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明治大学農学部(めいじだいがくのうがくぶ、英称:School of Agriculture)は、明治大学が設置する農学部。明治大学大学院農学研究科(めいじだいがくだいがくいんのうがくけんきゅうか)は、明治大学が設置する大学院農学研究科。
キャンパスは、明治大学生田キャンパス。
明治大学農学部は、1946年設立の「明治農業専門学校」を起源とする。
1949年の新制大学の発足と同時に明治大学農学部は誕生し、農学科と農業経済学科の2学科でスタートした。1953年には農産製造学科を設置し、さらに2000年、生命科学科を新設して4学科体制となった。
2023年現在、明治大学農学部は、農学科、食料環境政策学科、農芸化学科、生命科学科の4学科で構成される。
農学科では、生産現場での技術的な合理性や可能性、人間を含む生物の生存環境について学ぶ。
食料環境政策学科では、産業や生活、地域として農業を学び、実際の生産・流通・消費の仕組みをグローバルかつローカルな視点で研究する。
農芸化学科では、農畜産物の機能や有用性を分析し、化学的な知識から食や栄養、生産環境を研究する。
生命科学科では、動植物、微生物の生命としての可能性を学び、研究する。
明治大学農学部は地球的な食料・環境問題を解決できるリーダーの養成を目指している。その為、明治大学農学部は4学科を互いに関連付けたカリキュラムで編成し、学生たちは専門分野以外についても学部内で自由に学べるようにしている。
明治大学農学部は経済産業省の支援による拠点整備事業として、食料の安定的供給と農業の産業化を実現する「植物工場」に関する研究開発・人材育成の全国8大拠点の一つとされている。
また、明治大学農学部は国際連合食糧農業機関(国連の承認を受けて,世界の食糧生産・農林水産業に関する情報と討議の場の提供や,各種提言と開発援助を行う機関)と協定を結んでおり、次世代農場モデルを世界に発信し国際協力に向けた研究開発が進められている。
生田キャンパスや明治大学黒川農場では、先端技術を駆使した栽培システムや、有機農法をはじめとする環境保全型システムを整備。地域や企業と大学の産学連携による多目的な都市型農場を目指し研究が行われている[1]。
2012年に、環境・自然・地域との共生をコンセプトとして、神奈川県川崎市黒川地区に開設。農場内の本館、アカデミー棟など主要建築物はアイ・エヌ・エー新建築研究所が設計。総事業費数十億円の先端技術を有する「アグリエコファーム」であり、里山、ビオトープ、バイオマスエネルギー循環システム、雨水利用システム、風力発電等の未来型エコシステムを完備し幅広い実習教育や研究開発が可能となっている。植物工場的先端技術を駆使した生産システムや、有機農法をベースとした環境保全型生産システムなどを併せ持つ農場であり、世界に向けた次世代農場モデルの発信、国際協力を企図する[2][3]。
明治大学のサテライトキャンパスであると同時に、黒川地区が位置付けられている農業公園構想の中核的存在となっている。多摩ニュータウンなどの市街地に近いものの、斜面の雑木林の緑と水田、畑、小川が織りなすモザイク状の景色が美しい里山が保存されている。農場内の自然生態園は、元々現地に生息していた動植物の生態環境が保存されており、雑木林や小川、草地など、丘陵地の自然をコンパクトに理解できる形態になっている。丘陵地特有の植物である、キンラン、タマノカンアオイ、ノハナショウブ、水生生物のカワモズクなどの絶滅危惧種が生息している。
日本の大学で初めて国際連合食糧農業機関(FAO、国連の承認を受けて,世界の食糧生産・農林水産業に関する情報と討議の場の提供や,各種提言と開発援助を行う機関)と協定を締結。次世代農場モデルを世界に発信し国際協力に向けた研究開発が進められている。
