
開館当初は映画館も入居しており、TOHOシネマズ日劇、丸の内ピカデリー、丸の内ルーブルの3サイト全7スクリーン、そのいずれもが横幅13m以上のスクリーンと450以上の客席を有するロードショー館であった。合計の座席数は4,534席(2014年当時)に及び、同一施設内に入居する映画館の総座席数としては開館から約34年にわたり日本最多を誇っていた。東京メトロの駅案内板などでは総称として「マリオン映画街 (Mullion Movie Theaters) 」という呼称が使われており、一部の旅行案内ウェブサイトでは「プレミアムシネコン」という表現も用いられていた。
しかしながら、2014年に丸の内ルーブル、2018年2月4日にTOHOシネマズ日劇[5]が閉館し、日本一の座席数の座は「TOHOシネマズ日比谷」に譲ることとなった(13スクリーン2830席、隣接するシャンテを含めて16スクリーン3448席)。
以降は既存の有楽町朝日ホールのほか、ルーブル跡のスタジオアルタ・オルタナティブシアター(2022年12月1日から「I'M A SHOW(アイマショウ)」に名称変更[6])、日劇跡のヒューリックホール東京およびコニカミノルタプラネタリアTOKYO、丸の内ピカデリーに新設されたドルビーシネマ館「丸の内ピカデリー ドルビーシネマ」を含む、5施設約4,000席からなるエンターテインメントゾーンとして順次刷新されている。
施設壁面の設備として「マリオン・クロック」と名付けられたからくり時計が設置されている。形状は懐中時計。1984年10月の開業に併せて数寄屋橋側のファサード中央部に設置されたもので、時計の下は「ハッピーな待ち合わせの場[11]」の異名を持つ。
左右に並ぶ映画館や朝日ホールのポスターとともに、40年近くに渡りマリオン周辺の顔となっている。
(以下、出典:朝日新聞 1988年10月9日 朝刊 13頁 夕刊経済特集面)
設計:乃村工藝社
制作:服部セイコー(現:セイコータイムクリエーション)
制作費:8000万円
当地の時計が人気となったことで、国内における設備型からくり時計の普及が一気に広まったとされる。
これもあって、同様のからくり時計は1988年末までに国内で100ヶ所近くの設置に至った。(服部セイコー単体では88年までに41台を納入している[12])
なかでも、多くの店舗に時計を設けた「百貨店そごう」「GMSジャスコ」をはじめ、地域の商店街や金融機関は「客寄せ」や「イメージアップ」を目的に、逆に自治体は「街の顔」として公共施設に設置する事例が相次いだという。
有楽町から始まった「からくり時計ブーム」は80年代後半に入っても続き、1987年11月には一般家庭用の小型からくり時計(5万円程度)をシチズンが量産するなど、国内の時計産業にも影響を与えた。
1988年当時、一般的な形態の掛け時計は月に1千個が行き渡っていたところ「家庭用からくり時計」に限っては倍以上の月2 - 4千個ほどが流通していたという。
10時から22時(午後10時)までの12時間、毎正時に直径2.6mの時計盤が上昇して約4分半弱の間からくり演出を行う[要出典]。
装置は圧縮空気を用いて動かしている。人形の身長は約50cm[要出典]。
2014年10月、開業30周年の記念企画として演出音楽を「松任谷由実」のAnniversaryに差し替えたほか、記念イベントも開かれている[11]。
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