明治大学黒川農場では、先端技術を駆使した栽培システムや、有機農法をはじめとする環境保全型システムを整備。地域や企業と大学の産学連携による多目的な都市型農場を目指し研究が行われている。 ICTやAIの活用による省力化、新農法の研究開発などにより、農業をとりまく事業全体を経営、プロデュースする人材の育成を企図する。
農業の産業化及び、食料の安定的供給に向けた「植物工場」の普及拡大を図るべく、研究開発・技術普及及び人材育成拠点の整備事業として開設。日本の植物工場に関する研究開発・人材育成の全国8大拠点の一つとして研究開発を推進する。
MUIIBR (Meiji University International Institute for Bio-Resource Research)
次世代の医療技術開発に貢献する生物資源の創出・維持・活用を行うことを目的として、明治大学を中心とした国内外の大学・研究機関・企業等のネットワークによって構築された国際研究組織。
農学、特に Animal Biotechnology を基盤として、人類の健康に直結する重要課題に取り組み、ヒトとの様々な類似性を持ったブタをプラットフォームとしたトランスレーショナルリサーチにより、未来の医療を実現化する研究開発を推進。発生工学・動物資源プロジェクト、臓器再生・臓器移植プロジェクトなどが進行中である。
卒業後の進路は、食品、製薬、化粧品などを始めとする製造業や、情報通信、金融、商社、建設業界等々多岐に亘る。また、国家公務員試験総合職試験を経て、農林水産省、環境省などにキャリア採用で入省する者なども毎年一定数いる。農業、林業に進む者は1~2%程度にとどまる。
日本ワインに革命を起こすとしてワイン開発に邁進し、「日本ワイナリーアワード」や「日本ワインコンクール」などの各賞を受賞してきた、明大農学部OBで「小布施ワイナリー」オーナーの曽我彰彦や、「ボー・ペイサージュ」オーナーの岡本英史らの奮闘の様子が、「ウスケボーイズ 日本ワインの革命児たち」として小説化され、2009年小学館ノンフィクション大賞を受賞。更に2018年に映画化された際には、マドリード国際映画祭最優秀外国語映画作品賞と最優秀外国語映画主演男優賞を受賞した。
乾燥熟成肉の普及、市場拡大に向けて、農学部教授の村上周一郎が熟成に適したカビの胞子を付けて、有毒なカビや腐敗・食中毒菌の侵入を防ぎつつ熟成を進められる「エイジングシート」を開発[4]。著名飲食チェーン、有名ホテル・レストランなどで導入が進められると共に、一般ユーザ向けの商品も提供開始された。熟成肉専門店を運営するフードイズム社と共同開発したエイジングシートは、ヘリコスティラム属の菌を[5]、村上と協力したミートエポック社はケカビを[6]利用する。
モッツァレラチーズ、カマンベールチーズ、チェダーチーズなどに代表されるナチュラルチーズに於いて、日本国内の製造の先駆けでとなったアトリエ・ド・フロマージュは、創業者が明大農学部の聴講生となって応用微生物をはじめとする食品化学を学び、開発、商品化に至らしめたものである。
農学部が設置されている明治大学生田キャンパス内に、明治大学馬術部の馬場が設置されていることなどもあり、馬術部の選手は農学部生の割合が比較的高く、多くのオリンピアンの農学部OBが存在する。
国民栄誉賞受賞の冒険家植村直己を始め、山岳部関係者の農学部OBも多く、生田キャンパス内には植村の記念碑が設置されている。また、植村の半生を描いた映画「植村直己物語」では明大農学部の後輩にあたる西田敏行が主演の植村役を務めた。
2023年までの直近10年で日本学生選手権水泳競技大会6回の優勝を誇り、歴代のオリンピックをはじめ数々の国際大会に選手を送り出してきた水泳部は、生田キャンパス内の合宿所併設の屋外プール(50m)を本拠とし、創部当初より小笠原流宗家を師範とし、過去71回の全日本学生弓道選手権大会で10度の優勝を誇る弓道部も生田キャンパス内に弓道場を設置しており、部長以下、幹部陣をはじめ農学部関係者の比率が高い。